デイサービス異動後の悩み解決！看護師としての知識と経験を活かす方法

この記事は、デイサービスへの異動を経験した看護師のあなたが抱える疑問や不安を解消し、これまでの知識と経験を活かして、自信を持って業務に取り組めるようになるための情報を提供します。医療現場との違いに戸惑い、自身の看護観とのギャップに悩むあなたへ、具体的なアドバイスと解決策をお届けします。

それでは、まず今回の相談内容を見ていきましょう。

配置換えでデイサービスに異動しました。

ベテラン看護師より、ここは医療機関じゃないからそこまで気にしないでいいと言われましたが、えっ？って思う事ばかりで、質問させて下さい。

バイタルチェックし、普段との数値より30位高く150台＆頻脈で120以上（その方には異常値、血圧薬内服中）あっても再検しないでお風呂に入れる？

ふだん、高くても130台の血圧が180台でも自覚症状ないから運動可能？

ワーファリンや血圧薬などの薬を内服してても、利用中（昼食）は内服してないから内服薬の把握はしなくても良い？

褥瘡ある方を処置したあと、ポジショニングは気にせず褥瘡部当たったまま、寝せていい？

冷感のある麻痺側での血圧測定。

右麻痺でも右腕で測定する？（利用者さんが痛くても右腕で測定が決まり）

以前の職場では全て駄目な事でした。

あまり気にしない？のが普通ですか？

医療は出来ないんだから、いいんだ？といわれて。

看護？ケアって?

今までの看護師として積み重ねた知識は無意味のように言われます。

1. デイサービスでの看護、その本質とは？

デイサービスは、医療機関とは異なる環境です。しかし、だからといって看護師としての専門知識や経験が不要になるわけではありません。むしろ、利用者の生活を支え、健康状態を維持・改善するためには、あなたの知識と経験が不可欠です。

デイサービスにおける看護の役割は、大きく分けて以下の3つです。

• 健康管理: 利用者のバイタルチェック、服薬管理、健康相談などを行い、健康状態を把握し、異常の早期発見に努めます。
• 生活支援: 入浴、食事、排泄などの日常生活をサポートし、自立した生活を送れるように支援します。
• 機能訓練: 身体機能の維持・回復を目的とした運動やレクリエーションを提供し、心身機能の維持・向上を図ります。

医療機関とは異なり、デイサービスでは治療よりも、生活の質（QOL）の向上に重点が置かれます。しかし、それは医療的な知識が不要という意味ではありません。むしろ、利用者の状態を多角的に評価し、生活全体をサポートする能力が求められます。

2. 具体的な疑問への回答と実践的なアドバイス

以下、ご相談内容に沿って、具体的な疑問に対する回答と、デイサービスで役立つ実践的なアドバイスを提示します。

2-1. バイタルチェックと入浴に関する疑問

質問: バイタルチェックで普段より30mmHg高く150台、頻脈120以上（血圧薬内服中）の場合、再検せずにそのまま入浴させて良いのか？

回答: 血圧150台、頻脈120以上は、血圧薬を内服している方にとっては異常値です。入浴は血管を拡張させ、血圧をさらに低下させる可能性があるため、リスクを伴います。必ず再検し、状態を評価する必要があります。再検後も高血圧や頻脈が続く場合は、医師に相談し、入浴の可否を判断してもらうべきです。

実践的なアドバイス:

• 入浴前にバイタルチェックを徹底し、異常値の場合は必ず再検する。
• 利用者の既往歴や常用薬を把握し、入浴による影響を予測する。
• 入浴中の観察を強化し、異変があればすぐに中断し、対応できるようにする。
• 入浴前に水分補給を促し、脱水による血圧変動を防ぐ。

2-2. 高血圧と運動に関する疑問

質問: 普段130台の血圧が180台でも自覚症状がない場合、運動は可能か？

回答: 血圧180台は高血圧であり、自覚症状がなくても、運動によって心臓に負担がかかる可能性があります。運動の可否は、個々の状態によって異なります。まずは、医師に相談し、運動負荷試験などを行い、安全に運動できる範囲を確認することが重要です。

実践的なアドバイス:

• 運動前にバイタルチェックを行い、血圧や脈拍を確認する。
• 運動の種類や強度を、医師の指示や利用者の状態に合わせて調整する。
• 運動中の観察を徹底し、息切れ、胸痛、めまいなどの症状があれば、すぐに中止する。
• 運動前後に水分補給を促し、脱水による血圧変動を防ぐ。

2-3. 服薬管理に関する疑問

質問: ワーファリンや血圧薬などの薬を内服していても、利用中（昼食）に内服しない場合は、内服薬の把握はしなくても良いのか？

回答: 服薬管理は、看護師の重要な役割です。昼食時に内服しない場合でも、内服薬の種類、量、時間、服薬状況を正確に把握しておく必要があります。特に、ワーファリンなどの抗凝固薬は、出血リスクに関わるため、服薬状況の把握は非常に重要です。

