寝たきりの義母の在宅介護は可能? ケアマネージャーが教える、費用とサービスの選び方
寝たきりの義母の在宅介護は可能? ケアマネージャーが教える、費用とサービスの選び方
この記事では、寝たきりの義母の在宅介護について、具体的なサービス内容や費用、そして家族がどのように協力し合えば良いのかを、ケアマネージャーの視点から詳しく解説します。在宅介護を検討しているけれど、何から始めれば良いのかわからない、費用はどのくらいかかるのか不安、といった疑問を解消し、安心して在宅介護をスタートできるよう、具体的なアドバイスを提供します。
ケアマネージャーさんに質問です。
義母は現在62才。要介護5で障害者1級の認定を受けています。クモ膜下出血によりほぼ眼球以外動かすことの出来ない状態で胃ロウにより食事を摂っています。目を開けているだけの状態です。
目は動きまずが、たとえば瞬きでYES、NOを表現することも出来ず、意思の疎通は全く出来ません。
意識がしっかりしているときにはこちらの話を聞いて泣いたり笑ったりすることもありますが、それ以外の時は呼びかけに反応することもなく空を仰いでいる状態です。
そんな母は今病院に入院中ですが、3カ月が経過しリハビリが終わりました。それが2カ月前の事です。家族で相談し体調が良さそうな時には車いすに乗せていますが明らかにリハビリをしていた頃よりは意識低下があるように思えます。
老健施設への転居を勧められましたが、家族がどうしても施設へは入れたくないと言っています。そこで近い将来在宅でと言う話が出たので質問させて頂きます。
父はまだ仕事をしています。あと3年は最低仕事をすると言っています。私は主人の実家から徒歩10分くらいの所へ住んではいますが昼過ぎまでは仕事をしていて子供達もまだ小学生でほっとく事は出来ません。
それでも手伝える事は何でもやろうと思っているのですが、朝主人の父が出勤してから早くても昼過ぎに私が戻るまで義母は一人で寝た切りの状態で家にいることになります。毎日昼から私がのぞきに行けたとしても義父が仕事から戻るまでずっと側にいる事は無理だと思います。
それでも在宅でやって行くことは出来るでしょうか? 家族の意見としては病院でずっと一人でいるよりは家で一人の方が良いだろうと言う考えと、家に帰ったら在宅や通所リハビリを受けれるのではないかと言う考えがあります。
在宅の方が本当にリハビリを受ける機会が増えるのでしょうか?
それから胃ロウの場合は看護師さんをお願いしなくてはいけないと聞きました。入浴も家ではさせられません。この様な場合どのような介護サービスが必要(受けられ)で費用は月にどれくらいかかるのか。まだ家族でどうしたら良いのか意見がまとまっていないので近くの介護事業所さんへ相談させて頂く前にこちらでアドバイス頂きたく質問させて頂きました。
長々となりましたがどうぞよろしくお願い致します。
在宅介護の現状と課題
ご相談ありがとうございます。寝たきりの義母様の在宅介護について、様々な不安やお悩みがあることと思います。まず、現状を整理し、在宅介護の可能性と課題について、ケアマネージャーの視点から詳しく解説していきます。
寝たきりの方の在宅介護は、確かに多くの課題を伴います。特に、意思疎通が難しい、医療的なケアが必要、家族の負担が大きい、といった点が挙げられます。しかし、適切なサポート体制を整えることで、在宅での生活を継続することも可能です。ご家族の想いである「家で過ごさせてあげたい」という気持ちを大切に、一つ一つ課題をクリアしていくことが重要です。
まず、現状の義母様の状態を具体的に見ていきましょう。要介護5、障害者1級、クモ膜下出血による後遺症、胃ろうによる栄養摂取、意思疎通の困難さ、といった状況です。これらの状況を踏まえ、どのような介護サービスが必要になるのか、具体的に見ていきましょう。
必要な介護サービスと費用
寝たきりの方の在宅介護では、多岐にわたる介護サービスが必要になります。それぞれのサービス内容と、費用について詳しく見ていきましょう。
