老老介護の母親を支えるために：娘ができること、専門家が教える心のケアと具体的なサポート

この記事では、老老介護という非常にデリケートな状況に直面しているあなたに向けて、娘として、そして介護を支える存在として、どのように母親をサポートできるのか、具体的なアドバイスを提供します。特に、母親が頑固で人を頼らない、精神的に不安定になっているという状況を踏まえ、心のケアと現実的なサポートの両面から解決策を探ります。専門家の視点も交えながら、あなたと母親がより良い関係を築き、父親の介護を乗り越えるための一助となることを目指します。

老老介護の母親が頑固で人を頼ってくれません。

父（76）が間質性肺炎の末期です。2か月前から急激に悪化し、少しでも動くと呼吸困難になり苦しくなるので、今はほぼ寝たきり状態です。酸素ボンベもつけています。

入院は拒否しており、在宅緩和ケアを行なっています。

母（74）も同時期に心臓病が発覚し、ペースメーカーを入れる手術をしました。母は普段の生活には問題ないようですが、突発性の発作の危険はいつもあります。

父の方が毎日苦しがっているらしく、その都度母を呼びつけ、酸素の調整や、体をさすったり、体勢を整えてあげたりしているのですが、昼夜関係なくあまりに頻繁なので大変そうです。嘔吐することもあるそうで、父母共に夜もちゃんと眠れていないと思います。

トイレに行くのも毎回呼吸困難を伴うので、呼吸が酷い時は尿瓶を使い、大便の時は付き添うそうです。

また、父の食欲が無く、何を作っても一口二口しか食べなくなってしまい、母は献立を考えるのも大変そうです。でも、どんどん痩せていってしまうので何か食べさせないといけない、といろいろやっています。

私は遠方に住んでおり、頻繁には実家に帰れません。というより、行くよと言っても断られてしまいます。

電話はするのですが、母が大変だと愚痴もこぼすので、私が何か提案すると、結局ヒステリーを起こし、喧嘩になってしまいます。

例えば、「じゃあ〇〇してみたら？」→「そんなことはもうやっている！」

父が食べられそうな食べ物を提案→「何を作っても食べないから無駄！」

「お母さん1人が大変ならもっと頼って」→「私しかお父さんの思うようには動いてあげられないでしょ。他の人（娘の私でも）なんか到底無理！！」

兄が隣の家に住んでいるので「お兄ちゃんをもっと頼ってみたら？」→「買い物や送迎がどうしてもできない時は頼るけど、普段のお世話がお兄ちゃんが面倒見れるわけがない！無理！」

という感じです。

私も責めているように言っているわけでもないのに、自分は精一杯やっているのに！これ以上いろいろ指図しないで！という具合になってしまいます。

多少頑固なところはありますが、本来は優しくて穏やかな性格の母です。電話口での普段の母とは明らかに違う母の精神状態が心配です。

週に一度、訪問診察と、ヘルパーさんが来てくれるそうですが、あまり状況は変わらないそうで、母も外の顔をつくり、それなりにやりすごしてしまっているようです。

父も、呼吸の苦しさから、母に対してつい甘えてしまうようで、何でもかんでも呼びつけています。母も私が頑張らないと、と思ってしまっており、自分の精神状態がおかしいことを認めてくれません。

私も、父母の心配、状況確認の為に電話するのですが、最後はいつも母が怒ってしまいます。（私はキツく言ったりはしません）

父の容態ももちろんですが、母の精神状態も明らかに悪いので、なんとかしたいのですが、そちらに行くと言っても断られるのでどうしたらいいかわかりません。

もともと、人を頼るのが苦手な母です。

人に頼るくらいなら自分が苦労し、我慢した方がよっぽど気持ちが楽なんだと言います。

完璧主義でプライドが高いのもあると思います。

人に頼る申し訳なさと、私ならこうできるのに、とヤキモキしてしまうみたいです。

そんなに1人で頑張ることないよ、もっと頼って、と言っても、かえって母の逆鱗に触れてしまい逆効果です。

愚痴が出ると言うことはそれなりに辛いということ。父の病状は日々の緩和しかないのでどうにもできないのですが、母のストレスを少しでも軽くしてあげたいです。

愚痴を聞くだけに徹しているつもりなのですが、どうしたらいいかねぇ、というので提案するとキレられてしまい、毎回嫌な感じで電話が終わります。

娘の私ができることで、何かいいアドバイスありませんか？

1. 状況の理解と受け止め：母親の置かれた状況を深く理解する

まず、お母様の置かれている状況を深く理解することから始めましょう。老老介護は、体力的な負担だけでなく、精神的なストレスも非常に大きいものです。特に、父親の病状が深刻で、母親自身も健康上の問題を抱えている場合、その負担は計り知れません。

