夜中の祖母の異変…もしかして認知症？原因と対応について【専門家が解説】

この記事では、夜中に祖母の言動がおかしくなり、認知症ではないかと不安に感じているあなたに向けて、具体的な原因の可能性と、どのように対応していくべきかについて、キャリア支援の専門家としての視点から解説します。

祖母のおかしな言動について質問です。

先日、寝ていると夜中祖母の部屋から「わーやー(ぶつぶつなにかを言っている)、痛い痛い、あーーーー」というような声が聞こえてきました。

部屋を覗くと寝ていたので寝言かあと思いましたが、３０分以上たっても続いていたのとさっきよりひどくなっていた(悪霊にでもとりつかれているような感じ)ので声をかけましたが、片目を開け、私のことをチラリと見るとなにも言わず寝返りをうちまた寝ました。

なので、そのままにしておきましたがその寝言みたいなのは続いていました。

その数十分後祖母が部屋から出てきたかと思えば、あたふたしていたので、どこに行くの?と聞いたら「トイレ、トイレはどこですか?」というので「あっちだよ。」「そうだった！あっちだった！」というので大丈夫かな?と思いついていきました。

すると祖母が「それで、あなたは誰？」というのでビックリして、「わからない?◯◯だよ」「◯◯?そんなわけない！あんたは違う！」と言われました。

そのあとも「ここはどこ?」「薬をたくさん飲まれて体が痛い」「◯◯さん(知り合いの名前)はどこいった？さっきまでいたでしょ?」「あなたはなんでいるの?」というのが続いたので母親を、呼びましたが、母親のことをわからない様子でした。

水が飲みたいというので水をあげると「苦い！！これは水じゃない。」とも言っていました！

いきなり認知症になったのか?と疑いましたが調べるとせん妄?というのが少し当てはまるかなと思ったり…

祖母はそのあとすやすやと、朝まで寝て、普通に起きて普通に生活しています。

昨日の夜中のこと、覚えてる?と聞いてみましたがなにも覚えてないようで、そんなことが！？と、自分でも驚いているようでした。

なんか、変な薬を飲んだ？と聞いたら、たまに精神安定剤?を、飲んでいるようでこのことがあった夜にも飲んでいたようです。このようなことは今回が初めてです。

気になることや、もしかしてこの病気では?とわかることがあれば教えてください。

その際病院に行った方がいいかも教えてください。

よろしくお願いいたしますm(__)m

ご家族の介護は、心身ともに大きな負担を伴うものです。特に、今回のケースのように、突然の異変に直面すると、何が起きているのか分からず、不安でいっぱいになることと思います。今回の相談内容から、祖母の異変の原因として考えられる可能性と、それに対する具体的な対応策を、専門家の視点から詳しく解説していきます。また、介護に関する悩みは一人で抱え込まず、専門家や相談できる人に頼ることが大切です。

1. 状況の整理と初期対応

まず、今回の状況を整理し、初期対応について考えてみましょう。祖母に起きた異変は、大きく分けて以下の3つの段階に分けられます。

• 段階1：夜間の異言と異様な行動（寝言、うわ言）
• 段階2：場所や人物の認識障害、訴え（トイレの場所が分からない、誰だか分からない、体の痛み）
• 段階3：症状の消失と記憶の欠落

これらの症状から考えられる原因を特定し、適切な対応を取ることが重要です。

2. 考えられる原因

祖母に起きた異変の原因として、いくつかの可能性が考えられます。以下に、それぞれの可能性と、その特徴をまとめました。

2-1. せん妄

せん妄は、意識障害を伴う精神状態のことで、急激に発症し、症状が日によって変動するのが特徴です。今回のケースのように、夜間に症状が現れ、日中は落ち着いているというパターンもよく見られます。原因としては、薬の影響、感染症、脱水、電解質異常、脳血管障害などが考えられます。

• 特徴：意識レベルの変動、見当識障害（時間、場所、人物が分からない）、幻覚や妄想、注意力の低下。
• 今回のケースとの関連性：「トイレの場所が分からない」「あなたは誰？」といった発言は、見当識障害の症状と一致します。また、精神安定剤の服用も、せん妄のリスクを高める可能性があります。
• 対応：まずは、原因を特定するために、医療機関を受診し、専門医の診断を受けることが重要です。

2-2. 薬の影響（薬剤性せん妄）

祖母が服用している精神安定剤が、せん妄の原因となっている可能性も考えられます。特に、高齢者は薬の影響を受けやすく、副作用が出やすい傾向があります。薬の種類や量によっては、せん妄を引き起こすことがあります。

• 特徴：服用している薬の種類、量、服用時間と症状の関連性。
• 今回のケースとの関連性：精神安定剤を服用していることが、今回の異変と関連している可能性があります。
• 対応：かかりつけ医に相談し、薬の種類や量の調整について検討してもらう必要があります。また、薬の服用方法やタイミングについても、確認しましょう。

2-3. 認知症

認知症は、記憶力や判断力の低下を主な症状とする病気です。今回のケースのように、夜間に異変が起こり、日中は落ち着いている場合、初期の認知症の可能性も否定できません。ただし、認知症の場合は、症状が徐々に進行していくのが一般的です。

• 特徴：記憶障害、見当識障害、理解力や判断力の低下、性格の変化。
• 今回のケースとの関連性：「あなたは誰？」「ここはどこ？」といった発言は、認知症の症状と似ています。
• 対応：専門医による診断を受け、認知症の可能性を評価してもらう必要があります。早期発見・早期治療が重要です。

