基本給アップ！所得税額の計算方法と年末調整の疑問を徹底解説

この記事では、個人経営の会社で働く方が抱える、給与所得税に関する疑問を解決します。特に、基本給が上がった際の所得税額の計算方法、年末調整との関係、そして高齢の奥様とのやり取りにおける不安について、具体的なアドバイスを提供します。税金計算は複雑でわかりにくいものですが、この記事を読めば、安心して日々の業務に取り組めるようになるでしょう。

個人経営の会社に勤めています。今月から、社長・専務の二人の基本給が上がることになりました。健康保険・厚生年金・介護保険・市県民税は前月と変わらないと思うのですが、所得税は今月の基本給から保険料を引いた金額を元に、「源泉徴収税額表」に記してある金額を引けば大丈夫なのでしょうか？それとも、所得税も前月と同じ金額で大丈夫なのでしょうか？

いつも給与を管理している奥様が、労務士に確認したそうですが、『基本給のみ変更し、保険料・所得税・県民税は変更前＝前月と同じ金額で良いと言われた』との事です。しかし奥様は高齢で、ここ数ヶ月で入退院を数度され、時々話がかみ合わないことがあり、急激に老化が進んできたように思います。「所得税もこのままで大丈夫ですか？」と聞いた所、『ん～。高齢者の・・・。控除の手続きが・・・』とちんぷんかんぷんな回答が返ってきて・・・。給与の支払いまではまだ有るのですが、『早めに準備したいから』と、明細書の作成をせかされております。（奥様はPCは使えず、手書きでは手が震えて文字がガタガタになってしまうとの事で、給料明細書は私が作成しております）

労務士さんに直接確認をするのが一番だとは思うのですが、奥様の立場も有ると思うので、一度知恵袋で聞いてみようと思い、質問させていただきました。補足皆さん有難うございます。

そうですよね。今月は年末調整があるんですね。それで変えなくても良いといわれた可能性があるのですね。

追加の質問ですみません。2月分の給与までは、基本給だけの変更でOKだとか何とか・・・3月から保険料が変わるらしいから・・・と言われるのですが、もし、所得税を今まで通りの金額にした場合、2月分まで同じ金額にしておいても大丈夫でしょうか？いずれにせよ、年末調整でどうにかなるのだろうとは思うのですが、戻ってくるほうが気持ちが良いですよね。重ね重ね、無知で申し訳ございません。よろしくお願いいたします。

所得税額の計算：基本を理解する

所得税額の計算は、給与明細を作成する上で非常に重要な部分です。基本給が上がった場合、所得税額も変動する可能性があります。ここでは、所得税の計算方法と、関連する注意点について解説します。

1. 課税所得の算出

まず、所得税を計算するためには、課税所得を算出する必要があります。課税所得は、以下の計算式で求められます。

• 課税所得 = (基本給 + 各種手当 – 社会保険料 – 基礎控除 – その他の所得控除)

この計算式に沿って、具体的な数字を当てはめてみましょう。

1. 基本給と各種手当：これは、毎月受け取る給与の総額です。基本給が上がった場合は、この金額が増えます。
2. 社会保険料：健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料など、給与から天引きされる保険料です。
3. 基礎控除：所得に関わらず、誰でも受けられる控除です。
4. その他の所得控除：生命保険料控除、配偶者控除、扶養控除など、個々の状況に応じて適用される控除です。

2. 源泉徴収税額表の活用

課税所得が算出できたら、次に「源泉徴収税額表」を用いて所得税額を計算します。源泉徴収税額表には、毎月の給与から源泉徴収すべき所得税額が記載されています。この表は、国税庁のウェブサイトで公開されており、誰でも利用できます。

源泉徴収税額表には、「月額表」と「日額表」があります。給与計算に使うのは「月額表」です。この表には、扶養親族の数と課税所得の金額に応じて、所得税額が記載されています。基本給が上がると、課税所得も増えるため、所得税額も増える可能性があります。

3. 具体的な計算例

例として、基本給が20万円から25万円に上がった場合を考えてみましょう。

（簡略化のため、その他の手当や控除は考慮しません。）

1. 基本給：20万円 → 25万円
2. 社会保険料：仮に3万円とします。
3. 課税所得：
   • 変更前：20万円 – 3万円 = 17万円
   • 変更後：25万円 – 3万円 = 22万円
4. 源泉徴収税額表：それぞれの課税所得に対応する所得税額を調べます。

このように、基本給が上がると、課税所得が増え、所得税額も増加することが一般的です。

年末調整との関係：2月分までの所得税額について

年末調整は、1年間の所得と所得税額を確定させる手続きです。年末調整を行うことで、毎月の給与から源泉徴収された所得税額と、実際に納めるべき所得税額との差額を精算します。年末調整で過不足が調整されるため、2月分までの所得税額をどのように扱うかは、年末調整の結果に影響します。

