訪問介護員の退職：難病患者との関係、キャリアへの影響、そして次の一歩

この記事では、訪問介護の現場で直面する困難、特に難病を抱える利用者との関係性から生じる精神的な負担、そしてそこから退職を考えるに至った介護職員の方々に向けて、具体的なアドバイスを提供します。介護職としてのキャリアを諦めるのではなく、これまでの経験を活かし、より良い働き方を見つけるためのヒントをお伝えします。

常勤の訪問介護員をしています。退職を考えています。担当して1年半になる進行性の難病のご利用者様の訪問が精神的に限界です。週二回の訪問で介助が上手くいかず色々と厳しい言葉を突き付けられます。自分では工夫したり努力したりしてきたつもりですが、その度に否定されてきました。サ責にも相談を何度もしたのですが、担当を変えてくれようとはしませんし、ご利用者様のいいなりです。

長年入っていた一人のヘルパーさんも同じく介助が上手くいかず体を痛めてその方を降りる事になりました。降りたヘルパーさんを除いて私以外のヘルパーさんは関係も良好のようで介助もスムーズにいっているようなので、自分の実力不足なのだと思います。

この仕事が好きでやりがいを持って施設、訪問で10年頑張ってきてそれなりに困難事例も対応してきましたが、このような経験ははじめてで…この介護職自体向いてないのだと思いはじめています。

休日もこの方の訪問を考えると憂鬱になりため息ばかり出ており心休まる日がありませんし頑張る気力がもう残っていません。この方以外のご利用者様との関係が上手くいっているし、スタッフさんもいい方ばかりなのでとても残念に思います。こういった場合、退職の話をする際にうつ病の診断書は出した方がいいものなのでしょうか？

1. 現状の整理：なぜ退職を考えるのか？

まず、あなたが抱えている問題点を整理しましょう。今回のケースでは、以下の点が主な原因として挙げられます。

• 精神的負担: 特定の利用者との関係性からくる強いストレス、否定的な言葉、そしてそれに対する自己肯定感の低下。
• 孤立感: サ責が状況を改善しようとしないこと、他のヘルパーとの対照的な状況からくる孤立感。
• キャリアへの不安: 介護職としての自己評価の低下、この仕事に向いていないのではないかという不安。
• 心身の不調: 休日も気が休まらない、頑張る気力がわかない、といった心身の不調。

これらの問題が複合的に作用し、退職を考えるまでに至ったと考えられます。しかし、10年間介護の仕事に携わってきた経験、他の利用者との良好な関係性、そしてスタッフとの関係性から、介護の仕事自体を嫌っているわけではないことがわかります。問題は、特定の利用者との関係性にあると言えるでしょう。

2. 退職を決断する前にできること：問題解決へのアプローチ

退職を決断する前に、まだできることがあります。それは、問題解決に向けた具体的な行動を起こすことです。

2-1. サ責との再度の話し合い

一度相談しても変わらなかったからといって諦めるのではなく、再度、サ責との話し合いの機会を設けるべきです。前回とは異なるアプローチで、具体的な問題点と、あなたがどのように感じているかを明確に伝えましょう。

• 具体的な事例を挙げる: どのような言動が精神的な負担になっているのか、具体的な事例を挙げて説明します。
• 感情を伝える: 「辛い」「苦しい」といった感情を率直に伝えます。
• 具体的な提案をする: 担当変更が難しい場合、訪問回数を減らす、他のヘルパーとの連携を強化する、といった具体的な提案をします。

サ責があなたの状況を理解し、何らかの対応をしてくれる可能性もあります。もし、それでも状況が変わらない場合は、より上位の管理者（施設長など）に相談することも検討しましょう。

2-2. 専門家への相談

専門家への相談も有効な手段です。

• 産業カウンセラー: 職場の人間関係やストレスに関する相談ができます。
• 精神科医: 心身の不調が深刻な場合、専門的なアドバイスや治療を受けることができます。

専門家は、客観的な視点からあなたの状況を分析し、適切なアドバイスをしてくれます。また、必要に応じて、休職や治療といった選択肢を提案してくれることもあります。

2-3. 他のヘルパーとの情報交換

他のヘルパーとの情報交換も重要です。

• 困っていることを共有する: 同じような状況に置かれているヘルパーがいれば、共感し合い、支え合うことができます。
• 情報交換をする: 介助方法やコミュニケーション方法について、他のヘルパーからアドバイスをもらうことができます。

一人で抱え込まず、周囲の協力を得ることで、問題解決への糸口が見つかるかもしれません。

3. 退職を決断する場合：円満な退職に向けて

上記の対策を講じても状況が改善しない場合、退職という選択肢も視野に入れる必要があります。退職を決断する際には、以下の点に注意しましょう。

3-1. 退職の意思表示

まずは、上司に退職の意思を伝えます。

• 退職理由を明確に伝える: 今回のケースでは、特定の利用者との関係性からくる精神的な負担が主な理由であることを伝えます。ただし、感情的にならず、冷静に伝えることが重要です。
• 誠意をもって伝える: これまでの感謝の気持ちを伝え、円満な退職を目指しましょう。
• 退職時期を相談する: 会社の状況や、あなたの希望を考慮して、退職時期を相談します。

