介護と仕事の両立：親の介護問題に直面したあなたへ

この記事は、親の介護と仕事の両立という、非常にデリケートな問題に直面しているあなたに向けて書かれています。特に、脳出血後の父親の介護と、母親との関係、そして今後の生活設計について深く悩んでいる方の具体的な問題解決をサポートします。介護保険の申請、特別養護老人ホーム（特養）への入居、デイサービスやヘルパーの活用、そしてご自身のキャリアと生活のバランスをどのように取るか、といった点に焦点を当て、具体的なアドバイスを提供します。

介護・福祉に関することで教えて頂けませんでしょうか？

父、72歳 今年の11月に脳出血で救急搬送されました。

右半身マヒと脳に障がいが残るようです。

現在はリハビリをし100mくらいなら見守りで歩くこともできます。手もスプーンでなら食事ができます。

脳は、住所・電話番号・病院での自室が分からない。自宅近くに何があったのかも覚えていない。

分からないこと（出来ないこと）=看護士さんがそう言ったとか適当なことを言います。

退院が2月初旬～半ばとのことなのですが、母も体がとても悪く、今まで散々好き放題（生活費もまともに入れず、ギャンブルや遊びばかり）に生きてきた父親の面倒は看れないと言いますし、私たち姉妹も、散々苦労してきた母に父を看させるつもりもありませんので、離婚して家を出るように事を進めています。

父も離婚を了承しております。

父が自宅（公営住宅）に帰ってきますと、1人での生活は難しいと思いますし、金銭的にも半年先には生活保護を申請しなければいけない状況になります。

私の家が、妹に比べたら近いので、仕事と家事に支障をきたさない程度なら、様子を見に行くつもりですが、私たち夫婦も妹夫婦も父と同居はするつもりはありません。

現在、介護保険の申請中です。

このような場合、申請すれば、父は特別養護老人ホームには入居は出来るのでしょうか？

デイサービスやヘルパーさんに助けてもらいながら、特養の入居待ちをするにしても、いったい何年かかるのか、とても不安になります。

私も、この先何年間も「自分の生活＋父のフォロー」をしていく生活を長年続けていけるか自信がありません。

補足・・・母は体は悪いのですが、日常生活のことは一人で出来ますし、頭もしっかりしています。

1. 現状の整理と今後の見通し

まず、現状を正確に把握し、今後の見通しを立てることが重要です。ご相談内容から、以下の点が主な課題として挙げられます。

• 父親の健康状態と介護の必要性: 脳出血による後遺症で、日常生活に多くのサポートが必要。
• 家族関係: 母親は介護を拒否、姉妹も同居を希望せず。
• 経済状況: 生活保護申請の可能性があり、金銭的な不安が大きい。
• 介護保険の利用: 介護保険申請中であり、今後の介護サービスの利用が焦点。
• ご自身の負担: 仕事と介護の両立に対する不安。

これらの課題を踏まえ、具体的な解決策を検討していきましょう。

2. 介護保険サービスの活用

介護保険サービスは、介護が必要な高齢者の生活を支える上で非常に重要な役割を果たします。父親が利用できる主なサービスと、その申請方法について解説します。

2-1. 介護保険の申請と認定

介護保険サービスを利用するためには、まず介護保険の申請が必要です。申請は、お住まいの市区町村の窓口で行います。申請後、介護認定調査員による訪問調査が行われ、心身の状態や生活状況が詳しく調査されます。調査結果と主治医の意見書をもとに、介護度が認定されます。介護度は、要支援1～2、要介護1～5の7段階に分かれており、それぞれの介護度に応じて利用できるサービスや利用限度額が異なります。

