特養 vs. 老健：介護職4年目が関東でキャリアアップを目指す！施設選びの徹底比較

介護職としてのキャリアを積む中で、新たな挑戦として関東での就職を検討されているのですね。特養と老健、それぞれの施設から内定を得て、どちらを選ぶべきか悩んでいるとのこと、大変よく分かります。初めての土地での就職は、期待と同時に多くの不安を抱えるもの。この記事では、あなたの状況を深く理解し、それぞれの施設のメリット・デメリットを比較検討しながら、最適な選択をするための具体的なアドバイスを提供します。

介護職歴4年で来月から地方を出て関東で働きたいと思っている者です。特養と老健の2社を受けて2つとも内定が出ましたが、とても悩んでいるので助言を頂ければ助かります。

特養…歴史が長く、見学した時に職場の環境もアットホームな感じで仕事がとてもしやすい印象を受けましたが、建物自体も古く従来型の施設といった感じで、老健よりも給料は年収でいうと30〜40万は下回ってしまいます。

老健…組織自体の規模も大きく、施設も出来て数年と新しいです。これからさらに拡大を目指しているらしく、長い目で見ると将来性はあると感じました。上司にあたる人達も色々な事に挑戦して施設を盛り上げていきたいという意欲を感じました。しかし見学時、同じ介護職の人達の態度が思ってたよりも無愛想であまり良い印象を受けなくて、そこだけが残念でした。

わざわざ上京して、色々な面でのスキルアップを目指すなら老健だと思うのですが、環境面が少し心配です。つい最近まで老健で務めてましたが、人間関係が少し面倒だった事もあり今度は良い人間関係の職場に勤めたいと思っていたので、その部分を重視するなら特養もありだと思うのですが、長い目で見ると老健の方よりも将来性には欠けるし、老健で勤務した方が将来的にまた、別の施設に移っても経験が活かせる幅は広そうな気がします。

初の関東での勤務なので、向こうになれるまでも時間が掛かると思いますし、就職一発目で失敗するとますます大変だと思うので、本当に悩んでいます。アドバイスをよろしくお願いします！

1. 特養と老健、それぞれの特徴を徹底比較

まずは、特養（特別養護老人ホーム）と老健（介護老人保健施設）の基本的な違いを理解しましょう。それぞれの施設の目的、入居者の特徴、そして介護職としてのキャリアパスにどのような影響があるのかを比較します。

1.1 特養（特別養護老人ホーム）

目的: 終身利用を前提とし、日常生活に常時介護を必要とする高齢者の生活を支援します。生活の場としての側面が強く、入居者のQOL（Quality of Life：生活の質）の維持・向上を目指します。

入居者: 介護度が高く、長期間の入居を希望する方が多いです。認知症の方も多く、生活全般にわたるサポートが求められます。

介護職の仕事内容: 入浴、食事、排泄などの介助に加え、レクリエーションや機能訓練のサポートも行います。入居者の個性を尊重し、その人らしい生活を支えることが重要です。

キャリアパス: 経験を積むことで、リーダーや主任などの役職に就くことができます。また、介護福祉士などの資格取得を目指すことも可能です。施設によっては、ケアマネージャーの資格取得支援を行っている場合もあります。

メリット:

• アットホームな雰囲気: 長く入居している方が多く、職員との関係性も密接なため、温かい人間関係を築きやすい傾向があります。
• 安定した運営: 長い歴史を持つ施設が多く、経営基盤が安定している場合があります。
• 生活支援のスキルアップ: 入居者の生活を支えるための幅広いスキル（食事、入浴、排泄、認知症ケアなど）を習得できます。

デメリット:

• 給与水準: 老健に比べて給与が低い傾向があります。
• 施設設備の老朽化: 建物が古い場合があり、最新の設備や機器が整っていないことがあります。
• キャリアアップの機会: 施設によっては、キャリアアップの機会が限られている場合があります。

