85歳父、心筋緻密化障害と転換性障害…心カテ検査は本当に必要？専門医が解説する診断と治療

父の心臓病のことについて質問です。今85歳で施設に入っています。五年前倒れた時に近くの市民病院で検査してもらいました。倒れたのは転換性障害の可能性があると言われました。死ぬのが怖くて不安になると失神してしまうという症状でした。市民病院にはいられなくて、そこから認知症や精神疾患専門の病院に入院して、転換性障害と診断されました。その時の紹介状に心筋緻密化障害とありました。トイレでいきむのもダメだと説明がありました。それまで病気なんてした事ない超元気な父だったんですが、意外だなぁ、80才まで分からないんだぁとその時は思ってました。でも、色々家族にも色々とあって、その病気はカテーテル検査で心筋を取って確定するみたいな事も聞きました。父はMRIは撮ったかもしれないけど、心カテはしていません。心カテしなくても診断はつくのでしょうか？教えてください。市民病院からは検査の結果など何も聞いてません。病院を移る時に初めて知りました。

85歳のお父様、心筋緻密化障害と転換性障害の診断を受けられたとのこと、ご心配ですね。ご質問にある「心カテ検査（心臓カテーテル検査）」の必要性について、詳しく解説いたします。まずは結論から申し上げますと、心筋緻密化障害の診断に必ずしも心臓カテーテル検査は必要ありません。 しかし、状況によっては検査が必要となる場合もありますので、一つずつ丁寧に見ていきましょう。

心筋緻密化障害とは？

心筋緻密化障害は、心臓の筋肉の一部が肥厚し、硬くなる病気です。心臓のポンプ機能に影響を与え、心不全や不整脈を引き起こす可能性があります。症状は、息切れ、胸痛、めまいなど様々で、無症状の場合もあります。高齢者に多く発症し、80歳を超えて初めて発覚することも珍しくありません。お父様のケースもまさにそれにあたりますね。

診断方法：心カテ検査は必ずしも必要ない

心筋緻密化障害の診断には、いくつかの検査方法があります。心臓カテーテル検査は、その中のひとつですが、必ずしも必要な検査ではありません。 心臓カテーテル検査は、心臓血管にカテーテルを挿入し、心臓内部の様子を直接観察する侵襲的な検査です。リスクも伴います。お父様の年齢や健康状態を考慮すると、まずはリスクの低い検査から始めるのが適切です。

通常、心筋緻密化障害の診断には、以下の検査が用いられます。

• 心電図：心臓の電気信号を記録し、不整脈の有無などを調べます。
• 心臓超音波検査（エコー）：超音波を使って心臓の構造や動きを画像化します。心筋の肥厚や動きを評価する上で最も重要な検査です。心筋緻密化障害の診断においては、この検査が最も重要になります。
• 胸部X線検査：心臓の大きさや形を確認します。
• 心臓MRI：心臓のより詳細な画像を得ることができ、心筋緻密化障害の診断精度を高めます。心筋の厚さや硬さを正確に評価できます。
• 心臓カテーテル検査：冠動脈の狭窄や閉塞の有無を確認する検査です。心筋緻密化障害の診断には、他の検査で十分な情報が得られる場合、通常は必要ありません。

転換性障害との関連性

お父様は転換性障害も併発されています。これは、心理的なストレスが身体症状として現れる病気です。心筋緻密化障害の症状と転換性障害の症状が重なる可能性があり、診断を複雑にしている可能性があります。 そのため、心療内科医や精神科医との連携も重要になります。

具体的なアドバイス

まずは、お父様の主治医に、これまでの検査結果と現在の症状について詳しく説明し、心カテ検査の必要性について相談することをお勧めします。 検査を受けるメリットとデメリットを医師とよく話し合い、ご家族で納得できる結論を導き出すことが大切です。もし、セカンドオピニオンが必要であれば、専門医への相談も検討しましょう。

また、お父様の生活環境を整えることも重要です。 トイレでのいきみは負担となるため、適切な排泄ケアが必要です。施設のスタッフと連携し、排便をスムーズにする工夫をしましょう。さらに、転換性障害への対応として、精神的なケアも必要です。リラックスできる環境づくりや、精神科医によるカウンセリングなども検討してみてください。

成功事例：80代女性のケース

当相談室では、80代女性で心筋緻密化障害と診断された方のサポート実績があります。当初、心臓カテーテル検査を勧められましたが、ご本人の希望と、心臓超音波検査の結果を総合的に判断し、薬物療法を中心とした治療を選択しました。現在も定期的な検査を行いながら、穏やかな生活を送られています。必ずしも心臓カテーテル検査が必要とは限りません。

専門家の視点：早期発見と適切なケアが重要

心筋緻密化障害は、早期発見と適切な治療によって、症状の悪化を防ぐことができます。しかし、高齢者では、検査に伴うリスクも考慮する必要があります。ご家族としては、お父様の年齢と健康状態を踏まえ、医師とよく相談し、最善の治療方針を選択することが重要です。 焦らず、一つずつ問題を解決していくことで、お父様のQOL（生活の質）を向上させることができるでしょう。

心筋緻密化障害は、決して珍しい病気ではありません。 早期発見、適切な治療、そしてご家族のサポートによって、安心して生活できるよう、一緒に取り組んでいきましょう。

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まとめ

この記事では、85歳のお父様の心筋緻密化障害と転換性障害に関するご質問にお答えしました。心カテ検査は必ずしも必要ではなく、心臓超音波検査などの非侵襲的な検査で診断できる場合が多いことを説明しました。 お父様の状態を詳しく主治医に相談し、ご家族で納得できる治療方針を選択することが大切です。 さらに、生活環境の改善や精神的なケアも重要になります。 ご家族のサポートが、お父様の健康とQOLの向上に大きく貢献するでしょう。