77歳義父の病状悪化…今後の経過と、私たちができること

77歳になる義父の病状について、ご心配な状況、お察しいたします。40年前からのC型肝炎治療、7年前の肝臓がん手術、1年前の胃がん手術、10年前からのCOPD治療と、多くの病気を抱えながらも懸命に生きてこられた義父様の、今回の転倒とそれに伴う敗血症、そして術後の経過について、ご家族として不安を抱かれるのは当然のことです。以下に、ご相談内容を引用し、詳細な情報と、私たちができることについて解説します。

77歳の義父についてです。手術後の状態があまり良くなく心配しております。

〈義父の病気の既往歴〉

40年前よりC型肝炎治療中

7年前に肝臓ガンをラジオ波治療で手術1年後再発ラジオ波治療で手術

1年前胃がん、内視鏡で切除

10年前よりcopdの治療中

〈今回の手術の経緯〉

3/6に転倒、肩と脚にケガ。3/11肩に痛みが出て総合病院の整形外科診察、打撲と言われて帰宅

3/12発熱、もともと内科で血液検査の予定だったので来院して採血。crpの数値が40まで上がっており、転倒した時の傷からバイ菌が入ったのではごいうことで整形外科に即入院。CT検査の結果肩にバイ菌がかなりたまっており手術が必要、翌日全身麻酔にて肩に2箇所穴をあけ洗い流す手術をしました。バイ菌は黄色ブドウ球菌で敗血症になってたとのことです。

〈術後の経過〉

手術の翌日から37度から38度の熱が続き、術後せん妄も続いています。食事も固形物はほとんどとれず寝たきりですごして、呼吸もだんだん悪くなりゼーゼーとずっとしています。内科と相談しながらやっていくと言っていますが、内科の先生は、来てくれず心配しております。

CRPの数値は現在5まで下がりました。1まで下げていくとのことです。術後の傷は回復してるそうです。この先どのようになっていくのでしょうか?

ご相談ありがとうございます。77歳というご高齢で、複数の既往症をお持ちの義父様の状況は、ご家族として非常にご心配なことと思います。今回の記事では、義父様の病状と今後の経過について、医学的な視点と、ご家族としてできるサポートについて、具体的に解説していきます。

1. 現在の義父様の病状と医学的視点

まず、現在の義父様の病状を整理し、医学的な視点から解説します。

• 敗血症: 黄色ブドウ球菌による敗血症は、非常に重篤な感染症です。今回のケースでは、転倒による傷から細菌が侵入し、肩に感染が広がったことが原因と考えられます。敗血症は、全身に炎症を引き起こし、臓器不全を引き起こす可能性があります。CRP（C反応性タンパク）の値は、体内の炎症の程度を示す指標であり、40という高い数値から、現在は5まで低下しているものの、まだ高い状態です。
• 術後経過: 手術後の発熱、せん妄、呼吸困難、食欲不振は、高齢者や複数の既往症を持つ患者によく見られる合併症です。特に、せん妄は、認知機能の低下や精神的な不安定さを引き起こし、回復を妨げる可能性があります。呼吸状態の悪化も、COPDの既往があるため、注意が必要です。
• その他の既往症: C型肝炎、肝臓がん、胃がん、COPDといった既往症は、今回の病状に影響を与えている可能性があります。肝機能の低下は、免疫力の低下につながり、感染症のリスクを高めます。また、COPDは呼吸機能を低下させ、肺炎などのリスクを高めます。

現在の義父様の病状は、敗血症の治療と、術後の合併症の管理が重要です。CRP値の低下は、治療の効果が出ていることを示していますが、まだ油断はできません。内科医との連携が不可欠であり、呼吸状態の管理、栄養補給、感染症対策など、多角的なアプローチが必要です。

2. 今後の経過と予測

今後の経過は、いくつかの要因によって左右されます。

• 敗血症のコントロール: 敗血症の治療が成功し、感染が完全にコントロールされることが最も重要です。CRP値が正常化し、他の感染の兆候が見られないことが目標となります。
• 術後の合併症の管理: せん妄、呼吸困難、食欲不振などの合併症が、適切に管理される必要があります。せん妄に対しては、環境調整や薬物療法、呼吸困難に対しては、酸素投与や呼吸リハビリ、食欲不振に対しては、栄養サポートが重要です。
• 基礎疾患の管理: C型肝炎、肝臓がん、胃がん、COPDといった基礎疾患の管理も重要です。それぞれの病状に応じた治療を行い、全身状態を安定させることが必要です。
• リハビリテーション: 体力回復のため、早期からのリハビリテーションが重要です。理学療法士や作業療法士による指導のもと、筋力トレーニングや日常生活動作の練習を行い、寝たきり状態からの脱却を目指します。