1.2 老健（介護老人保健施設）

目的: 在宅復帰を目的とし、リハビリテーションや医療ケアを通じて、入居者の自立支援を行います。病院と在宅の中間施設としての役割を担います。

入居者: 病気や怪我からの回復期にある方や、在宅復帰を目指す方が多いです。リハビリテーションや医療ケアを必要とする方が中心です。

介護職の仕事内容: リハビリテーションの補助、医療処置のサポート、食事や入浴の介助などを行います。多職種連携が重要であり、医師、看護師、理学療法士、作業療法士などと協力して、入居者の状態改善を目指します。

キャリアパス: 経験を積むことで、リーダーや主任などの役職に就くことができます。また、専門的な知識やスキルを習得し、リハビリテーション助手や、特定処置を担う介護職員として活躍することも可能です。スキルアップのための研修制度が充実している施設もあります。

メリット:

• 給与水準: 特養に比べて給与が高い傾向があります。
• スキルアップの機会: 最新の医療知識やリハビリテーションに関する知識を習得できます。
• 多職種連携: 医師、看護師、リハビリスタッフなど、様々な職種と連携して働くことで、視野が広がり、専門性を高めることができます。
• 将来性: 在宅復帰支援のニーズが高まっており、将来性が期待できます。

デメリット:

• 人間関係: 職員の入れ替わりが激しい場合があり、人間関係が不安定になることがあります。
• 業務の忙しさ: リハビリテーションや医療ケアに加えて、入居者の状態変化への対応など、業務量が多く、忙しい場合があります。
• 専門性の高さ: 専門的な知識やスキルが求められるため、常に学習意欲が必要です。

2. あなたのキャリアプランを明確にする

次に、あなたのキャリアプランを具体的に考えてみましょう。将来的にどのような介護職として活躍したいのか、どのようなスキルを身につけたいのかを明確にすることで、どちらの施設があなたに適しているのかが見えてきます。

2.1 スキルアップの目標

スキルアップを目指すのであれば、老健が有利です。老健では、医療的な知識やリハビリテーションに関する知識を習得する機会が多く、専門性を高めることができます。一方、特養では、生活支援に関するスキルを深めることができます。どちらのスキルを重視したいのかを考えましょう。

• 医療的ケア: 喀痰吸引や経管栄養などの医療的ケアに携わりたい場合は、老健が適しています。
• リハビリテーション: リハビリテーションの知識を深めたい場合は、老健でリハビリスタッフとの連携を通して学ぶことができます。
• 認知症ケア: 認知症ケアに関する専門性を高めたい場合は、特養でも学ぶことができますが、老健でも認知症ケアに力を入れている施設があります。

2.2 キャリアパスの目標

将来的にどのような役職に就きたいのか、どのような資格を取得したいのかを考えましょう。老健では、リーダーや主任などの役職に就く機会が多く、キャリアアップを目指しやすい環境です。また、ケアマネージャーなどの資格取得支援を行っている施設もあります。

• リーダーシップ: リーダーシップを発揮して、チームをまとめたい場合は、老健で経験を積むのが良いでしょう。
• 資格取得: 介護福祉士、ケアマネージャーなどの資格取得を目指す場合は、施設からのサポート体制を確認しましょう。
• 専門職: 特定の分野（認知症ケア、リハビリテーションなど）の専門職として活躍したい場合は、その分野に特化した施設を選ぶと良いでしょう。

2.3 ワークライフバランスの目標

仕事とプライベートのバランスを重視したい場合は、勤務時間や休日の取得しやすさを確認しましょう。特養は、比較的残業が少なく、ワークライフバランスを保ちやすい傾向があります。しかし、施設によって異なるため、面接時に確認することをおすすめします。

• 残業時間: 残業時間が少ない施設を選びたい場合は、面接時に残業時間について質問しましょう。
• 休日: 自分の希望する休日の取得が可能かどうか、事前に確認しましょう。
• 福利厚生: 福利厚生が充実している施設を選ぶことで、安心して働くことができます。