1. 訪問看護
胃ろうによる栄養摂取が必要な場合、医療的なケアが必要となるため、訪問看護は必須のサービスです。訪問看護師は、胃ろうからの栄養剤の注入、吸引、褥瘡(床ずれ)の処置など、専門的な医療ケアを行います。また、体調の変化を観察し、必要に応じて医師への報告や連携を行います。
- 費用: 1回あたり数千円(保険適用)。利用時間や回数によって異なります。
- 回数: 状態や医師の指示によりますが、週に数回から毎日利用することもあります。
2. 訪問介護(ホームヘルプサービス)
訪問介護は、生活援助と身体介護を行います。生活援助では、食事の準備や掃除、洗濯などを行います。身体介護では、食事の介助、入浴介助、排泄介助、着替えの介助などを行います。寝たきりの方の場合は、身体介護が中心となります。
- 費用: 1時間あたり数千円(保険適用)。
- 回数: ご家族の状況や義母様の状態に合わせて、必要な時間と回数をケアマネージャーと相談して決定します。
3. 訪問入浴介護
自宅での入浴が難しい場合、訪問入浴介護を利用します。専門のスタッフが、浴槽を持ち込み、安全に入浴の介助を行います。身体を清潔に保つことは、褥瘡の予防にもつながります。
- 費用: 1回あたり数千円(保険適用)。
- 回数: 週に1~2回程度が一般的です。
4. デイサービス(通所介護)/ デイケア(通所リハビリテーション)
日中の時間帯に、施設に通い、食事や入浴、レクリエーション、リハビリテーションなどを受けます。ご家族の介護負担を軽減し、義母様の生活の質の向上を図ることができます。リハビリテーションが必要な場合は、デイケアを選択することもできます。
- 費用: 1日あたり数千円(保険適用)。
- 回数: 週に1~3回程度が一般的です。
5. 福祉用具のレンタルと購入
介護保険を利用して、様々な福祉用具をレンタルしたり、購入したりすることができます。例えば、
- 車椅子
- 特殊寝台(介護用ベッド)
- 体位変換器
- エアマットレス
- ポータブルトイレ
などです。これらの福祉用具は、介護者の負担を軽減し、義母様の快適な生活をサポートします。
- 費用: レンタル料は月々数千円~数万円(保険適用)。購入の場合は、自己負担となります。
6. 医療連携
かかりつけ医との連携も重要です。定期的な往診や、緊急時の対応について、事前に相談しておくことが大切です。また、訪問歯科診療や訪問薬剤指導なども利用できます。
- 費用: 診療内容や医療機関によって異なります。
これらのサービスを組み合わせることで、寝たきりの方の在宅介護を支えることができます。具体的な費用は、利用するサービスの組み合わせや、義母様の状態によって異なります。ケアマネージャーに相談し、ご家族の状況に合わせたケアプランを作成することが重要です。
費用に関する注意点
介護保険を利用することで、自己負担を軽減することができます。しかし、介護保険には、利用限度額があります。要介護度によって、利用できるサービスの金額に上限がありますので、注意が必要です。また、高額介護サービス費制度を利用することで、自己負担額が一定額を超えた場合に、払い戻しを受けることができます。
介護保険以外の費用として、医療費、食費、日用品費などもかかります。これらの費用も考慮して、介護にかかる総費用を把握しておくことが大切です。
在宅介護を成功させるためのポイント
在宅介護を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、具体的なアドバイスをいくつかご紹介します。
1. ケアマネージャーとの連携
ケアマネージャーは、介護に関する専門家です。義母様の状態やご家族の状況に合わせて、最適なケアプランを作成し、サービスの手配や調整を行います。定期的に面談を行い、現状の課題や今後の見通しについて相談しましょう。ケアマネージャーとの連携は、在宅介護を成功させるための最も重要な要素の一つです。
2. 家族間の協力体制
