介護施設での食事と生活：おばあ様の「楽しみ」を守るために私たちができること

この記事では、介護老人保健施設に入所されているおばあ様の食事と生活に関するご相談にお答えします。食事の片付けが早いこと、おやつが禁止されていることなど、施設での生活に対する疑問や不安を抱えているあなたへ、専門家としての視点から具体的なアドバイスを提供します。おばあ様の「楽しみ」を守り、より豊かな生活を送るために、私たちができることを一緒に考えていきましょう。

祖母が介護老人保健施設に居ます。寝たきりで少しボケていますが、暴れたりわがまま言ったりは全くしません。初めての老人施設です。ご飯は自分で食べれますが、まだ食べてる途中でも「もういいですよね？」と言って、まだ食べてる途中でも15分くらいで片付けられいました。お茶などもいえばもらえますが、食事以外は全て片付けられてる状態です。おやつを置いておくのも禁止で、家族が居ても一緒に食べるのも禁止です。この施設の前までは病院に居ました。手術をして寝たきりになって少しボケてきましたので、そのまま1年ほど入院して、その後その施設に移りました。初めての老人施設で、どのようなものかわからなかったのですが、祖母の楽しみであるおやつくらいは食べさせてあげたいなぁーと思ってます。お金が無いので、安いところしか入れてあげられません。かといって家で介護するのは、母が病気をしているので難しいです。

老人施設はこのようなことは普通なのでしょうか？詳しい方、お手数をお掛けしますが、ご回答よろしくお願い致します。

介護施設での食事に関する現状と課題

ご相談ありがとうございます。おばあ様の介護施設での生活について、ご心配な点が多いことと思います。特に、食事の際の対応やおやつの制限など、おばあ様の楽しみが奪われているように感じられること、そして、それが施設の方針なのかどうかも分からず、不安に思われるのは当然です。まずは、現在の状況を整理し、なぜそのような対応がされているのか、考えられる理由をいくつか挙げてみましょう。

1. 食事の片付けが早い理由

食事の片付けが早い理由としては、いくつかの可能性が考えられます。

• 人手不足： 介護施設では、人手不足が深刻な問題となっています。そのため、食事の準備、配膳、後片付けを迅速に行わなければならない場合があります。
• 食事時間の制限： 施設によっては、食事時間が決められており、その時間内に食事を終えるように促す場合があります。
• 誤嚥（ごえん）防止： 寝たきりの方の場合、食事中にむせてしまうこと（誤嚥）のリスクがあります。そのため、食事時間を短くし、誤嚥のリスクを減らそうとしている可能性もあります。

2. おやつの制限について

おやつの制限についても、いくつかの理由が考えられます。

• 健康管理： 糖尿病などの持病がある場合、糖分やカロリーを制限する必要があるため、おやつが禁止されている場合があります。
• 食事とのバランス： おやつを食べ過ぎると、食事の量が減り、栄養バランスが偏ってしまう可能性があります。
• 誤嚥のリスク： おやつによっては、誤嚥のリスクを高めるものがあるため、安全のために制限されている場合があります。
• 施設の方針： 施設によっては、食事以外のものは原則禁止という方針をとっている場合があります。

3. 施設側の事情と入居者の権利

施設側の事情も理解しつつ、入居者であるおばあ様の権利も尊重されるべきです。施設は、入居者の安全と健康を守る義務がありますが、同時に、入居者ができる限り快適に、そして楽しく生活できる環境を提供する責任があります。おばあ様が「もういいですよね？」と仰るということは、まだ食べたいという気持ちがあるのかもしれません。その気持ちを尊重することも大切です。

施設とのコミュニケーション：疑問を解決し、より良い関係を築くために

現状を改善するためには、まず施設とのコミュニケーションが不可欠です。疑問に思っていること、不安に感じていることを率直に伝え、施設の考えや方針について詳しく説明してもらいましょう。具体的にどのような点に注意してコミュニケーションを取れば良いのか、以下にステップを追って説明します。

1. 施設の担当者との面談を申し込む

まずは、施設の相談員やケアマネージャーなど、担当者との面談を申し込みましょう。電話やメールで事前に連絡を取り、相談したい内容を伝えておくと、スムーズに話が進みます。面談の際には、おばあ様の現在の状況や、食事に関する疑問、おやつの件について、具体的に質問しましょう。

2. 質問事項を事前に整理する

面談に臨む前に、質問事項を整理しておきましょう。例えば、以下のような質問が考えられます。

• なぜ食事の片付けが早いのか？
• おやつの持ち込みが禁止されている理由は何か？
• おばあ様の食事の摂取量や栄養バランスについて、どのように考えているのか？
• おばあ様が食事を楽しめるように、何かできることはないか？
• おばあ様の希望（おやつを食べたいなど）を、どの程度考慮してもらえるのか？

3. 感情的にならず、冷静に話す

施設に対して不満や不安があるかもしれませんが、感情的にならず、冷静に話すことが大切です。相手の立場も理解しようと努め、建設的な対話を目指しましょう。感謝の気持ちを伝えることも忘れずに。

