介護費用の支払いに困窮…施設への支払い委託は非常識？障がいを抱えながらもできる対策を徹底解説

この記事では、介護施設に入居中のご家族の医療費や生活費の支払いに困窮し、施設への支払い委託を検討されている方に向けて、具体的な解決策と、障がいを抱えながらでもできる対策を専門家の視点から解説します。

認知症で施設入居中の母の入院治療費について詳しい方、専門家の方、教えて下さい。

7，8年前から介護付き有料老人ホームでお世話になっています。母は自身の国民年金と亡父の寡婦年金を受給、医療費のみ生活保護を受けています。

この施設に入居以降は上記の振込口座通帳は全て施設の方で管理して頂いてます。

先月施設内で転倒し左大腿骨骨折して手術し、現在も入院中です（3年前にも施設内で転倒、右大腿骨骨折で手術しています）。

現在↑このような状況です。

⑴医療費の生活保護があるので医療費は不要ですが食事、おむつ、着換えや生活雑貨セットレンタル代、部屋代、（この病院は全ての部屋の部屋代が必要）が支払い対象です。入院期間も長くなるので支払いが心配です。

知人に施設に母の通帳預けてると言うと年金の入金される通帳の管理して貰ってるなら支払いも施設に任せれば？足りなければ連絡くれるんじゃない？と言われ、施設に連絡してみようか悩んでいます。

入院治療費の支払いを施設側にお任せしてしまうのは非常識ですか？お願いするのは無理がありますか？

私自身、障がいがあり就労も出来ず無収入で支払いも困難です。

ご家族の介護費用に関する問題は、多くの方が直面する深刻な問題です。特に、ご自身も障がいを抱え、収入がない状況での対応は、精神的にも大きな負担となります。今回のケースでは、認知症の母親の介護施設入居中の医療費や生活費の支払いが困難になり、施設への支払い委託を検討しているという状況です。この問題に対し、専門家として、法的側面、現実的な対応策、そして精神的なサポートを含めて、包括的にアドバイスをさせていただきます。

1. 現状の整理と問題点の明確化

まず、現状を正確に把握し、問題点を明確にすることが重要です。今回のケースでは、以下の点が主な問題点として挙げられます。

• 費用の種類: 医療費は生活保護で賄えているものの、食事代、おむつ代、着替え代、生活雑貨セットレンタル代、部屋代といった費用が発生している。
• 支払い能力: ご自身も障がいがあり、就労が困難なため、収入がない。
• 資産状況: 母親の年金収入はあるものの、通帳は施設が管理しており、費用の支払い方法が不明確。
• 精神的な負担: 費用の支払いが困難であることへの不安、施設への支払い委託に対する躊躇。

これらの問題点を踏まえ、具体的な解決策を検討していきます。

2. 施設への支払い委託の可否と注意点

施設への支払い委託は、状況によっては有効な選択肢となり得ます。しかし、いくつかの注意点があります。

2-1. 施設との契約内容の確認

まず、入居契約の内容を確認しましょう。契約書に、費用の支払い方法や、緊急時の対応について記載されているはずです。施設が、入居者の年金や資産を管理し、そこから費用を支払うことについて、どのような規定があるのかを確認する必要があります。契約内容によっては、施設が支払い代行を行うことが可能な場合もあります。

2-2. 施設への相談

施設に直接相談することも重要です。まずは、現在の状況と、支払いが困難であること、そして支払い方法について相談しましょう。施設側も、入居者の状況を理解し、可能な範囲で協力してくれる可能性があります。例えば、費用の分割払い、支払いの猶予、あるいは、他の利用者の事例などを教えてくれるかもしれません。

2-3. 支払い委託の際の注意点

施設に支払い委託をする場合、以下の点に注意が必要です。

• 費用の内訳の明確化: 毎月の費用の内訳を明確にし、何にいくら支払われているのかを把握できるようにしましょう。
• 領収書の保管: 支払いの証拠として、必ず領収書を保管しておきましょう。
• 定期的な確認: 定期的に、施設の担当者と面談し、費用の支払い状況や、母親の状況について確認しましょう。
• トラブル時の対応: 万が一、費用に関するトラブルが発生した場合、どのように対応するのか、事前に確認しておきましょう。弁護士や行政への相談も視野に入れる必要があります。

3. 経済的な支援制度の活用

経済的な支援制度を活用することも検討しましょう。以下の制度が利用できる可能性があります。

3-1. 生活保護の継続

母親が生活保護を受けている場合、その継続が重要です。医療費だけでなく、生活費の一部も生活保護で賄える可能性があります。生活保護の申請や更新については、福祉事務所に相談しましょう。

3-2. 介護保険サービスの利用

介護保険サービスを最大限に活用しましょう。訪問介護、デイサービス、ショートステイなどを利用することで、介護負担を軽減し、費用を抑えることができます。ケアマネージャーに相談し、適切なサービスプランを作成してもらいましょう。

3-3. 高額療養費制度の利用

高額療養費制度を利用することで、医療費の自己負担額を軽減できます。入院期間が長くなると、医療費が高額になる可能性があります。高額療養費制度の申請方法や、自己負担限度額については、加入している健康保険組合に確認しましょう。

3-4. その他の支援制度

自治体によっては、介護費用に関する独自の支援制度を設けている場合があります。お住まいの自治体の窓口に相談し、利用できる制度がないか確認しましょう。例えば、低所得者を対象とした介護保険料の減免制度などがあります。