• 身体的負担: 父親の介護は、24時間体制に近い状態になることもあります。体位変換、食事の世話、排泄の介助など、肉体的な負担は想像以上です。
• 精神的負担: 父親の病状に対する不安、自分の健康への不安、そして「自分がしっかりしなければ」という責任感から、精神的な余裕を失いやすくなります。
• 孤立感: 遠方に住むあなたや、頼れる家族が少ない場合、孤独感も増幅します。

お母様が頑固で人を頼らないのは、プライドや完璧主義だけでなく、これらの負担からくる防衛本能かもしれません。まずは、お母様の置かれた状況を理解し、共感することが大切です。

2. コミュニケーションの取り方：寄り添い、耳を傾ける

お母様とのコミュニケーションは、状況を改善するための重要な鍵です。しかし、あなたの提案が逆効果になることもあるため、慎重なアプローチが必要です。

• 傾聴に徹する: 愚痴を聞くことに徹し、安易なアドバイスは避けましょう。まずは、お母様の気持ちを理解しようと努める姿勢を見せることが重要です。
• 共感の言葉: 「大変だね」「辛いね」といった共感の言葉を伝え、お母様の気持ちに寄り添いましょう。
• 過去の経験を共有: 以前、お母様が困難を乗り越えた経験などを話題にし、お母様の強さを再認識させてあげるのも良いでしょう。
• 否定的な言葉を避ける: 「〜すべき」「〜しないと」といった命令口調や、否定的な言葉は避け、「〜できたらいいね」といった、柔らかい表現を心がけましょう。

コミュニケーションの目的は、お母様の気持ちを理解し、安心感を与えることです。焦らず、時間をかけて関係性を築いていきましょう。

3. 専門家のサポート：プロの力を借りる

お母様が一人で抱え込んでいる状況を改善するためには、専門家のサポートが不可欠です。特に、在宅介護を続ける上では、専門家の助けを借りることで、お母様の負担を軽減し、より良い介護環境を整えることができます。

• ケアマネージャーとの連携: ケアマネージャーは、介護に関する専門家であり、様々なサポートを提供してくれます。お母様の状況を詳しく伝え、適切なサービスを提案してもらいましょう。
  • 訪問介護（ヘルパー）の増員: 身体介護や生活援助を増やし、お母様の負担を軽減します。
  • デイサービスやショートステイの利用: お母様の休息時間を作り、心身のリフレッシュを促します。
  • 福祉用具の導入: 介護を楽にするための福祉用具（車椅子、手すりなど）の導入を検討します。
• 訪問看護の活用: 医療的なケアが必要な場合、訪問看護師に相談しましょう。
  • 服薬管理: 薬の管理をサポートします。
  • 健康状態の観察: バイタルチェックなどを行い、異変に早期に対応します。
  • 家族へのアドバイス: 介護方法や、病状に関するアドバイスを提供します。
• 医師との連携: 父親の病状や、お母様の健康状態について、医師と連携し、適切な医療サービスを受けられるようにします。
  • 緩和ケアの検討: 痛みのコントロールや、精神的なサポートを行います。
  • 定期的な診察: 病状の変化に対応し、適切な治療を行います。

専門家のサポートは、お母様の負担を軽減するだけでなく、あなた自身の負担も軽減します。積極的に専門家を活用し、より良い介護環境を整えましょう。

4. 家族の協力：兄との連携と役割分担

遠方に住むあなただけでなく、近くに住む兄の協力も不可欠です。お母様が人を頼るのが苦手でも、家族である兄であれば、受け入れやすい可能性があります。

• 兄との話し合い: 兄に、父親の介護状況や、お母様の精神状態について説明し、協力を仰ぎましょう。
• 役割分担: 兄には、買い物や通院の付き添い、庭の手入れなど、できる範囲でのサポートをお願いしましょう。
• 情報共有: 介護に関する情報を共有し、協力体制を築きましょう。
• 感謝の言葉: 兄の協力に対して、感謝の気持ちを伝えましょう。

家族の協力は、お母様の負担を軽減し、あなた自身の精神的な負担も軽減します。積極的に家族と連携し、支え合いましょう。

5. 精神的なサポート：心のケアと休息の確保

お母様の精神的な負担を軽減するためには、心のケアと休息の確保が重要です。精神的なサポートは、お母様の心の安定につながり、より良い介護を続けるための力となります。

• カウンセリングの検討: 介護に関する悩みや不安を抱えている場合、カウンセリングを受けることを検討しましょう。専門家が、お母様の心のケアをサポートします。
• 趣味や楽しみの確保: お母様が好きなことや、楽しめる時間を作りましょう。気分転換になり、ストレスを軽減することができます。
• 休息時間の確保: 睡眠不足や、休息不足は、精神的な負担を増大させます。十分な休息時間を確保できるように、工夫しましょう。
• 息抜きの時間: 介護から一時的に離れる時間を作りましょう。気分転換になり、リフレッシュすることができます。
• 感謝の気持ちを伝える: お母様の頑張りに対して、感謝の気持ちを伝えましょう。

