仕事と介護の両立は可能？40代女性が直面する現実と乗り越えるためのチェックリスト

この記事では、在宅での要介護5の父親の介護と、仕事、子育てを両立させることについて悩んでいる40代の女性からのご相談にお答えします。ご相談者様の状況を詳細に分析し、具体的なアドバイスと、実践的なチェックリストをご提供することで、少しでもお役に立てれば幸いです。

在宅での要介護5の父親の介護について。71歳、癌を患い余命1〜2年と主治医の先生から言われています。抗がん剤の影響で腸炎からの貧血状態になりトイレで倒れ、頚椎損傷し四肢麻痺となってしまいました。

もともと3年前に大腸癌を患い、手術を繰り返した後に抗がん剤治療のために月に1、2回海を渡り本土の大学病院へ通っていました。倒れる前の検査の時に、癌の転移が播種としてみられていたみたいで抗がん剤の種類を変えたそうです。ウォーキングや魚釣り、趣味をまだまだ楽しめていた時にこのようなことになってしまい、本人は私たちの前では気丈に振る舞ってましたが、娘の私はかなり精神的に落ち込んでしまいました。

今は本土の大学病院に入院しており（離島のためドクターヘリでの搬送）コロナのため面会もできず、気管切開もしていて話せない、自分では携帯も操作することもできないので父の精神状態も心配なところです。時々、LINEのテレビ電話を看護師さんの介助ありでしていただけます。

私たちの住んでいる地域では、父のような重度の介護状態の者の受け入れは難しく、在宅での介護を余儀なくされています。今後、胃ろうも必要になる可能性もあり夜中の痰吸引が必要となると、施設の人員不足もあるようです。

在宅での介護者は、母、私（娘）が主にですが、兄の奥さんも県外から帰ってきてサポートすると言ってくれています。兄の奥さんは介護士をしており、現在はパートで介護職をしていますが休職をしてでも帰ると言ってくれています。（兄夫婦は県外で二人暮らしをしており、奥さんの地元も同じです）

私は正社員で働いており現在40歳。旦那、長男（10）長女（8）の4人家族です。

母は飲食店でパートをしていて現在66歳。病気はないですが、少し足が悪い程度です。父と母は、もともと仲のいい夫婦ではなく、母は父の在宅介護について、かなり消極的です。パートも辞めたくないと言っています。なので、主として介護に携わるのは私であると考えているところです。

そこで質問です。介護と子育てをしながら、仕事を続けられるものでしょうか？できれば時短でと思っていますが、それも無理なのでは…と思っています。きっぱり退職した方がいいのか？私の家と実家は、車で３分と近距離です。夜は旦那に子供を託したいですが旦那は隔日勤務で24時間勤務なので夜不在な日が多いです。

なんだかいろいろなことを考えなくてはいけなくて頭が追いついていない日々です…介護というものが初めてで不安だらけです。私の子供達がまだ小さい時に父にはかなり子守をしてもらいましたし、助けられました。かわいい孫たちの顔を近くで見せてあげたいし父の残された人生を可能な限りサポートしていきたいです。

1. 状況の整理と課題の明確化

ご相談ありがとうございます。71歳のお父様の介護、仕事、子育てと、本当に大変な状況ですね。まずは、現状を整理し、抱えている課題を明確にすることから始めましょう。

1-1. 現状の把握

• ご本人（相談者様）: 40歳、正社員、夫、10歳と8歳のお子さん、実家まで車で3分
• お父様: 要介護5、71歳、癌、四肢麻痺、在宅介護、余命1〜2年
• お母様: 66歳、パート勤務、介護に消極的
• ご兄弟: 兄夫婦（奥様は介護士、県外在住、介護サポートを検討）
• その他: 夫は隔日勤務で夜間不在、介護経験なし

1-2. 抱えている課題

• 介護時間の確保: 24時間介護の可能性、夜間の対応
• 仕事との両立: 正社員としての勤務継続、時短勤務の可能性
• 経済的な問題: 退職した場合の収入減少
• 精神的な負担: 介護、仕事、子育てのストレス
• 家族間の協力体制: 母親の協力が得られない、夫の勤務形態

2. 仕事と介護の両立に向けた選択肢

仕事と介護の両立には、様々な選択肢があります。それぞれの選択肢について、メリットとデメリットを比較検討し、ご自身の状況に最適な方法を見つけましょう。

2-1. 仕事を継続する場合

仕事を継続する場合、収入を維持できるというメリットがあります。しかし、介護と仕事の両立は、時間的、体力的に大きな負担となります。以下の対策を検討しましょう。

• 時短勤務、在宅勤務の検討: 会社の制度を確認し、利用できるか検討しましょう。
• 介護休暇、介護休業の取得: 法律で定められた権利です。積極的に活用しましょう。
• 周囲への協力要請: 家族、親族、友人、地域包括支援センターなど、頼れる人に協力を仰ぎましょう。
• 介護サービスの利用: 訪問介護、デイサービス、ショートステイなど、様々なサービスを検討しましょう。

2-2. 仕事をセーブする場合

パートへの転職や、フリーランスとして働くなど、仕事量を調整する方法です。介護に割ける時間が増えるというメリットがありますが、収入が減る可能性があります。

• パートへの転職: 勤務時間や日数を調整しやすくなります。介護士の資格があれば、介護施設での勤務も検討できます。
• フリーランスとしての働き方: 自分のペースで仕事ができるため、介護との両立がしやすい場合があります。
• キャリアコンサルタントへの相談: 自身のスキルや経験を活かせる仕事を見つけるために、専門家のアドバイスを受けましょう。

