90歳パーキンソン病の母、自宅復帰に向けた介護と支援～専門家による具体的なアドバイス

パーキンソン病について質問です。９０歳の母です。昨年１１月上旬に歩行中に左足恥骨骨折して２週間入院。その後老人保健施設が空く迄ロングショートをしていました。老人保健施設に入所したのが今年の２月６日です。入所してから約３ケ月が経ちました。週に２回洗濯物を取に行くと自宅に復帰したいと言います。本人はトイレに誘導すると一応車椅子から立つ事は出来ます。もし自宅に復帰できたらどうやって介助すれば良いのか教えて下さい。補足追伸 母はおかげ様で手足の震えがありません。多種職の人から聞いたのですが若干足の筋力が低下しているそうです。

90歳でパーキンソン病を抱えるお母様の自宅復帰、ご心配ですね。骨折からの回復、そして老人保健施設での生活を経て、ご自宅への復帰を希望されているとのこと。これは、お母様の強い意志と、ご家族の愛情の表れと言えるでしょう。しかし、自宅復帰は安易な判断は避け、慎重な計画と準備が必要です。この記事では、介護のプロである私が、具体的なアドバイスと成功事例を交えながら、自宅復帰に向けたステップを解説します。

1. 現状把握と専門家への相談

まずは、お母様の現在の状態を正確に把握することが重要です。老人保健施設の担当医師や理学療法士、作業療法士などに、詳細な状況（歩行能力、筋力、認知機能、排泄機能など）について相談し、客観的な評価を得ましょう。特に、筋力低下がどの程度なのか、転倒リスクはどのくらいあるのかを明確にする必要があります。パーキンソン病の症状の進行度合いも確認し、自宅復帰が本当に可能なのか、安全に生活できるのかを専門家の意見を参考に判断することが大切です。

2. 自宅環境の改修

自宅環境が、お母様の安全で快適な生活を支える上で非常に重要です。自宅復帰を検討する前に、以下の点について確認し、必要に応じて改修を行いましょう。

• 段差の解消：玄関、廊下、トイレなど、段差を解消したり、スロープを設置したりする必要があります。バリアフリー化は必須です。
• 手すりの設置：トイレ、浴室、廊下などに手すりを設置し、転倒防止に役立てましょう。握りやすい素材と適切な高さの手すりを選択することが重要です。
• 床材の変更：滑りやすい床材は転倒リスクを高めます。滑りにくい素材に変更したり、マットを敷いたりするなどの対策が必要です。特に浴室は注意が必要です。
• 照明の確保：十分な明るさを確保し、影を作らないようにしましょう。夜間のトイレ使用などを考慮し、センサーライトなどを活用するのも有効です。
• 家具の配置：通路を広く確保し、家具の配置を工夫することで、移動しやすくなります。転倒しそうな家具は撤去することも検討しましょう。

3. 介護方法と支援体制の構築

お母様の介護は、ご家族だけで抱え込まず、適切な支援体制を構築することが重要です。以下のような選択肢があります。

• 訪問介護サービス：日常生活の援助（入浴、排泄、食事など）を専門の介護士が自宅で行います。頻度や内容を自由に調整できるため、柔軟な対応が可能です。
• デイサービス：日中、施設に通ってリハビリやレクリエーションに参加できます。介護者の負担軽減と、お母様の社会参加の機会にもなります。
• ヘルパー派遣：家事援助や見守りなど、必要なサポートを依頼できます。介護保険の利用も可能です。
• ケアマネージャー：介護サービスの計画作成や調整、手続きの代行などを行います。介護サービスの利用をスムーズに進めるための重要な役割を担います。

これらのサービスを組み合わせることで、ご家族の負担を軽減し、お母様にとって安全で安心できる生活環境を築くことができます。ケアマネージャーに相談することで、最適なサービスプランを立てることができます。

4. リハビリテーションの継続

筋力低下を改善するためには、リハビリテーションの継続が不可欠です。老人保健施設でのリハビリを継続する、または退所後も訪問リハビリなどを利用し、筋力トレーニングやバランス訓練などを継続的に行うことが重要です。理学療法士や作業療法士の指導の下、適切な運動を行うことで、転倒リスクを軽減し、自立度を高めることができます。

5. 安全対策と緊急時の対応

転倒による骨折などのリスクを最小限に抑えるため、以下の対策を講じましょう。

• 転倒防止マット：浴室や廊下などに転倒防止マットを敷くことで、滑りによる転倒を防ぎます。
• 緊急連絡体制：緊急時にすぐに連絡できる体制を整えましょう。携帯電話の常備、緊急ボタン付きの機器の利用などを検討しましょう。
• 見守りシステム：見守りカメラやセンサーなど、見守りシステムの導入も検討しましょう。緊急事態を早期に発見し、迅速な対応が可能になります。

6. 成功事例：自宅復帰を実現したケース

78歳でパーキンソン病と診断され、歩行困難になったAさん。ご家族は、自宅改修、訪問介護、デイサービスなどを組み合わせた包括的な介護プランを作成しました。週に数回、理学療法士による訪問リハビリを受け、筋力とバランス能力の向上に努めました。その結果、Aさんは杖を使ってですが、自宅で安全に生活できるようになりました。このケースのように、専門家の協力を得ながら、段階的に自宅復帰を進めることが重要です。

7. まとめ

90歳でパーキンソン病のお母様の自宅復帰は、慎重な計画と準備が必要です。専門家（医師、理学療法士、作業療法士、ケアマネージャーなど）の意見を聞き、自宅環境の改修、適切な介護サービスの利用、リハビリテーションの継続など、総合的な対策を行うことが成功の鍵となります。お母様の意思を尊重しつつ、安全で快適な生活を送れるよう、ご家族と専門家が協力してサポートしていくことが大切です。

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