介護職のモヤモヤを解消！2つの職場の違いと正しい介護の在り方

介護施設で働いています。3年ぶりに介護職として働き始めましたが、以前勤めていた職場と今の職場での介護のやり方に違いがあり、どちらが正しいのか悩んでいます。以前の職場では、ご飯に薬を混ぜてあげることは虐待、昼間から玄関を施錠することは身体拘束、職員が立って食事介助をすることは入居者に失礼で顎が上がり嚥下にも良くないと指導されました。しかし、今の職場では、ご飯に薬を混ぜることはグレーではあるが虐待まではいかない、昼間から施錠はどこもやっていることで、脱走したら事故や捜索に大変なため問題ない、立って食事介助は人手不足で仕方ないと言われています。確かに今の職場の言い分も分かる部分もありますが、モヤモヤが拭えません。どちらが正しいのでしょうか？

この記事では、介護職として働くあなたが抱える「以前の職場と今の職場の介護方法の違い」という悩みを解決します。具体的には、薬の服用方法、玄関の施錠、食事介助の姿勢という3つのポイントについて、それぞれのやり方のメリット・デメリットを比較検討し、法律や倫理的な観点から正しい介護の在り方を探ります。さらに、現場で働くあなたが直面するジレンマを解消するための具体的な解決策と、より良い介護を提供するためのスキルアップ方法についても解説します。長く安心して介護の仕事に携わるためのヒントを、豊富な事例を交えながらお伝えします。

1. ご飯に薬を混ぜる行為：虐待か、グレーゾーンか？

以前の職場では「ご飯に薬を混ぜる行為は虐待」と明確に指導されていたのに対し、現在の職場では「グレーゾーン」とされています。この違いはどこから来るのでしょうか？

結論から言うと、薬を混ぜて服用させる行為は、状況によっては虐待とみなされる可能性があります。 介護保険法や関連法規では、利用者の意思を尊重し、尊厳を保持することが求められています。薬を混ぜる行為は、利用者の意思決定プロセスを阻害し、自己決定権を侵害する可能性があるため、慎重な対応が必要です。特に、利用者が薬を服用することに抵抗を示している場合、無理強いすることは虐待に該当する可能性が高いです。

しかし、利用者の状態によっては、薬を混ぜて服用させることが安全確保のために必要となるケースもあります。例えば、認知症などで薬を服用することを拒否する利用者に対して、安全に薬を服用させるために、医師や看護師と相談の上、やむを得ず薬を混ぜる方法を選択する必要がある場合です。この場合でも、利用者の状態、薬の種類、服用方法などについて、詳細な記録を残し、医師や看護師などの医療関係者と連携することが重要です。

重要なのは、「なぜ薬を混ぜる必要があるのか？」「利用者の意思は尊重されているか？」「安全に服用させるための最善の方法を検討しているか？」といった点を常に意識することです。グレーゾーンと判断するのではなく、個々の状況を丁寧に分析し、適切な対応をとることが求められます。

2. 昼間の玄関施錠：身体拘束か、安全対策か？

昼間から玄関を施錠する行為も、以前の職場では「身体拘束」とみなされましたが、現在の職場では「安全対策」として正当化されています。この点についても、両方の意見には一理あります。

身体拘束とは、利用者の意思に反して、身体の自由を制限することです。 昼間から玄関を施錠する行為は、利用者の外出の自由を制限するため、身体拘束に該当する可能性があります。特に、利用者が外出を希望しているにもかかわらず、無理やり施錠することは、大きな問題となります。

しかし、認知症などで徘徊の危険性がある利用者や、安全確保のために施錠が必要なケースもあります。この場合、施錠する理由、時間、方法などを明確にし、利用者や家族に説明し、同意を得ることが重要です。 また、常に利用者の様子を観察し、必要に応じて施錠を解除するなど、柔軟な対応が必要です。 安易な施錠は避け、安全確保と利用者の権利のバランスを適切に取る必要があります。万が一、脱走した場合の対応マニュアルや、緊急連絡体制を整えておくことも重要です。

施錠はあくまで最後の手段と捉え、徘徊防止のための他の対策（見守り体制の強化、環境調整など）を優先的に検討するべきです。

3. 立っての食事介助：失礼か、やむを得ないか？

食事介助の姿勢についても、以前の職場では「立って食事介助をすることは入居者に失礼で、顎が上がり嚥下にも良くない」と指導されましたが、現在の職場では「人手不足で仕方ない」とされています。

理想的には、利用者と目線を合わせ、落ち着いて食事介助を行うことが大切です。 立って食事介助を行うことは、利用者とのコミュニケーションを阻害し、心理的な負担を与える可能性があります。また、利用者の顎が上がってしまうことで、誤嚥のリスクが高まる可能性もあります。

しかし、現実的には人手不足により、座って食事介助を行うことが難しいケースも多いでしょう。この場合、利用者の状態に合わせて、可能な限り丁寧な食事介助を行うことが重要です。 例えば、利用者のそばに寄り添い、優しく声をかけて食事を促す、こまめに水分補給を促す、食事のペースに配慮するなど、工夫が必要です。また、施設として、人材確保や人員配置の改善に努める必要があります。

さらに、食事介助のスキルアップも重要です。適切な姿勢や介助方法を学ぶことで、より安全で快適な食事介助を提供することができます。研修や資格取得などを積極的に活用しましょう。

4. 介護現場における倫理と法律

上記の3つのポイントを通して、介護現場では法律遵守と倫理的な配慮の両方が求められることが分かります。 介護保険法、高齢者虐待防止法、障害者差別解消法など、関連法規を理解し、常に法令に則った行動を心がける必要があります。同時に、利用者の尊厳を尊重し、自己決定権を保障する倫理的な視点も欠かせません。

もし、職場での介護方法に疑問や不安を感じた場合は、上司や同僚、あるいは専門機関に相談することをお勧めします。一人で抱え込まず、周囲の協力を得ながら、より良い介護を目指しましょう。

5. まとめ

介護職は、利用者の尊厳と安全を守る責任を負う大変な仕事です。 しかし、同時にやりがいのある仕事でもあります。 この記事で紹介した内容を参考に、常に法律と倫理を意識し、利用者にとって最善の介護を提供できるよう努めましょう。 もし、職場環境に問題があると感じたり、一人で抱えきれない悩みを抱えている場合は、専門機関への相談を検討しましょう。 あなたのキャリアと心の健康を守るためにも、適切なサポートを受けることが大切です。

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