施設入居、持ち物は新品?使い慣れたもの?認知症の姑を安心させる準備とは
施設入居、持ち物は新品?使い慣れたもの?認知症の姑を安心させる準備とは
今回は、介護施設への入居を控えたご家族が抱える、持ち物の準備に関するお悩みにお答えします。特に、認知症のあるご家族が、新しいものと使い慣れたもののどちらに安心感を得るのか、という点は、多くのご家族が直面する課題です。この記事では、介護の専門家としての視点と、実際に介護施設で働く方々の意見を参考に、具体的なアドバイスを提供します。
ホームに入居するための用意に関してです。
やかんやスリッパなどの身近な生活品を持って入るようですが、日ごろから使っているものがいいのか、新しいもののほうがいいのか迷っています。
入るのは姑です(要介護2、認知症有)。
夫(姑の息子)も私も、新しい物をそろえてあげたいと思うのですが、ふと心配になってきました。
いままで使っていたもののほうが安心するかしら?
このカテには、実際に施設の仕事の人がいらっしゃるようですので、アドバイスをお願いします。
ご相談ありがとうございます。介護施設への入居準備は、ご本人だけでなく、ご家族にとっても大きな決断であり、様々な不安がつきものです。特に、認知症のあるご家族の場合、環境の変化に対する不安は大きく、持ち物の選択一つにも、細心の注意が必要となります。今回は、長年の介護経験と、施設での勤務経験を踏まえ、具体的なアドバイスをさせていただきます。
1. 認知症の方の心理を理解する
認知症の方にとって、見慣れたもの、使い慣れたものは、安心感を与える重要な要素です。新しいものや変化は、時に混乱や不安を招く可能性があります。特に、記憶障害が進んでいる場合、新しい環境に馴染むこと自体が難しく、持ち物も、生活の一部として認識することが困難になる場合があります。
例えば、長年愛用していたマグカップは、単なる食器ではなく、特定の時間や場所、人との思い出と結びついていることがあります。新しいマグカップに変わると、それらの思い出が途切れたように感じ、不安を覚えるかもしれません。一方、新しいものが全て悪いわけではありません。本人が気に入れば、新しいものが生活の質を向上させることもあります。
重要なのは、ご本人の気持ちを尊重し、個々の状況に合わせて柔軟に対応することです。
2. 持ち物の選び方のポイント
持ち物を選ぶ際には、以下の点を考慮しましょう。
- 使い慣れたもの:
普段から使用しているもの、特に、肌身離さず持っていたもの(眼鏡、入れ歯、補聴器、愛用の衣類など)は、できる限り持たせるようにしましょう。これらは、安心感を与えるだけでなく、生活の質を維持するためにも重要です。
- 安全性を考慮した新しいもの:
安全性に関わるもの(スリッパ、杖、食器など)は、新しいものも検討しましょう。例えば、滑りにくいスリッパや、持ちやすい食器は、転倒防止や食事の自立を助けます。ただし、新しいものを選ぶ際は、事前に本人に試してもらい、使い心地を確認することが重要です。
- 本人の意向を確認する:
可能であれば、本人に「どちらが良いか」尋ねてみましょう。言葉でのコミュニケーションが難しい場合は、写真を見せたり、実際に手に取ってもらったりして、反応を観察します。本人が「新しいものが良い」と言った場合は、積極的に取り入れてみましょう。
- 施設のルールを確認する:
施設によっては、持ち込めるものに制限がある場合があります。事前に施設の担当者に確認し、ルールに従って準備しましょう。特に、電気製品や火気の使用には注意が必要です。
3. 具体的な持ち物リストとアドバイス
以下に、具体的な持ち物リストと、それぞれの選び方に関するアドバイスをまとめました。
- 衣類
- 普段着: 普段着ているもの、着慣れたものを用意しましょう。着脱しやすいもの、洗濯しやすいものがおすすめです。
例: ゆったりとしたデザインの服、前開きのシャツ、伸縮性のあるズボン
- 下着: 普段使用しているものを用意しましょう。
例: 肌触りの良い綿素材の下着、失禁対策用の下着
- パジャマ: 着慣れたものを用意しましょう。
例: 前開きタイプ、ゆったりとしたデザイン
- 靴下: 履き慣れたものを用意しましょう。
例: 滑り止め付きの靴下、締め付けの少ない靴下
- 靴: 歩きやすい靴を用意しましょう。
例: 履きやすく、脱ぎやすい靴、滑りにくい靴底
- 普段着: 普段着ているもの、着慣れたものを用意しましょう。着脱しやすいもの、洗濯しやすいものがおすすめです。