退職の意思表示は、口頭だけでなく、書面（退職届）でも行うのが一般的です。

3-2. 退職時の手続き

退職が決まったら、以下の手続きを行います。

• 業務の引き継ぎ: 担当していた業務を、後任者に引き継ぎます。
• 貸与品の返却: 制服やIDカードなど、会社から貸与されていたものを返却します。
• 退職書類の受け取り: 離職票、雇用保険被保険者証などを受け取ります。
• 有給休暇の消化: 残っている有給休暇を消化します。

3-3. うつ病の診断書について

今回のケースでは、心身の不調が深刻であるため、うつ病の診断書を取得することも検討しましょう。

• 診断書のメリット: 診断書は、退職理由を客観的に証明する証拠となります。また、傷病手当金や失業保険の受給に必要となる場合があります。
• 診断書の取得方法: 精神科医または心療内科医を受診し、診断書を発行してもらいます。
• 診断書の提出: 会社に提出するかどうかは、あなたの判断によります。提出することで、会社があなたの状況を理解し、円満な退職を促してくれる可能性があります。しかし、提出することで、会社との関係が悪化する可能性もゼロではありません。

診断書の取得と提出については、専門家（医師、弁護士など）に相談することをお勧めします。

4. 退職後のキャリアプラン：介護職としての経験を活かす

退職後、どのようにキャリアを築いていくかは、非常に重要な問題です。介護職としての経験を活かし、より良い働き方を見つけるために、以下の選択肢を検討しましょう。

4-1. 他の介護施設への転職

これまでの経験を活かし、他の介護施設への転職を検討することもできます。

• 施設選びのポイント: 施設の理念、働き方、人間関係などを事前に調べて、自分に合った施設を選びましょう。
• 面接対策: これまでの経験やスキルをアピールし、なぜその施設で働きたいのかを明確に伝えましょう。

転職エージェントを利用することで、求人情報の収集や面接対策のサポートを受けることができます。

4-2. 訪問介護以外の介護職への転職

訪問介護以外の介護職への転職も選択肢の一つです。

• 施設介護: 特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホームなど、様々な施設で働くことができます。
• デイサービス: 利用者の送迎、入浴、食事、レクリエーションなどの業務を行います。
• ケアマネージャー: 介護保険に関する相談や、ケアプランの作成を行います。

これまでの経験を活かし、新たなスキルを習得することで、キャリアアップを目指すことができます。

4-3. 介護職以外の職種への転職

介護職以外の職種への転職も可能です。

• これまでの経験を活かせる職種: 接客業、サービス業など、コミュニケーション能力や対人スキルを活かせる職種があります。
• 新たなスキルを習得する: 事務職、IT関連職など、新たなスキルを習得して、キャリアチェンジすることも可能です。

転職エージェントや職業訓練などを利用して、新たなスキルを習得し、希望する職種への転職を目指しましょう。

4-4. フリーランス、副業という働き方

介護職の経験を活かしつつ、多様な働き方を選択することも可能です。

• フリーランスの介護ヘルパー: 複数の事業所と契約し、自分のペースで働くことができます。
• 介護関連の副業: 介護に関する情報発信、コンサルティング、セミナー講師など、様々な副業があります。

フリーランスや副業は、自由度が高く、自分のペースで働くことができます。しかし、収入が不安定であることや、自己管理能力が求められるといったデメリットもあります。

5. まとめ：あなたのキャリアを再構築するために

今回のケースでは、特定の利用者との関係性からくる精神的な負担が、退職を考える主な原因となっています。しかし、10年間介護の仕事に携わってきた経験、他の利用者との良好な関係性、そしてスタッフとの関係性から、介護の仕事自体を嫌っているわけではないことがわかります。

退職を決断する前に、問題解決に向けた具体的な行動を起こしましょう。サ責との再度の話し合い、専門家への相談、他のヘルパーとの情報交換など、様々なアプローチを試すことができます。

退職を決断する場合は、円満な退職を目指し、退職後のキャリアプランをしっかりと立てましょう。これまでの経験を活かし、他の介護施設への転職、訪問介護以外の介護職への転職、介護職以外の職種への転職、フリーランスや副業といった多様な働き方など、様々な選択肢があります。

あなたのキャリアは、あなたのものです。今回の経験を活かし、より良い働き方を見つけ、輝かしい未来を切り開いてください。

もし、あなたがキャリアについてさらに深く相談したい場合は、wovieのキャリアコンサルタントにご相談ください。あなたの経験やスキル、そして希望に合わせた最適なキャリアプランを提案します。

あなたのキャリアが、より良いものになることを心から応援しています。

“`