4. 障がい者向けの支援制度の活用

ご自身が障がいをお持ちの場合、利用できる支援制度があります。これらの制度を活用することで、生活の安定を図り、介護に関する負担を軽減することができます。

4-1. 障害者手帳の活用

障害者手帳を取得している場合、様々なサービスや割引が利用できます。例えば、医療費の助成、公共交通機関の割引、税金の控除などがあります。障害者手帳を活用し、利用できるサービスを最大限に利用しましょう。

4-2. 障害福祉サービスの利用

障害福祉サービスを利用することで、日常生活や就労に関する支援を受けることができます。例えば、ホームヘルプサービス、日中活動支援、就労移行支援などがあります。これらのサービスを利用することで、生活の質を向上させ、就労に向けた準備をすることができます。お住まいの自治体の障害福祉窓口に相談し、利用できるサービスについて確認しましょう。

4-3. 就労支援の活用

就労が可能な場合、就労支援サービスを利用することも検討しましょう。障害者向けの就労支援サービスには、就労移行支援、就労継続支援A型・B型などがあります。これらのサービスを利用することで、就労に関する知識やスキルを習得し、就職活動をサポートしてもらえます。ハローワークや障害者就業・生活支援センターに相談し、利用できるサービスについて確認しましょう。

5. 専門家への相談

問題が複雑である場合や、ご自身だけでの解決が難しい場合は、専門家への相談を検討しましょう。以下の専門家が、あなたの状況に合わせて適切なアドバイスをしてくれます。

5-1. 弁護士

費用の支払いに関する法的問題や、施設とのトラブルが発生した場合、弁護士に相談しましょう。弁護士は、法的観点から問題解決をサポートし、あなたの権利を守ります。

5-2. 社会福祉士

介護に関する制度や、社会資源について詳しく知りたい場合は、社会福祉士に相談しましょう。社会福祉士は、あなたの状況に合わせて、適切な支援制度やサービスを紹介し、利用をサポートします。

5-3. ケアマネージャー

介護保険サービスに関する相談や、ケアプランの作成については、ケアマネージャーに相談しましょう。ケアマネージャーは、あなたの状況に合わせて、最適な介護サービスを提案し、利用をサポートします。

5-4. 精神科医・カウンセラー

精神的な負担が大きい場合は、精神科医やカウンセラーに相談しましょう。専門家は、あなたの心のケアを行い、精神的な安定をサポートします。

6. 精神的なサポートと心のケア

介護と障がいを抱えながら、経済的な問題に直面することは、非常に大きなストレスとなります。精神的なサポートと、心のケアも重要です。

6-1. 家族や友人との連携

家族や友人に、悩みを打ち明け、サポートを求めましょう。一人で抱え込まず、周囲の協力を得ることで、精神的な負担を軽減できます。家族や友人とのコミュニケーションを密にし、互いに支え合うことが大切です。

6-2. 地域の相談窓口の利用

地域の相談窓口を利用することも有効です。各自治体には、介護に関する相談窓口や、障がい者向けの相談窓口が設置されています。専門家による相談を受けることで、客観的なアドバイスを得ることができ、心の負担を軽減できます。

6-3. 休息とリフレッシュ

心身ともに疲れているときは、休息を取り、リフレッシュすることが重要です。趣味に時間を費やしたり、自然の中で過ごしたりすることで、気分転換を図りましょう。十分な睡眠を取り、バランスの取れた食事を心がけることも大切です。

6-4. 専門家への相談

精神的な負担が大きい場合は、精神科医やカウンセラーに相談しましょう。専門家は、あなたの心のケアを行い、精神的な安定をサポートします。必要に応じて、薬物療法やカウンセリングを受けることも検討しましょう。

7. 今後の具体的な行動ステップ

最後に、今回のケースにおける具体的な行動ステップをまとめます。

1. 施設の契約内容を確認する: 費用の支払い方法や、緊急時の対応について、契約書の内容を確認する。
2. 施設に相談する: 現在の状況と、支払いが困難であること、そして支払い方法について相談する。
3. 経済的な支援制度の利用を検討する: 生活保護の継続、介護保険サービスの利用、高額療養費制度の利用、自治体の支援制度などを検討する。
4. 障がい者向けの支援制度の利用を検討する: 障害者手帳の活用、障害福祉サービスの利用、就労支援の活用などを検討する。
5. 専門家への相談を検討する: 必要に応じて、弁護士、社会福祉士、ケアマネージャー、精神科医・カウンセラーに相談する。
6. 精神的なサポートと心のケアを行う: 家族や友人との連携、地域の相談窓口の利用、休息とリフレッシュ、専門家への相談などを通して、心のケアを行う。

これらのステップを踏むことで、問題解決に向けて一歩ずつ進むことができます。焦らず、一つ一つ丁寧に対応していくことが大切です。

8. まとめ

介護費用の支払いは、多くの方にとって大きな悩みです。今回のケースでは、障がいを抱えながら、認知症の母親の介護費用を支払うという、非常に困難な状況に直面しています。しかし、適切な情報収集と、関係機関との連携、そして、ご自身の状況に合わせた支援制度の活用によって、問題解決への道が開けます。

施設への支払い委託は、状況によっては有効な選択肢となり得ますが、契約内容の確認や、施設との十分なコミュニケーションが不可欠です。また、経済的な支援制度や、障がい者向けの支援制度を積極的に活用し、ご自身の生活を安定させることが重要です。

専門家への相談も、問題解決の大きな助けとなります。弁護士、社会福祉士、ケアマネージャー、精神科医・カウンセラーなど、それぞれの専門家が、あなたの状況に合わせて、的確なアドバイスとサポートを提供してくれます。

そして何よりも大切なのは、ご自身の心身の健康です。精神的なサポートと、心のケアを忘れず、周囲の協力を得ながら、困難な状況を乗り越えていきましょう。

“`