フルタイム勤務でも大丈夫！寝たきりの親を在宅介護するための徹底ガイド

この記事では、フルタイムで働きながら、寝たきりの親御さんの在宅介護を検討されているあなたに向けて、具体的な方法と選択肢を提示します。介護未経験でも、安心して在宅介護を始められるよう、制度の活用、サービスの選び方、そして仕事との両立のコツを詳しく解説します。

在宅介護するにはどうしたらいいですか？私はフルタイムで働いています。8時半に家を出て21時帰宅です。土日祝日は休めませんが、月7日休みがとれます。その様な中で、83歳の寝たきりで胃ろうと尿道カテーテルを付けた母を自宅介護するにはどうしたらいいですか？もしくはナイトデイなど利用すればいいでしょうか？介護は全くの未経験です。介護認定は4ですが次は確実に5だと言われています。

83歳のお母様が寝たきりで、胃ろうと尿道カテーテルを使用されている状況、そして介護認定が4であり、今後5になる可能性があるとのこと、大変な状況ですね。フルタイム勤務をしながらの在宅介護は、体力面、精神面、そして時間的な制約など、多くの課題を抱えることになります。しかし、適切な準備とサポート体制を整えることで、在宅介護と仕事の両立は十分に可能です。この記事では、そのための具体的な方法をステップごとに解説していきます。

ステップ1：介護保険制度の理解と申請

まず、介護保険制度について理解を深めましょう。介護保険は、40歳以上の方が加入し、介護が必要な状態になった場合に、介護サービスを利用するための費用を支援する制度です。お母様がすでに介護認定4を受けているとのことですので、制度の利用は可能です。しかし、介護認定の更新や、より適切なサービスを利用するためには、制度の仕組みを理解しておくことが重要です。

介護保険の仕組み

• 被保険者：40歳以上の方が対象です。40歳から64歳までは特定疾病が原因で介護が必要になった場合に、65歳以上の方は原因を問わず介護保険サービスを利用できます。
• 介護認定：要介護度（要支援1・2、要介護1～5）に応じて、利用できるサービスや支給限度額が異なります。
• サービス利用：ケアマネジャー（介護支援専門員）が作成するケアプランに基づいて、様々な介護サービスを利用できます。
• 自己負担：原則として、利用料金の1～3割を自己負担します。所得に応じて負担割合が異なります。

介護認定の更新

介護認定は、有効期間が定められています。更新手続きを忘れずに行い、適切な介護度を維持することが重要です。更新の申請は、有効期間の満了日の60日前から行うことができます。市区町村の窓口に申請書を提出し、改めて調査と審査が行われます。

ステップ2：ケアマネジャーとの連携

ケアマネジャーは、介護に関する専門家であり、介護サービス利用の窓口となります。お母様の状況やご自身の働き方を考慮し、最適なケアプランを作成してくれます。ケアマネジャーとの連携は、在宅介護を成功させるための重要な鍵となります。

ケアマネジャーの役割

• ケアプランの作成：お母様の心身の状態や生活環境、ご本人の意向などを踏まえ、最適なケアプランを作成します。
• サービス事業者との調整：訪問介護、デイサービス、訪問看護など、様々なサービス事業者との連絡調整を行います。
• 情報提供：介護保険制度や介護サービスに関する情報を提供し、相談に応じます。
• モニタリング：ケアプランの実施状況を定期的に確認し、必要に応じて見直しを行います。

ケアマネジャーの選び方

ケアマネジャーは、お住まいの地域の地域包括支援センターや居宅介護支援事業所で紹介してもらえます。相性の良いケアマネジャーを選ぶために、面談で以下の点を確認しましょう。

• 経験と知識：寝たきりの方の介護経験や、胃ろう、カテーテルに関する知識があるか。
• コミュニケーション能力：親身になって相談に乗ってくれるか、分かりやすく説明してくれるか。
• 相性：信頼できると感じるか、安心して相談できるか。