- 日用品
- タオル: いつも使っているものを用意しましょう。
例: フェイスタオル、バスタオル
- 歯ブラシ、歯磨き粉: いつも使っているものを用意しましょう。
例: 磨きやすい歯ブラシ、使い慣れた歯磨き粉
- 入れ歯洗浄剤: 普段使用しているものを用意しましょう。
- シャンプー、石鹸: いつも使っているものを用意しましょう。
- ドライヤー: 普段使用しているものを用意しましょう。
- ヘアブラシ: 普段使用しているものを用意しましょう。
- タオル: いつも使っているものを用意しましょう。
- 生活用品
- 食器: 持ち慣れたもの、または、使いやすい新しいものを用意しましょう。
例: 割れにくい食器、持ちやすいマグカップ
- スリッパ: 滑りにくい新しいものを用意しましょう。
- 眼鏡、補聴器: いつも使っているものを用意しましょう。
- 義歯: いつも使っているものを用意しましょう。
- 趣味のもの: 好きなもの、思い出の品を用意しましょう。
例: 写真、アルバム、手芸用品、本
- 食器: 持ち慣れたもの、または、使いやすい新しいものを用意しましょう。
4. 入居前にできること
入居前に、できるだけ多くの準備をしておくことで、入居後のスムーズな生活をサポートできます。
- 施設見学:
入居前に、施設を見学し、環境を確認しましょう。可能であれば、入居する部屋を見学し、持ち込む家具の配置などを検討します。
- 本人との話し合い:
入居前に、本人と持ち物について話し合いましょう。本人の意向を確認し、一緒に持ち物を選ぶことで、安心感を与えられます。
- 写真撮影:
持ち物や部屋の写真を撮っておくと、入居後に本人に「これはあなたのものだよ」と説明する際に役立ちます。
- 事前説明:
入居前に、施設のスタッフに本人の性格や生活習慣、既往歴などを伝えておきましょう。これにより、スタッフがより適切なケアを提供できるようになります。
5. 入居後の対応
入居後も、本人の様子を観察し、必要に応じて持ち物を入れ替えたり、追加したりすることが重要です。
- 定期的な訪問:
定期的に施設を訪問し、本人の様子を確認しましょう。持ち物に関する困り事がないか、話を聞いてあげましょう。
- スタッフとの連携:
施設のスタッフと連携し、本人の状況を共有しましょう。スタッフからのアドバイスも参考に、持ち物の見直しを行いましょう。
- 柔軟な対応:
本人の状況は日々変化します。常に柔軟な対応を心がけ、必要に応じて持ち物を入れ替えたり、追加したりしましょう。
介護施設への入居は、ご本人にとっても、ご家族にとっても、大きな転換期です。持ち物の準備は、その第一歩であり、入居後の生活の質を左右する重要な要素です。ご本人の気持ちを尊重し、個々の状況に合わせて、最適な選択をすることが大切です。
今回の情報が、少しでもお役に立てれば幸いです。ご家族皆様が、安心して新たな生活をスタートできることを願っています。
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専門家からのアドバイス
介護施設での経験豊富な専門家からのアドバイスをご紹介します。
- 個性を尊重する:
「認知症の方であっても、個々の個性や価値観を尊重することが重要です。持ち物を選ぶ際も、本人の好きな色やデザイン、思い出の品などを考慮し、その人らしい生活をサポートすることが大切です。」
- 環境への配慮:
「新しい環境に馴染むためには、できるだけ以前の生活に近い環境を整えることが重要です。使い慣れた家具や小物を持ち込むことで、安心感を与え、スムーズな生活への移行を促すことができます。」
- 家族との連携:
「ご家族との連携も非常に重要です。入居前に、本人の性格や生活習慣、好きなものなどを共有し、入居後も定期的に情報交換を行うことで、よりきめ細やかなケアを提供できます。」
まとめ
介護施設への入居準備における持ち物の選択は、認知症の方の安心感と生活の質に大きく影響します。使い慣れたものと新しいものをバランス良く取り入れ、本人の意向を尊重しながら、安全で快適な生活をサポートすることが重要です。ご家族の皆様が、このプロセスを通じて、より良い関係性を築き、安心して新たな生活をスタートできることを願っています。
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