祖母の年金が勝手に引き出されている…被害届を出すべき？状況別の対応策を徹底解説

この記事では、ご家族の年金が不正に引き出されているという深刻な状況に直面されている方に向けて、具体的な対応策と法的知識を分かりやすく解説します。特に、高齢者の財産管理や詐欺被害に焦点を当て、被害届の提出、警察への相談、弁護士への相談など、様々な選択肢を比較検討します。また、同様のケースで役立つ情報や、今後の対策についても詳しく説明します。

私の祖母の年金が祖母の3女にあたる叔母に勝手に引き出されています。通帳を祖母がなかなか見せてくれないのでこの10年間気が付かずにいました。今現在の通帳に記載されている内容だけで把握しますと、少なくとも280万円は抜かれています。祖母の年金が振り込まれる銀行はゆうちょ銀行でクレジットカードを勝手に作り、又、代理人カードも本人に無許可で作り、数回に分けて引き出しています。

叔母はお金が無くなった時だけ、同居している祖母のところに来ては連れ去り、お金を引き出した後は、祖母を我が家に連れて帰ってきます。

祖母は92歳になり、要介護2の認定を受けています。少々、認知症も始まりかけています。それをいいことに叔母はやりたい放題です。

クレジットカードは紛失、再発行の手続きを取りましたが、代理人カードの利用停止届はまだ出しておりません。代理人カードでも引き出されてしまうのかどうかも知りたいです。

叔母が勝手におろしたお金が何に使われたかは不明です。

しかし、祖母は同居している我が家には一銭も入れていない状態が続いております。今後祖母が老人ホーム等にお世話になるときにお金は必要で非常に困っております。

これは被害届として出すべきか、警察に相談願いのような形で言うべきか悩んでいます。刑法で言えば何条に違反していることになりますでしょうか。

1. まずは現状を把握し、証拠を収集しましょう

ご相談ありがとうございます。お祖母様の年金が不正に引き出されているという状況、大変ご心痛のことと思います。まずは落ち着いて、現状を正確に把握し、証拠を収集することから始めましょう。これは、今後の対応をスムーズに進めるために不可欠です。

1-1. 通帳の確認と記録

まず、お祖母様の通帳を可能な限り詳細に確認し、不正な引き出しの記録をすべて洗い出しましょう。引き出しの日時、金額、名義人などを記録し、時系列で整理すると、不正行為の全体像が把握しやすくなります。もし、通帳の開示が難しい場合は、銀行に相談し、取引履歴の開示を求めることも検討しましょう。

1-2. 証拠となるものの収集

不正行為の証拠となりうるものを収集しましょう。具体的には、

• 通帳のコピー：不正な引き出しの記録が記載された部分をコピーしておきましょう。
• クレジットカードや代理人カードに関する書類：カードの発行状況や利用明細などを確認し、コピーしておきましょう。
• お祖母様の認知能力に関する資料：診断書や介護認定の資料など、お祖母様の認知能力を証明できるものがあれば、保管しておきましょう。
• 叔母とのやり取りの記録：もし、叔母との間で金銭に関するやり取りがあった場合は、その記録（メール、手紙、録音など）を保管しておきましょう。

1-3. 専門家への相談

証拠収集と並行して、専門家への相談も検討しましょう。弁護士や司法書士に相談することで、法的観点からのアドバイスを受けることができます。また、成年後見制度の利用など、今後の対策についても相談することができます。

2. 警察への相談と被害届の提出

不正な引き出しの事実が明らかになった場合、警察への相談と被害届の提出を検討しましょう。これは、犯罪行為に対する法的措置を講じるための第一歩となります。

2-1. 警察への相談

まずは、最寄りの警察署または交番に相談に行きましょう。状況を説明し、今後の対応についてアドバイスを求めます。警察官は、事件の性質や証拠の状況に応じて、適切な対応を指示してくれます。

2-2. 被害届の提出

警察に相談し、犯罪の疑いがあると判断された場合は、被害届を提出することができます。被害届は、警察が捜査を開始するための重要な手続きです。被害届を提出することで、警察は捜査を行い、犯人の特定や逮捕を目指します。

2-3. 刑事告訴

被害届の提出後、警察が捜査を行い、犯罪の事実が明らかになった場合は、刑事告訴を行うこともできます。刑事告訴は、犯人の処罰を求める意思表示であり、警察は告訴を受理した場合、必ず捜査を行う義務があります。

3. 叔母の行為が問われる可能性のある罪状

叔母の行為は、複数の罪に問われる可能性があります。以下に、考えられる罪状とその内容について解説します。

3-1. 窃盗罪（刑法235条）

他人の財物を窃取した場合に成立する犯罪です。今回のケースでは、お祖母様の預金を引き出した行為が、窃盗罪に該当する可能性があります。ただし、親族間の窃盗罪は、親告罪となる場合があります。

