難病の母の介護と仕事の両立…病院・介護施設との交渉術を徹底解説

この記事では、難病を患うご家族の介護と、ご自身のキャリアや仕事との両立について悩んでいるあなたに向けて、具体的な解決策を提示します。特に、病院や介護施設との間で生じる様々な問題に対し、どのように対応していくべきか、専門的な視点からアドバイスします。

数年前に遠方に住む母が大脳皮質基底核変性症と診断されました。症状はどんどん悪くなり、今ではもう家族のことも分からなくなり、言葉を発することも出来ず、病院で寝たきりの生活を送っています。この数年間で病院を３つ転院させられました。母にとってはそれだけでかなりの負担になります。ですが、前の病院では死期が近い人の入院は対応できないてのことで、その病院の紹介で今の終末期の人のための今の病院に転院しました。入院する際に院長に余命１年を宣告されたのですが２年が経過しました。その際、『最期まで面倒見させてもらいます。』と言っていたのにも関わらず、昨年その病院が介護施設を作ったため、そこに移動するよう看護師から父が言われたそうです。理由を聞くと『症状が安定してるから・・・』だそうです。そして、その病院の介護施設が嫌なら、他の介護施設に移るよう言われたみたいです。しかも医者からではなく看護師から。。。。。

体調が安定しているとは言え、難病であるのにも関わらず病院から退院させて、施設に移してもよいものなのでしょうか。私たち家族としては、そのまま今の病院にいさせてもらうか、他の病院に転院させてもらいたいのですが、紹介状を書いてもらえるかどうかも分かりません。今の病院の医者が『症状が安定しているから・・・・』『今は治療ではなく介護がメインになってるから・・・』と言うのであれば、すんなり転院させてもらえるとは考えにくいです。病気であるのにも関わらず、このような状態だとやはり病院を出ざるを得ないのでしょうか。

お母様の病状、そして病院や介護施設とのやり取りについて、大変ご心痛のこととお察しいたします。愛するご家族の介護と、ご自身の仕事や生活との両立は、想像以上に困難なものです。特に、医療的な知識や制度に関する情報が不足している場合、どこに相談すれば良いのか、どのように行動すれば良いのか、途方に暮れてしまうこともあるでしょう。

この記事では、まず、現在の状況を整理し、直面している問題点を具体的に把握します。次に、病院や介護施設との交渉術、転院や施設選びのポイント、そして、ご自身のキャリアや仕事との両立をどのように実現していくか、具体的なステップを提示します。さらに、専門家への相談方法や、利用できる制度についても詳しく解説します。

1. 現状の整理：抱えている問題点を明確にする

まずは、現状を客観的に整理し、抱えている問題点を明確にすることが重要です。具体的には、以下の3つのポイントに焦点を当ててみましょう。

• お母様の病状と現在の医療・介護体制： 大脳皮質基底核変性症の進行度合い、現在の医療ケアの内容、そして、病院の医療体制（医師、看護師、その他スタッフ）について、正確に把握しましょう。
• 病院側の意向と、その理由： 病院側がなぜ介護施設への移動を勧めているのか、その具体的な理由を詳細に確認しましょう。医師の意見だけでなく、看護師やソーシャルワーカーなど、他のスタッフの意見も参考にすることが重要です。
• ご家族の希望と、その実現可能性： ご家族として、どのような医療・介護を望んでいるのか、具体的に明確にしましょう。現在の病院に残りたいのか、他の病院への転院を希望するのか、あるいは、他の介護施設を検討するのか、家族内で十分に話し合い、合意形成を図ることが大切です。

これらの情報を整理することで、問題点がより具体的に見えてきます。例えば、「病院側の説明が曖昧で、納得できない」「家族の希望が病院側に伝わっていない」「情報不足で、適切な判断ができない」といった問題点が浮かび上がってくるかもしれません。問題点を明確にすることで、具体的な解決策を検討するための第一歩となります。