2-3. 退職する場合

介護に専念できるというメリットがありますが、収入が途絶えるというデメリットがあります。退職する前に、以下の点を考慮しましょう。

• 経済的な準備: 貯蓄、失業保険、介護保険などを確認しましょう。
• 再就職の可能性: 介護が落ち着いた後の再就職について、考えておきましょう。
• キャリアプランの再構築: 今後のキャリアについて、じっくりと考えましょう。

3. 介護サービスの活用

介護サービスは、介護者の負担を軽減し、質の高い介護を提供するために不可欠です。積極的に利用を検討しましょう。

3-1. 訪問介護

ヘルパーが自宅に訪問し、食事、入浴、排泄などの介助を行います。ご本人の状態に合わせて、必要なサービスを選択できます。

3-2. デイサービス

日中に施設に通い、食事、入浴、レクリエーションなどを行います。日中の介護負担を軽減できます。

3-3. ショートステイ

短期間、施設に入所し、介護を受けます。介護者のレスパイトケア（休息）として利用できます。

3-4. その他のサービス

• 福祉用具のレンタル: 車椅子、介護ベッドなど、必要な福祉用具をレンタルできます。
• 住宅改修: 手すりの設置、段差の解消など、住宅環境を整備できます。
• 地域包括支援センター: 介護に関する相談、情報提供、サービス調整など、様々な支援を受けられます。

4. 家族との連携

介護は、一人で抱え込まず、家族と協力して行うことが重要です。家族間のコミュニケーションを密にし、役割分担を明確にしましょう。

4-1. 家族会議の開催

定期的に家族会議を開き、現状の共有、課題の洗い出し、役割分担、今後の計画などを話し合いましょう。

4-2. 役割分担の明確化

誰が、いつ、どのような介護を行うのか、具体的に決めましょう。それぞれの負担を軽減するために、柔軟な対応が必要です。

4-3. 介護保険サービスの活用

介護保険サービスを利用することで、専門的な介護を受けられます。ケアマネージャーと連携し、適切なサービスを選びましょう。

4-4. 兄夫婦との連携

兄夫婦が介護に参加できる場合、具体的な役割分担について話し合いましょう。介護士の資格を持つ奥様の専門知識は、大きな助けとなります。

5. 精神的なサポート

介護は、心身ともに大きな負担がかかります。ご自身の心と体を守るために、精神的なサポートも重要です。

5-1. 休息時間の確保

定期的に休息を取り、心身をリフレッシュさせましょう。睡眠不足にならないように、工夫しましょう。

5-2. 趣味やリラックスできる時間の確保

好きなことをする時間を作り、ストレスを解消しましょう。気分転換になるような活動を取り入れましょう。

5-3. 相談できる相手の確保

家族、友人、専門家など、悩みを打ち明けられる相手を見つけましょう。一人で抱え込まず、積極的に相談しましょう。

5-4. 専門家のサポート

カウンセリング、精神科医の診察など、専門家のサポートを受けることも検討しましょう。

6. 仕事と介護の両立チェックリスト

以下のチェックリストは、仕事と介護の両立に向けて、ご自身の状況を整理し、具体的な対策を立てるためのものです。ぜひ、ご活用ください。

• 仕事に関するチェック
  • 会社の制度（時短勤務、在宅勤務、介護休暇など）を確認した。
  • 上司や同僚に、介護の状況を伝えた。
  • 仕事の業務内容を見直し、負担を軽減する方法を検討した。
  • キャリアプランについて、今後のことを考えた。
• 介護に関するチェック
  • 介護保険サービスについて、調べた。
  • ケアマネージャーに相談し、ケアプランを作成した。
  • 訪問介護、デイサービス、ショートステイなどのサービスを検討した。
  • 家族と介護について話し合い、役割分担を決めた。
  • 介護用品や福祉用具について、調べた。
• 生活に関するチェック
  • 夫と家事や育児について話し合い、分担を決めた。
  • 自分の休息時間や、趣味の時間を確保する方法を考えた。
  • 困ったときに頼れる人（家族、友人、地域包括支援センターなど）を確保した。
  • 精神的なサポート（カウンセリングなど）について、検討した。
• 経済的なチェック
  • 収入と支出を見直し、今後の生活費について考えた。
  • 貯蓄や、利用できる制度（介護保険、失業保険など）について、確認した。

7. まとめと次の一歩

仕事と介護の両立は、決して簡単なことではありません。しかし、適切な情報収集、計画的な準備、そして周囲のサポートがあれば、必ず乗り越えることができます。

今回のチェックリストを参考に、まずは現状を整理し、具体的な対策を立てていきましょう。そして、一人で抱え込まず、様々な人に相談し、助けを求めることが大切です。ご自身の心と体を大切にしながら、無理のない範囲で、最善の方法を見つけてください。あなたの選択が、あなたとお父様、そしてご家族にとって、最良の結果をもたらすことを心から願っています。

もし、今の状況を打破するために、具体的なキャリアプランや、仕事探しについて、さらに詳しく相談したい場合は、専門家への相談も検討しましょう。あなたの状況に合わせたアドバイスを受けることで、より良い未来を切り開くことができるはずです。

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