転職経験者に学ぶ!職種別転職体験談

出来るようになる瞬間をみることが楽しみでした。リハビリの大切さ、在宅復帰の難しさを学びました。

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Sさん / 30歳 / 男性 / 東京都
転職前:老人ホームの介護福祉士/年収250万円
転職後:老人保健施設の介護福祉士/年収400万円

転職成功

-転職前の企業での業務内容を詳しく教えてください。
転職前の企業は入所施設です。ご自宅では生活が困難な方が入所されております。私は介護課の介護職員として働いていました。
ご利用者様は施設に住んでいる(入所)されているので、主な業務内容としては食事、入浴、排泄等の生活援助となります。
青陽園は3階建てで、階層によって生活されているご利用者様の介護度が変わっている様になっていました。
1階は介護度が高く、基本的には全介助が必要な寝たきりのご利用者様のフロアー、2、3階は比較的介護度低く、自立されている方が生活されており、私は1階のフロアーに配属されました。
施設の業務シフトとしては早番、日勤、遅番、夜勤があり、私はフルタイムで働いていました。
朝はご利用者様の離床から始まります。ベットから車椅子へ移譲し(離床)食堂へお連れし、朝食を召し上がって頂きます。1階はご自身で食べられない方々ばかりだったので食事介助を行っていました。介護度が高い方ばかりなので、飲み込む力がなく誤嚥性肺炎の危険がある為、水分は全てゼリー状、食事は全てペースト状になっております。
食後は車椅子からベットへ移乗します。(臥床)トイレに行ける方はおらず、1階ご利用者様全員オムツを着用されておりましたので、オムツ交換を行います。
オムツ交換後は離床し、水分補給も兼ねて、飲み物を飲んで頂きます。
水分補給と並行して入浴業務を行なっておりました。1階のお風呂はスレッチャー浴と呼ばれる物を使用しており、座った姿勢が保てない、寝たきりの方でも入る事ができる浴槽になっています。
浴槽の様にお湯が張ってある訳ではありませんが、トンネルの様になっている所にストレッチャーごと入ってもらい、上から暖かいシャワーが降ってくる事で身体を温めることができるようになっています。浴後はNSが在中しておりますので、処置を行なっておりました。
寝たきりの方が多いので、褥瘡(圧が一箇所にかかり続ける事によってできる床ずれ)の方が多く、酷い方だとお尻に深く穴があいているような方もいらっしゃいました。
昼食はNSも一緒に介助を行なっており、介護士とNSが連携できていたのを覚えています。
昼食後は再び車椅子からベットへ臥床し、オムツ交換を行います。この時NS’が入浴されない方などの処置を行なっておりました。
午後はベットから車椅子へ離床し、オヤツを提供していました、色々な種類のオヤツがありましたが、やはり飲み込む力がなく誤嚥性肺炎の危険性がある為、ペースト状で召し上がって頂いていました。
オヤツ後は車椅子からベットへと臥床。その後は夕食まで休んで頂きました。基本的には大雑把に言うと、離床→食事か水分→臥床の繰り返しの業務ではありました。
日勤帯の業務はここで終了となります。