実践的なアドバイス:

• 利用者の服薬情報を正確に把握し、薬の種類、量、時間、服薬状況を記録する。
• 服薬カレンダーや服薬管理表を活用し、服薬の確認を確実に行う。
• 服薬忘れや服薬間違いがないように、声かけや確認を徹底する。
• 服薬に関する疑問や不安があれば、医師や薬剤師に相談する。

2-4. 褥瘡ケアとポジショニングに関する疑問

質問: 褥瘡のある方の処置後、ポジショニングを気にせず、褥瘡部に当たったまま寝かせても良いのか？

回答: 褥瘡のある方のポジショニングは、褥瘡の悪化を防ぐために非常に重要です。褥瘡部に圧力がかからないように、体位変換やクッションの使用など、適切なポジショニングを行う必要があります。褥瘡部が当たったまま寝かせることは、褥瘡の悪化を招く可能性があるため、避けるべきです。

実践的なアドバイス:

• 褥瘡の程度や部位に合わせて、適切なポジショニングを行う。
• 体位変換の頻度や方法を、医師や専門家と相談して決定する。
• クッションや体位変換枕などを使用し、褥瘡部の圧力を軽減する。
• 褥瘡の状態を観察し、悪化の兆候があれば、適切な処置を行う。

2-5. 麻痺側の血圧測定に関する疑問

質問: 冷感のある麻痺側での血圧測定。右麻痺でも右腕で測定するのか？（利用者さんが痛くても右腕で測定が決まり）

回答: 麻痺側の腕での血圧測定は、正確な血圧測定が困難になる可能性があります。しかし、測定する腕がない場合は、麻痺側の腕で測定せざるを得ないこともあります。その場合は、冷感や痛みの有無を確認し、測定方法を工夫する必要があります。

実践的なアドバイス:

• 可能であれば、非麻痺側の腕で血圧測定を行う。
• 麻痺側の腕で測定する場合は、冷感や痛みの有無を確認する。
• 測定部位を温めるなど、測定環境を整える。
• 測定結果に疑問がある場合は、医師に相談する。

3. デイサービスで看護師として活躍するためのヒント

デイサービスで看護師として活躍するためには、医療知識だけでなく、コミュニケーション能力や多職種連携能力も重要です。以下に、具体的なヒントを提示します。

• コミュニケーション能力: 利用者やご家族とのコミュニケーションを密にし、信頼関係を築くことが重要です。利用者の訴えに耳を傾け、不安や疑問を解消するように努めましょう。
• 多職種連携: 医師、理学療法士、作業療法士、介護士など、多職種と連携し、チームとして利用者の方を支援することが重要です。情報共有を密にし、それぞれの専門性を活かして、より質の高いケアを提供しましょう。
• 自己研鑽: 最新の医療知識や介護技術を学び続けることが重要です。研修会やセミナーに参加したり、専門書を読んだりして、知識やスキルを向上させましょう。
• 情報収集: デイサービスの運営方針や、利用者の状態に関する情報を積極的に収集しましょう。記録や申し送り事項をきちんと確認し、必要な情報を把握しましょう。
• 柔軟な対応力: 医療機関とは異なる環境であることを理解し、状況に応じて柔軟に対応する能力が求められます。マニュアルにとらわれず、利用者のニーズに合わせたケアを提供しましょう。

4. 知識と経験を活かす！あなたの強みを見つける

これまでの医療現場での経験は、デイサービスでも必ず活かせます。あなたの強みを見つけ、自信を持って業務に取り組むことが大切です。

例えば、

• 医療知識: 薬の知識、病態生理、緊急時の対応など、医療に関する専門知識は、利用者の健康管理に役立ちます。
• 観察力: バイタルサインの変化や、異変の早期発見など、観察力は利用者の健康状態を把握する上で重要です。
• コミュニケーション能力: 利用者やご家族とのコミュニケーションを通して、信頼関係を築き、安心して生活できる環境を提供できます。
• 問題解決能力: 状況に応じて適切な判断を行い、問題解決に導く能力は、利用者のQOL向上に貢献します。

あなたの強みを活かし、デイサービスでしかできない看護のやりがいを見つけましょう。

5. まとめ：自信を持って、デイサービスでの看護を！

デイサービスは、医療機関とは異なる環境ですが、看護師としての知識と経験を活かせる場所です。今回のQ&Aを通して、デイサービスでの看護の役割、具体的な疑問への回答、そして活躍するためのヒントをお伝えしました。

医療現場との違いに戸惑うこともあるかもしれませんが、あなたの知識と経験は、利用者の生活を支え、健康を守るために不可欠です。自信を持って、デイサービスでの看護に取り組んでください。そして、困ったことがあれば、いつでも相談してください。あなたのキャリアを応援しています。

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