精神的なサポートは、お母様の心の安定につながり、より良い介護を続けるための力となります。積極的に心のケアを行い、お母様を支えましょう。

6. あなた自身のケア：無理のない範囲でのサポート

あなたは遠方に住んでおり、頻繁に実家に帰ることが難しい状況です。無理をして、あなた自身が心身ともに疲れてしまうと、結果的にお母様のサポートも難しくなります。あなた自身のケアも忘れずに行いましょう。

• 罪悪感を手放す: 頻繁に実家に帰れないことに対して、罪悪感を感じる必要はありません。できる範囲で、精一杯サポートすることが大切です。
• 情報収集: 介護に関する情報を収集し、知識を深めましょう。
• 相談できる相手を持つ: 介護に関する悩みや不安を、誰かに相談しましょう。
• 休息時間の確保: 自分の時間を確保し、心身ともにリフレッシュしましょう。
• 自分を褒める: 頑張っている自分を褒め、認めましょう。

あなた自身のケアは、お母様をサポートするための基盤となります。無理のない範囲で、自分を大切にしながら、介護を支えましょう。

7. 具体的な行動計画：ステップバイステップで進める

これらのアドバイスを踏まえ、具体的な行動計画を立て、ステップバイステップで進めていきましょう。焦らず、一つずつ、できることから取り組むことが大切です。

1. 情報収集: 介護保険制度や、利用できるサービスについて、情報収集を行います。
2. ケアマネージャーとの相談: ケアマネージャーに相談し、今後の介護プランについて検討します。
3. 兄との連携: 兄に、父親の介護状況や、お母様の精神状態について説明し、協力を仰ぎます。
4. 専門家のサポート: 訪問看護や、訪問介護などのサービスを検討し、利用を開始します。
5. コミュニケーションの改善: お母様とのコミュニケーション方法を見直し、寄り添う姿勢を心がけます。
6. 定期的な連絡: 定期的に電話や、ビデオ通話を行い、お母様の様子を確認します。
7. 自分のケア: 自分の心身の健康を維持し、無理のない範囲でサポートを続けます。

この行動計画は、あくまでも一例です。お母様の状況や、あなたの置かれた状況に合わせて、柔軟に計画を立て、実行してください。

8. 長期的な視点：焦らず、一歩ずつ

介護は、長期にわたる道のりです。焦らず、一歩ずつ、できることから取り組むことが大切です。時には、うまくいかないこともあるかもしれませんが、落ち込まず、前向きに進んでいきましょう。

• 変化を受け入れる: 状況は常に変化します。柔軟に対応し、変化を受け入れましょう。
• 感謝の気持ちを持つ: お母様の介護を支えることができることに、感謝の気持ちを持ちましょう。
• 自分を責めない: 完璧を求めず、自分を責めないようにしましょう。
• 休息を取る: 疲れたときは、休息を取り、心身をリフレッシュしましょう。
• 周りの人に頼る: 一人で抱え込まず、周りの人に頼りましょう。

長期的な視点を持ち、焦らず、一歩ずつ進んでいくことで、あなたとお母様にとって、より良い介護生活を送ることができるでしょう。

9. 成功事例から学ぶ：他の家族の経験

同じような状況を経験した他の家族の成功事例から学ぶことも、大きな助けになります。他の家族がどのように困難を乗り越え、より良い介護生活を送っているのかを知ることで、あなたのモチベーションを高め、具体的な解決策を見つけるヒントを得ることができます。

• 情報交換の場: 介護に関する情報交換ができる場に参加してみましょう。同じような境遇の人々と交流することで、共感し合い、孤独感を和らげることができます。
• 体験談の共有: 介護に関する体験談を共有することで、他の人の悩みや苦労を知り、自分の状況を客観的に見つめ直すことができます。
• 成功事例の学習: 他の家族がどのように問題を解決し、より良い介護生活を送っているのかを学びましょう。
• 専門家の意見: 専門家の意見を聞き、介護に関する知識を深めましょう。

他の家族の経験から学ぶことで、あなたは一人ではないことを実感し、前向きな気持ちで介護に取り組むことができるでしょう。

10. まとめ：寄り添い、支え合い、共に乗り越える

老老介護という困難な状況の中で、娘としてできることはたくさんあります。お母様の状況を理解し、寄り添い、専門家のサポートを借りながら、家族一丸となって支え合うことが大切です。焦らず、一歩ずつ、あなたとお母様が共に乗り越えていくことを願っています。

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