4. 記録を残す

面談の内容や、施設からの回答は、記録しておきましょう。後で内容を振り返る際に役立ちますし、万が一、問題が解決しない場合に、第三者に相談する際の資料にもなります。

具体的な提案：おばあ様の「楽しみ」を守るために

施設とのコミュニケーションを通じて、現状を改善するための具体的な提案をしてみましょう。おばあ様の「楽しみ」を守り、より豊かな生活を送るために、できることはたくさんあります。

1. 食事に関する提案

• 食事時間の調整： おばあ様がゆっくりと食事を楽しめるように、食事時間を少し長くしてもらうように相談してみましょう。
• 食事内容の工夫： 施設で提供される食事に加えて、おばあ様が食べやすいもの、好きなものを持ち込むことができるか相談してみましょう。例えば、柔らかく調理されたおかずや、食べやすいデザートなど。
• 食事介助の工夫： 食事介助が必要な場合は、おばあ様のペースに合わせて、ゆっくりと介助してもらうように相談しましょう。

2. おやつに関する提案

• 持ち込みの許可： おやつを持ち込むことができるか、相談してみましょう。可能であれば、栄養士に相談し、おばあ様の健康状態に合ったおやつを選びましょう。
• 一緒に食べる時間： 家族が面会に行った際、一緒におやつを食べられるように、施設側に相談してみましょう。
• 少量のおやつ： 少量のおやつであれば、許可してもらえる可能性があります。施設の方針を確認し、相談してみましょう。

3. その他の提案

• レクリエーションの参加： 施設で行われるレクリエーションに参加することで、おばあ様の生活に刺激を与え、楽しみを増やすことができます。
• 個室の環境整備： おばあ様の個室に、好きな写真や思い出の品を飾るなど、快適な空間を整えることで、安心感を与えることができます。
• 家族の積極的な関わり： 定期的に面会に行き、おばあ様とコミュニケーションを取ることで、孤独感を軽減し、心のケアをすることができます。

専門家への相談も検討しましょう

施設との話し合いがうまくいかない場合や、より専門的なアドバイスが必要な場合は、専門家への相談も検討しましょう。以下のような専門家がいます。

• ケアマネージャー： ケアマネージャーは、介護に関する専門家であり、介護保険サービスに関する相談や、施設との連絡調整などを行ってくれます。
• 栄養士： 栄養士は、食事に関する専門家であり、おばあ様の健康状態に合った食事や、おやつのアドバイスをしてくれます。
• 弁護士： 施設との間でトラブルが発生した場合や、法的問題が発生した場合は、弁護士に相談することもできます。

専門家に相談することで、客観的なアドバイスを得ることができ、問題解決の糸口が見つかることもあります。

経済的な問題への対応

ご相談者様がお金がないという状況も考慮し、経済的な問題への対応についても触れておきます。介護施設の費用は高額になることもあり、経済的な負担は大きな問題です。しかし、利用できる制度やサービスを活用することで、負担を軽減することができます。

1. 介護保険制度の活用

介護保険制度は、介護が必要な高齢者の生活を支えるための重要な制度です。介護保険サービスを利用することで、介護にかかる費用の自己負担を軽減することができます。介護保険サービスには、施設サービスだけでなく、訪問介護や通所介護など、様々な種類があります。おばあ様の状況や、ご家族の状況に合わせて、適切なサービスを選びましょう。

2. 費用軽減のための制度

介護保険サービスを利用する際の費用を軽減するための制度もあります。例えば、低所得者の場合は、介護保険の自己負担額が軽減される制度があります。また、高額介護サービス費制度を利用することで、1ヶ月の自己負担額が一定額を超えた場合に、超過分が払い戻される制度もあります。これらの制度について、ケアマネージャーや施設の相談員に相談し、利用できる制度がないか確認しましょう。

3. 経済的な支援の検討

経済的な問題が深刻な場合は、生活保護などの制度を利用することも検討しましょう。生活保護は、経済的に困窮している人々に対して、最低限の生活を保障するための制度です。生活保護の申請については、お住まいの地域の福祉事務所に相談してください。

まとめ：おばあ様の「幸せ」を第一に考え、行動しましょう

介護施設での生活は、入居者の方々にとって、新しい環境への適応が必要であり、様々な問題に直面することもあります。しかし、ご家族が積極的に関わり、施設とのコミュニケーションを図り、おばあ様の「幸せ」を第一に考えることで、より良い生活を送るための道が開けます。今回のケースでは、食事の際の対応やおやつの制限について、施設との話し合いを通じて改善を図ることが重要です。そして、経済的な問題についても、利用できる制度やサービスを活用し、負担を軽減していくことが大切です。おばあ様が、穏やかで、心豊かな日々を送れるよう、私たちにできることを一つずつ、実践していきましょう。

この記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。もし、さらにご不明な点や、ご相談したいことがございましたら、お気軽にご連絡ください。

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