認知症の親の財産を守る！親戚トラブルを回避し、相続をスムーズに進める方法

この記事では、認知症の親御さんの財産を守り、親戚間のトラブルを未然に防ぎ、円滑な相続を実現するための具体的な方法を、キャリア支援の専門家である私が解説します。

親御さんの介護と財産管理は、非常にデリケートな問題です。特に、親戚との関係が複雑に絡み合うと、事態はさらに困難になります。この記事では、具体的なケーススタディを基に、あなたが直面している問題に対する具体的な解決策を提示します。

親戚のオバサンが老人ホームに入所している母親に面会に来てウザいです(笑)

両親が2人とも認知症のため、2人揃って老人介護施設に入所してもらっています。

質問のウザいオバさんは、母親の妹にあたります。今年で76歳です。このおばさんはバツ１で、30代と40代の2人の娘がいます。上は結婚して離れてます。

定年まで、当地の公立病院で看護師として勤務しました。

さて、母親は糖尿持ちのため、前出の公立病院に入退院を繰り返しており、この入院の度に、母親に媚を売っていたようです。

なぜ媚を売るかというと、（認知になる前の）母親にお金を無心していたからです。

無心していたことは、父親は知りません（知らないふりをしています）。

媚を売り、尚且つ、介護施設に入所させている息子の私に、元看護師という立場から「あんなところに入所させるのな尋常じゃない」的な罵声を浴びせてきます。

これが非常にウザい為、両親を入所させるに当たり、入所先を通知しませんでした。

しかし、どこで調べたのかわかりませんが（元勤務先の公立病院で聞きまくったか？）、最近、介護施設の面会者名簿に名前があり、面会に来ているようです。

母親は認知症を患っているため、媚っている上辺だけの心遣いを、本当に自分を心配していると思っているようで、オバさんを排除しようとする私に反発しています。

介護施設の施設長さんには黙って通すな旨のお願いをしましたが、まったくもって無意味です。

この件に関しては、無心のことを知らんぷりしている関係もあり、父親はだんまりを決め込んでいます。

さて、息子の私の数々の妨害を乗り越え、母親のところにやってくるウザい親戚のおばさん。

両親の年齢のことや、数々の金の無心のことを思うと、うちの財産のことを狙っているのではないかと思ってしまいます。

母親はまだ元気な時に、預金証書はこそっと私の名義にしてくれましたが、不動産（実家・土地1筆・分譲マンション1件）と父親名義の預金は、まだ父親名義となっています。

たいへん不躾な言い方ではありますが、父親はさらに肺がんを患っており、これから先、そんなに長くないと思われます。

父親が他界した場合、当然母親がまず相続すると思いますが、今まで書いたとおり母親は認知症で、十分な判断が出来るとは思えません。

そこで、このウザいおばさんが絡んできて、認知症の母親を騙し、かっさらっていってしまうのではないかと心配しています。

ウザいおばさんは親戚ではありますが、現在では他人ですので、相続権利はないと思います。

しかし、私（ウザいおばさん）がお姉さん（母親）の面倒見てやったじゃない的な事を言って、相続権利を言い出しかねないと思っています。

ウザいおばさんは息子の私を、老人ホームに入れたデタラメ息子だみたいなことを言いますが、私は両親の主治医の進言に従い、役所に行ってケアマネージャーさんを決めるところから、下見に連れて行ったり、実家の荷物を介護施設に運んだり、全てやりました。

このために、私は去年通算で2ヶ月くらい仕事を休んだりして、自分で言うのもなんですが、それ相応のことはしているつもりです。現在でも、ほぼ毎週、両親のいる介護施設に様子を見に行ってます。

ウザいおばさんへ貸した金を取り立てるのは無理だと思いますが、認知症の母親から財産を守る方法はありますでしょうか？

証書などなくても、法律的に母親の財産や、息子の私の相続権利は、法律で守られていますでしょうか？

このご質問は、多くの人が抱える可能性のある悩みを凝縮したものです。親の介護、親戚との関係、そして財産の問題は、どれも非常に複雑で、専門的な知識と適切な対応が求められます。この記事では、これらの問題に対する具体的な解決策を、法的側面と実践的な側面の両方から解説していきます。