2. 病院・介護施設との交渉術：円滑なコミュニケーションを図る

病院や介護施設との交渉は、感情的になりがちですが、冷静かつ論理的に進めることが重要です。以下の3つのステップで、円滑なコミュニケーションを図りましょう。

1. 情報収集と準備： 交渉に臨む前に、十分な情報収集を行いましょう。お母様の病状に関する医学的な情報、病院の医療体制や介護体制、そして、介護保険制度やその他の関連制度について、詳しく調べておくことが重要です。事前に質問事項を整理し、記録するためのメモやノートを用意しておくと、スムーズに交渉を進めることができます。
2. 対話と意思疎通： 病院側との対話を通じて、お互いの理解を深めましょう。まずは、ご自身の考えや希望を明確に伝え、相手側の意見を丁寧に聞くことが大切です。感情的にならず、冷静に、論理的に、そして、具体的に話すことを心がけましょう。必要に応じて、医師、看護師、ソーシャルワーカーなど、関係者全員との面談をセッティングし、情報共有を図ることも有効です。
3. 記録と証拠： 交渉の内容は、必ず記録に残しましょう。面談の日時、参加者、話し合った内容、合意事項などを詳細に記録し、必要に応じて、録音や録画も行いましょう。記録は、後々のトラブルを回避するための証拠となり、交渉を有利に進めるための材料となります。

交渉の際には、以下の点に注意しましょう。

• 専門用語を避ける： 専門用語は、相手に伝わりにくく、誤解を生む可能性があります。できるだけ分かりやすい言葉で説明し、相手が理解しているかを確認しながら話を進めましょう。
• 感情的にならない： 感情的になると、冷静な判断ができなくなり、交渉が不利になる可能性があります。落ち着いて、冷静に、論理的に話すことを心がけましょう。
• 相手の立場を理解する： 相手の立場を理解し、共感することで、円滑なコミュニケーションを図ることができます。相手の事情を考慮し、柔軟な姿勢で交渉に臨みましょう。
• 専門家の意見を求める： 必要に応じて、弁護士やケアマネージャーなど、専門家の意見を求めましょう。専門家のサポートを受けることで、より適切な判断ができ、交渉を有利に進めることができます。

3. 転院・施設選びのポイント：最適な選択肢を見つける

現在の病院からの転院や、介護施設の入居を検討する場合、以下のポイントを参考に、最適な選択肢を見つけましょう。

• 医療体制： お母様の病状に合った医療体制が整っている病院や施設を選びましょう。24時間体制で看護師が常駐しているか、緊急時の対応はどうか、専門医の配置状況などを確認しましょう。
• 介護体制： 日常生活の介護だけでなく、リハビリテーションやレクリエーションなど、質の高い介護サービスを提供している施設を選びましょう。
• 費用： 費用は、病院や施設によって大きく異なります。入居一時金、月額利用料、その他費用などを比較検討し、ご自身の経済状況に合った施設を選びましょう。
• 立地： ご家族が頻繁に面会に行ける範囲にある施設を選びましょう。交通の便や、周辺環境なども考慮しましょう。
• 施設の雰囲気： 実際に施設を見学し、施設の雰囲気や、スタッフの対応などを確認しましょう。

転院や施設選びの際には、以下のステップで進めましょう。

1. 情報収集： 地域の病院や介護施設に関する情報を収集しましょう。インターネット検索、自治体の情報、ケアマネージャーへの相談などを活用しましょう。
2. 見学： 候補となる病院や施設を見学し、施設の設備、スタッフの対応、入居者の様子などを確認しましょう。
3. 比較検討： 複数の病院や施設を比較検討し、それぞれのメリット・デメリットを評価しましょう。
4. 決定： 最終的に、お母様の病状、ご家族の希望、費用、立地などを総合的に考慮し、最適な選択肢を決定しましょう。
5. 手続き： 転院や入居に必要な手続きを行いましょう。病院への紹介状の依頼、介護保険の手続き、契約書の確認など、必要な手続きを漏れなく行いましょう。

4. 仕事との両立：キャリアと介護を両立させるために

介護と仕事の両立は、多くの人にとって大きな課題です。しかし、適切な対策を講じることで、両立は十分に可能です。以下の3つのステップで、キャリアと介護を両立させるための具体的な方法を検討しましょう。

1. 現状の把握： まずは、ご自身の仕事内容、労働時間、そして、介護にかかる時間や費用などを把握し、現状を客観的に分析しましょう。
2. 情報収集と制度の活用： 介護に関する情報や、利用できる制度について、積極的に情報収集を行いましょう。介護保険制度、育児・介護休業法、企業の福利厚生制度など、様々な制度を活用することで、介護と仕事を両立するためのサポートを受けることができます。
3. 職場との連携： 職場の上司や同僚に、介護の状況を伝え、理解と協力を求めましょう。勤務時間の調整、テレワークの活用、休暇の取得など、様々な働き方の選択肢について、相談してみましょう。

