転職経験者に学ぶ!職種別転職体験談

職場の働きやすさを作っていくのは働いている人達自身なんだなと学びました。

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Sさん / 30歳 / 男性 / 東京都
転職前:老人保健施設の介護福祉士/年収400万円
転職後:特別養護老人ホームの介護福祉士/年収450万円

転職成功

-転職前の企業での業務内容を詳しく教えてください。
老人保健施設葵の園はご自宅で生活が困難な方を平均3ヶ月程でリハビリを行い在宅復帰を目指す施設です。施設では介護士として入職しました。
介護士の主な業務内容は基本的には特別養護老人ホームと同じ様に食事、排泄、入浴等の生活援助になります。
リハビリに関してはPT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)が在籍しているので、その職員が行います。
介護士はヘルプとして手伝うことはありますが、主に平行棒を使用した歩行訓練やフロアー内を歩行介助にて歩いてもらったりが多かったです。
後は体操やレクリエーションをADL(日常生活動作)の維持や認知症の予防、進行を遅らせる目的として行います。
特別養護老人ホームとの違いを感じたのは、ご利用者様は入所されていますが、早い方で3ヶ月で退所してしまうので、ご利用者様の入れ替わりが激しいです。
わかり始めてきたところで退所してしまい、翌日には新しい人が入所してくることもあるので、中々ご利用者様の情報を覚えるのが大変でした。
また入所、退所対応というのも始めて行い、荷物の点検をしたり部屋の準備をしたり、ご利用者様が入所してきたらADL(日常生活動作)はどれくらいなのか?排泄はオムツなのかトイレ誘導なのか?穏やかな人なのか?気難しい人なのか?等々、慣れるまでバタバタしてしまい大変でしたが、良い経験になりました。

夜勤に関しては、特別養護老人ホームではNSが常駐しておらず、何かあればオンコールをするという形でしたが、老人保健施設ではNSが常駐しております。
ご利用者様に何かあった時でもNSが常にいてくれると、とても助かりました。
また葵の園では看取りケアを行なっておらず、ご利用者様に急変があった場合、救急車を呼んで救急搬送をしてもらわなければいけません。
その時には介護士が同乗して病院までついていきます。
-転職を考えたきっかけを教えてください。
転職前の施設では副主任を務めさせて頂いておりました。
当時、私の担当していたフロアーは主任がおらず、代わりに2人の副主任と他フロアーに統括主任がいるという形でした。
私の中でも副主任は初めての経験だったので、フロアーを変えていきたいという気持ちが強く、統括主任にその都度話をしていましたが、中々ききいれてもらえず。
連携がとれていない状態でした。その中でも人手不足という事もあり、サービス残業を強いられたりとの事があって統括主任とのいざこざもありました。
それと同時に私事ではありますが、当時同じ施設内にお付き合いをしている女性職員がおり、二人の関係性の事で陰で悪口を言われたり、シフトを使って嫌がらせをしてきたりする様になりました。周りの同僚達に迷惑になるのと、個人的にここでこのままやっていくのは無理があると感じ、転職を検討しました。
-この業務だけはもっと続けたかったという業務があれば教えてください。
業務ではありませんが、人間関係で言えば、統括主任とのいざこざやお付き合いしている女性関係での事がなければ、同僚とはとても仲が良く、プライベートでも頻回に遊んだり、飲み会をやっていたりと人間関係は良好でしたので、現場での仕事もやりやすかったです。
今思えば、人間関係で言えば、今までの施設の中で一番良好であったと思うので、そのまま良い状態で仕事を続けていきたかったと思いました。
-転職活動はどのように行いましたか?
前回お世話になったニッソーネットや他の転職エージェント(介護ワーカー)を併用して探しました。
もう一度、老人保健施設で働きたいという気持ちもあったのですが、給料面では特別養護老人ホームの方が高いとの事を教えて頂きまして、最終的に介護ワーカーから紹介して頂いた現在の施設が一番給料が高かったので、入社を決めました。
-転職後の会社に入社を決めた理由を教えてください。
給料面では転職前の施設の年収を超えていましたし、交通の便も以前の施設よりは遠くなりますが、20分圏内でした。
施設を見学させて頂いて、とても雰囲気が良かったというのもあります。
また転職前の施設での事で少し疲れてしまった部分もあり、現施設は年間休日の多さと入居者様数が全体的にあまり多くない所も決め手になりました。
-転職後の会社での業務内容を詳しく教えてください。
転職後の特別養護老人ホームはご自宅では生活が困難な方が御利用されている施設です。私は介護福祉士として入社致しました。
ご利用者様は施設に入所(住まわれている)しているので、主な業務内容としましては、食事、排泄、入浴等の生活援助になります。
施設は3階建てになっており、1階はほぼほぼ自立されているご利用者様がいらっしゃるフロアー、2階は認知棟と呼ばれ、認知症があったり、介護度が高く、全介助が必要な方々が生活されているフロアー、3階は一般棟と呼ばれ、軽度の認知症の方、一部介助が必要な方々が生活されておりました。
私は3階の一般棟に配属しています。
一般棟では、 コミュニケーションも比較的に取れる方が多いので、ご利用者様とお話しをしながら介助をする事ができ、とても介助しやすい方々ばかりです。
その分、ご自身のペースで生活されている方が多いので、そちらに配慮をしつつ接していく様な形になります。
業務の流れとしては、朝はまず水分を飲んで頂きます。聖愛園では牛乳を提供しており。ご利用者様の中には糖尿病の方もいらっしゃいますので、その様な方にはお茶を飲んで頂いております。
また嚥下不良等で誤嚥性肺炎の危険がある方にはトロミを使用しています。
朝食後はオムツ交換を行います。この時間では全員オムツカバーを新しい物に交換する事と微温湯(人肌くらいの温度のお湯)に専用の洗浄液を混ぜたもので陰部の洗浄を行なっています。洗浄をする事で肌トラブルを予防し、結果的には褥瘡につながらない様にしています。
またこの時間では排便がでていないご利用者様に対して、NSの指示のもと、座薬型の下剤を挿肛しています。
排便がでないと熱がでたり、詰まってしまい、最悪、腸閉塞を起こしてしまいますので、介護とNSが連携し排便のコントロールをかかさないようにしています。
オムツ交換後は中間の水分を飲んで頂きます。この時間ではオレンジジュースやポカリスエットなど甘い物が出る事が多いですが、糖尿病の方には朝と同じ様にお茶を提供しています。
その後は昼食まで休んで頂いたり、ご自身のペースで過ごして頂いた後、昼食のお時間になります。
昼食は7割の方がご自身で召し上がっておりまして、介助が必要な方のみ職員がついて介助を行います。
ゆっくりと介助しておりますが、痰がらみやムセこみがあった場合は無理せず途中でやめてしまう時もあります。
ご自身で痰を出す事ができ、落ち着けば良いのですが、続く場合はNSへ報告し、吸引機で痰を吸引してもらい様子をみたりする事もあります。
昼食後はオムツ交換やトイレに行きたい方の誘導を行います。
それから少し休んで頂いた後、おやつの時間となります。
おやつはその日その日で和菓子から洋菓子まで色々な物を提供しています。おやつに関しても、誤嚥の危険性がある方は、ペースト状になっています。
おやつ後はトイレの誘導を行い、夕食まで休んで頂きます。ここまでが日中のおおまかな流れになります。