ステップ3：利用できる介護サービスの検討

フルタイム勤務をしながら在宅介護を行うためには、様々な介護サービスを積極的に利用することが不可欠です。お母様の状態やご自身の状況に合わせて、最適なサービスを選びましょう。

訪問介護（ホームヘルプサービス）

ホームヘルパーが自宅を訪問し、食事、入浴、排泄などの身体介護や、掃除、洗濯などの生活援助を行います。フルタイム勤務で日中の介護が難しい場合に、非常に有効なサービスです。

• 身体介護：食事、入浴、排泄、着替え、体位変換など。
• 生活援助：掃除、洗濯、調理、買い物など。

訪問看護

看護師が自宅を訪問し、健康管理や医療処置を行います。胃ろうやカテーテルの管理、褥瘡（床ずれ）の処置など、専門的なケアが必要な場合に利用します。

• 健康状態のチェック：バイタルサイン測定、服薬管理など。
• 医療処置：胃ろう、カテーテルの管理、褥瘡の処置、点滴など。
• 家族への指導：介護方法や健康管理に関するアドバイス。

デイサービス（通所介護）

日中に介護施設に通い、食事、入浴、レクリエーション、機能訓練などのサービスを受けます。日中の介護負担を軽減し、ご本人の社会参加を促すことができます。

• 食事：栄養バランスの取れた食事を提供。
• 入浴：入浴介助、または入浴設備を利用。
• レクリエーション：ゲーム、体操、趣味活動など。
• 機能訓練：リハビリテーション、運動指導など。

ショートステイ（短期入所生活介護）

短期間、介護施設に入所し、介護サービスを受けます。ご本人の一時的な休息や、ご自身の冠婚葬祭、旅行などの際に利用できます。

• 食事、入浴、排泄の介助：施設スタッフによるケア。
• 健康管理：看護師による健康チェック。
• レクリエーション：施設内のイベントや活動への参加。

ナイトケア（夜間対応型訪問介護）

夜間帯に、訪問介護員が自宅を訪問し、排泄介助や体位変換などを行います。夜間の介護負担を軽減し、ご本人の安眠をサポートします。

その他のサービス

• 福祉用具のレンタル：車椅子、ベッド、ポータブルトイレなど、介護に必要な福祉用具をレンタルできます。
• 住宅改修：手すりの設置、段差の解消など、自宅のバリアフリー化を支援します。

ステップ4：仕事との両立のコツ

フルタイム勤務と在宅介護を両立するためには、事前の準備と、柔軟な対応が不可欠です。以下に、仕事との両立を成功させるためのコツを紹介します。

職場の理解を得る

まずは、上司や同僚に、介護の状況を伝え、理解を得ることが重要です。介護休暇や時短勤務など、利用できる制度について確認し、積極的に活用しましょう。急な介護が必要になった場合に、周囲の協力を得られるように、日頃からコミュニケーションを図っておくことも大切です。

タイムマネジメント

時間の管理は、仕事と介護を両立させる上で、非常に重要です。スケジュールを立て、タスクを整理し、効率的に時間を使うように心がけましょう。例えば、以下のような工夫ができます。

• スケジュールの可視化：手帳やカレンダー、アプリなどを活用し、仕事と介護の予定を可視化する。
• タスクの優先順位付け：緊急度と重要度を考慮し、優先順位をつけてタスクをこなす。
• スキマ時間の活用：移動時間や休憩時間など、スキマ時間を有効活用する。
• 家事の効率化：家事代行サービスや、時短家電などを活用する。

情報収集と情報共有

介護に関する最新情報を収集し、ケアマネジャーや関係者と情報共有することで、より適切な介護を提供することができます。インターネットや書籍、セミナーなどを活用し、介護に関する知識を深めましょう。また、介護に関する悩みや不安を一人で抱え込まず、家族や友人、専門家に相談することも大切です。

