ケアマネージャーとの特養入所に関する悩み：経済的な不安と認知症の進行への対応策

この記事では、有料老人ホームに入居中の母親の認知症が悪化し、特別養護老人ホーム（特養）への入所を希望しているものの、ケアマネージャーとのコミュニケーションがうまくいかず、経済的な不安も抱えている方に向けて、具体的な解決策を提示します。ケアマネージャーとの関係性、特養入所のプロセス、経済的な負担の軽減策について、詳しく解説していきます。

母親が有料老人ホームに入っています。そこで、認知症がひどくなってきているので、特別養護老人ホームの申し込みをしたいと思い、ケアマネージャーさんに相談したところ、何年かかるか分からない、とかお母さんの状態ならどうたらこうたら、となぜか話が進みません。

質問ですが、ケアマネさんは担当している高齢者が特養に入ってしまえば収入がその件についてなくなったりするのでしょうか。

有料老人ホームも高いのでやはり経済状況が厳しいです。

ご存じの方、お教えください。お願いします！！

ちなみに今は要介護度４です。

ご相談ありがとうございます。お母様の介護状況と、特養入所に関するケアマネージャーとのコミュニケーションの齟齬、そして経済的な不安、大変お辛い状況ですね。この問題は、多くの介護家族が直面する課題です。この記事では、あなたの抱える悩みを解決するために、ケアマネージャーとの円滑なコミュニケーションを図り、特養入所をスムーズに進めるための具体的な方法、そして経済的な負担を軽減するための対策を、詳しく解説していきます。

1. ケアマネージャーとの関係性を見直す

まず、ケアマネージャーとの関係性について考えてみましょう。ケアマネージャーは、介護保険サービスを利用する上で非常に重要な役割を担っています。しかし、時にコミュニケーションがうまくいかず、不信感を抱いてしまうこともあるかもしれません。

1-1. ケアマネージャーの役割と報酬について理解する

ケアマネージャーは、介護を必要とする方の相談に応じ、適切な介護サービスを提供する「ケアプラン」を作成する専門家です。彼らの主な業務は、利用者の心身の状態や生活環境を把握し、必要なサービスを調整することです。ケアマネージャーは、介護保険制度から報酬を得ており、利用者が特養に入所したからといって、ケアマネージャーの収入が直接的に減るわけではありません。

しかし、ケアマネージャーは担当する利用者の状況を常に把握し、適切なケアプランを継続的に提供する必要があります。そのため、特養入所後のケアプランの見直しや、新たなサービス調整など、業務が増える可能性はあります。また、ケアマネージャーは、他の利用者への対応や、新たな相談への対応など、多くの業務を抱えているため、多忙であることも考えられます。

1-2. コミュニケーションの改善

ケアマネージャーとのコミュニケーションを改善するために、以下の点を意識してみましょう。

• 定期的な面談の実施: 定期的にケアマネージャーと面談し、お母様の状況や今後の希望について詳しく話し合いましょう。面談の際には、事前に伝えたい内容を整理しておくと、スムーズに話が進みます。
• 疑問点の明確化: ケアマネージャーの説明で理解できない点があれば、遠慮なく質問しましょう。専門用語や制度について不明な点があれば、具体的に質問し、理解を深めることが大切です。
• 記録の共有: お母様の状態や、ケアマネージャーとのやり取りを記録しておきましょう。記録を共有することで、情報伝達の齟齬を防ぎ、より適切なケアプランを立てることができます。
• 感謝の気持ちを伝える: ケアマネージャーの献身的なサポートに対して、感謝の気持ちを伝えましょう。感謝の言葉は、良好な関係性を築く上で非常に重要です。

1-3. ケアマネージャーを変更する選択肢

もし、ケアマネージャーとの関係性がどうしても改善しない場合は、変更を検討することも可能です。変更を希望する場合は、市区町村の介護保険担当窓口に相談し、新たなケアマネージャーを紹介してもらいましょう。変更の際には、現在のケアマネージャーに直接伝える必要はなく、担当窓口を通じて手続きを進めることができます。

2. 特養入所のプロセスと注意点

特養への入所は、多くの場合、待機期間が長くなる傾向があります。スムーズに入所を進めるために、以下の点を押さえておきましょう。

2-1. 特養の申し込みと選考基準

特養への入所を希望する場合は、まず、お住まいの地域の特養に申し込みを行います。申し込みの際には、入所希望者の状況を詳しく記載した「入所申込書」を提出します。特養は、入所希望者の状況に応じて、優先順位を決定します。一般的に、以下の要素が考慮されます。

• 介護度の高さ: 要介護度が高いほど、優先度が高くなります。
• 認知症の進行度: 認知症の症状が重いほど、優先度が高くなります。
• 家族の状況: 家族による介護が困難な場合、優先度が高くなります。
• 緊急性: 病気や怪我などで、緊急に入所が必要な場合、優先度が高くなります。
• 所得: 低所得者ほど、優先度が高くなる場合があります。

特養の選考基準は、施設によって異なる場合があります。事前に、希望する施設の選考基準を確認しておきましょう。

2-2. 入所までの流れ

特養への入所までの一般的な流れは以下の通りです。

1. 情報収集: まず、地域の特養に関する情報を収集し、見学などをして施設の雰囲気やサービス内容を確認します。
2. 申し込み: 希望する特養に、入所申込書を提出します。
3. 待機: 入所希望者の状況に応じて、入所の順番を待ちます。待機期間は、数ヶ月から数年と、施設や状況によって大きく異なります。
4. 入所判定: 施設側が入所の可否を判断します。必要に応じて、面談や、現在の状況に関する詳細な聞き取りが行われます。
5. 入所: 入所が決定したら、契約手続きを行い、入所となります。

