介護職の肩腱板断裂と労災申請：受傷から期間が空いても申請は可能？

労災について質問です。介護職をしております。昨年3月に身体の動きの良くない体重のある利用者を車に移乗中、全体重を手に掛けられて、左肩を痛めました。その後、6月にMRIで左肩腱板断裂と診断。私に子どもの進学費用が掛かるのを知っている医師は、半年から一年位様子見してから手術をしましょうと仰ってくださいました。騙し騙し仕事を継続しておりましたが、もう限界となり、手術に踏み切ることにしました。そこで質問です。こういう場合、労災保険の申請は厳しいものでしょうか。受傷から期間が空いてしまうのは、難しいものか悩んでおります。決定するのは労基だと思いますが、申請以前の話なのか、お詳しい方がいらしたらお願いいたします。

この記事では、介護職で働くあなたが、業務中に負傷し、労災申請を検討されている状況を想定し、受傷から期間が空いた場合でも労災申請が認められる可能性について、具体的な事例を交えながら詳しく解説します。特に、経済的な負担を抱えながら仕事と治療を両立しようとする、あなたの葛藤と不安に寄り添い、労災申請のプロセスや注意点、そして専門家への相談方法まで、分かりやすくご説明します。

1. 介護職における労働災害と労災申請の現実

介護職は、身体を酷使する仕事であり、腰痛や肩痛、そして今回のような腱板断裂といった労働災害のリスクが高い職種です。利用者の移乗介助は、特に負担が大きく、適切な体制や技術がなければ、容易に怪我につながります。 あなたのケースのように、すぐに手術をせずに様子を見ていたとしても、それが労災申請に不利に働くとは限りません。

労災申請の可否は、あくまで業務中の事故による怪我であるか否か、そしてその因果関係が認められるかによって判断されます。 受傷から期間が空いたとしても、医師の診断書や、業務日誌、同僚の証言など、客観的な証拠をしっかりと準備することで、申請が認められる可能性は十分にあります。

2. 労災申請における重要なポイント：証拠集めと申請手順

労災申請において最も重要なのは、証拠の確保です。あなたのケースでは、以下の証拠を集めることが重要になります。

• 医師の診断書：左肩腱板断裂の診断書は必須です。診断書には、怪我の原因、症状、治療期間、そして業務との因果関係について明確に記載されている必要があります。医師に、業務中の事故との関連性をしっかり説明し、診断書に反映してもらいましょう。
• 業務日誌や記録：業務日誌や介護記録などに、事故発生時の状況を詳細に記録していれば、強力な証拠となります。記録がない場合は、同僚などに状況を聞き取り、証言を得ることも有効です。できるだけ具体的な状況（利用者の体重、移乗方法、事故発生時の状況など）を記録しましょう。
• 同僚の証言：事故を目撃した同僚がいる場合は、証言を得ることが重要です。証言は、書面で残しておくことが理想的です。証言の内容が正確で、客観的な記述であるほど、申請に有利に働きます。
• 写真や動画：事故現場の写真や動画があれば、状況を客観的に示す証拠となります。ただし、プライバシーに配慮する必要があります。

これらの証拠を揃えた上で、労災申請書を提出します。申請書は、会社を通じて労働基準監督署に提出するのが一般的です。申請の手続きについては、会社の担当者や労働基準監督署に相談しましょう。手続きは複雑に感じるかもしれませんが、一つずつ丁寧に進めていけば問題ありません。

3. 期間が空いた場合の労災申請：成功事例と注意点

受傷から期間が空いた場合でも、労災申請が認められる事例は数多くあります。例えば、症状が軽微で、最初は通院治療だけで様子を見ていたが、症状が悪化し、手術が必要になったケースなどです。あなたのケースも、医師の判断に基づき、手術を延期していたという事情を説明することで、申請が認められる可能性は十分にあります。

ただし、申請を遅らせることによって不利になる可能性もあります。例えば、事故から時間が経つほど、状況の記憶が曖昧になったり、証拠が不足したりする可能性があります。そのため、できるだけ早く申請手続きを進めることが重要です。また、申請前に、労働組合や弁護士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。

4. 経済的な不安への対応：労災保険給付と生活支援

手術費用や治療費、そして休業中の生活費など、経済的な不安を抱えていることと思います。労災保険が認められれば、治療費や休業補償を受け取ることができます。また、必要に応じて、生活保護制度などの生活支援制度を利用することも検討しましょう。これらの制度については、市区町村の社会福祉協議会などに相談することができます。

5. 専門家への相談：一人で抱え込まず、サポートを受けましょう

労災申請は、手続きが複雑で、一人で抱え込むと精神的な負担が大きくなってしまいます。弁護士や社会保険労務士などの専門家に相談することで、適切なアドバイスを受け、スムーズに申請を進めることができます。専門家のサポートを受けることで、精神的な負担を軽減し、より良い結果を得られる可能性が高まります。

6. まとめ

介護職における肩腱板断裂は、業務中の事故が原因である可能性が高く、労災申請が認められる可能性は十分にあります。受傷から期間が空いていても、適切な証拠を集め、手続きをきちんと進めることで、申請が認められるケースは多くあります。一人で悩まず、医師、会社、そして必要であれば弁護士や社会保険労務士などの専門家に相談し、サポートを受けながら、安心して手続きを進めていきましょう。経済的な不安についても、労災保険や生活支援制度などを活用することで、乗り越えることができます。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の状況に応じた法的アドバイスではありません。具体的な対応については、専門家にご相談ください。