2-2. 利用できる介護保険サービス

父親の状況に合わせて、様々な介護保険サービスを利用できます。主なサービスは以下の通りです。

• 訪問介護（ヘルパー）：自宅での身体介護（入浴、食事、排泄の介助など）や生活援助（掃除、洗濯、買い物など）を行います。
• 訪問看護：看護師が自宅を訪問し、健康管理や医療処置を行います。
• 通所介護（デイサービス）：日中に施設に通い、食事や入浴、レクリエーション、機能訓練などを受けます。
• 短期入所生活介護（ショートステイ）：短期間、施設に入所し、介護や生活支援を受けます。家族のレスパイトケア（介護者の負担軽減）としても利用できます。
• 福祉用具のレンタル・購入：車椅子やベッド、歩行器などの福祉用具をレンタルしたり、購入したりできます。
• 住宅改修：手すりの設置や段差の解消など、自宅のバリアフリー化のための工事費用の一部を補助してもらえます。
• 特別養護老人ホーム（特養）：原則として、要介護3以上の人が入居できる施設です。

父親の状況や介護度に応じて、これらのサービスを組み合わせて利用することで、自宅での生活を継続することが可能になります。

3. 特別養護老人ホーム（特養）への入居について

特養への入居は、介護が必要な高齢者にとって重要な選択肢の一つです。しかし、入居には様々なハードルがあります。ここでは、特養の入居条件、入居までの流れ、そして入居待ち期間について詳しく解説します。

3-1. 特養の入居条件

特養の入居対象者は、原則として要介護3以上の高齢者です。ただし、特例入所として、要介護1～2の方でも、以下の条件に該当する場合は入居が認められることがあります。

• 認知症の症状が重く、日常生活に支障がある。
• 知的障害や精神障害があり、日常生活に支障がある。
• 家族からの虐待や、家族による介護の放棄など、緊急性が高い。
• 単身世帯または同居家族がいないなど、家族による介護が困難。

父親の場合、脳出血による後遺症で、認知症のような症状が見られるため、特例入所の対象となる可能性があります。しかし、最終的な判断は、施設の判断によります。

3-2. 特養の入居までの流れ

特養への入居は、以下の流れで進みます。

1. 情報収集：お住まいの地域の特養の情報を収集し、見学や説明会に参加して、施設の雰囲気やサービス内容を確認します。
2. 申し込み：入居を希望する特養に、入居申込書を提出します。
3. 待機：入居希望者が多いため、入居まで待機期間が発生します。待機期間は、施設の空き状況や、入居者の緊急度によって異なります。
4. 入居判定：入居希望者の状況を総合的に判断し、入居の可否が決定されます。
5. 入居：入居が決定したら、契約手続きを行い、入居が開始されます。

3-3. 入居待ち期間と対策

特養の入居待機期間は、地域や施設の状況によって大きく異なります。数ヶ月で入居できる場合もあれば、数年待つ場合もあります。入居待ち期間を短縮するための対策としては、以下の点が挙げられます。

• 複数の施設に申し込む：複数の特養に申し込むことで、入居できる可能性を高めることができます。
• 施設の情報を収集する：施設の情報を収集し、空き状況や入居者の状況を把握することで、入居の可能性を探ることができます。
• ショートステイの活用：ショートステイを利用することで、特養入居までの間の介護負担を軽減することができます。
• ケアマネジャーとの連携：ケアマネジャーに相談し、入居に関するアドバイスや情報提供を受けることができます。

4. デイサービスとヘルパーの活用

特養の入居待ち期間中や、自宅での生活を継続する場合に、デイサービスとヘルパーの活用は非常に有効です。これらのサービスを利用することで、介護者の負担を軽減し、父親の生活の質を向上させることができます。

4-1. デイサービスのメリットと活用方法

デイサービスは、日中に施設に通い、食事や入浴、レクリエーション、機能訓練などを受けるサービスです。デイサービスの主なメリットは以下の通りです。

• 介護者の負担軽減：日中の介護を施設に任せることで、介護者の負担を軽減できます。
• 社会的な交流：他の利用者との交流を通じて、社会的な孤立を防ぎ、生活の質を向上させます。
• 心身機能の維持・向上：機能訓練やレクリエーションを通じて、心身機能の維持・向上を図ります。
• 専門的なケア：専門のスタッフによる介護や看護を受けることができます。

