介護施設におけるユニットケアと装飾：若い職員の行動への適切な対応とは？

閲覧ありがとうございます。ユニットケアで勤務している介護士です。うちの部署にいる若い職員がハロウィンやクリスマスの際にリビングや居室に風船や置物で装飾をするんですが…生活共同室の飾り付けはどこでもある事なので別にいいと思ってましたが、ユニットとは生活の延長であり、そこは住居として扱われると聞いてました。そこに本人の許可なく(病気等で話せない、寝たきりの人を含む)ガヤガヤ飾り付けするのはケアとして正解なんでしょうか？飾ってる本人は特に根拠や目的はなく自己満足で勝手にやってると言い、本来のトイレ支援などを疎かにして他の職員にやらせる始末です。目からの刺激と言うならお出かけやテレビでも充分なのではないか？と思うんですよ。学生気分で仕事する節も見受けられ、文化祭とかの飾り付け感覚で人様の部屋に勝手に飾り付けを施すのは注意するべきでしょうか？もちろん、本人様が希望する場合なら全然飾ってもいいと思いますが…老健からリーダーとして赴任したばかりなので知識不足は否めませんが助言お願いします。

ユニットケアにおける装飾問題、そして若い職員の職務態度について、ご心配ですね。リーダーとして赴任されたばかりとのことですが、これは多くの介護施設で起こりうる問題であり、適切な対応が必要です。この記事では、ユニットケアの理念、利用者の方々の権利、そして若い職員への指導方法について、具体的なアドバイスと成功事例を交えながら解説していきます。

ユニットケアと居住空間としての尊重

まず、ユニットケアの根本理念を理解することが重要です。ユニットケアは、利用者の方々が可能な限り自分らしい生活を送れるよう、少人数のグループで家庭的な雰囲気の中で生活支援を行う介護の形態です。ユニット内の居室は、利用者の方々にとって「住まい」であり、プライバシーが尊重されるべき空間です。そのため、利用者の方々の同意なく、勝手に装飾を行うことは、プライバシー侵害に当たる可能性があります。

特に、病気や認知症などで意思表示が困難な方の場合、ご家族への確認も必要です。飾り付けによって、ご本人にとって不快な刺激になったり、混乱を招いたりする可能性も考慮しなければなりません。例えば、派手な装飾が認知症の方の徘徊を誘発したり、視覚的な刺激過多で落ち着かない状態になったりするケースも考えられます。

装飾の目的と効果：本当に必要か？

若い職員の行動について、自己満足だけで装飾を行っているという点も問題です。介護における装飾は、単なる自己満足ではなく、利用者の方々の生活の質（QOL）向上に繋がる明確な目的が必要です。例えば、季節感を演出することで、利用者の方々の情緒的な安定を図る、あるいは、認知症の方々の刺激となり、会話のきっかけを作るなど、具体的な目的を持つべきです。

単に「ハロウィンだから」「クリスマスだから」という理由だけで装飾を行うことは、目的意識が希薄であり、プロとしての姿勢を欠いていると言えます。目からの刺激が必要であれば、お出かけやテレビ鑑賞など、より適切な方法があります。職員の自己満足のための装飾は、利用者の方々の生活空間を尊重するユニットケアの理念に反します。

具体的な指導方法と対応策

若い職員への指導は、叱責するのではなく、建設的な対話を心がけましょう。以下のようなステップで指導を進めていくことをお勧めします。

• 現状の認識：まず、職員の行動がユニットケアの理念に反していることを丁寧に説明します。具体的な事例を挙げ、なぜ問題なのかを明確に伝えましょう。「利用者の方々のプライバシーや安全を脅かす可能性がある」といった点を強調することが重要です。
• 目的意識の共有：装飾を行う場合の目的を明確化し、職員と共有します。利用者の方々のQOL向上に繋がる具体的な目標を設定し、その目標達成のためにどのような装飾が必要なのかを一緒に考えましょう。例えば、「季節感を演出することで、利用者の方々の情緒的な安定を図る」といった具体的な目標を設定します。
• 役割分担の明確化：装飾は、職員全員で協力して行うべきです。役割分担を明確化し、責任感を共有することで、職員のモチベーションを高めることができます。また、装飾作業に時間を割くことで、本来の業務がおろそかにならないよう、時間管理の徹底も重要です。
• 利用者の方々の意思確認：装飾を行う際には、必ず利用者の方々（もしくはご家族）の同意を得ることを徹底させましょう。同意を得る際には、どのような装飾を行うのか、その目的などを具体的に説明し、理解を得ることが重要です。同意書を作成するのも有効な手段です。
• 研修機会の提供：ユニットケアの理念や、利用者の方々の権利に関する研修を実施することで、職員の知識・理解を深めることができます。また、装飾に関する研修も実施することで、より効果的な装飾方法を学ぶことができます。

成功事例：利用者参加型の装飾

ある施設では、ハロウィンやクリスマスの装飾を、利用者の方々と一緒に企画・実施することで、大きな成功を収めています。利用者の方々の意見を聞きながら、装飾の内容や場所を決めることで、利用者の方々も主体的に参加できるイベントとなり、満足度が向上しました。このような取り組みは、ユニットケアの理念を体現する素晴らしい事例と言えるでしょう。

また、装飾だけでなく、季節に合わせたイベントを企画することで、利用者の方々の生活に彩りを加えることができます。例えば、季節の野菜を使った料理を作ったり、季節の花を飾ったりするなど、様々な工夫が考えられます。

チェックリスト：適切な装飾を行うために

最後に、適切な装飾を行うためのチェックリストを作成しました。装飾を行う前に、必ず確認しましょう。

• □ 利用者の方々（もしくはご家族）の同意を得ているか？
• □ 装飾の目的が明確になっているか？(QOL向上に繋がるか？)
• □ 安全面（転倒・窒息など）に配慮した装飾になっているか？
• □ 清潔に保たれているか？
• □ 装飾によって、他の利用者の方々に迷惑がかからないか？
• □ 撤去方法まで考慮されているか？

まとめ

ユニットケアにおける装飾は、利用者の方々の生活の質向上に繋がるものでなければなりません。若い職員の行動は、ユニットケアの理念や利用者の方々の権利を軽視している可能性があります。リーダーとして、職員への適切な指導を行い、利用者の方々が安心して暮らせる環境づくりに努めましょう。上記で述べたチェックリストや指導方法を参考に、職員と協力して、より良いユニットケアを目指してください。

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