デイサービスと有料老人ホーム兼務の過酷な現状…転職すべき？

Aさん、デイサービスと有料老人ホームの兼務、そして夜勤を月に10〜11回もされているとのこと、大変お疲れ様です。施設規模が小さく、職員も少ない中で、入浴介助や看護師の配置など、多くの問題に直面されている状況、お察しします。昇給もなく、処遇改善加算によるボーナスのようなものがある程度というのも、モチベーションを維持するのが難しい状況ですよね。老健からの引き抜きの話があるものの、今の職場の状況を考えると、簡単に辞める決断もできない…というお気持ち、とてもよくわかります。

同一施設でデイと有料老人ホームを兼務して働いているAです。施設規模もかなり小さく、職員も少ないことから夜勤を月に10〜11回しています。日勤業務も月に1回又は2回、ない時もあります。昇給もなく、年2回処遇改善加算によるボーナス紛いがある程度です。

デイ業務も始業開始が8時半なのに、入浴の為7時半に会社へ行き、8時から入浴開始といった有様です。（有料入居者のみ、入居者は週3回入浴）しかも、血圧等は、デイで寝泊まりしている、上司の知り合いの、別病院で働く看護師が測定しています。（明らかにダメだろ）入浴は女性しかいないので、女性職員が1人で回しています。（1日多くて7人程）休憩は120分と謳っていますが、実際は45分、その女性職員に限っては最悪10〜15分程度です。

デイ専属の正職員はこの女性しかいません。その為デイは職員1又は2、バイト1、ボランティア1で回している状況です。（利用者10人程）もう頭がおかしいんちゃうかと、、、

会社自体も人を雇おうとしているみたいですが、上司のお眼鏡に叶う人が来ない様です。（本人談）

ここよりも待遇も良く、スキルアップも可能な、老健から声がかかってますが、職員1人抜けると確実に回らない状況で、辞めるのは心が若干痛みます。引き抜きの話は保留にしてもらってます。

この勤務状況は労基に相談したら動いてもらえる案件ですか？優しく教えてほしいです。補足個人医院に併設している施設で看護師は1人しかいません。看護師1人が病院、訪問、デイ三役を担っています。

この記事では、Aさんのような状況にある介護・福祉従事者の皆様が、より良いキャリアを築くために、現状の課題を整理し、転職という選択肢を含めた様々な解決策を提示します。具体的には、労働基準法に違反する可能性のある問題点、転職を検討する際のポイント、そして、現職にとどまる場合の改善策について、詳しく解説していきます。

1. 労働環境の現状分析：何が問題なのか？

Aさんの置かれている状況は、非常に多くの問題を抱えています。まずは、具体的にどのような点が問題なのかを整理し、法律的な観点から見ていきましょう。

1-1. 労働基準法違反の可能性

Aさんの勤務状況には、労働基準法に違反する可能性のある点がいくつか見受けられます。以下に具体的に見ていきましょう。

• 休憩時間の問題: 労働基準法では、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を与えなければならないと定められています。Aさんの場合、120分の休憩と謳っているにもかかわらず、実際には45分、場合によっては10〜15分しか休憩が取れていないとのこと。これは、労働基準法に違反する可能性があります。特に、女性職員が一人で入浴介助を回している状況で、十分な休憩が取れないというのは、心身ともに大きな負担となります。
• 入浴介助の開始時間と始業時間の問題: 始業時間が8時30分にもかかわらず、入浴のために7時30分に出勤し、8時から入浴を開始しているというのも、労働時間としてカウントされるべき時間です。この時間も給与が支払われていない場合、未払い賃金の問題となる可能性があります。
• 看護師の配置と業務の問題: デイサービスで寝泊まりしている上司の知り合いの看護師が血圧測定を行っているという点も、問題があります。医療行為は、適切な資格を持った者が行う必要があり、その看護師がその施設で正式に勤務しているのか、資格や業務範囲に問題がないかを確認する必要があります。
• 労働時間の問題: 月に10〜11回の夜勤、日勤業務、入浴介助など、業務内容が多岐にわたる上に、人員不足も深刻です。これは、労働時間が長くなりやすく、心身の健康を損なうリスクを高めます。