心のケア

介護は、心身ともに負担の大きいものです。ご自身の心と体の健康を保つために、ストレスを解消する方法を見つけ、定期的に休息を取りましょう。趣味や運動、友人との交流など、自分なりのストレス解消法を見つけ、実践することが大切です。また、専門家によるカウンセリングや、介護者のためのサポートグループなども活用してみましょう。

ステップ5：具体的な行動計画

上記を踏まえ、具体的な行動計画を立てましょう。以下は、その一例です。

1. 介護保険の申請：市区町村の窓口で申請手続きを行い、介護認定を受ける。
2. ケアマネジャーとの相談：地域包括支援センターや居宅介護支援事業所に相談し、ケアマネジャーを探す。
3. ケアプランの作成：ケアマネジャーと連携し、お母様の状況に合わせたケアプランを作成する。
4. 介護サービスの利用開始：訪問介護、訪問看護、デイサービスなど、必要な介護サービスを利用開始する。
5. 職場との連携：上司や同僚に介護の状況を伝え、必要なサポートを得る。
6. タイムマネジメント：仕事と介護のスケジュールを管理し、効率的に時間を使う。
7. 情報収集と情報共有：介護に関する情報を収集し、ケアマネジャーや関係者と共有する。
8. 心のケア：ストレスを解消する方法を見つけ、心身の健康を保つ。

この計画を基に、一つずつステップを踏んでいくことで、フルタイム勤務をしながらでも、安心して在宅介護を行うことができます。

ナイトケアの選択肢

ご質問の中にあったナイトケアの利用についてですが、お母様の状況とご自身の勤務時間から考えると、ナイトケアの利用は非常に有効な選択肢の一つです。夜間の介護負担を軽減し、ご自身の睡眠時間を確保することができます。また、ナイトケアを利用することで、お母様の夜間の安全を確保し、安心して過ごせる環境を整えることができます。

ナイトケアの利用を検討する際には、以下の点を考慮しましょう。

• サービス内容：排泄介助、体位変換、安否確認など、どのようなサービスを受けたいのかを明確にする。
• 利用時間：必要な時間帯に合わせて、サービスを利用できるか確認する。
• 費用：介護保険の自己負担額や、その他の費用について確認する。
• 事業者：信頼できる事業者を選び、サービス内容や対応について確認する。

ナイトケアの利用と合わせて、訪問介護や訪問看護などの他のサービスを組み合わせることで、より包括的な介護体制を構築することができます。ケアマネジャーと相談し、最適なサービスを組み合わせて利用しましょう。

介護未経験でも大丈夫！

介護は未経験とのことですが、ご安心ください。介護保険制度や、様々な介護サービスを利用することで、介護未経験の方でも安心して在宅介護を始めることができます。最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、ケアマネジャーやヘルパー、看護師など、専門家のサポートを受けながら、少しずつ慣れていくことができます。

介護に関する知識や技術は、実践を通して身につけることができます。また、介護に関する書籍やインターネットの情報、セミナーなどを活用して、積極的に学習することも大切です。介護の経験を積むことで、ご自身の成長にもつながり、お母様との絆を深めることができるでしょう。

在宅介護は、大変なことも多いですが、その分、やりがいも大きいものです。お母様との時間を大切にし、一緒に過ごす時間を楽しんでください。

まとめ

フルタイム勤務をしながら、寝たきりの親御さんの在宅介護を行うことは、決して簡単なことではありません。しかし、介護保険制度や様々な介護サービスを有効活用し、職場との連携を図り、タイムマネジメントを徹底することで、両立は十分に可能です。介護未経験でも、ケアマネジャーや専門家のサポートを受けながら、安心して在宅介護を始めることができます。

この記事で紹介したステップを参考に、ご自身の状況に合わせて、具体的な行動計画を立て、一歩ずつ進んでいきましょう。そして、ご自身の心と体の健康を大切にし、無理のない範囲で、介護と仕事の両立を目指してください。

この情報が、あなたの在宅介護の一助となれば幸いです。

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