在宅介護は、一人で行うことは困難です。ご家族で協力し、役割分担を決めることが大切です。例えば、
- お父様: 義母様の身の回りの世話
- ご相談者様: 訪問看護やヘルパーとの連携、食事の準備
- ご兄弟: 定期的な訪問、緊急時の対応
など、それぞれの得意なことやできることを活かして、協力し合いましょう。定期的に話し合いの場を持ち、情報共有や問題解決を図ることも重要です。
3. 情報収集と学習
介護に関する情報は、常にアップデートされています。インターネットや書籍、セミナーなどを活用して、最新の情報を収集しましょう。また、介護技術を学ぶことも大切です。介護保険サービスや、地域の介護教室などを利用して、スキルアップを図りましょう。
4. 休息と気分転換
介護は、心身ともに負担のかかるものです。ご自身の休息時間を確保し、気分転換を図ることも重要です。趣味を楽しんだり、友人との交流をしたり、リフレッシュできる時間を作りましょう。介護疲れを感じたら、遠慮なく周囲に相談し、サポートを求めましょう。
5. 地域のサポート体制の活用
地域には、様々な介護サービスや、相談窓口があります。民生委員や、地域包括支援センターなどに相談し、必要なサポートを受けましょう。また、地域の交流会などに参加し、他の介護者との情報交換や交流を図ることも、心の支えになります。
6. 義母様の意思を尊重する
意思疎通が難しい場合でも、義母様の気持ちを尊重することが大切です。表情や声のトーン、わずかな仕草などから、気持ちを読み取ろうと努めましょう。好きな音楽を流したり、思い出の写真を飾ったり、安らげる環境を整えることも重要です。
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在宅介護とリハビリテーション
ご質問の中で、在宅の方がリハビリテーションを受ける機会が増えるのか、という点についてですが、これは一概には言えません。在宅でも、通所リハビリテーションや訪問リハビリテーションを利用することで、リハビリテーションを受ける機会を増やすことができます。しかし、病院でのリハビリテーションと比較すると、環境や設備、専門職の配置などが異なるため、効果には差が生じる可能性があります。
在宅でのリハビリテーションは、日常生活の中で行われるため、より実践的なリハビリテーションを行うことができます。例えば、食事の介助や、着替えの介助を通して、身体機能の維持・向上を目指します。また、自宅という慣れた環境でリハビリテーションを行うことで、精神的な安定を得られるというメリットもあります。
リハビリテーションの頻度や内容は、義母様の状態や、目標によって異なります。ケアマネージャーや、リハビリテーション専門職と相談し、最適なリハビリテーション計画を立てることが重要です。
まとめ
寝たきりの義母様の在宅介護は、多くの課題を伴いますが、適切なサポート体制を整えることで、十分可能です。ケアマネージャーとの連携、家族間の協力体制、情報収集と学習、休息と気分転換、地域のサポート体制の活用、義母様の意思を尊重すること、これらを意識して、在宅介護に取り組んでいきましょう。
在宅介護に関するご相談は、お近くの地域包括支援センターや、ケアマネージャーにご相談ください。専門家のアドバイスを受けながら、ご家族にとって最善の選択をしてください。
今回のケースでは、義母様の状態やご家族の状況から、訪問看護、訪問介護、訪問入浴介護、デイサービスなどのサービスを組み合わせ、ケアプランを作成することが考えられます。また、福祉用具のレンタルや購入も検討し、義母様の生活の質を向上させることが重要です。費用については、介護保険の利用や、高額介護サービス費制度の活用を検討しましょう。
在宅介護は、決して楽なものではありません。しかし、ご家族の愛情と、適切なサポートがあれば、必ず乗り越えることができます。ご家族の想いを大切に、一歩ずつ進んでいきましょう。
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