デイサービスを利用する際には、父親の心身の状態や興味に合わせて、適切なプログラムを選択することが重要です。また、送迎サービスを利用できる施設も多く、移動の負担を軽減できます。

4-2. ヘルパーのメリットと活用方法

ヘルパーは、自宅を訪問し、身体介護や生活援助を行うサービスです。ヘルパーの主なメリットは以下の通りです。

• 自宅での生活支援：自宅での入浴、食事、排泄の介助、掃除、洗濯、買い物など、日常生活をサポートします。
• 個別対応：個々のニーズに合わせて、柔軟なサービスを提供します。
• 家族の負担軽減：介護者の負担を軽減し、精神的な余裕をもたらします。
• 安心感：慣れた自宅で、安心して生活を続けることができます。

ヘルパーを利用する際には、父親の状況や希望に合わせて、適切なサービス内容を決定することが重要です。また、ヘルパーとのコミュニケーションを密にし、信頼関係を築くことが大切です。

5. 仕事と介護の両立支援

仕事と介護の両立は、多くの人が抱える大きな課題です。ここでは、仕事と介護を両立するための具体的な方法と、利用できる制度について解説します。

5-1. 勤務先の制度の活用

まずは、勤務先の制度を確認し、積極的に活用しましょう。主な制度は以下の通りです。

• 介護休業：介護を必要とする家族を介護するために、最長93日まで休業できます。
• 介護休暇：年間5日（対象家族が2人以上の場合は10日）まで、介護のために休暇を取得できます。
• 勤務時間の短縮：勤務時間の短縮や、時差出勤などの制度を利用できます。
• テレワーク：テレワークを導入している企業であれば、自宅で仕事をすることができます。

これらの制度を利用することで、仕事と介護の両立を支援することができます。制度の利用方法や、具体的な手続きについては、人事担当者や上司に相談しましょう。

5-2. 地域の支援サービスの活用

地域には、仕事と介護の両立を支援するための様々なサービスがあります。主なサービスは以下の通りです。

• 地域包括支援センター：介護に関する相談や、必要なサービスの情報提供、関係機関との連携など、包括的な支援を行います。
• ハローワーク：仕事を探している介護者のための、求人情報の提供や職業相談を行います。
• 介護離職防止支援：介護と仕事の両立に関するセミナーや相談会などを開催しています。

これらのサービスを活用することで、仕事と介護の両立に関する悩みや不安を解消し、必要な情報や支援を受けることができます。

5-3. 働き方の見直し

仕事と介護の両立が難しい場合は、働き方を見直すことも検討しましょう。例えば、以下のような選択肢があります。

• 転職：介護と両立しやすい職場への転職を検討します。例えば、勤務時間の柔軟性がある職場や、テレワークが可能な職場などがあります。
• キャリアチェンジ：介護に関する知識や経験を活かせる仕事へのキャリアチェンジを検討します。例えば、介護業界への転職や、介護に関する資格取得などがあります。
• 副業：本業に加えて、副業をすることで、収入を増やし、介護費用を賄うことができます。
• フリーランス：フリーランスとして働くことで、自分のペースで仕事を進めることができます。

働き方を見直す際には、ご自身の状況や希望に合わせて、最適な選択肢を選ぶことが重要です。

6. 経済的な問題への対策

介護には、経済的な負担が伴います。ここでは、経済的な問題に対する対策について解説します。

6-1. 介護費用の把握

まず、介護にかかる費用を把握することが重要です。介護費用には、以下のようなものがあります。

• 介護保険サービスの利用料：利用するサービスの種類や、介護度によって異なります。
• 食費、日用品費：自宅での生活に必要な食費や日用品費です。
• 医療費：医療機関への通院費用や、薬代などです。
• その他の費用：オムツ代、介護用品代、レクリエーション費用などです。

