住宅型有料老人ホームで働く作業療法士のキャリア相談：介護業務増加への対処法

現在、作業療法士（機能訓練士に近い）として、住宅型有料老人ホームで働いています。もうすぐ丸2年になります。リハビリ職はその他にPT、STも1人ずついて、リハ職としては３人居ます。リハビリとしては介護保険からも医療保険からも報酬をとっておらず、完全サービス（支払いの中に含まれるような形）になっています。介護士さん、看護師さんはそれぞれ介護保険や医療保険から訪問介護、訪問看護としてしっかり報酬（点数）を取っています。御多分にもれず、うちの施設も介護士の人数が不足してきており、幹部での話し合いでリハビリ職を休業させて介護職に回そうという話も出ているとのこと（まだ具体的にはリハビリの方に話は降りてきていない）。現在、入浴の介助の仕事は月数回やむなく行なっています。リハビリ職として入職し、介護の仕事はしないという条件（口頭での話で、書面ではその旨は記載なし）で入ったにも関わらず、介護の仕事をさせようとしてるのが納得できません。しかし、介護さんの人数が少なくなっているのは事実です。看護師さんは来月から来月からやってもいいと考える方のみ介護の仕事を始めるみたいです。何とか入浴介助の仕事の回数を少し増やす程度にとどめたいと思うのですが、何か良い方法はないでしょうか？

この質問は、多くの住宅型有料老人ホームで働く作業療法士の方々が抱える共通の悩みを反映しています。人員不足による業務範囲の拡大、当初の雇用条件とのずれ、そして自身のキャリアパスへの不安など、複雑な問題が絡み合っています。本記事では、この問題を解決するための具体的なステップと、キャリア支援の専門家としてのアドバイスを提供します。

現状分析と課題整理：あなたの状況を整理してみましょう

まず、あなたの現状を整理し、課題を明確化することが重要です。現状は、人員不足により、当初の雇用条件（介護業務なし）と異なる業務を強いられている状況です。これは、労働契約上の問題にも発展する可能性があります。 課題としては、以下の３点が挙げられます。

• 業務範囲の拡大：当初の契約内容と異なる介護業務の増加。
• 労働条件の変更：口頭での合意事項が守られていない可能性。
• キャリアパスへの不安：リハビリ業務に専念できないことによるキャリアへの影響。

これらの課題を解決するためには、以下の３つのアプローチが考えられます。

解決策１：施設側との交渉と合意形成

まずは、施設側と率直に話し合うことが重要です。 具体的な証拠（例えば、入職時の面談記録など）があれば、それを提示しながら、当初の雇用条件と現状のずれを説明しましょう。 単なる不満の訴えではなく、建設的な提案をすることが大切です。例えば、以下の提案が考えられます。

• 業務内容の明確化：作業療法士としての業務範囲を明確に定義し、書面で確認する。
• 介護業務の範囲と時間制限：介護業務を行う場合、その範囲と時間を明確に定める。
• 業務量に見合った報酬の交渉：介護業務を行う場合は、それに応じた追加報酬を交渉する。
• 人員配置の見直し：介護職員の増員を提案する。具体的な数値データを示すことで説得力を増すことができます。

交渉の際には、感情的にならず、冷静かつ客観的に現状を説明することが重要です。 「施設の運営にも貢献したい」という姿勢を示すことで、より建設的な話し合いを進めることができます。 もし交渉が難航する場合は、労働組合や弁護士に相談することも検討しましょう。

解決策２：キャリアプランの見直しと転職活動

施設側との交渉がうまくいかない場合、または、現状維持が難しいと判断した場合は、キャリアプランの見直しと転職活動も視野に入れるべきです。 現在の施設では、あなたの専門性を十分に活かすことができない可能性があります。 転職活動を行う際には、以下の点を意識しましょう。

• 求める条件の明確化：どのような職場で働きたいのか、どのような業務をしたいのかを明確にする。
• 情報収集：転職サイトや求人情報誌などを活用して、自分に合った求人を探す。
• 面接対策：面接では、あなたのスキルや経験、そしてキャリアプランを明確に伝える。

転職活動は、時間と労力を要しますが、より良い環境で働くためには必要なステップです。 自身のキャリアビジョンを明確に持ち、積極的に行動することが重要です。 多くの転職サイトでは、専門性の高い求人情報も掲載されているため、積極的に活用しましょう。 特に、リハビリテーションに特化した転職サイトは、あなたのスキルを活かせる求人を多く掲載している可能性があります。

解決策３：スキルアップと専門性の深化

現状の職場で働き続けることを選択するとしても、スキルアップと専門性の深化は、あなたのキャリアにとって大きなプラスになります。 例えば、以下のスキルアップが考えられます。

• 専門資格の取得：より高度な専門知識・スキルを習得することで、あなたの市場価値を高めることができます。
• 研修やセミナーへの参加：最新の知識や技術を習得することで、業務の効率化や質の向上に繋げることができます。
• 論文発表や学会発表：専門性をアピールし、キャリアアップに繋げることができます。

スキルアップは、あなたの交渉力を高め、施設側との関係改善にも繋がります。 また、スキルアップによって、将来的に他の施設への転職を容易にすることもできます。 継続的な学習は、作業療法士としてのキャリアを長く続けるための重要な要素です。

成功事例：他の作業療法士の経験から学ぶ

私のキャリア支援活動を通して、多くの作業療法士の方々と接してきました。 中には、今回の質問者様と似たような状況に直面し、うまく解決策を見つけた方もいます。 ある作業療法士の方は、施設長と直接話し合い、業務範囲を明確化し、介護業務の時間を制限することで、リハビリ業務に集中できるようになりました。 また、別の作業療法士の方は、スキルアップを図り、より専門性の高い業務に携わることで、自身のキャリアパスを確立しました。 これらの事例からもわかるように、積極的な行動と柔軟な対応が、問題解決の鍵となります。

まとめ

住宅型有料老人ホームで働く作業療法士にとって、人員不足による業務範囲の拡大は深刻な問題です。 しかし、適切な対応をすることで、この問題を乗り越えることは可能です。 まずは、施設側との交渉を行い、現状を改善する努力をしましょう。 それでも解決しない場合は、キャリアプランの見直しや転職活動も視野に入れましょう。 そして、常にスキルアップを心がけ、自身の専門性を高めることで、将来のキャリアパスを確立していくことが重要です。 あなたのキャリアを応援しています。

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