2-4. その他の原因

上記以外にも、以下のような原因が考えられます。

• 脳血管障害：脳卒中や一過性脳虚血発作（TIA）など。
• 感染症：尿路感染症や肺炎など。
• 代謝異常：低血糖や電解質異常など。

これらの原因を特定するためにも、医療機関の受診が必要です。

3. 具体的な対応策

祖母の異変に対して、具体的にどのような対応を取るべきか、ステップごとに解説します。

3-1. 医療機関への受診

まず、最も重要なのは、医療機関を受診し、専門医の診断を受けることです。かかりつけ医に相談し、必要に応じて、精神科医や神経内科医、認知症専門医などの専門医を紹介してもらいましょう。受診の際には、以下の情報を伝えると、診断に役立ちます。

• 症状の詳細：いつ、どのような症状が現れたのか、具体的に記録しておきましょう。
• 既往歴：これまでの病歴や、服用している薬の種類と量について伝えます。
• 生活状況：普段の生活の様子や、食事、睡眠、排泄などの状況を伝えます。

3-2. 家族での情報共有と連携

家族間で情報を共有し、連携して対応することが重要です。今回の異変について、家族全員で認識を共有し、今後の対応について話し合いましょう。また、介護保険サービスや、地域包括支援センターなどの相談窓口を利用することも検討しましょう。

3-3. 環境調整とサポート

祖母が安心して過ごせるように、環境を整え、サポート体制を構築しましょう。具体的には、以下の点に注意しましょう。

• 安全な環境：転倒やケガを防ぐために、住環境を整えましょう。
• コミュニケーション：優しく、落ち着いた声で話しかけ、安心感を与えましょう。
• 生活リズム：規則正しい生活リズムを保ち、睡眠不足にならないように注意しましょう。
• 食事：栄養バランスの取れた食事を提供し、脱水症状を防ぐために、水分補給をこまめに行いましょう。

3-4. 記録と観察

祖母の症状を記録し、観察を続けることが重要です。症状の出現頻度、時間帯、内容などを記録しておくと、医師への情報提供に役立ちます。また、日々の変化に気づき、早期に対応することができます。

4. 介護保険サービスの活用

介護保険サービスを利用することで、介護負担を軽減し、祖母の生活の質を向上させることができます。利用できるサービスには、以下のようなものがあります。

• 訪問介護：ヘルパーが自宅を訪問し、食事、入浴、排泄などの介助を行います。
• 通所介護（デイサービス）：日中に施設に通い、食事、入浴、レクリエーションなどを行います。
• 短期入所生活介護（ショートステイ）：短期間、施設に入所し、介護サービスを受けます。
• 訪問看護：看護師が自宅を訪問し、健康管理や医療処置を行います。
• 認知症対応型共同生活介護（グループホーム）：認知症の高齢者が、少人数で共同生活を送ります。

これらのサービスを組み合わせることで、祖母の状況に合わせた、きめ細やかな介護を受けることができます。

5. 専門家への相談

介護に関する悩みは、一人で抱え込まず、専門家や相談できる人に頼ることが大切です。以下のような相談窓口があります。

• 地域包括支援センター：高齢者の介護や福祉に関する相談を受け付けています。
• 介護支援専門員（ケアマネジャー）：介護保険サービスの利用に関する相談や、ケアプランの作成を行います。
• 医師：かかりつけ医や専門医に相談し、適切なアドバイスを受けましょう。
• NPO法人やボランティア団体：介護に関する情報提供や、交流の場を提供しています。

専門家への相談を通じて、適切な情報収集と、具体的なアドバイスを受けることができます。また、他の介護者との交流を通じて、孤独感を軽減し、精神的な負担を軽減することもできます。

6. 介護者の心のケア

介護は、介護者にとっても心身ともに大きな負担を伴います。介護者の心のケアも、非常に重要です。以下のようなことに注意しましょう。

• 休息：十分な休息を取り、心身の疲れを癒しましょう。
• 気分転換：趣味や好きなことに時間を使い、気分転換を図りましょう。
• 相談：家族や友人、専門家などに相談し、悩みを共有しましょう。
• サポート：介護保険サービスや、地域のサポート体制を活用しましょう。

介護者の心の健康を保つことが、質の高い介護につながります。

7. 今後の見通しと心の準備

今回の祖母の異変の原因が特定され、適切な治療やケアが行われることで、症状が改善する可能性もあります。しかし、認知症やその他の病気が原因の場合、症状が進行していくことも考えられます。今後の見通しについて、ある程度の心の準備をしておくことも大切です。

• 情報収集：病気に関する情報を収集し、理解を深めましょう。
• 専門家との連携：医師やケアマネジャーなど、専門家と連携し、適切なケアプランを作成しましょう。
• 家族での話し合い：家族で今後のことについて話し合い、協力体制を築きましょう。
• 心のケア：自分の心の健康を保ち、無理のない範囲で介護を続けましょう。

介護は、長い道のりになることもあります。一人で抱え込まず、周囲のサポートを受けながら、祖母と向き合っていくことが大切です。

8. まとめ

今回の祖母の異変について、考えられる原因と、具体的な対応策を解説しました。重要なのは、早期に医療機関を受診し、専門医の診断を受けることです。原因を特定し、適切な治療やケアを行うことで、症状の改善や進行の抑制が期待できます。また、介護保険サービスの活用や、専門家への相談を通じて、介護負担を軽減し、祖母とあなた自身の生活の質を向上させることができます。介護は、一人で抱え込まず、周囲のサポートを受けながら、無理のない範囲で続けていきましょう。

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