仕事との両立を支援する制度としては、以下のようなものがあります。

• 介護休業： 介護が必要な家族を介護するために、最長93日間の休業を取得できます。
• 介護休暇： 1年に5日（対象家族が2人以上の場合は10日）の休暇を取得できます。
• 勤務時間の短縮： 介護を行う従業員は、勤務時間の短縮や、残業の制限などを求めることができます。
• テレワーク： テレワークを活用することで、自宅で仕事をしながら、介護を行うことができます。
• 介護費用に関する補助： 企業によっては、介護費用に関する補助制度を設けている場合があります。

これらの制度を活用し、職場との連携を図ることで、キャリアを中断することなく、介護を続けることが可能になります。また、キャリアアップを目指すことも諦めずに、スキルアップや資格取得に励み、将来のキャリアプランを描くことも重要です。

5. 専門家への相談：プロの力を借りる

介護と仕事の両立は、一人で抱え込まず、専門家の力を借りることも重要です。以下の専門家への相談を検討しましょう。

• 医師： お母様の病状や治療方針について、医師に相談しましょう。
• ケアマネージャー： 介護保険制度の利用方法や、介護サービスに関する相談をしましょう。
• ソーシャルワーカー： 医療ソーシャルワーカーや、介護福祉士などに相談し、病院や介護施設との交渉や、制度に関するアドバイスを受けましょう。
• 弁護士： 病院とのトラブルや、法的問題が発生した場合、弁護士に相談しましょう。
• ファイナンシャルプランナー： 介護費用や、将来の生活設計について、ファイナンシャルプランナーに相談しましょう。

専門家への相談は、問題解決の糸口を見つけるだけでなく、精神的な負担を軽減するためにも有効です。一人で悩まず、積極的に相談してみましょう。

6. 成功事例：困難を乗り越えた人々の声

実際に、介護と仕事を両立している人々の成功事例を紹介します。これらの事例から、困難を乗り越えるためのヒントを得ましょう。

• 事例1： 40代女性Aさんは、認知症の母親の介護と、フルタイムの仕事を両立しています。Aさんは、ケアマネージャーやソーシャルワーカーと連携し、適切な介護サービスを利用することで、仕事と介護の両立を実現しています。また、職場の理解を得て、テレワークや、勤務時間の調整など、柔軟な働き方をしています。
• 事例2： 50代男性Bさんは、脳卒中で倒れた父親の介護と、管理職の仕事を両立しています。Bさんは、介護保険制度や、企業の福利厚生制度を積極的に活用し、介護費用を抑えながら、仕事と介護を両立しています。また、家族や、親族の協力を得て、介護の負担を分散しています。
• 事例3： 30代女性Cさんは、難病を患う母親の介護と、フリーランスの仕事を両立しています。Cさんは、柔軟な働き方を活かし、自宅で仕事をしながら、介護を行っています。また、オンラインでの情報交換や、専門家への相談を通じて、介護に関する知識や情報を得ています。

これらの事例から、困難な状況でも、諦めずに、様々な方法を試すことで、介護と仕事を両立できることが分かります。自分自身の状況に合わせて、これらの事例を参考に、最適な方法を見つけましょう。

7. まとめ：未来への一歩を踏み出すために

この記事では、難病を患うご家族の介護と、ご自身のキャリアや仕事との両立について、様々な角度から解説しました。現状の整理、病院・介護施設との交渉術、転院・施設選びのポイント、仕事との両立、専門家への相談、そして、成功事例の紹介を通じて、具体的な解決策を提示しました。

介護と仕事の両立は、決して簡単なことではありません。しかし、諦めずに、様々な方法を試し、周囲の協力を得ながら、一歩ずつ進んでいくことで、必ず道は開けます。まずは、現状を客観的に把握し、問題点を明確にすることから始めましょう。そして、この記事で紹介した情報を参考に、具体的な行動を起こし、未来への一歩を踏み出しましょう。

最後に、あなたとご家族が、心穏やかな日々を送れることを心から願っています。

“`