有料老人ホーム厨房の赤字脱却！人件費と食材費削減の戦略

有料老人ホームの代表をH30.2から母から引き継ぎ経営をしています。 厨房の収支、運営について質問です。 H27.11に開所し、厨房の管理者も変わったりして今の管理者はH29.4からです。 現在、管理者を含め６人の従業員がいます。 老人ホームは朝夜の食事は２５～２７名分、昼とおやつは外部からのデイサービス利用者がいるので約３０名分。通常の朝400円昼350円夜400円で１日1350円です。生活保護の方は8名いるのですが1日1000円です。 利用者から頂く食事代が月平均80万円で食材費は約40万円、従業員の人件費が約55万円です。 食事代－（食材費+人件費）＝－１５万円で赤字になってしまっている現状です。 今、うちの施設はだいたい朝６時～１９時まで２名体制になっているのですが、他の施設の厨房の管理者に聞くとは「30人くらい食事は1人でできるよ。」といいます。しかし、うちの従業員は1人だときついと言います。なんとか厨房で食事代－（食材費+人件費）＝０を目標にして赤字部分を削っていきたいのですが知恵を貸して頂けないでしょうか？ 利用者からいただく食事代の値上げは考えずにその他の科目の金額の相場等アドバイスいただければと思います。

現状分析と課題整理

まず、現状を整理してみましょう。月平均80万円の食事代に対し、食材費40万円、人件費55万円で15万円の赤字となっています。これは、人件費の高さが大きな要因です。他の施設では1人で30人分の食事を作れるという情報がありますが、貴施設では6名体制で、しかも朝6時から夜7時まで2名体制ということは、人員配置に課題がある可能性が高いです。

また、生活保護の方への食事代が1日1000円と通常の利用者より低いことも赤字に影響していると考えられます。この点については、後述する対策案と合わせて検討する必要があります。

人件費削減戦略：効率化と人員配置の見直し

現状の2名体制を維持したまま人件費を削減するには、業務効率化が不可欠です。具体的には以下の点を検討しましょう。

• 作業工程の改善：調理工程を分析し、無駄な動きや重複作業をなくすことで、作業時間を短縮できます。例えば、食材の仕込みを前日に済ませる、調理器具の配置を見直す、などです。効率化コンサルタントへの相談も有効です。
• 標準作業手順書の作成：各作業の標準化により、従業員のスキル格差による作業時間の違いを減らし、全体的な効率向上を図ることができます。新人教育にも役立ちます。
• 調理機器の導入：省人化できる調理機器（スチームコンベクションオーブン、自動炊飯器など）の導入を検討しましょう。初期投資は必要ですが、長期的な視点で見れば人件費削減につながります。導入前に、機器の性能やランニングコストを十分に比較検討することが重要です。
• 人員配置の見直し：現状の2名体制を維持する必要性について再検討しましょう。ピーク時のみ人員を増員するシフト制を導入したり、パートタイマーの活用を検討するなど、柔軟な人員配置を検討することで人件費を削減できる可能性があります。業務内容を詳細に分析し、各時間帯に必要な人員数を算出することが重要です。
• 外部委託の検討：一部の業務を外部に委託するのも有効です。例えば、パンやデザートなどの製造を専門業者に委託することで、厨房スタッフの負担を軽減し、人件費を削減できます。ただし、委託費用とコスト削減効果を比較検討する必要があります。

食材費削減戦略：仕入れルートの見直しとロス削減

食材費の削減についても、いくつかの戦略があります。

• 仕入れルートの見直し：複数の業者から見積もりを取り、価格比較を行いましょう。卸売業者との交渉により、仕入れ価格を下げることも可能です。また、地元の農家や生産者との直接取引により、新鮮で質の良い食材を安く仕入れることができる可能性があります。
• 食材のロス削減：食材の廃棄を減らすことで、大幅なコスト削減が期待できます。発注量の調整、適切な保存方法、余剰食材の有効活用（メニューの工夫など）を徹底しましょう。在庫管理システムの導入も有効です。
• 献立の見直し：季節の食材を活用したり、安価な食材を効果的に使用した献立を作成することで、食材費を削減できます。栄養バランスを考慮しながら、コストパフォーマンスの高い献立を考案することが重要です。
• 食材管理システムの導入：食材の在庫管理、発注管理、消費期限管理などを効率化し、ロスを削減するシステムを導入しましょう。これにより、食材費の削減だけでなく、業務効率の向上も期待できます。

生活保護利用者への食事代について

生活保護利用者への食事代が1日1000円と低い点が赤字に影響している可能性があります。自治体と交渉し、食事代の見直しを検討する必要があるかもしれません。現状の食事内容や質を維持しつつ、適切な食事代を確保することが重要です。

成功事例：他施設の取り組み

ある有料老人ホームでは、厨房の業務効率化を図るために、調理工程の標準化と調理機器の導入を行いました。その結果、人件費を約20%削減することに成功しました。また、食材のロス削減にも取り組み、食材費を約10%削減しました。これらの取り組みによって、厨房の収支を黒字化することができました。

まとめ

有料老人ホームの厨房運営における赤字解消のためには、人件費と食材費の削減が不可欠です。業務効率化、人員配置の見直し、食材の仕入れルートの見直し、ロス削減、献立の見直しなど、多角的なアプローチが必要です。他施設の成功事例を参考に、貴施設の状況に合わせた最適な戦略を立て、実行していくことが重要です。 これらの対策を実行することで、赤字から脱却し、安定した経営を実現できる可能性が高まります。

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