認知症の父の介護と受け入れ先：あなたにできること、専門家のアドバイス

この記事では、認知症の父親の介護と受け入れ先について悩んでいるあなたに向けて、具体的なアドバイスと解決策を提示します。ご家族の状況、介護保険制度、利用できるサービスなど、多岐にわたる情報を分かりやすく解説し、あなたが抱える不安を少しでも軽減できるよう、寄り添いながらサポートします。

まず、今回の相談内容を整理しましょう。

要介護1の父の認知症が去年の暮れから急激に進み、グループホームに入所しました（要介護２になりました）。そこで暴れだし、わずか1週間で退所、治療のため認知症専門の病院に入院しました。今度はそこで自殺未遂。命に別状はなかったのですが、系列の精神病院の閉鎖病棟に移り、主治医からは「自殺の恐れがなくなること、他の施設で療養可能になること」と判断したら、１０日以内に退院と言われています。

病院のソーシャルワーカーさんに相談したところ、「退院後は元のグループホームに戻ればいいのでは」と言われましたが、車椅子状態になった父の受け入れは、お風呂の設備上難しいとのことでした。

特別養護老人ホームの申し込みをしたいのですが、要介護３以上でないとそれもできません。現在病院には見直しをお願いしておりますが、病状が落ち着かなくてはできないとのことです。

（認知症の進行が介護認定の判定を超えるスピードでした。）

今まで父の介護を担ってきた母は、まだ自立しておりますが９０近い高齢で、これ以上の介護は難しく、兄が近くに住んでおりますが、仕事を退職するわけにはいきません。私は新幹線を乗り継いで５時間程の遠方に住んでおります。また自営業をしており、私が母の元に移り住むことは、私自身の生活の糧がなくなります。

最悪両親をこちらに呼ぶことも考えましたが、現在の父の状況では長時間の車の移動は難しく、また母の弟夫婦が大変に母の支えになってくれ、それも失くします。またなにより、私一人で両親の介護をしていくのには、大変な不安があります。

質問は以下の点です。

1. 実費でもいいから、入院中から継続して相談できるケアマネジャーさんについてもらう事はできますか？またその場合、どこに頼めばよいのですか？
2. 地域包括支援センターの他に相談できるところがありますか？
3. 受け入れ先の施設として可能性が高いものはどの種類のものですか？（グループホーム、介護付き有料老人ホーム等）
4. これが一番迷っています。受け入れ先を探す時、父の状態をすべて話すべきですか？

同じような経験をなされた方、どんな小さなアドバイスでも結構です。ぜひお知らせください。また、認知症の介護職に就かれております方、受け入れ側の意見もぜひ聞かせて下さい。

この状況は、非常に多くの困難が重なり合っていることがわかります。認知症の進行、介護施設の受け入れ状況、ご家族の地理的な問題、経済的な不安など、多岐にわたる課題に直面しています。一つ一つ丁寧に解決策を検討し、最善の道を探っていきましょう。

1. 入院中のケアマネジャーについて

実費でも構わないので、入院中から継続して相談できるケアマネジャーを見つけたいというご希望ですね。これは非常に良い考えです。専門家のサポートを受けることで、今後の介護計画をスムーズに進めることができます。

ケアマネジャー（介護支援専門員）は、介護保険サービスを利用するための窓口となり、ケアプランの作成や、様々な手続きの代行、関係機関との連携などを行います。入院中から相談できるケアマネジャーを見つけることは、退院後の生活をスムーズにスタートさせるために不可欠です。

ケアマネジャーを探す方法はいくつかあります。

• 病院のソーシャルワーカーに相談する： 病院のソーシャルワーカーは、地域のケアマネジャーに関する情報を持っています。退院後の受け入れ先や、利用できるサービスについて相談し、適切なケアマネジャーを紹介してもらいましょう。
• 地域包括支援センターに相談する： 地域包括支援センターは、高齢者の総合的な相談窓口です。地域のケアマネジャーの情報を提供してくれます。
• 居宅介護支援事業所を探す： 居宅介護支援事業所は、ケアマネジャーが所属している事業所です。インターネット検索や、地域の介護保険サービスに関する情報誌などで、自宅から近い事業所を探し、相談してみましょう。

ケアマネジャーを選ぶ際には、以下の点に注意しましょう。

• 経験と専門性： 認知症に関する知識や経験が豊富なケアマネジャーを選びましょう。認知症専門の研修を受けているケアマネジャーもいます。
• 相性： ケアマネジャーとの相性も重要です。あなたの話を親身になって聞いてくれ、信頼できると感じるケアマネジャーを選びましょう。
• 連絡の取りやすさ： 緊急時に連絡が取りやすく、迅速に対応してくれるケアマネジャーを選びましょう。