夜勤帯はご利用者様が安全に休まれているかの見守り業務になります。特別養護老人ホームなどの入所施設だとご利用者様によっては終末期(余命が残りわずかだと診断された時期)の方もいますので急変などが起こりえます。施設では看取りケアを行なっていましたので、死後のケア(エンゼルケア)も経験しました。
夜勤中は人数が限られており、NSも常駐していません。急変が起こり、危篤状態になるとNSを呼んだり、ご本人の状態をみたり、ご家族に連絡したり、エンゼルケアも含めてパニックになる事もありましたが、
一度経験してみると、今までの私の介護の考え方が少し変わった様な気がしました。
少ない時間ですが、最後の時までにご本人にとって、どれだけ充実した時間やサービスを提供し寄り添う事ができるか?そんな事を実感できたのを今でも覚えています。
夜勤は大変ですが、とても良い勉強になりましたし、学ぶことも沢山ありましたのでやってよかったと思っています。
-転職を考えたきっかけを教えてください。
技術や経験、知識などにおいてとても重要な事を学ばせてくれたとても素晴らしい施設でしたが、給料面での食い違いで退職致しました。
転職エージェントを使用して紹介して頂いたのですが、当初は6ヶ月の試用期間中は非常勤として働き、以降問題なければ常勤で、手取り20万円以上の給料を出して頂けるとのお話でした。
ですが、実際常勤の話を頂いた時は手取り20万円を切っていました。話が違う事を伝えましたが、現状は覆りませんでした。
自分としても退職するのはもったいないと思いましたが、デイサービスで働いていた時の給料と同じくらいでしたので、元々給料が安いというのもあって転職した手前、再転職の方向で決定してしまいました。
今思えば、それ以外は不満はなかったし、学べることも多かったので、退職しなければ良かったと後悔しています。
この頃は処遇改善加算がでたばかりでしたので、もうちょっと待っていれば給料も希望額に届いていたかもしれません。
-この業務だけはもっと続けたかったという業務があれば教えてください。
給料の事がなければ、施設に残って業務を続けたかったです。
現状、経験してきた施設の中で一番研修や新人教育や介護の面、全てにおいてしっかりやっていた施設だったので残っていれば学べることは多かったのかなと思います。
-転職活動はどのように行いましたか?
以前にも使用した転職エージェント介護ワーカーを使用しました。今回は給料面での食い違いがありましたので、最初から常勤採用で年収400万円を希望額として提示しました。
自宅近辺で条件が合った施設が見つかり、内定も頂きましたが、前施設まで電話してこられたりとトラブルがあったので、介護ワーカーに断りの連絡を入れると、担当の方からもう施設に行くと上司に言ってしまったから入社してほしいと言われましたが、お断りさせて頂き、担当の方もあまり信用できなくなってしまったので、違う紹介会社を使用する事にしました。
ニッソーネットの担当の方からは近辺だと希望に合う施設がないので、青梅市であれば通える範囲で希望額と同等の施設があるので、とのことで葵の園を紹介して頂きました。
-転職後の会社に入社を決めた理由を教えてください。
ニッソーネットから紹介して頂きました。給与の希望額を提示して頂けたのと、青梅市内の施設の中でも自宅から通える範囲にあったからです。
また、在宅復帰を目指す、老人保健施設でのリハビリなどに興味を持ち、経験してみたいと思ったのもあります。
当時、施設自体が出来てから3年程しか経っておらず、施設内や設備が新しく、働きやすさにも惹かれました。
-転職後の会社での業務内容を詳しく教えてください。
転職後の老人保健施設はご自宅で生活が困難な方を平均3ヶ月程でリハビリを行い在宅復帰を目指す施設です。施設では介護士として入職致しました。
介護士の主な業務内容は基本的には特別養護老人ホームと同じ様に食事、排泄、入浴等の生活援助になります。
リハビリに関してはPT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)が在籍しているので、その職員が行います、
介護士はヘルプとして手伝うことはありますが、主に平行棒を使用した歩行訓練やフロアー内をを歩行介助にて歩いてもらったりが多かったです。
後は体操やレクリエーションをADL(日常生活動作)の維持や認知症の予防、進行を遅らせる目的として行います。
特別養護老人ホームとの違いを感じたのは、ご利用者様は入所されていますが、早い方で3ヶ月で退所してしまうので、ご利用者様の入れ替わりが激しいです。
わかり始めてきたところで退所してしまい、翌日には新しい人が入所してくることもあるので、中々ご利用者様の情報を覚えるのが大変でした。
また入所、退所対応というのも始めて行い、荷物の点検をしたり部屋の準備をしたり、ご利用者様が入所してきたらADL(日常生活動作)はどれくらいなのか?排泄はオムツなのかトイレ誘導なのか?穏やかな人なのか?気難しい人なのか?等々、慣れるまでバタバタしてしまい大変でしたが、良い経験になりました。

夜勤に関しては、特別養護老人ホームではNSが常駐しておらず、何かあればオンコールをするという形でしたが、老人保健施設ではNSが常駐しております。
ご利用者様に何かあった時でもNSが常にいてくれると、とても助かりました。
また葵の園では看取りケアを行なっておらず、ご利用者様に急変があった場合、救急車を呼んで救急搬送をしてもらわなければいけません。
その時には介護士が同乗して病院までついていきます。
-入社前のイメージと違っていたところはどんなところですか?
リハビリに興味があり、老人保健施設に入社しましたが、思っていたより、介護士がリハビリに携われる機会が少なく、どちらかというと日常の生活の中で
自立支援を行い、ADLを維持していくという印象でした。
しかし、経験してみて自立支援がいかに大切かがわかりましたし、出来ることはご自身で行う事でご本人様の自信にもなる事が実感できました。
施設に関しては、内装や設備は綺麗で新しいものが多い様でしたが、記録は紙媒体などこだわりを感じる場所があるのはイメージと違っておりました。
-仕事の難しさ、辛さを感じた点はありますか?またそれはどのように克服しましたか?
以前の職場より、業務の速度が早く、最初はついていけず、ミスばかりでした。
焦ってしまい、オムツ交換も雑になってしまったことも多々ありました。
自身のペースで丁寧で確実に業務行う事を意識しながら少しづつ速度を上げていきました。丁寧さや確実さも、もちろん大切ですが、時間を気にしながら時間内に終わらす事も大切だと思います。この施設ではそんな業務の矛盾に対して難しさを感じましたが、なるべく両立るする様、心がけるという事が学べました。
-仕事の中でやりがいを感じた(ている)部分はどこですか?
ご利用者様が在宅復帰できるよう、リハビリのヘルプを行う事や、普段の生活援助の中で自立支援を大切にし、ご自身で出来ることは行なってもらいながらADLを維持していく、その上でできなかった事ができるようになったり、それをきっかけに在宅復帰が可能になったときはやりがいを感じました。
-転職は成功でしたか?失敗でしたか?
成功でした。
-なぜそのように感じましたか?
微々たるものですが、リハビリに携わる事もできたし、ADLを維持する事や向上させる事がどんなに大変かを学べました。
日常での動きがこんなに影響するという事も知れました。
また業務の丁寧さや確実さ、速さはここの施設で培ったものなので、転職して学べた事はとても大きかったと思います。
-この仕事の個人的な楽しみ方を教えてください。
レクリエージョンを通じて、ご利用様と触れ合うこと。
出来なかった事がリハビリなどを通して出来る様になる瞬間をみること。
-この転職からどのようなことを学びましたか?
リハビリの大切さ、在宅復帰の難しさを学びました。
施設に関しては、内装等が綺麗でもやり方が古い事もあるのかなと感じました。次回の転職時の参考になりました。
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