1. 現状分析：抱えている問題の整理

まず、現状を整理し、問題点を明確にしましょう。ご相談者の状況は、以下の3つの主要な問題に集約されます。

• 親戚トラブル：認知症の母親に近づき、財産を狙っている可能性のある親戚（おばさん）の存在。
• 財産管理の不安：認知症の母親の財産が、適切な管理下になく、不正に奪われるリスク。
• 相続に関する懸念：父親の死後、母親の相続能力が不確かな状況下での、相続トラブルのリスク。

これらの問題は、それぞれが複雑に絡み合い、放置すると深刻な事態を招く可能性があります。一つずつ丁寧に解決策を検討していく必要があります。

2. 法的側面からのアプローチ：財産を守るための法的手段

まずは、法的側面から問題解決を図りましょう。法律は、あなたの権利を守るための強力な武器となります。

2-1. 成年後見制度の活用

認知症の母親の財産を守るために、最も有効な手段の一つが、成年後見制度の利用です。成年後見制度には、以下の2つの種類があります。

• 法定後見：本人の判断能力が低下した場合に、家庭裁判所が選任する後見人等が、本人の財産管理や身上監護を行う制度です。
• 任意後見：本人の判断能力が十分なうちに、将来の後見人となる人と契約を結んでおく制度です。

今回のケースでは、母親が既に認知症を患っているため、法定後見制度を利用することになります。家庭裁判所に後見開始の申立てを行い、後見人を選任してもらうことになります。後見人には、親族だけでなく、弁護士や司法書士などの専門家も選任できます。

メリット

• 財産保護：後見人は、母親の財産を適切に管理し、不正な流出を防ぎます。
• 契約の取消権：後見人は、母親が不利な契約を結んだ場合、それを取消すことができます。
• 身上監護：後見人は、母親の生活や療養看護に関する意思決定を支援します。

デメリット

• 手続きの煩雑さ：申立てには、様々な書類の準備や、家庭裁判所とのやり取りが必要です。
• 費用：後見人への報酬が発生します。
• 自由度の制限：後見人は、本人の財産を自由に処分することはできません。

2-2. 遺言書の作成と検認

父親が遺言書を作成していない場合、相続は法定相続に従って行われます。しかし、父親が遺言書を作成していれば、その意思を尊重した相続が可能になります。

遺言書の作成

父親に遺言書の作成を勧め、専門家（弁護士など）に相談して、公正証書遺言を作成してもらうのが理想的です。公正証書遺言は、公証人が作成するため、法的効力が強く、偽造や紛失のリスクも低いです。

遺言書の検認

遺言書が見つかった場合、家庭裁判所で検認の手続きを行う必要があります。検認とは、遺言書の内容を確認し、その存在を明らかにする手続きです。検認を経ないと、遺言書に基づいて相続手続きを行うことができません。

2-3. 相続放棄と限定承認

万が一、母親が父親から多額の負債を相続することになった場合、相続放棄や限定承認という選択肢も検討できます。

• 相続放棄：相続人が、相続を放棄することです。これにより、負債を相続する義務がなくなります。
• 限定承認：相続人が、相続によって得た財産の範囲内で、負債を弁済することです。負債が財産を上回る場合でも、相続人の自己財産で弁済する必要はありません。

これらの手続きは、専門家（弁護士など）に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。

3. 実践的な対策：親戚トラブルを回避し、財産を守るための具体的な行動

法的手段と並行して、実践的な対策も講じる必要があります。これらの対策は、親戚トラブルを未然に防ぎ、財産を守るために不可欠です。

3-1. 証拠の収集と記録

万が一、親戚との間でトラブルが発生した場合に備えて、証拠を収集し、記録しておくことが重要です。

• 面会記録：親戚の面会日時や、面会時の会話内容を記録しておきましょう。
• 金銭のやり取りの記録：親戚がお金を無心した事実を証明できる証拠（メール、手紙、録音など）を保管しておきましょう。
• 財産に関する記録：母親の財産に関する情報を、詳細に記録しておきましょう（預金通帳のコピー、不動産の登記簿謄本など）。