ケアマネジャーとの契約は、ご本人（お父様）またはご家族が行います。契約前に、ケアマネジャーに相談し、どのようなサービスを提供してくれるのか、費用はどのくらいかかるのかなどを確認しましょう。

2. 地域包括支援センター以外の相談窓口

地域包括支援センターは、高齢者とその家族にとって非常に重要な相談窓口ですが、それ以外にも様々な相談できる場所があります。

• 認知症疾患医療センター： 認知症に関する専門的な医療を提供する医療機関です。診断や治療だけでなく、相談支援も行っています。
• 精神科病院・クリニック： 認知症に伴う精神的な症状（徘徊、暴言、暴力など）について相談できます。
• 行政の窓口： 市町村の高齢者福祉課や介護保険課では、介護保険に関する相談や、様々な制度に関する情報提供を行っています。
• NPO法人やボランティア団体： 認知症に関する情報提供や、家族の交流会などを開催している団体もあります。

これらの相談窓口を積極的に活用し、多角的な視点から情報収集を行いましょう。それぞれの窓口で、専門的なアドバイスや、あなたに合ったサポートを受けることができます。

3. 受け入れ先の施設の選択肢

現在、お父様の状況から、受け入れ先の選択肢は限られています。グループホームは、以前の入居中に問題が発生したため、再度の利用は難しいかもしれません。特別養護老人ホームは、要介護3以上でないと入所できないため、現在の状況では難しいでしょう。

しかし、諦める必要はありません。状況に合わせて、様々な選択肢を検討しましょう。

• 介護付き有料老人ホーム： 24時間体制で介護サービスを受けられる施設です。認知症の方も受け入れている施設が多く、入浴設備も整っているところが多いです。費用は高めですが、手厚い介護を受けられます。
• 住宅型有料老人ホーム： 介護サービスは外部の事業所と契約して利用します。比較的自由度が高く、自立した生活を送れる方が多いですが、認知症の方も受け入れています。
• 認知症対応型共同生活介護（グループホーム）： 認知症の人が少人数で共同生活を送る施設です。馴染みの環境で、落ち着いて生活できる可能性があります。ただし、暴言や暴力行為がある場合は、受け入れが難しい場合があります。
• 特定施設入居者生活介護： 介護付き有料老人ホームと同様に、24時間体制で介護サービスを受けられる施設です。
• 病院の療養病床： 病状が安定しない場合は、一時的に療養病床に入院することも検討できます。

受け入れ先を探す際には、以下の点を考慮しましょう。

• 本人の状態： 認知症の進行度合い、身体的な状態、精神的な状態などを考慮して、適切な施設を選びましょう。
• 施設の設備： 入浴設備、バリアフリー、安全対策など、必要な設備が整っているか確認しましょう。
• 介護体制： 介護職員の配置、看護師の配置、夜間の対応体制などを確認しましょう。
• 費用： 入居費用、月額費用、その他費用などを確認し、予算に合った施設を選びましょう。
• 立地： ご家族が面会に行きやすい場所にある施設を選びましょう。

施設の見学は必須です。実際に施設を訪れ、施設の雰囲気、職員の対応、入居者の様子などを確認しましょう。複数の施設を見学し、比較検討することをおすすめします。

4. 受け入れ先を探す際に、父の状態をすべて話すべきか

これは非常に重要な問題です。受け入れ先を探す際に、お父様の状態をどこまで伝えるべきか悩むのは当然です。正直に伝えることで、受け入れを拒否される可能性もありますし、隠すことで、入居後に問題が発生する可能性もあります。

基本的には、お父様の状態を正直に伝えるべきです。しかし、伝え方には工夫が必要です。

• 客観的な事実を伝える： 診断名、現在の症状、これまでの経緯などを、客観的に伝えましょう。
• 具体的なエピソードを伝える： どのような行動が見られるのか、具体的に伝えましょう。例えば、「夜間に徘徊することがある」「暴言を吐くことがある」など。
• 現在の状況を伝える： 現在、どのような治療を受けているのか、どのような対応をしているのかを伝えましょう。
• 受け入れ側の理解を求める： 施設の職員に、お父様の状態を理解してもらい、適切なケアを提供してもらえるように、積極的にコミュニケーションを取りましょう。
• 事前に相談する： ケアマネジャーやソーシャルワーカーに相談し、どのように伝えるのが適切かアドバイスをもらいましょう。

