介護職のローテーション勤務は当たり前？多様な働き方のメリット・デメリットを徹底解説

介護職として就職活動中の方から、以下のようなご質問をいただきました。

就職活動をしている中、先日｢短時間リハビリ型デイサービス｣の面接＆見学をしてきました。

この施設は

｢短時間リハビリ型デイサービス｣（運動・リハビリ）と

｢高齢者デイサービス｣（入浴・昼食・レク）と

｢高齢者マンション｣（介護保険外の人も利用できる入居施設）と

｢訪問介護｣

を行っています。

私は｢高齢者デイサービス｣の介護員の求人に応募したのですが、説明によると

｢朝、７時半にデイの送迎ワゴン車に乗り、途中で降ろしてもらって8時～９時で訪問介護に行く。９時に厨房スタッフが迎えにきます。デイに戻ったらそのまま入浴介護に入る。昼12時になったら、ワゴン車を運転し、高齢者マンションへ向かう（車で10分）昼食の片付けと施設内の掃除を行い、13時30分に入居者をワゴン車に乗せてデイに向かい、デイの浴室でマンションの方の入浴介護を行う。16時30分、自分の車を使い、リハビリ型デイサービスへ向かう（車で15分）リハビリ型デイに着いたら、会社の車でリハビリ型デイの利用者を家に送る（利用者の家は、利用者に聞けば案内してくれるそう）終わったら、18時、リハビリ型デイの掃除をし、また高齢者デイサービスに戻り、19時30分～掃除・イベント等の準備を行う｣とのことなのですが…

今まで、特養・グループホーム・デイサービスで働いた経験はあるものの、こんなに行ったりきたりする仕事は初めて知りました。

説明してくれた施設長によると、｢これからの時代はこのような動きが当たり前になってくる。ウチは時代の最先端。｣だそうです。

私は他の施設も面接に行く予定ですが、その施設長いわく｢他の施設は、面接では言われないけど、結局ウチと同じ内容だよ｣と言われました。

こんな感じで、似たような仕事（デイサービス抜けて訪問行ったり）されてるかたっているのでしょうか？メリット、デメリット等の体験談あればお願いします。補足この施設は、施設隣接の｢ラーメン屋｣｢菜園｣を経営しており、ラーメン屋の店長が月４回休みなので、その月４回だけ朝から晩までラーメン屋に入ってもらう。とも言われました。

介護業界で働くことを目指している方々から、このような複合的な業務形態についてのご質問をいただくことは、近年増えてきました。特に、多様なサービスを提供する施設が増加する中で、介護職員の働き方も変化しています。この記事では、このご質問にお答えするとともに、介護職のローテーション勤務のメリット・デメリットを詳しく解説し、ご自身のキャリアプランを考える上で役立つ情報を提供します。

介護職のローテーション勤務とは？

ご質問にあるような、複数の事業所やサービスをまたいで勤務する形態を、ここでは「ローテーション勤務」と定義します。具体的には、

• デイサービス
• 訪問介護
• 高齢者向け住宅
• リハビリ型デイサービス

など、異なる種類の介護サービスを組み合わせて提供している施設で、介護職員がこれらのサービスを横断的に担当する働き方を指します。

ローテーション勤務のメリット

ローテーション勤務には、介護職員にとって多くのメリットがあります。

1. スキルアップの機会が増える

様々な種類のサービスに携わることで、多様なスキルを習得できます。例えば、

• 入浴、食事、排泄などの基本的な介護スキル
• 認知症ケア
• リハビリテーションの知識
• 記録作成や情報共有などの事務スキル

など、幅広い経験を積むことができます。これにより、介護の専門性を高め、キャリアアップに繋げることが可能です。

2. 視野が広がり、柔軟な対応力も身につく

様々な利用者や状況に対応することで、柔軟な思考力や問題解決能力が養われます。異なる環境で働くことで、固定観念にとらわれず、状況に応じた適切な対応ができるようになります。これは、介護職として非常に重要な能力です。

3. 飽きが来ない、刺激的な毎日

ルーティンワークになりがちな介護の仕事ですが、ローテーション勤務であれば、毎日異なる業務内容で、飽きずに働くことができます。新しい発見や学びがあり、モチベーションを維持しやすいというメリットもあります。

4. 多様な働き方への対応

施設によっては、ローテーション勤務の中で、時短勤務や日勤のみなど、個々の事情に合わせた働き方を提案してくれる場合があります。多様な働き方に対応できる可能性も、ローテーション勤務の魅力の一つです。

5. 給与アップの可能性

複数のサービスをこなせる人材は、施設にとって貴重な存在です。そのため、給与や昇給の面で優遇される可能性があります。また、資格取得支援制度を利用して、更なるキャリアアップを目指すことも可能です。

ローテーション勤務のデメリット

ローテーション勤務には、メリットだけでなく、注意すべき点も存在します。

1. 体力的な負担が大きい

複数の施設を移動し、様々な業務をこなすため、体力的な負担が大きくなる可能性があります。特に、移動時間や業務内容によっては、疲労が蓄積しやすく、体調を崩してしまうこともあります。体力に自信がない場合は、事前に施設の労働時間や休憩時間などを確認し、無理のない範囲で働くようにしましょう。

2. 業務内容の把握が難しい

複数のサービスを担当するため、それぞれの業務内容を正確に把握し、スムーズに業務をこなすには、ある程度の時間と慣れが必要です。また、施設によっては、情報共有が不十分で、連携がうまくいかないこともあります。分からないことや不安なことがあれば、積極的に周囲に質問し、解決するようにしましょう。