2-3. 入所をスムーズに進めるための工夫

特養への入所をスムーズに進めるためには、以下の点を意識しましょう。

• 複数の施設に申し込む: 複数の特養に申し込むことで、入所の可能性を高めることができます。
• 情報収集を徹底する: 各施設の情報を収集し、ご自身の状況に合った施設を選びましょう。
• 定期的に状況を報告する: 申し込み先の施設に、定期的に現在の状況を報告し、情報共有を行いましょう。
• ケアマネージャーとの連携: ケアマネージャーと連携し、入所に関する情報を共有し、アドバイスを受けましょう。

3. 経済的な負担を軽減するための対策

有料老人ホームの費用に加え、特養入所後の費用も考慮すると、経済的な負担は大きくなります。負担を軽減するために、以下の対策を検討しましょう。

3-1. 介護保険サービスの活用

介護保険サービスを最大限に活用することで、費用を抑えることができます。介護保険サービスには、以下のようなものがあります。

• 訪問介護: ヘルパーが自宅を訪問し、食事、入浴、排泄などの介護を行います。
• 通所介護（デイサービス）: デイサービスセンターに通い、食事、入浴、機能訓練などを受けます。
• 短期入所生活介護（ショートステイ）: 短期間、特別養護老人ホームなどに宿泊し、介護サービスを受けます。
• 福祉用具の貸与: 車椅子やベッドなどの福祉用具を借りることができます。

これらのサービスを組み合わせることで、在宅での生活を継続しやすくなり、特養入所までの待機期間を有効に活用できます。ケアマネージャーと相談し、お母様の状況に合ったサービスを検討しましょう。

3-2. 介護保険制度の利用

介護保険制度を利用することで、介護サービスの費用の一部を軽減できます。介護保険の自己負担割合は、所得に応じて1割から3割となります。高額介護サービス費制度を利用すれば、1ヶ月の介護サービス費用の自己負担額に上限が設けられます。また、所得の低い方は、特定入所者介護サービス費制度を利用することで、食費や居住費の負担を軽減できます。

3-3. 経済的な支援制度の活用

経済的な負担を軽減するために、以下の支援制度の活用も検討しましょう。

• 生活保護: 収入が少ない場合は、生活保護の申請を検討できます。
• 低所得者向け減免制度: 介護保険サービスの利用料や、特養の利用料が減免される制度があります。
• 医療費控除: 医療費控除を利用することで、税金の還付を受けることができます。
• 成年後見制度: 判断能力が低下した方の財産管理や、身上監護を支援する制度です。

3-4. 家族間の協力

家族間で協力し、経済的な負担を分担することも重要です。親族間で話し合い、可能な範囲で費用を出し合ったり、介護サービスを分担したりすることで、負担を軽減できます。また、親族間で情報交換を行い、介護に関する知識や経験を共有することも大切です。

経済的な問題は、介護において非常に大きな悩みの一つです。しかし、様々な制度や支援策を活用することで、負担を軽減することができます。諦めずに、情報収集を行い、適切な対策を講じましょう。

4. 専門家への相談

ご自身だけで問題を抱え込まず、専門家への相談も検討しましょう。専門家は、あなたの状況に合わせて、具体的なアドバイスやサポートを提供してくれます。

4-1. 介護に関する相談窓口

介護に関する相談窓口は、市区町村の介護保険担当窓口、地域包括支援センター、社会福祉協議会など、様々な場所に設置されています。これらの窓口では、介護に関する相談や、情報提供、関係機関との連携など、様々な支援を受けることができます。

4-2. 弁護士や行政書士への相談

介護に関する法的な問題や、手続きに関する疑問がある場合は、弁護士や行政書士に相談しましょう。弁護士は、成年後見制度や、相続に関する問題など、法的なアドバイスを提供してくれます。行政書士は、介護保険に関する手続きや、遺言書の作成など、行政手続きに関するサポートを提供してくれます。

4-3. ファイナンシャルプランナーへの相談

経済的な問題について、専門的なアドバイスを受けたい場合は、ファイナンシャルプランナーに相談しましょう。ファイナンシャルプランナーは、家計の見直しや、資産運用、保険の見直しなど、お金に関する様々なアドバイスを提供してくれます。介護にかかる費用や、将来の生活費に関する相談も可能です。

5. まとめ

今回の相談は、有料老人ホームに入居中の母親の認知症が悪化し、特養への入所を希望しているものの、ケアマネージャーとのコミュニケーションがうまくいかず、経済的な不安も抱えているというものでした。この問題に対して、以下の解決策を提示しました。

• ケアマネージャーとの関係性を見直す: コミュニケーションを改善し、疑問点を明確にすることで、円滑な関係性を築きましょう。必要であれば、ケアマネージャーの変更も検討しましょう。
• 特養入所のプロセスと注意点: 特養の申し込み方法や、入所までの流れを理解し、スムーズな入所を目指しましょう。
• 経済的な負担を軽減するための対策: 介護保険サービスの活用、経済的な支援制度の利用、家族間の協力など、様々な対策を検討しましょう。
• 専門家への相談: 介護に関する相談窓口、弁護士、行政書士、ファイナンシャルプランナーなど、専門家への相談も検討しましょう。

介護は、長期間にわたる大変な道のりです。しかし、適切な情報収集と対策を講じることで、より良い介護生活を送ることができます。諦めずに、一つ一つ問題を解決していきましょう。そして、困ったときは、専門家や周囲の人々に相談し、助けを求めることも大切です。

あなたの抱える問題が解決し、お母様が安心して過ごせる日々が来ることを心から願っています。

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