1. 年末調整の役割

年末調整は、1月から12月までの1年間の所得に対して、正しい所得税額を計算し、過不足を調整する手続きです。具体的には、以下のことを行います。

• 所得の集計：1年間の給与収入や、その他の所得（例：副業収入）を集計します。
• 所得控除の適用：生命保険料控除、配偶者控除、扶養控除など、各種所得控除を適用します。
• 所得税額の計算：課税所得を算出し、所得税額を計算します。
• 精算：毎月の給与から源泉徴収された所得税額と、計算した所得税額との差額を精算します。

2. 2月分までの所得税額の扱い

2月分までの所得税額を、基本給変更前の金額のままにしておいた場合、年末調整で調整される可能性があります。年末調整では、1月から12月までの所得を合計して税額を計算するため、2月分までの所得税額が少なくても、最終的な税額に影響はありません。ただし、2月分までの所得税額が少ない場合、年末調整で不足分をまとめて納付することになります。

一方、2月分から正しい所得税額を計算し、源泉徴収を行った場合は、年末調整での調整額が少なくなるか、還付金が増える可能性があります。

3. どちらが良いか？

どちらの方法を選択するかは、個々の状況によります。

2月分まで変更前の金額のままにする場合

• メリット：給与計算の手間が省けます。
• デメリット：年末調整で不足分をまとめて納付する可能性があります。

2月分から正しい金額で計算する場合

• メリット：年末調整での調整額が少なくなるか、還付金が増える可能性があります。
• デメリット：給与計算の手間が増えます。

どちらの方法を選択しても、最終的な所得税額は変わりません。ただし、手元に残るお金のタイミングが変わるだけです。ご自身の状況に合わせて、どちらの方法を選択するかを検討しましょう。

奥様とのコミュニケーション：円滑な給与計算のために

給与計算は、会社運営において非常に重要な業務です。特に、個人経営の会社では、家族が給与計算を担当することも少なくありません。しかし、高齢の奥様が給与計算を担当されている場合、様々な問題が発生する可能性があります。ここでは、奥様とのコミュニケーションを円滑に進め、正確な給与計算を行うためのアドバイスを提供します。

1. 丁寧な説明と情報共有

奥様に、基本給が上がったことによる所得税額の変動について、丁寧に説明することが重要です。難しい専門用語を避け、わかりやすい言葉で説明しましょう。例えば、「基本給が上がると、所得税も少し増えるんだよ」といったように、簡潔に説明します。

また、税金の計算方法や年末調整について、奥様が理解しやすいように、図や表を使って説明するのも効果的です。税理士や専門家からアドバイスをもらい、それを奥様に伝えるのも良いでしょう。

2. 労務士との連携

労務士に相談し、給与計算に関する疑問点を解決することは、非常に有効な手段です。労務士は、税金の専門家であり、給与計算に関する豊富な知識を持っています。労務士に相談することで、正確な給与計算を行うことができ、奥様の負担も軽減されます。

奥様が労務士とのコミュニケーションに不安を感じる場合は、あなたが同席して説明を補足したり、質問を代わりにするなど、サポートを行いましょう。

3. 給与明細書の作成支援

奥様がPCを使えない場合、あなたが給与明細書の作成を手伝うことは、非常に有効です。給与明細書は、給与計算の結果を記録する重要な書類であり、正確に作成する必要があります。あなたが給与明細書を作成することで、奥様の負担を軽減し、正確な給与計算をサポートすることができます。

給与明細書の作成には、給与計算ソフトやエクセルなどのツールを活用すると便利です。これらのツールを使うことで、計算ミスを防ぎ、効率的に給与明細書を作成することができます。

4. 専門家への相談を検討しましょう

税金や給与計算に関する疑問や不安は、一人で抱え込まずに、専門家に相談することが重要です。税理士や社会保険労務士は、税金や社会保険に関する専門家であり、あなたの疑問を解決し、適切なアドバイスを提供してくれます。

専門家に相談することで、正確な給与計算を行うことができ、税務調査などのリスクを回避することができます。また、専門家は、最新の税制改正や社会保険制度に関する情報も提供してくれるため、常に最新の情報を把握することができます。

まとめ：正確な給与計算と円滑なコミュニケーションを

基本給が上がった場合の所得税額の計算は、課税所得を算出し、源泉徴収税額表を用いて行います。2月分までの所得税額については、年末調整で調整されるため、どちらの方法を選択しても、最終的な所得税額は変わりません。奥様とのコミュニケーションを円滑に進め、労務士との連携や給与明細書の作成支援を行うことで、正確な給与計算を実現できます。税金に関する疑問や不安は、専門家に相談し、解決するようにしましょう。

この記事が、あなたの給与計算に関する疑問を解決し、安心して業務に取り組むための一助となれば幸いです。

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