介護職で働くあなたへ贈る！高齢者の「最後の願い」を叶えるための情報収集術

至急です。介護士です。昔のお店を確認する方法を教えて欲しいです。もう長くない利用者様が「最後に昔やってた店の写真を見たい」と言っています。 その利用者様は認知がかなり重く、意思疎通も難しいのですが昔旦那様とやっていたお店の話をする時は目に輝きを取り戻しとてもイキイキと話してくださります。 もうご飯も食べれず弱っていて、衰弱した体で「最後にあのお店が見たい」と涙ながらに私に懇願してきます。 娘息子は災害で亡くなってしまったようで、家族もいないし、98のおばあちゃんが昔やっていたお店なので相当昔のものだと思われます。 私の祖父母も知りませんでした。 出来ればいろんな人に聞き込みをしたいのですが、利用 者様の情報だからと上が許してくれません。 おおまかな場所、店名、お店の名前は覚えているそうですが、いつ畳んだのかなどはわからないそうです。 どうにか昔のお店の写真などが見れるツールはないでしょうか。もしかしたらご本人様が写真を持っているかもしれませんが、うちの老人ホームに来た際はもうかなり認知が重くて荷物も必要最低限しかありませんでした。

この質問は、介護職に携わる方にとって、非常に胸を締め付けられる、そして同時に解決策を見つけるのが困難な状況を表しています。高齢者の「最後の願い」を叶えるために、限られた情報からどのようにして昔のお店を探し出すか、そしてその過程でどのような倫理的な配慮が必要なのかを、具体的なステップを踏まえて解説していきます。

1. 利用者様から得られる情報の最大限の活用

まず、利用者様から得られる情報を可能な限り詳細に聞き出すことが重要です。認知症が進行しているとはいえ、断片的な情報でも手がかりになります。具体的には、以下の点を丁寧に確認しましょう。

• お店の名前： カタカナ、漢字、ひらがななど、少しでも覚えている情報をメモしましょう。曖昧な表現でも構いません。
• お店の場所： 「〇〇町あたり」「〇〇駅近く」など、具体的な住所でなくても、近隣の目印となる場所があればメモします。地図アプリなどを活用して、場所を絞り込むヒントになるかもしれません。
• お店の業種： 「喫茶店」「雑貨屋」「洋服屋」など、どのような種類の店だったのかを聞き出します。この情報が、検索範囲を絞り込むのに役立ちます。
• 営業していた時期： 大まかな年代だけでも構いません。「昭和〇〇年代」など、時代を特定する情報があれば、検索を効率化できます。
• お店の外観の特徴： 「赤い看板だった」「二階建てだった」など、記憶に残っている外観の特徴を聞き出します。写真を探し出す際に役立つ可能性があります。

聞き取りの際には、焦らず、優しく、そして十分な時間をかけて行いましょう。高齢者の記憶は曖昧な部分も多いので、何度も同じ質問を繰り返したり、異なる言い回しで質問したりする必要があるかもしれません。 また、写真や絵を描いてもらうのも有効な手段です。たとえ絵が下手であっても、何かしら手がかりになる可能性があります。

2. 情報収集ツールの活用

利用者様から得られた情報を基に、様々な情報収集ツールを活用しましょう。インターネット検索はもちろん、古地図や昔の電話帳なども有効です。

• インターネット検索： Google、Yahoo!などの検索エンジンで、得られた情報を組み合わせて検索します。例えば、「〇〇町　喫茶店　昭和40年代」のように、複数のキーワードを組み合わせることで、検索結果を絞り込むことができます。また、Googleマップのストリートビュー機能も活用し、該当する場所の現在の様子を確認してみましょう。
• 古地図： 国土地理院の地図閲覧サービスや、地域の図書館・郷土資料館などに保存されている古地図を閲覧することで、昔の様子を調べることができます。古い地図には、現在では存在しない建物や店が記載されている場合があります。
• 昔の電話帳： 電話帳は、住所録としても活用できます。地域の図書館・郷土資料館などに保存されている昔の電話帳を調べれば、お店の電話番号や住所が分かる可能性があります。ただし、個人情報の保護に配慮し、必要以上の情報は調べないようにしましょう。
• 地域住民への聞き込み： 上司の許可が下りない場合でも、個人的な時間や休日に、近隣住民に聞き込みを行うことは可能です。ただし、プライバシー保護に十分配慮し、利用者様の情報を安易に漏らさないように注意しましょう。また、聞き込みをする際には、事前に目的を明確に伝え、相手への配慮を忘れないようにしましょう。
• SNS： FacebookやTwitterなどのSNSで、地域の情報を探してみるのも有効です。地域住民が投稿した写真や情報の中に、探しているお店に関する情報が含まれている可能性があります。

3. 倫理的な配慮と情報管理

高齢者のプライバシー保護は非常に重要です。情報収集の過程では、以下の点に十分注意しましょう。

• 個人情報の保護： 利用者様の個人情報は、厳重に管理し、第三者に漏らさないようにしましょう。情報収集の際には、必要最小限の情報のみを収集し、不要な情報は速やかに削除しましょう。
• 同意の取得： 可能であれば、利用者様ご本人またはその代理人から、情報収集への同意を得ることが理想的です。認知症の進行状況によっては、同意を得ることが困難な場合もあるため、その場合は、利用者様の最善の利益を考慮し、倫理的に問題がない範囲で情報収集を行う必要があります。
• 関係機関への相談： どうしても情報が見つからない場合は、地域包括支援センターや社会福祉協議会などの関係機関に相談してみるのも良いでしょう。これらの機関は、高齢者の生活支援に関する豊富な知識と経験を持っており、適切なアドバイスやサポートを提供してくれる可能性があります。

4. 代替案の検討

万が一、お店の写真を発見することができなかった場合でも、利用者様の気持ちを慰めるための代替案を検討しましょう。

• 当時の様子を再現する： 利用者様から聞き出した情報を基に、お店の雰囲気を再現した絵を描いたり、模型を作ったりするのも良いでしょう。手作り感あふれるプレゼントは、利用者様の心を温かく癒やす効果があります。
• 思い出を語り合う： お店に関する思い出を、利用者様と一緒に語り合う時間を持つことも大切です。当時の様子を詳しく聞けば、新たな情報が得られる可能性もありますし、思い出を共有することで、利用者様の心を満たすことができるでしょう。
• 写真アルバムの作成： 利用者様の若い頃の写真や、その他の思い出の写真を集めて、写真アルバムを作成するのも良いでしょう。写真を見ながら、過去の思い出を振り返ることで、心の安らぎを得ることができるかもしれません。

5. まとめ

高齢者の「最後の願い」を叶えることは、介護職にとって大きな責任とやりがいのある仕事です。限られた情報の中で、様々なツールや方法を駆使し、倫理的な配慮を忘れずに、一つずつ丁寧に解決策を探っていくことが重要です。 もし、この記事の内容だけでは解決できない、または、一人で抱えきれない悩みを抱えているのであれば、専門家のサポートを受けることを検討しましょう。

この記事が、あなたにとって少しでもお役に立てれば幸いです。 高齢者の尊厳と幸せを守るため、私たち介護職は、これからも精一杯努力していきましょう。