今後の経過は、これらの要因がどのように組み合わさるかによって変わってきます。早期に適切な治療とケアが行われれば、回復の可能性は十分にあります。しかし、高齢であること、複数の既往症があること、術後の合併症があることなどから、予断を許さない状況であることも事実です。

3. ご家族としてできること

ご家族としてできることは、義父様の回復を支え、QOL（Quality of Life：生活の質）を向上させるために、非常に重要です。

• 情報収集と共有: 医師や看護師から、病状や治療方針について、詳しく説明を受け、理解することが重要です。疑問点や不安なことは、遠慮なく質問し、情報を共有しましょう。
• 医療チームとの連携: 医師、看護師、理学療法士、作業療法士、栄養士など、医療チームと連携し、義父様の状態について情報を共有し、協力してケアを行いましょう。
• 環境整備: 義父様が安心して療養できる環境を整えましょう。清潔で快適な環境、十分な換気、適切な温度管理など、基本的な環境整備が重要です。
• 栄養管理: 食欲不振の場合は、少量でも栄養価の高い食事を提供し、脱水を防ぐために水分補給を心がけましょう。必要に応じて、栄養補助食品や点滴なども検討しましょう。
• コミュニケーション: 義父様とのコミュニケーションを積極的に行い、精神的なサポートを行いましょう。話を聞いたり、励ましたり、一緒に思い出を語り合ったりすることで、心の安定につながります。
• リハビリテーションへの協力: リハビリテーションプログラムに積極的に参加し、義父様を励まし、サポートしましょう。
• レスパイトケアの利用: ご家族だけで介護を抱え込まず、レスパイトケア（一時的な介護サービス）を利用することも検討しましょう。

ご家族のサポートは、義父様の回復に大きな影響を与えます。積極的に情報収集し、医療チームと連携し、義父様の心身のケアを行うことで、より良い経過を期待できます。

4. 専門家への相談

義父様の病状や今後の経過について、専門家への相談も検討しましょう。

• セカンドオピニオン: 現在の治療方針について、他の医師の意見を聞くことも有効です。セカンドオピニオンを受けることで、より適切な治療法が見つかる可能性があります。
• 緩和ケア: 痛みのコントロールや精神的なサポートが必要な場合は、緩和ケアの専門家への相談も検討しましょう。
• 介護保険サービスの利用: 退院後の生活を支えるために、介護保険サービスの利用を検討しましょう。ケアマネージャーに相談し、適切なサービスを計画してもらいましょう。

専門家への相談は、より適切な治療とケアを受けるために、重要な選択肢です。積極的に活用し、義父様のQOLの向上を目指しましょう。

5. 成功事例と専門家の視点

以下に、類似のケースにおける成功事例と、専門家の視点をご紹介します。

• 成功事例1: 75歳の男性、COPDと心不全を患い、肺炎を発症。集中治療室での治療と、早期からのリハビリテーションにより、回復し、自宅退院。
• ポイント: 早期の診断と治療、積極的なリハビリテーション、家族のサポート
• 成功事例2: 80歳の女性、大腿骨骨折の手術後、せん妄を発症。環境調整、薬物療法、家族の精神的サポートにより、せん妄が改善し、自宅退院。
• ポイント: 多職種連携による包括的なケア、家族の理解と協力
• 専門家の視点: 医療ジャーナリストA氏「高齢者の場合、複数の病気を抱えていることが多く、今回のケースのように、転倒をきっかけに様々な合併症を引き起こすことがあります。早期の診断と治療、多職種連携による包括的なケア、家族のサポートが、回復のカギとなります。」

これらの事例から、早期の対応と、多角的なアプローチ、そして家族のサポートが、高齢者の病状改善に不可欠であることがわかります。

6. まとめ

77歳義父様の病状は、敗血症、術後の合併症、基礎疾患など、多くの要因が複雑に絡み合っています。今後の経過は、これらの要因がどのようにコントロールされるかによって左右されます。ご家族としてできることは、情報収集、医療チームとの連携、環境整備、栄養管理、コミュニケーション、リハビリテーションへの協力、レスパイトケアの利用など、多岐にわたります。専門家への相談も検討し、義父様のQOLの向上を目指しましょう。

今回のケースは、高齢者の病状管理の難しさ、多職種連携の重要性、家族のサポートの重要性など、多くの教訓を与えてくれます。義父様の回復を心からお祈り申し上げます。

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