これらの問題は、労働基準監督署に相談することで、改善を求めることができます。労働基準監督署は、労働基準法に違反する行為に対して、是正勧告や指導を行う権限を持っています。

1-2. 待遇面の問題

昇給がない、処遇改善加算によるボーナスのようなものがある程度という待遇も、Aさんのモチベーションを低下させる要因の一つです。介護業界では、人手不足が深刻化しており、人材確保のために待遇改善を行う施設も増えています。Aさんのように、高い専門性と責任感を持って業務をこなしているにもかかわらず、適切な評価や報酬が得られないというのは、不当と言えるでしょう。

1-3. スキルアップの機会の欠如

施設規模が小さく、人員も少ないため、スキルアップの機会が限られている可能性もあります。新しい知識や技術を習得する機会がないと、キャリアアップも難しくなり、将来的な不安につながります。

2. 転職という選択肢：メリットとデメリット

Aさんの場合、より良い条件の老健から声がかかっているとのこと。転職は、現状を変えるための有効な手段の一つです。しかし、転職にはメリットとデメリットがあり、慎重に検討する必要があります。

2-1. 転職のメリット

• 待遇改善: 給与アップ、昇給制度の導入、福利厚生の充実など、待遇が改善される可能性があります。
• 労働環境の改善: 適切な休憩時間の確保、人員配置の見直しなど、労働環境が改善されることで、心身の負担が軽減されます。
• スキルアップの機会: 研修制度の充実、新しい技術の習得など、スキルアップの機会が増えることで、キャリアアップにつながります。
• キャリアパスの拡大: 経験を積むことで、管理職への昇進や、専門職としてのキャリアを築くことも可能になります。
• 人間関係の改善: 人間関係に問題がある場合、転職によって、より良い人間関係を築ける可能性があります。

2-2. 転職のデメリット

• 環境の変化への適応: 新しい職場環境に慣れるまで、時間と労力が必要となります。
• 人間関係の再構築: 新しい職場で、人間関係を築き直す必要があります。
• 給与の変動: 転職先の給与が、必ずしも現在の給与よりも高くなるとは限りません。
• キャリアの停滞: 転職先の状況によっては、キャリアアップの機会が限られる可能性もあります。
• 退職に伴う手続き: 退職の手続きや、有給休暇の消化など、手間がかかることがあります。

転職を検討する際には、これらのメリットとデメリットを比較検討し、自分にとって最適な選択肢を選ぶことが重要です。

3. 現職にとどまる場合の改善策

Aさんの場合、今の職場を辞めることに心が痛むという気持ちも理解できます。現職にとどまる場合でも、状況を改善するための方法があります。

3-1. 労働基準監督署への相談

まずは、労働基準監督署に相談し、現状の問題点を伝え、改善を求めることが重要です。労働基準監督署は、労働基準法違反の是正を指導するだけでなく、相談者の保護にも努めます。相談内容が外部に漏れることはありませんので、安心して相談してください。

3-2. 施設との交渉

労働基準監督署への相談と並行して、施設側との交渉も行うことができます。具体的には、以下のような点を交渉してみましょう。

• 休憩時間の確保: 休憩時間を確実に取得できるように、人員配置の見直しを求める。
• 労働時間の見直し: 業務内容や人員配置を見直し、労働時間を適正化する。
• 給与・待遇の改善: 昇給制度の導入、資格手当の支給など、給与・待遇の改善を求める。
• 看護師の配置の見直し: 看護師の配置や業務範囲について、問題点を指摘し、改善を求める。
• スキルアップの機会の提供: 研修制度の導入や、外部研修への参加を希望する。

交渉の際には、具体的な改善策を提案し、根拠となるデータや資料を提示することで、施設側の理解を得やすくなります。また、労働組合がある場合は、労働組合に相談し、交渉を支援してもらうことも有効です。