3. 施設選びの具体的なポイント

特養と老健、どちらを選ぶにしても、以下のポイントを考慮して施設を選びましょう。これらのポイントを比較検討することで、あなたに最適な施設を見つけることができます。

3.1 職場の雰囲気と人間関係

職場の雰囲気や人間関係は、仕事の満足度に大きく影響します。見学時の印象だけでなく、面接時や、可能であれば実際に働いている職員の方から話を聞くなどして、職場の雰囲気を把握しましょう。

• 職員の様子: 職員同士が協力し合っているか、笑顔で働いているかなどを観察しましょう。
• コミュニケーション: 職員間のコミュニケーションが活発に行われているか、情報共有がスムーズに行われているかを確認しましょう。
• 離職率: 離職率が高い場合は、人間関係や労働環境に問題がある可能性があります。

3.2 給与と福利厚生

給与や福利厚生は、生活の安定に直結する重要な要素です。給与だけでなく、福利厚生の内容も確認し、総合的に判断しましょう。

• 給与: 基本給だけでなく、各種手当（夜勤手当、資格手当、住宅手当など）を含めた総支給額を確認しましょう。
• 昇給制度: 昇給制度があるかどうか、昇給の頻度や金額を確認しましょう。
• 福利厚生: 社会保険、退職金制度、研修制度、資格取得支援制度など、福利厚生の内容を確認しましょう。
• 住宅手当: 関東での生活を考えると、住宅手当の有無は大きな差になります。

3.3 教育・研修制度

スキルアップを目指すのであれば、教育・研修制度が充実している施設を選びましょう。OJT（On-the-Job Training）だけでなく、Off-JT（Off-the-Job Training）の機会があるか、外部研修への参加を支援してくれるかなどを確認しましょう。

• OJT: 新人教育や、先輩職員による指導体制が整っているかを確認しましょう。
• Off-JT: 外部研修への参加を支援してくれるか、研修費用を負担してくれるかを確認しましょう。
• 資格取得支援: 資格取得を支援してくれる制度があるか、資格取得のための費用を負担してくれるかを確認しましょう。

3.4 施設の将来性

施設の将来性は、あなたのキャリアにも影響します。施設の経営状況や、今後の事業展開などを確認しましょう。

• 経営状況: 経営状況が安定しているか、財務状況を確認しましょう。
• 事業展開: 今後の事業展開（新規施設の開設、サービスの拡大など）があるかを確認しましょう。
• 地域との連携: 地域との連携が積極的に行われているか、地域貢献活動を行っているかを確認しましょう。

4. 失敗しないための施設選びのステップ

初めての転職で失敗しないためには、以下のステップで施設選びを進めることが重要です。焦らず、一つ一つ丁寧に確認していくことが大切です。

4.1 情報収集

まずは、求人情報を集め、気になる施設について詳しく調べてみましょう。施設のホームページ、求人サイト、口コミサイトなどを活用し、できる限り多くの情報を集めましょう。

• 求人サイト: 介護職専門の求人サイトを活用し、希望する条件（給与、勤務地、施設の種類など）で検索しましょう。
• 施設のホームページ: 施設のホームページで、施設の理念、サービス内容、職員の紹介などを確認しましょう。
• 口コミサイト: 実際に働いている職員の口コミを参考に、職場の雰囲気や人間関係について情報を集めましょう。ただし、口コミはあくまで参考程度に留め、鵜呑みにしないようにしましょう。

4.2 施設見学

気になる施設が見つかったら、積極的に施設見学を行いましょう。見学を通して、施設の雰囲気や職員の様子、設備などを自分の目で確認することができます。

• 見学の予約: 事前に施設に連絡し、見学の予約を取りましょう。
• 見学時のチェックポイント: 施設の雰囲気、職員の様子、入居者の様子、設備、清潔さなどをチェックしましょう。
• 質問の準備: 事前に質問事項を準備しておき、疑問点を解消しましょう。

