介護経験者が語る、娘に介護をさせたい？させたくない？揺れ動く心情と、後悔しないための選択

この記事は、介護経験を持つ女性が、自身の娘（または息子、孫）に将来、介護をさせたいと思うのか、それともそうは思わないのか、その葛藤と本音に迫ります。介護という現実を経験したからこそ見える、子供たちの将来への願い、そして親としての愛情表現とは何かを深く掘り下げていきます。介護の経験がない友人との価値観の違いを通して、介護における「理想」と「現実」のギャップ、そして、後悔しないための選択肢について、具体的なアドバイスと共にお伝えします。

親の介護を経験したことがある女性の方にお尋ねします。介護中もしくは介護が終わってから、自分の娘にも親(自分と夫、娘の夫の両親も)の介護をさせたいと思いましたか？ (娘さんがおられない方は息子さんやお孫さんで考えてみていただけますか。) 私は両親の介護をした経験から、絶対に私の娘と息子、子供たちの配偶者にも私の介護はさせないと決めました。また、子供たちを同居させたくないし、私の老後の面倒もみさせたくないと思っています。夫と私のどちらが先に介護が必要になるか、どちらが先に死ぬかわかりませんが、私は独居でかまいませんし、資金が有れば、いざとなれば施設に入りたいと思っています。

子供が住みたい土地に住み、好きな職業に就いて、人生を自由に、幸せに生きて欲しいからです。それが私の願いですし、子供への愛情表現の1つでもあります。そのため老後に必要な資金をできるだけ貯めて、子供たちになるべく迷惑かけないようにしたいと思っています。

冒頭にある質問をさせていただいたのは、最近、介護経験がまったく無い友人女性が「子供は親と同居させて親の介護をさせるべき。子供もいずれは自分の子供に老後の面倒をみてもらうのが親子ともに幸せなことだ。だから自分が親の介護をする姿を娘にみせておきたい。いずれは娘に自分の介護をさせるつもりだから。」と言って、私もそう考えるべきだといいました。ちなみに、彼女は娘さんの進学や就職も自分と同居でないと認めないそうです。

私が「あなたがそう思うことは勝手だし、あなたの自由意思を尊重するからこそ私は今まで何も言わずにいたけれど…、悪いけど私はその考えは持たないし実践もしない。そう思う私の自由意思も尊重して。」と言って断ると、彼女は薄っぺらい言葉…夢見がちで、綺麗事や美化された精神論を口にして、私の考えを変えさせようとしました。自分の身勝手な考えに対し、共感や承認が欲しいのでしょうか。当然、経験から得た知識や言葉ではないので説得力は皆無でしたが。

私は両親の成年後見制度の手続き、世話や看病、介護もして、いろいろと考えさせられました。一番印象深いのは、おむつを代えた時に親の糞尿が手にかかって…その時に親が病気で動けない体を震わせて泣きながら謝り、自分が情けないから早く死にたいなどと言い…私は親の気持ちがもの凄く伝わってきて、うまく形容できませんが…本当につらかったです。ほかにもいろいろとあって、精神的にも大変でした。

だからこそ、我が子にこんな思いをさせたくないと思いました。

もし、彼女が私のような体験をしたら、それでもなお娘の進学や就職を潰して同居させてまで、経済的にも娘に依存して、自分を介護させたいと思うのか…？ どうなんでしょうね。

上記の出来事があったため、介護を経験された方々がご自分の娘さん(もしくは息子さんやお孫さん)にご自分の介護をさせたいと望まれるかどうか、ご自分の娘さんや息子さんが配偶者の親の介護をすることをどう思われるのか気になりました。

私は、介護の現実を知らない友人に軽々しく綺麗事の精神論を礼讚され、とても不愉快に感じました。

介護経験者が抱える複雑な思い：娘に介護をさせたい？させたくない？

介護は、当事者だけでなく、その家族にとっても大きな負担となるものです。特に、介護を経験した親は、自身の経験から、子供たちに同じような苦労をさせたくないという思いを抱くことがあります。一方で、子供に頼りたい気持ち、あるいは子供に介護をしてもらうことが当然という考えを持つ人もいます。この複雑な感情は、介護という現実の厳しさと、親としての愛情、そして子供たちの将来への願いが絡み合って生まれるものです。