3-2. 詐欺罪（刑法246条）

人を欺いて財物を交付させた場合に成立する犯罪です。もし、叔母がお祖母様を欺いてお金を引き出した場合、詐欺罪に該当する可能性があります。

3-3. 横領罪（刑法252条）

自己が占有する他人の物を横領した場合に成立する犯罪です。もし、叔母がお祖母様の財産を管理する立場にあった場合、横領罪に該当する可能性があります。

3-4. 準詐欺罪（刑法246条の2）

人の判断能力が低下していることを利用して財物を交付させた場合に成立する犯罪です。お祖母様が認知症で判断能力が低下している場合、準詐欺罪に該当する可能性があります。

3-5. その他

その他、状況によっては、親族間の犯罪に関する特例や、高齢者虐待防止法などの関連法規が適用される可能性もあります。

4. 弁護士への相談と成年後見制度の利用

法的措置を検討するにあたっては、弁護士への相談が不可欠です。また、お祖母様の財産を守るために、成年後見制度の利用も検討しましょう。

4-1. 弁護士への相談

弁護士に相談することで、法的観点からのアドバイスを受けることができます。弁護士は、事件の状況を詳細に分析し、最適な対応策を提案してくれます。また、被害届の提出や刑事告訴の手続きを代行することも可能です。

4-2. 成年後見制度の利用

お祖母様の判断能力が低下している場合、成年後見制度を利用することで、財産管理や身上監護を行うことができます。成年後見人は、お祖母様の財産を守り、適切な介護サービスを受けられるように支援します。

成年後見制度には、法定後見と任意後見があります。法定後見は、すでに判断能力が低下している場合に利用し、任意後見は、将来の判断能力の低下に備えて、あらかじめ後見人を選任しておく制度です。

5. 代理人カードの利用停止と今後の対策

代理人カードが不正利用されている可能性があるため、速やかに利用停止の手続きを行いましょう。また、今後の対策として、財産管理の方法を見直す必要があります。

5-1. 代理人カードの利用停止

まずは、ゆうちょ銀行に連絡し、代理人カードの利用停止を依頼しましょう。これにより、更なる不正利用を防ぐことができます。また、クレジットカードについても、不正利用の可能性がないか確認し、必要であれば利用停止の手続きを行いましょう。

5-2. 財産管理の見直し

今後の対策として、お祖母様の財産管理の方法を見直す必要があります。具体的には、

• 通帳やキャッシュカードの管理：通帳やキャッシュカードは、信頼できる親族が管理し、定期的に記帳して、不正な引き出しがないか確認しましょう。
• 預金口座の変更：不正利用のリスクを避けるために、預金口座を変更することも検討しましょう。
• 弁護士や司法書士への相談：専門家と連携し、財産管理に関するアドバイスを受けましょう。
• 成年後見制度の利用：成年後見制度を利用することで、財産管理を専門家が行うことができます。

6. 類似ケースの解決事例と教訓

同様のケースは多く存在します。以下に、類似ケースの解決事例と、そこから得られる教訓を紹介します。

6-1. 解決事例1

ある高齢女性の息子が、母親の預金を引き出し、自分の借金の返済に充てていたケース。母親の認知症が進み、判断能力が低下していたため、弁護士に相談し、成年後見制度を利用。成年後見人が財産管理を行い、息子に対して返還請求を行った結果、一部の金額が回収された。

教訓：成年後見制度の利用と、弁護士への早期相談が重要。

6-2. 解決事例2

ある高齢男性の娘が、父親のキャッシュカードを不正に利用し、生活費として使っていたケース。父親が認知症を発症し、判断能力が低下していたため、警察に相談し、被害届を提出。娘は逮捕され、刑事事件として処理された。

教訓：不正行為は犯罪であり、警察への相談と被害届の提出が重要。

6-3. 解決事例3

ある高齢女性の親族が、女性の預金を引き出し、自分の生活費や遊興費に使っていたケース。女性が弁護士に相談し、親族に対して損害賠償請求訴訟を起こした結果、和解が成立し、一部の金額が返還された。

教訓：法的手段による解決も可能であり、弁護士への相談が重要。

7. まとめ：早期の対応と専門家への相談が重要

お祖母様の年金が不正に引き出されているという状況は、非常に深刻です。しかし、適切な対応を取ることで、事態を改善し、今後の対策を講じることができます。今回のケースでは、以下の点が重要です。

• 証拠の収集：通帳の確認、記録、関連書類の収集を行いましょう。
• 警察への相談と被害届の提出：不正行為が疑われる場合は、警察に相談し、被害届を提出しましょう。
• 弁護士への相談：法的観点からのアドバイスを受け、今後の対応策を検討しましょう。
• 成年後見制度の利用：お祖母様の財産を守るために、成年後見制度の利用を検討しましょう。
• 代理人カードの利用停止と財産管理の見直し：不正利用を防ぐために、代理人カードの利用停止と、財産管理の方法を見直しましょう。

早期の対応と、専門家への相談が、事態の解決と、今後の対策を講じるための鍵となります。ご自身の判断だけで抱え込まず、専門家や関係機関に相談し、適切なサポートを受けてください。

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