これらの費用を把握し、家計の中でどのように負担していくかを検討しましょう。

6-2. 経済的支援制度の活用

経済的な負担を軽減するために、様々な支援制度を活用しましょう。主な制度は以下の通りです。

• 高額介護サービス費：介護保険サービスの利用料が、一定額を超えた場合に、超過分が払い戻されます。
• 医療費控除：医療費が一定額を超えた場合に、所得税が控除されます。
• 生活保護：収入が一定基準を下回る場合に、生活費が支給されます。
• 成年後見制度：判断能力が低下した方の財産管理や、身上監護を支援します。

これらの制度を活用することで、経済的な負担を軽減することができます。制度の利用方法や、具体的な手続きについては、市区町村の窓口や、社会福祉協議会などに相談しましょう。

6-3. 資産の有効活用

資産を有効活用することも、経済的な問題への対策として重要です。例えば、以下のような方法があります。

• 不動産の売却：不要な不動産を売却し、介護費用に充当します。
• 預貯金の活用：預貯金を介護費用に充当します。
• 生命保険の活用：生命保険の解約返戻金を介護費用に充当します。
• 資産運用：資産運用によって、資産を増やすことを目指します。

資産の活用方法については、専門家（ファイナンシャルプランナーなど）に相談し、最適な方法を検討しましょう。

7. 精神的な負担への対処

介護は、精神的な負担が大きいものです。ここでは、精神的な負担を軽減するための方法について解説します。

7-1. 相談できる相手を見つける

一人で抱え込まずに、相談できる相手を見つけましょう。相談できる相手としては、以下のような人が挙げられます。

• 家族：兄弟姉妹や、配偶者など、家族に相談しましょう。
• 友人：親しい友人に相談しましょう。
• 専門家：ケアマネジャー、医師、カウンセラーなどに相談しましょう。
• 地域の相談窓口：地域包括支援センターや、社会福祉協議会などに相談しましょう。

相談することで、悩みや不安を共有し、気持ちを楽にすることができます。

7-2. 休息とリフレッシュ

定期的に休息を取り、リフレッシュすることも重要です。例えば、以下のような方法があります。

• 睡眠：十分な睡眠をとりましょう。
• 趣味：自分の好きなことに時間を使ったり、気分転換になるような趣味を見つけましょう。
• 旅行：旅行に出かけ、気分転換しましょう。
• 運動：適度な運動をしましょう。
• 休息：何もせずにゆっくりと過ごす時間を作りましょう。

休息とリフレッシュすることで、心身の疲れを癒し、介護に対するモチベーションを維持することができます。

7-3. 専門家のサポート

必要に応じて、専門家のサポートを受けましょう。例えば、以下のようなサポートがあります。

• カウンセリング：専門のカウンセラーに相談し、心のケアを受けましょう。
• 精神科医の診察：精神的に不安定な場合は、精神科医の診察を受けましょう。
• 介護教室：介護に関する知識や技術を学び、介護に対する不安を軽減しましょう。

専門家のサポートを受けることで、精神的な負担を軽減し、より良い介護生活を送ることができます。

8. まとめと今後のステップ

今回の相談内容を踏まえ、今後のステップを整理します。

1. 介護保険の申請と認定：まずは、介護保険の申請を行い、介護度を認定してもらいましょう。
2. 情報収集：特養や、デイサービス、ヘルパーなどの情報を収集し、比較検討しましょう。
3. 家族との話し合い：今後の介護体制について、家族と話し合い、協力体制を築きましょう。
4. 専門家への相談：ケアマネジャーや、医師、カウンセラーなど、専門家に相談し、アドバイスを受けましょう。
5. ご自身のケア：ご自身の心身の健康を大切にし、休息とリフレッシュを心がけましょう。

親の介護と仕事の両立は、大変な道のりですが、適切な情報収集と、周囲のサポートを活用することで、乗り越えることができます。焦らずに、一つ一つ課題を解決していきましょう。そして、ご自身の生活も大切にしながら、無理のない範囲で介護を続けていくことが重要です。

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