3-3. 周囲との連携

一人で問題を抱え込まず、周囲の職員と連携することも重要です。同じような問題を抱えている職員がいれば、一緒に声を上げ、改善を求めることができます。また、上司や同僚に相談し、協力を得ることも有効です。

4. 転職を成功させるための準備

もし転職を決意した場合、成功させるためには、事前の準備が不可欠です。

4-1. 自己分析

まずは、自分の強みや弱み、キャリアプランを明確にしましょう。自己分析を行うことで、自分に合った職場を見つけることができます。具体的には、以下のような点を検討します。

• 自分のスキル: これまでの経験で培ってきたスキル、得意なこと、不得意なことを整理する。
• 自分の価値観: 仕事をする上で、何を大切にしたいのか（給与、人間関係、やりがい、成長など）を明確にする。
• キャリアプラン: 将来的にどのようなキャリアを築きたいのか、目標を設定する。

4-2. 情報収集

転職先の情報を収集することも重要です。求人情報だけでなく、施設の評判や、実際に働いている人の口コミなども参考にしましょう。具体的には、以下のような方法で情報収集を行います。

• 求人サイト: 介護・福祉系の求人サイトで、希望する条件に合った求人を探す。
• 転職エージェント: 転職エージェントに登録し、キャリアコンサルタントに相談する。
• 施設のホームページ: 施設の理念や、待遇、福利厚生などの情報を確認する。
• 口コミサイト: 実際に働いている人の口コミを参考に、職場の雰囲気や人間関係などを知る。

4-3. 応募書類の作成

応募書類は、あなたの第一印象を決める重要なツールです。丁寧に作成し、自分の強みや経験をアピールしましょう。具体的には、以下のような点に注意します。

• 履歴書: 誤字脱字がないか、丁寧に作成する。
• 職務経歴書: これまでの経験や実績を具体的に記載し、アピールポイントを明確にする。
• 自己PR: 自分の強みや、応募先でどのように貢献できるかを具体的に説明する。

4-4. 面接対策

面接では、あなたの人間性や、仕事への意欲が評価されます。事前に面接対策を行い、自信を持って臨みましょう。具体的には、以下のような点に注意します。

• 自己紹介: 自分の強みや、これまでの経験を簡潔に説明できるように練習する。
• 志望動機: なぜその施設で働きたいのか、具体的に説明できるように準備する。
• 質疑応答: よくある質問に対する回答を準備し、スムーズに答えられるように練習する。
• 逆質問: 積極的に質問し、入職への意欲を示す。

5. 専門家への相談

転職やキャリアについて、一人で悩まず、専門家に相談することも有効です。キャリアコンサルタントは、あなたのキャリアプランを一緒に考え、転職活動をサポートしてくれます。また、労働問題に詳しい弁護士に相談することも、問題解決の糸口になるかもしれません。

Aさんのように、現在の職場環境に不満を感じ、転職を検討している場合、専門家のサポートを受けることで、よりスムーズに転職活動を進めることができます。専門家は、あなたの状況に合わせて、最適なアドバイスを提供し、あなたのキャリアを成功へと導くためのサポートをしてくれます。

専門家への相談を検討しましょう。

6. まとめ：あなたのキャリアを切り開くために

Aさんのように、過酷な労働環境で悩んでいる介護・福祉従事者の皆様は、決して一人ではありません。現状の問題点を整理し、解決策を検討することで、より良いキャリアを築くことができます。

今回の記事では、Aさんの抱える問題点と、それに対する具体的な解決策を提示しました。労働基準法違反の可能性、転職のメリットとデメリット、現職にとどまる場合の改善策、転職を成功させるための準備など、様々な角度から解説しました。

Aさんの場合、まずは労働基準監督署への相談を検討し、並行して、施設側との交渉を進めることが重要です。そして、老健からの引き抜きの話も、慎重に検討し、自己分析や情報収集を行った上で、最適な選択肢を選ぶようにしましょう。

あなたのキャリアは、あなた自身で切り開くことができます。現状に満足できない場合は、積極的に行動し、より良い未来を掴みましょう。

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