介護を経験した親御さんが、ご自身の娘さんや息子さんに介護をさせたいと思うかどうか、その背景には様々な要因があります。経済的な問題、子供たちの将来への影響、そして何よりも、介護の過酷さに対する深い理解が影響していると考えられます。

介護の現実：精神的・肉体的負担と経済的負担

介護は、精神的にも肉体的にも非常に負担の大きいものです。排泄の世話、入浴の介助、食事の準備など、体力的な負担はもちろんのこと、認知症の症状への対応や、孤独感との闘いなど、精神的な負担も計り知れません。さらに、介護保険サービスの利用や、介護施設の費用など、経済的な負担も無視できません。

介護を経験した親御さんは、これらの負担を身をもって経験しているため、自分の子供たちに同じような苦労をさせたくない、と考えるのは自然なことです。子供たちには、自分の人生を自由に、幸せに生きてほしい、という願いが根底にあるからです。

子供たちの将来への影響：キャリア、結婚、そして自由な時間

介護は、子供たちのキャリアや結婚、そして自由な時間に大きな影響を与える可能性があります。介護のために、就職や転職を諦めたり、結婚を遅らせたり、あるいは、自分の時間を犠牲にしなければならないこともあります。親御さんは、子供たちに自分の夢を諦めてほしくない、自分の人生を自由に歩んでほしい、と願うものです。

特に、現代社会においては、女性の社会進出が進み、キャリアを築くことが当たり前になっています。介護のためにキャリアを中断せざるを得ない状況は、女性の人生設計において大きな問題となり得ます。親御さんは、子供たちが経済的に自立し、自分の力で人生を切り開いていくことを願っているのです。

介護を「させる」ことの是非：親としての愛情表現

介護を「させる」という言葉には、どこか命令的な響きがあります。親が子供に介護をさせることは、本当に親としての愛情表現なのでしょうか？介護を経験した親御さんは、子供たちに介護をさせることではなく、自分たちの老後のために、経済的な準備をしたり、介護保険サービスを利用したり、あるいは、施設に入居するなど、様々な選択肢を検討します。

子供たちに負担をかけずに、自分たちの老後を過ごす方法を模索することは、子供たちへの愛情表現の一つと言えるでしょう。子供たちには、自分の人生を自由に、幸せに生きてほしい、という願いが込められているからです。

介護の理想と現実：友人との価値観の違い

介護に対する考え方は、人それぞれです。介護の経験がない人は、介護の現実を知らないため、理想論を語りがちです。しかし、介護を経験した人は、その現実の厳しさを知っているため、子供たちに介護をさせることに対して、慎重な考えを持つことが多いです。

友人との価値観の違いは、介護に対する考え方の違いから生まれるものです。介護の経験がない友人は、「子供は親と同居させて親の介護をさせるべき」という考えを持つかもしれませんが、介護を経験した親御さんは、子供たちの将来を第一に考え、異なる選択肢を選ぶかもしれません。

後悔しないための選択：具体的なアドバイス

介護は、誰もが直面する可能性がある問題です。後悔しないためには、事前の準備が不可欠です。以下に、具体的なアドバイスをいくつかご紹介します。

• 経済的な準備： 老後の資金を確保するために、貯蓄や投資を始めましょう。介護保険や民間の介護保険への加入も検討しましょう。
• 情報収集： 介護に関する情報を積極的に収集しましょう。介護保険制度や、介護サービスの利用方法について詳しく調べておきましょう。
• 相談： 専門家や家族と相談しましょう。ケアマネージャーや、ファイナンシャルプランナーに相談することで、適切なアドバイスを受けることができます。
• 意思表示： 自分の意思を明確に伝えましょう。子供たちに、自分の老後に対する希望を伝えておくことは、後々のトラブルを避けるために重要です。
• 地域のサービス活用： 地域の介護サービスを積極的に活用しましょう。デイサービスや訪問介護など、様々なサービスを利用することで、介護負担を軽減することができます。

介護と仕事の両立：キャリア支援の重要性

介護と仕事の両立は、多くの人が抱える課題です。介護のために、キャリアを諦めたり、転職を余儀なくされたりする人も少なくありません。しかし、キャリア支援を受けることで、介護と仕事を両立させることが可能になります。