ただし、全ての情報を一度に伝える必要はありません。 まずは、基本的な情報を伝え、施設側の反応を見ながら、徐々に詳細を伝えていくことも可能です。また、施設によっては、認知症の方の受け入れに慣れていない場合もあります。その場合は、他の施設を探すことも検討しましょう。

正直に伝えることは、お父様にとって、より適切なケアを受けられる可能性を高めます。また、施設側との信頼関係を築き、より良い関係を築くことにも繋がります。

しかし、全てを一人で抱え込む必要はありません。専門家や、同じような経験を持つ人たちに相談し、アドバイスをもらいながら、最適な方法を見つけていきましょう。

5. 家族としての心のケア

認知症の介護は、本人だけでなく、介護をする家族にとっても、心身ともに大きな負担となります。特に、今回のケースのように、様々な困難が重なり合っている場合は、精神的なストレスも大きくなるでしょう。

家族としての心のケアも、非常に重要です。

• 休息をとる： 介護から離れる時間を作り、十分な休息を取りましょう。
• 気分転換をする： 趣味を楽しんだり、友人との交流をしたりして、気分転換をしましょう。
• 相談する： 家族や友人、専門家などに悩みを聞いてもらいましょう。
• 情報収集をする： 認知症に関する情報を収集し、知識を深めましょう。
• サポートを求める： 介護保険サービスや、地域のサポート体制を活用しましょう。

一人で抱え込まず、周囲のサポートを積極的に活用しましょう。あなたの心と体の健康を守ることが、お父様の介護にも繋がります。

6. 成功事例と専門家の視点

この章では、同様の状況を乗り越えた方の成功事例と、専門家の視点をご紹介します。

成功事例1： 遠方に住む娘さんが、認知症の父親の介護に直面。最初は、施設探しに苦労しましたが、ケアマネジャーと連携し、父親の状況を正直に伝えた上で、認知症対応型のグループホームを見つけることができました。娘さんは、週末ごとに父親に会いに行き、施設の職員とコミュニケーションを取り、父親のケアをサポートしています。

成功事例2： 母親の認知症が進み、介護施設を探していた息子さん。最初は、母親の症状を隠して施設を探そうとしましたが、ケアマネジャーのアドバイスを受け、正直に伝えることにしました。その結果、母親に合った、手厚い介護を受けられる施設を見つけることができました。息子さんは、定期的に施設を訪れ、母親との時間を大切にしています。

専門家の視点： 認知症介護の専門家は、「認知症の方の介護は、本人だけでなく、家族にとっても、非常に負担が大きいものです。しかし、適切なサポートを受けることで、その負担を軽減することができます。家族だけで抱え込まず、専門家や、地域のサポート体制を活用することが大切です。」と述べています。

これらの事例から、以下のことが言えます。

• 諦めないこと： 困難な状況でも、諦めずに、様々な選択肢を検討し、行動することが大切です。
• 専門家との連携： ケアマネジャーや、ソーシャルワーカーなど、専門家と連携し、アドバイスを受けながら、介護を進めていくことが重要です。
• 正直に伝えること： 施設の職員に、本人の状態を正直に伝えることで、より適切なケアを受けられる可能性が高まります。
• 家族の心のケア： 介護をする家族の心と体の健康を守ることが、介護を継続するために不可欠です。

7. まとめ：あなたができること

この記事では、認知症の父親の介護と受け入れ先について、様々な角度から解説しました。最後に、あなたが今すぐできることをまとめます。

1. ケアマネジャーを探す： 入院中の病院のソーシャルワーカーや、地域包括支援センターに相談し、信頼できるケアマネジャーを見つけましょう。
2. 情報収集をする： 地域の相談窓口や、インターネットなどで、介護に関する情報を収集し、知識を深めましょう。
3. 受け入れ先の施設を検討する： 介護付き有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、認知症対応型共同生活介護など、様々な施設を検討し、見学に行きましょう。
4. 本人の状態を正直に伝える： 施設の職員に、本人の状態を正直に伝え、適切なケアを提供してもらいましょう。
5. 家族の心のケアをする： 休息を取り、気分転換をし、周囲のサポートを積極的に活用しましょう。

認知症の介護は、長い道のりになるかもしれません。しかし、諦めずに、一つ一つ課題を解決していくことで、必ず道は開けます。あなたの状況が少しでも改善されることを心から願っています。

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