認知症の母、拘束と薬物治療…介護職の皆様への感謝と、病院の人権問題への疑問

私の母は認知症で、病院に入院しています。徘徊があるため、一日中病院で安全ベルトのついた椅子に縛り付けられています。 入院して数年、足はエコノミー症候群のようになっているそうです。 普通のひとでも、ただ一日中椅子に座らせられ続けていたらおかしくなります。 そこの精神科専門病院は、皆さんそうで、閉鎖病棟の中で、誰一人自由に歩いているひとがいません。 動けるのに、病院の人手不足から縛り付けられていること、安全面の問題でと言われ縛り付けられ、また落ち着かせるために薬を沢山投与されていて、いまは食欲もなくなり体調も悪く、立つこともできなくなってしまいました。 私が親を見れないせいで、お世話をしてくださる特に介護職の皆様には感謝で頭が下がりますが、病院として、これは人権(拘束)に問題ないのでしょうか？

この記事では、ご自身の介護負担と、お母様の拘束、そして病院の対応について抱えるお悩みに寄り添いながら、具体的な解決策を探ります。 介護職の方々への感謝の気持ちと、お母様の人権、そして今後のケアについて、多角的な視点から解説していきます。 特に、医療機関における人権問題、認知症ケアにおける適切な拘束の基準、そしてご自身の精神的な負担軽減策について、具体的な事例を交えながら詳しくご説明します。

1. 介護職の皆様への感謝と、現状の深刻さ

まず、お母様を献身的にケアしてくださっている介護職の皆様への深い感謝の気持ちをお伝えします。 過酷な労働環境の中、日々最善を尽くしてくださっていることに、心から敬意を表します。 しかし、同時に、お母様の現状は深刻な問題を含んでいます。一日中椅子に拘束され、薬物治療によって食欲不振や身体機能の低下が生じている状況は、決して看過できるものではありません。

「普通のひとでも、ただ一日中椅子に座らせられ続けていたらおかしくなります」というご指摘は、まさにその通りです。 身体的な不自由さだけでなく、精神的な苦痛も想像を絶するものです。 お母様は、自由に動けないこと、人とのコミュニケーションが制限されていること、そして常に監視されている状況に、大きなストレスを感じているはずです。

2. 拘束と薬物治療：人権問題の視点

病院による拘束と薬物治療は、人権問題に直結する可能性があります。 医療機関は、患者の尊厳と権利を尊重する義務を負っています。 安全確保を理由とした拘束であっても、それが必要最小限であるか、代替手段がないか、常に検討する必要があります。 また、薬物治療についても、その効果と副作用を慎重に評価し、患者の状態に合わせて適切な処方を決定することが重要です。 過剰な薬物使用は、かえって患者の状態を悪化させる可能性があります。

お母様のケースでは、徘徊が拘束の理由となっていますが、徘徊の原因を特定し、その原因に対処することで、拘束を減らす、あるいは完全に廃止することも可能かもしれません。 例えば、認知症ケアに特化した専門医による診察を受け、お母様に合わせた適切なケアプランを作成することが重要です。 徘徊の原因が不安やストレスであれば、環境調整や認知療法などの非薬物療法が有効な場合があります。

3. エコノミー症候群と身体機能の低下

長時間の拘束によるエコノミー症候群の疑いは、非常に深刻な問題です。 エコノミー症候群は、下肢の静脈血栓症を引き起こし、最悪の場合、肺塞栓症に至る可能性もあります。 お母様の足の状態を詳しく検査し、適切な治療を行う必要があります。 また、拘束によって筋肉が衰え、立つこともできなくなっている状況も、早急な改善が必要です。 理学療法士によるリハビリテーションや、適切な運動療法が効果的です。

病院側には、お母様の身体的な状態を改善するための具体的な取り組みを要求する必要があります。 拘束時間を短縮し、定期的な身体運動を行うこと、そして栄養状態の改善も不可欠です。 栄養士による食事指導や、食欲を増進させるための工夫も必要となるでしょう。

4. 病院への対応と具体的な行動

まず、病院の担当医や看護師、そして病院長に、お母様の現状とご自身の懸念を直接伝えましょう。 具体的な改善策を要求し、そのための具体的なスケジュールを明確に提示してもらうことが重要です。 記録を残すことで、今後の対応に役立ちます。 必要であれば、病院の倫理委員会や医療相談窓口に相談することも検討しましょう。

もし、病院側の対応に納得できない場合は、弁護士や人権擁護団体に相談することも可能です。 彼らは、医療機関における人権問題に精通しており、適切なアドバイスや支援を提供してくれるでしょう。 また、地域包括支援センターや介護支援専門員（ケアマネージャー）にも相談し、他の医療機関への転院や、在宅ケアの可能性についても検討してみましょう。

5. ご自身の精神的なケア

お母様の介護は、ご自身にとっても大きな精神的な負担となっています。 罪悪感やストレスを抱えているかもしれません。 しかし、ご自身を責める必要はありません。 最善を尽くしていることを自覚し、適切なサポートを受けながら、無理なく介護を続けることが大切です。 精神科医やカウンセラーに相談し、心のケアを受けることも検討しましょう。

介護者支援団体や、地域の相談窓口などを活用し、情報収集や相談を行いましょう。 同じような経験を持つ人々と交流することで、孤独感を軽減し、新たな視点を得られるかもしれません。 ご自身の健康も大切にし、適度な休息を取りながら、介護に取り組んでください。

6. まとめ

お母様の状況は深刻ですが、諦める必要はありません。 病院との積極的なコミュニケーション、専門家への相談、そしてご自身の心のケアをしっかりと行うことで、状況を改善できる可能性は十分にあります。 介護職の皆様への感謝を忘れずに、一歩ずつ、前向きに取り組んでいきましょう。

もし、この記事を読んでいても解決策が見つからない、または一人で抱えきれないと感じた場合は、専門家のサポートを受けることを強くお勧めします。 一人で抱え込まず、周りの人に相談し、助けを求めることをためらわないでください。