キャリア支援では、介護と仕事の両立に関する情報提供や、キャリアプランの作成、そして、求人情報の提供など、様々なサポートを受けることができます。介護と仕事の両立に悩んでいる方は、積極的にキャリア支援を活用しましょう。

介護と仕事の両立支援：具体的な方法

介護と仕事の両立を支援するためには、以下のような方法があります。

• 介護休業制度の利用： 介護休業制度を利用することで、一定期間、仕事を休むことができます。
• 時短勤務制度の利用： 時短勤務制度を利用することで、労働時間を短縮し、介護に時間を割くことができます。
• テレワークの活用： テレワークを活用することで、自宅で仕事をしながら、介護をすることができます。
• 介護サービスの利用： デイサービスや訪問介護などの介護サービスを利用することで、介護負担を軽減することができます。
• 職場の理解と協力： 職場の同僚や上司の理解と協力を得ることで、介護と仕事の両立をスムーズに進めることができます。

介護離職を防ぐために：企業と社会の役割

介護離職は、本人だけでなく、企業や社会にとっても大きな損失です。介護離職を防ぐためには、企業と社会が連携し、様々な対策を講じる必要があります。

• 介護休業制度の充実： 介護休業制度を充実させることで、介護と仕事の両立を支援することができます。
• 介護休暇制度の導入： 介護休暇制度を導入することで、急な介護に対応することができます。
• 介護に関する情報提供： 介護に関する情報を提供することで、従業員の介護に対する不安を軽減することができます。
• 介護相談窓口の設置： 介護相談窓口を設置することで、従業員の介護に関する悩みを解決することができます。
• 介護支援サービスの提供： 介護支援サービスを提供することで、従業員の介護負担を軽減することができます。

介護と仕事の両立支援：成功事例

介護と仕事の両立に成功している事例は、数多く存在します。これらの事例を参考に、自分に合った方法を見つけることができます。

• 事例1： 介護休業制度を利用し、介護と仕事の両立を実現したAさんのケース。Aさんは、介護休業制度を利用し、実家の両親の介護を行いました。休業期間中は、介護保険サービスを利用し、負担を軽減しました。仕事復帰後は、時短勤務制度を利用し、介護と仕事の両立を実現しています。
• 事例2： テレワークを活用し、介護と仕事の両立を実現したBさんのケース。Bさんは、テレワークを活用し、実家の両親の介護を行いました。テレワークを活用することで、自宅で仕事をしながら、介護をすることができました。
• 事例3： 職場の理解と協力を得て、介護と仕事の両立を実現したCさんのケース。Cさんは、職場の同僚や上司の理解と協力を得て、実家の両親の介護を行いました。職場の理解と協力があったことで、介護と仕事の両立をスムーズに進めることができました。

介護に関する情報源：信頼できる情報を見つけるために

介護に関する情報は、様々な場所で入手できます。しかし、情報源によっては、誤った情報や偏った情報が含まれている可能性もあります。信頼できる情報源を見つけることが重要です。

• 厚生労働省： 厚生労働省のウェブサイトでは、介護保険制度や、介護に関する様々な情報が提供されています。
• 自治体： 各自治体のウェブサイトや、介護保険課などでは、地域の介護サービスに関する情報が提供されています。
• 介護保険サービス事業者： 介護保険サービス事業者のウェブサイトや、パンフレットなどでは、介護サービスの内容や、費用に関する情報が提供されています。
• 専門家： ケアマネージャーや、社会福祉士などの専門家は、介護に関する専門的な知識を持っています。相談することで、適切なアドバイスを受けることができます。

まとめ：介護経験者が考える、娘への介護と、後悔しないための選択

介護経験者が、自身の娘（または息子、孫）に介護をさせたいかどうか、その思いは複雑です。介護の現実を知っているからこそ、子供たちの将来を思い、様々な選択肢を検討します。後悔しないためには、事前の準備が不可欠です。経済的な準備、情報収集、専門家への相談、そして、自分の意思表示が重要です。介護と仕事の両立に悩んでいる方は、キャリア支援を活用し、自分に合った方法を見つけましょう。介護は、誰もが直面する可能性がある問題です。正しい知識と準備があれば、後悔のない選択をすることができます。

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