74歳のお父様の「寝惚け」問題：認知症、夢遊病、それとも…？専門家が徹底解説

この記事では、74歳のお父様の「寝惚け」という症状について、その原因や考えられる可能性、そしてご家族がどのように対応していくべきか、専門的な視点から詳しく解説します。認知症や夢遊病、統合失調症の再発など、様々な可能性が考えられる中で、ご家族が抱える不安や疑問を解消し、より良い対応策を見つけるためのお手伝いをします。

私と姉（私は海外、姉もかなり遠方）は嫁ぎ、父は70歳の母と二人暮しです。数年前から「寝惚け」が酷くなり、先日とうとう階段から落ち、かなりの怪我を負いました。母が昔看護師をしており、出血の応急手当が出来たのも幸いし、頭を打ったので心配していたのですが、とにかく完治しました。

ただ心配なのは今も続く「寝惚け」です。入院中も寝てる最中に点滴をはずす、夜徘徊するなどの行動があり、主治医（脳外科医）は、認知症と言ったそうです。母は若い医者はだめだ、患者を見ないし、家族の話もろくに聞かないと怒り心頭、昔のつてで年配の精神科医を探し、状況を説明すると「一種の夢遊病」と言われたそうです。寝室を一階に移動するなど、物理的な対策は一応したとか。

私も母が認知症と認めたくないだけで、その症状が出てきたのでは、と心配したのですが、起きているときは全く問題なく、老人介護施設に働く姉も、会った時に詳細に注意して観察したそうですが、認知症とは思えないと言います。

確かに、若い頃から、ものすごい大声で寝言を言うような（怒鳴る）ところがあり、私も同居してた時に飛び起きたことが何度かあります。精神衛生に悪い夢ばかりのようでした。但し、その頃は寝床から上半身を起こす程度のことはありましたが、歩き回ったりはしませんでした。

更に若い頃は統合失調症を患い、精神科で治療を受けた経験があるそうです。（母は精神科におり、それで患者であった父と知り合った）

本当に夢遊病でしょうか？認知症？統合失調症の再発？どのみちこの「寝惚け」は治療法もないのかもしれませんが。。。

母はとにかく「若い医者」を信用しておらず、診せたくないようです。母にとっては40代でも若いので、探す方が困難です。前述した「夢遊病」と言った医師は、既に引退している母の現役時代の知り合いで、たまたま上京した時、診て貰ったそうです。

母自身、年をとって頑固になってきたので、何かと心配です。

「寝惚け」の原因を探る：認知症、夢遊病、統合失調症の可能性

74歳のお父様の「寝惚け」について、様々な可能性が考えられます。ここでは、それぞれの可能性について詳しく見ていきましょう。

1. 認知症の可能性

認知症は、記憶力や思考力、判断力などが低下する病気です。様々な原因で発症し、その症状も多岐にわたります。今回のケースでは、夜間の徘徊や点滴を外すなどの行動が見られることから、認知症の可能性も否定できません。

• 初期症状: 認知症の初期症状としては、物忘れが多くなる、同じことを何度も言う、時間や場所が分からなくなるなどがあります。
• 進行すると: 症状が進行すると、人格の変化、暴言、暴力行為、幻覚や妄想などが現れることもあります。
• 診断: 認知症の診断には、問診、身体検査、神経学的検査、認知機能検査、画像検査（CTやMRI）などが行われます。
• 対応: 認知症と診断された場合、薬物療法や非薬物療法（回想法、音楽療法、アロマセラピーなど）が行われます。また、環境調整（安全な住環境の整備、日中の活動量の確保など）も重要です。

2. 夢遊病（睡眠時遊行症）の可能性

夢遊病は、睡眠中に起き上がって歩き回る病気です。原因は特定されていませんが、睡眠不足、ストレス、疲労などが誘因となることがあります。今回のケースでは、寝ている間に点滴を外したり、階段から落ちたりしたことから、夢遊病の可能性も考えられます。

• 症状: 夢遊病の症状としては、寝ぼけた状態で歩き回る、意味不明な言動をする、危険な行動をするなどがあります。
• 診断: 夢遊病の診断は、本人の行動観察や、家族からの聞き取りによって行われます。睡眠検査（ポリソムノグラフィー）が行われることもあります。
• 対応: 夢遊病の治療は、環境調整（安全な住環境の整備、寝室の移動など）が中心となります。薬物療法が行われることもあります。

3. 統合失調症の再発の可能性

統合失調症は、思考、感情、知覚、行動などに異常をきたす精神疾患です。過去に統合失調症の治療経験がある場合、再発の可能性も考慮する必要があります。今回のケースでは、大声で寝言を言ったり、精神衛生に悪い夢を見たりするなどの症状が見られることから、再発の可能性も否定できません。