3. 責任が増す

複数のサービスを担当することで、責任の範囲が広がる可能性があります。例えば、ある施設では、入居者の健康管理を担当し、別の施設では、訪問介護の計画作成を任されるなど、業務内容によっては、高い責任感が求められます。責任感を持って仕事に取り組むことは重要ですが、一人で抱え込まず、周囲のスタッフと協力しながら、業務を進めるようにしましょう。

4. 施設間の連携不足

施設間の連携がうまくいかない場合、情報共有が滞り、利用者のケアに支障をきたす可能性があります。例えば、利用者の健康状態や生活状況に関する情報が、十分に共有されないと、適切なケアを提供することが難しくなります。施設間の連携体制が整っているか、事前に確認しておくことが重要です。

5. 労働時間の管理が難しい

複数の施設を移動し、様々な業務をこなすため、労働時間の管理が難しくなることがあります。サービス残業が発生したり、休憩時間が十分に取れなかったりすることもあります。労働時間や休憩時間については、事前に施設とよく話し合い、適切な労働環境を確保するようにしましょう。

ローテーション勤務に向いている人、向いていない人

ローテーション勤務は、誰にでも向いている働き方ではありません。ご自身の性格やライフスタイルに合わせて、適性を判断することが重要です。

ローテーション勤務に向いている人

• 新しいことに挑戦するのが好きな人
• 様々な経験を積みたい人
• 柔軟な対応力がある人
• 体力に自信がある人
• コミュニケーション能力が高い人

ローテーション勤務に向いていない人

• ルーティンワークを好む人
• 一つのことに集中したい人
• 体力に自信がない人
• 変化を嫌う人
• 人間関係を築くのが苦手な人

面接で確認すべきこと

ローテーション勤務の求人に応募する際には、以下の点を面接で確認するようにしましょう。

• 具体的な業務内容： どのようなサービスを担当するのか、詳細な業務内容を確認しましょう。
• 移動手段と時間： 施設間の移動手段や移動時間を把握し、無理のない範囲であるか確認しましょう。
• 労働時間と休憩時間： 労働時間や休憩時間、残業の有無などを確認し、適切な労働環境であるか確認しましょう。
• 給与と福利厚生： 給与、昇給、各種手当、社会保険などの福利厚生について確認しましょう。
• 研修制度： 新しい業務を始めるにあたって、研修制度が整っているか確認しましょう。
• 人間関係： 職場の雰囲気や人間関係について、面接官や可能であれば、実際に働くスタッフに話を聞いてみましょう。
• 情報共有体制： 施設間の情報共有がどのように行われているか、確認しましょう。
• キャリアパス： 将来的にどのようなキャリアプランを描けるのか、確認しましょう。

面接での質問例

面接では、積極的に質問し、疑問点を解消することが重要です。以下に、面接で使える質問例をいくつかご紹介します。

• ローテーション勤務の具体的なスケジュールを教えてください。
• それぞれのサービスにおける、具体的な業務内容を教えてください。
• 施設間の移動手段と移動時間を教えてください。
• 労働時間や休憩時間、残業の有無について教えてください。
• 新しい業務を始めるにあたって、どのような研修がありますか？
• 職場の雰囲気や人間関係について教えてください。
• 情報共有はどのように行われていますか？
• この施設で働くことの、やりがいや魅力は何ですか？
• 将来的に、どのようなキャリアプランを描けますか？

これらの質問を通じて、施設の詳細な情報を把握し、ご自身に合った職場かどうかを判断しましょう。

応募前に検討すべきこと

ローテーション勤務の求人に応募する前に、以下の点を検討し、ご自身の希望と合致するかどうかを確認しましょう。

• ご自身のスキルと経験： これまでの経験を活かせるか、新しいスキルを習得する意欲があるか、自己分析を行いましょう。
• ご自身のライフスタイル： ワークライフバランスを重視するのか、キャリアアップを重視するのか、ご自身のライフスタイルに合った働き方であるか検討しましょう。
• ご自身の価値観： どのような介護を提供したいのか、どのような職場で働きたいのか、ご自身の価値観に合った職場であるか検討しましょう。
• 施設の理念と方針： 施設の理念や方針に共感できるか、確認しましょう。
• 労働条件： 給与、労働時間、福利厚生などの労働条件が、ご自身の希望と合致するか確認しましょう。

まとめ

介護職のローテーション勤務は、スキルアップやキャリアアップのチャンスがある一方で、体力的な負担や業務内容の把握の難しさなど、注意すべき点もあります。ご自身の適性や希望する働き方を考慮し、メリットとデメリットを比較検討した上で、応募を検討しましょう。面接では、積極的に質問し、疑問点を解消することが重要です。ご自身のキャリアプランを実現するために、しっかりと情報収集を行い、最適な職場を見つけましょう。

今回の質問者様のように、複数の事業所をまたいで勤務する働き方は、介護業界で徐々に増えてきています。多様な働き方がある中で、ご自身の希望に合った働き方を見つけることが、長く介護の仕事を続けるための秘訣です。

介護業界は、常に変化しています。新しい働き方やサービスが生まれる中で、常に情報を収集し、ご自身のキャリアプランを見つめ直すことが重要です。wovieでは、介護業界の最新情報や、キャリアに関する様々な情報を提供しています。ぜひ、参考にしてください。

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