夜間はご利用者様が安心安全に眠れるよう見守り対応となります。聖愛園は看取りケアを行なっていませんので、急変があれば、救急搬送という形になります。
老人保健施設の様にNSは常駐していませんので、何かあれば、師長に電話し、指示を仰ぐという形になります。
NSがいない不安はありますが、急変時の対応などは良い経験になり、やって良かったと思っています。
以前にいた施設と業務内容はあまり変わらないところが多かったのですが、施設が変わると、ご利用者様の雰囲気も違いますので、新鮮に仕事ができています。
-入社前のイメージと違っていたところはどんなところですか?
特別養護老人ホームにしては思っていたより、ご利用者様のADL(日常生活動作)が全体的に高いことにびっくりしました。

業務形態に関しては、施設自体が古いので、勝手なイメージでサービス残業などがあるのかと思っていましたが、今の所残業代はしっかり払って頂いています。
ですが、やはり人手不足という事もあり、思っていたより残業は多かったです。
-仕事の難しさ、辛さを感じた点はありますか?またそれはどのように克服しましたか?
現在私は排泄委員会に属しているのですが、基本的にはご利用者様が排泄に関して、不快な思いをされないように取り組んでいます。
私が入社した当初は人手不足もあり、大きめのパットを使用し、オムツ交換の回数を減らし、職員の負担を軽減している様な形で行なっておりました。
その分、ご利用者様の皮膚状態は悪化しており、赤みがあったり、褥瘡になりかけている方もいらっしゃいました。
今のパットは昔より、品質が高く、オムツメーカーも大きめのパットを使用し、オムツ交換の回数を減らし、その分ご利用者様のQOL(生活の質)の向上やコストの削減、介護職員の負担を軽減するようにと推奨し始めています。
ですが、それは陰部洗浄やスキントラブルの予防(排泄時に軟膏を塗る等)、早期発見、寝返りができない方の定時の体位変換、排便コントロールなどが出来、なおかつ、各分野の職員が連携が取れている時にはじめて行える方法だと思っています。
残念ながら私の施設では当然やらなければいけない事ができていない事があります。ですので、主任とも相談し、現在はオムツ交換回数を極端に減らすことはしておらず、毎回オムツを着用されているご利用者様は全員交換に入っています。
お陰様でスキントラブルの予防は今の所できていますが、その反面、コストは上がり、職員の負担は増え、もしかしたらご利用者様のQOL(生活の質)を下げてしまっているかもしれません。
その部分でどちらも両立させることに対して現在難しいなと個人的に感じております。色々と試行錯誤し克服しようとしておりますが、まだまだ勉強が必要だと実感しております。
-仕事の中でやりがいを感じた(ている)部分はどこですか?
上記の答えにも関係している所ではありますが、職員一同当然やらなければいけないことをちゃんとやれば、ご利用者様の状態の向上や、コストの削減、職員の介護負担の軽減をする事ができるが、やはりやってくれない人もいる中でどうしたら周知徹底し、一丸となってより良いサービスを提供できるのか?という所を考える事に現在やりがいを感じております。
日々、少しのことを皆がやることで、職場の働きやすさは変わってくると思っています。
ご利用者様の状態が向上すればもってできる事が増えるかもしれないし、それはご本人様にとって良いサービスを提供できるかもしれない、コストの削減ができれば削減できた分、設備投資や給料などに反映される可能性もありますし、職員の負担が軽減されれば働きやすくなります。
そこの部分はどこの施設にいっても直面する問題だと思っているので、永遠の課題として現在も奮闘しております。
-転職は成功でしたか?失敗でしたか?
成功でした。
-なぜそのように感じましたか?
他人にどうしたらやってもらえるかを真剣に考える事ができているからです。
中々立場的にはこの様な経験はしてこなかったので、良い勉強になっています。
-この仕事の個人的な楽しみ方を教えてください。
自分で考えたことが、実際他の職員がやってくれて、それがご利用者様に反映されるよう努力する事。
-この転職からどのようなことを学びましたか?
どこで働いていても、直面する問題ではありますが、職場の働きやすさを作っていくのは働いている人達自身なんだなと学びました。
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