• 症状: 統合失調症の症状としては、幻覚、妄想、思考障害、感情の平板化、意欲の低下などがあります。
• 診断: 統合失調症の診断は、問診、精神状態検査、身体検査などによって行われます。
• 対応: 統合失調症の治療は、薬物療法（抗精神病薬）が中心となります。精神療法（認知行動療法、家族療法など）や、リハビリテーションも重要です。

ご家族ができること：具体的な対応策

お父様の「寝惚け」に対して、ご家族ができることはたくさんあります。ここでは、具体的な対応策をいくつかご紹介します。

1. 医療機関への相談

まずは、専門医に相談することが重要です。お母様が若い医師を信用しないという状況ですが、まずはかかりつけ医に相談し、専門医への紹介を依頼することから始めてみましょう。可能であれば、複数の医師の意見を聞く「セカンドオピニオン」も検討しましょう。

• 専門医の選択: 脳神経内科医、精神科医、睡眠専門医など、専門分野の異なる医師に相談することで、多角的な視点から原因を特定し、適切な治療法を見つけることができます。
• 情報収集: 医師に相談する前に、お父様の症状について詳しく記録しておきましょう。いつ、どのような症状が現れたのか、どのような状況で起こったのかなどを記録することで、医師が正確な診断を行うための手助けとなります。
• コミュニケーション: 医師とのコミュニケーションを密にし、疑問点や不安な点を遠慮なく質問しましょう。

2. 環境調整

安全な環境を整えることは、非常に重要です。転倒や怪我のリスクを減らすために、以下の対策を行いましょう。

• 寝室の移動: 寝室を1階に移動し、階段を使用する必要がないようにしましょう。
• 安全対策: 階段に手すりを設置する、夜間の移動に際しては照明を明るくする、床に物を置かないなど、転倒防止のための対策を行いましょう。
• 見守り: 夜間は、家族が見守りを行うか、または見守りカメラなどを設置し、異常があればすぐに気づけるようにしましょう。

3. 日常生活でのサポート

日常生活の中で、お父様の状態を観察し、適切なサポートを提供することも大切です。

• 生活リズムの調整: 規則正しい生活リズムを保ち、睡眠時間を確保しましょう。
• ストレス軽減: ストレスや不安を軽減するために、リラックスできる時間や趣味の時間を設けるようにしましょう。
• コミュニケーション: 積極的にコミュニケーションを取り、話を聞いてあげましょう。
• 食事: バランスの取れた食事を心がけ、水分補給をしっかり行いましょう。

4. 家族の連携と情報共有

ご家族全体で協力し、情報共有を密に行うことが大切です。特に、遠方に住んでいる場合は、こまめな連絡を取り合い、状況を共有しましょう。

• 情報共有: 症状の変化や、医師からの指示などを共有し、対応策について話し合いましょう。
• 役割分担: 家族それぞれの役割を分担し、負担を軽減しましょう。
• サポート体制: 地域の介護サービスや、専門家のサポートも活用しましょう。

専門家からのアドバイス

専門家である私が、このケースについてさらに詳しくアドバイスします。

1. 早期の専門医への受診の重要性

まず、早期に専門医を受診することが非常に重要です。お母様が若い医師を信用しないという状況は理解できますが、まずはかかりつけ医に相談し、信頼できる専門医を紹介してもらうようにしましょう。セカンドオピニオンも積極的に活用し、複数の医師の意見を聞くことで、より適切な診断と治療方針を見つけることができます。

2. 家族のサポート体制の構築

ご家族だけで抱え込まず、地域の介護サービスや、専門家のサポートも積極的に活用しましょう。訪問看護やデイサービスなどを利用することで、ご家族の負担を軽減し、より良いケアを提供することができます。また、同じような悩みを抱える家族同士で情報交換をすることも、心の支えになります。

3. 症状の記録と観察

お父様の症状を詳しく記録し、医師に伝えることが大切です。いつ、どのような症状が現れたのか、どのような状況で起こったのかを記録することで、医師が正確な診断を行うための手助けとなります。また、日々の観察を通して、症状の変化に気づき、早期に対応することができます。

まとめ：より良い未来のために

お父様の「寝惚け」の問題は、様々な可能性が考えられる複雑な問題です。しかし、早期に専門医に相談し、適切な対応策を講じることで、より良い未来を切り開くことができます。ご家族が協力し、情報共有を密に行い、専門家のサポートも活用しながら、お父様の健康と安全を守りましょう。

今回のケースでは、認知症、夢遊病、統合失調症の再発など、様々な可能性が考えられます。まずは、専門医の診断を受け、原因を特定することが重要です。その上で、環境調整、日常生活でのサポート、家族の連携などを通して、お父様の健康と安全を守りましょう。

ご家族の皆様が、この問題に真摯に向き合い、お父様を支えるために最善を尽くされることを心から願っています。

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