4.3 面接対策

面接に臨む前に、しっかりと面接対策を行いましょう。自己PR、志望動機、これまでの経験などを整理し、面接官に効果的に伝えることができるように練習しましょう。

• 自己分析: 自分の強みや弱み、これまでの経験、キャリアプランなどを整理しましょう。
• 企業研究: 施設の理念、サービス内容、特徴などを理解し、志望動機を明確にしましょう。
• 面接練習: 模擬面接を行い、面接での受け答えに慣れておきましょう。
• 逆質問の準備: 面接の最後に、面接官に質問する機会があります。事前に質問事項を準備しておきましょう。

4.4 最終決定

情報収集、施設見学、面接を通して得られた情報を総合的に判断し、最終的にどちらの施設を選ぶのかを決定しましょう。自分のキャリアプラン、希望する働き方、職場の雰囲気を考慮し、後悔のない選択をしましょう。

もし、どうしても一人で決められない場合は、転職エージェントなどの専門家に相談することも検討しましょう。あなたの状況を客観的に分析し、最適な選択をサポートしてくれます。

5. 関東での介護職としてのキャリアを成功させるために

関東での介護職としてのキャリアを成功させるためには、施設選びだけでなく、日々の仕事への取り組み方や、自己研鑽も重要です。以下に、成功するためのポイントをまとめました。

5.1 コミュニケーション能力の向上

介護職は、入居者やその家族、そして同僚とのコミュニケーションが不可欠です。積極的にコミュニケーションを図り、信頼関係を築くことが、仕事の円滑な遂行につながります。

• 傾聴力: 相手の話をしっかりと聞き、共感する姿勢を示しましょう。
• 表現力: 自分の考えや気持ちを、分かりやすく伝えるように心がけましょう。
• チームワーク: チームの一員として、積極的にコミュニケーションを図り、協力し合いましょう。

5.2 スキルアップへの継続的な努力

介護の知識や技術は、常に進化しています。積極的に研修に参加したり、資格を取得したりして、スキルアップに努めましょう。

• 自己学習: 介護に関する書籍や雑誌を読んだり、インターネットで情報を収集したりして、自己学習に励みましょう。
• 研修への参加: 施設が主催する研修や、外部の研修に積極的に参加しましょう。
• 資格取得: 介護福祉士、ケアマネージャーなどの資格取得を目指しましょう。

5.3 メンタルヘルスの管理

介護の仕事は、精神的な負担が大きいこともあります。ストレスを溜め込まず、心身ともに健康な状態を保つことが重要です。

• 休息: 睡眠をしっかりととり、心身を休ませましょう。
• 気分転換: 趣味を楽しんだり、友人との交流を通じて、気分転換を図りましょう。
• 相談: 悩みや不安を一人で抱え込まず、同僚や上司、家族、専門家などに相談しましょう。

5.4 関東での生活を楽しむ

初めての土地での生活は、不安も多いかもしれませんが、積極的に地域社会に参加し、新しい生活を楽しんでください。休日は、観光やレジャーを楽しんだり、地域の人々との交流を深めたりして、充実した日々を送りましょう。

• 情報収集: 関東の観光スポットやイベント情報を収集し、積極的に出かけてみましょう。
• 地域交流: 地域住民との交流を通じて、新しい価値観や文化に触れましょう。
• 趣味: 趣味を通じて、新しい仲間を見つけ、生活を豊かにしましょう。

6. まとめ：あなたのキャリアを切り開くために

特養と老健、どちらを選ぶかは、あなたのキャリアプランや重視するポイントによって異なります。それぞれの施設のメリット・デメリットを比較検討し、あなたの希望に合った施設を選びましょう。そして、関東での介護職としてのキャリアを成功させるために、積極的にスキルアップに励み、人間関係を大切にし、心身ともに健康な状態を保ちましょう。あなたの新たな挑戦が、素晴らしいものになることを心から応援しています。

今回の記事が、あなたの施設選び、そして今後のキャリアプランを考える上で、少しでもお役に立てれば幸いです。頑張ってください！

“`