3-2. 専門家への相談

弁護士、司法書士、税理士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。専門家は、あなたの状況に合わせて、具体的な解決策を提案してくれます。

• 弁護士：法的な問題全般について相談できます。
• 司法書士：相続登記や成年後見に関する手続きについて相談できます。
• 税理士：相続税に関する問題について相談できます。

専門家への相談は、早ければ早いほど、問題解決の可能性が高まります。

3-3. 介護施設との連携

介護施設の施設長や、ケアマネージャーと連携し、親戚の面会に関する対応について相談しましょう。施設側も、入居者の安全と安心を守るために、協力してくれるはずです。

• 面会制限：親戚の面会を制限してもらうことを検討しましょう。
• 情報共有：親戚に関する情報を、施設側に共有しておきましょう。
• 緊急時の対応：万が一、親戚が不審な行動をした場合の対応について、施設側と打ち合わせておきましょう。

3-4. 感情的なケア

親の介護や親戚とのトラブルは、精神的な負担が大きいです。自分自身をケアすることも、非常に重要です。

• 相談相手の確保：家族、友人、または専門家（カウンセラーなど）に相談し、悩みを共有しましょう。
• 休息：十分な休息を取り、心身ともにリフレッシュしましょう。
• 趣味：自分の好きなことに時間を使い、ストレスを解消しましょう。

心身ともに健康な状態で、問題解決に取り組むことが、成功への鍵となります。

4. 相続開始後の対応：万が一に備えて

父親が亡くなり、相続が開始された場合、以下の点に注意して対応しましょう。

4-1. 相続手続きの開始

まずは、相続手続きを開始します。具体的には、以下の手続きを行います。

• 遺言書の確認：遺言書がある場合は、その内容に従って手続きを進めます。
• 相続人の確定：相続人となる人を確定します。
• 相続財産の調査：相続財産の内容を調査します（預貯金、不動産、株式など）。
• 遺産分割協議：相続人全員で、遺産の分割方法について話し合います。
• 相続登記：不動産の名義変更を行います。
• 相続税の申告：相続税が発生する場合は、税務署に申告し、納税します。

4-2. 親戚との交渉

親戚との間で、遺産分割に関する意見の対立が生じる可能性があります。その場合は、以下の点に注意して交渉を進めましょう。

• 冷静な対応：感情的にならず、冷静に話し合いましょう。
• 証拠の提示：客観的な証拠を提示し、自分の主張を裏付けましょう。
• 専門家の活用：弁護士などの専門家に相談し、交渉をサポートしてもらいましょう。

4-3. 紛争解決手段の検討

親戚との交渉が決裂した場合、以下の紛争解決手段を検討しましょう。

• 調停：家庭裁判所の調停委員を交えて、話し合いを行います。
• 審判：家庭裁判所が、遺産分割の方法を決定します。
• 訴訟：裁判所で、遺産分割に関する訴訟を起こします。

これらの紛争解決手段は、専門的な知識が必要となるため、弁護士に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。

5. まとめ：未来を守るために

この記事では、認知症の親の財産を守り、親戚トラブルを回避し、円滑な相続を実現するための具体的な方法を解説しました。重要なポイントをまとめます。

• 現状の把握：問題点を明確にし、優先順位をつけましょう。
• 法的手段の活用：成年後見制度や遺言書の作成など、法的手段を積極的に活用しましょう。
• 実践的な対策：証拠の収集、専門家への相談、介護施設との連携など、実践的な対策を講じましょう。
• 相続開始後の対応：相続手続きを適切に進め、親戚との交渉に臨みましょう。
• 感情的なケア：自分自身の心身の健康を保ちながら、問題解決に取り組みましょう。

親の介護と財産管理は、非常に大変な問題ですが、適切な知識と対策を講じることで、必ず解決できます。この記事が、あなたの未来を守るための一助となれば幸いです。

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