介護中の親の怪我と病院受診：認知症の親の痛みを伝えるには？

この記事では、介護中の親御さんの怪我に関する悩みについて、具体的なアドバイスを提供します。特に、認知症の親御さんの痛みをどのように伝え、適切な医療を受けさせるかという問題に焦点を当てています。専門家の視点と、具体的な対応策を通じて、あなたの不安を軽減し、より良い介護生活を送るためのお手伝いをします。

母が介護付き有料老人ホームに入居しています。

先日ベッドからおちてしまい、しりもちついたようです。

現場をだれもみていませんので、多分尻もちをついたという事です。

数日経過したのですが、トイレ介助時や、寝返りを打った時に本人が痛みを訴えています。

以前に圧迫骨折もしています。

本人は認知症があるので、第３者（施設スタッフ、家族、リハビリスタッフ）等に的確にどこが、どんな時に、どう痛むという事が伝わりにくいです。

一般的に私たちが病院を受診時に医者から聞かれる事にきちんと答えられない、という事になります。

スタッフからは病院を受診しますか？と言われるのですが、以前受診した時は、整形外科の先生は高齢者の認知症には冷たいという印象があります。

結局、湿布を貼っておいてくださいと言われるように思います。

それでも受診したほうがいいでしょうか？

皮膚が赤くなってはいません。

打撲あとの、内出血もありません。

熱も平熱です。

それでも病院受診したほうがいいでしょうか？

1. 状況の整理と初期対応

まず、ご相談ありがとうございます。お母様の状況、大変ご心配ですね。認知症のお母様の怪我は、ご本人も辛いでしょうし、それを適切に伝えられない状況は、ご家族としても非常に不安が大きいと思います。今回のケースでは、以下の点を整理し、初期対応を検討しましょう。

• 情報の収集: 施設スタッフから、怪我の状況（転倒時の状況、本人の訴え、バイタルサインなど）を詳細に聞き取りましょう。
• 痛みの評価: 痛みの程度を客観的に評価するために、表情や行動の変化を観察しましょう。例えば、食事を嫌がったり、特定の体勢を避けるなどの行動が見られる場合は、痛みを疑うサインです。
• 初期的な対応: 痛みを和らげるために、冷湿布や体位変換などのケアを行いましょう。ただし、これらの対応はあくまで一時的なものであり、根本的な解決にはなりません。

2. 病院受診の判断基準

ご相談者様が最も悩んでいるのは、病院を受診すべきかどうか、ということですね。以下に、病院受診を検討すべき具体的な状況をまとめます。

• 痛みが持続する場合: 痛みが数日以上続く場合や、痛みの程度が増す場合は、必ず受診を検討しましょう。
• 新たな症状が現れた場合: 発熱、腫れ、変形、麻痺などの症状が現れた場合は、緊急に受診が必要です。
• 既往歴との関連: 以前に圧迫骨折を経験している場合、今回の怪我との関連性も考慮し、慎重に判断しましょう。
• 本人の訴え: 本人が「痛い」と訴える場合は、その訴えを軽視せず、専門家の意見を求めることが重要です。

3. 病院受診時の注意点と対策

過去の経験から、整形外科の先生が高齢者や認知症の患者に対して冷たい印象を持たれたとのこと、大変心苦しい経験だったと思います。しかし、適切な医療を受けるためには、病院受診は避けて通れません。以下の点に注意し、対策を講じましょう。

• 情報伝達の工夫: 認知症の患者は、自分の状態を正確に伝えることが難しい場合があります。以下の方法で、医師に情報を伝えましょう。
• 詳細なメモの作成: 痛みの場所、種類、時間、誘因（寝返り、トイレ介助時など）、既往歴、現在の服薬状況などを詳細に記録したメモを作成し、医師に渡しましょう。
• 動画や写真の活用: 痛がっている様子を動画で記録したり、皮膚の異常（腫れ、変色など）を写真に撮って、医師に見せましょう。
• 第三者の同伴: 家族や施設スタッフなど、普段から患者の様子をよく知っている人が同伴し、患者の状況を補足説明しましょう。
• 医師とのコミュニケーション: 医師に対して、患者の認知症の状況を説明し、理解を求めましょう。必要に応じて、セカンドオピニオンを検討することも有効です。
• 連携の強化: 施設スタッフと連携し、日常的な観察や記録を密にしましょう。定期的に情報交換を行い、早期発見に努めましょう。

4. 専門家への相談とサポート体制の構築

今回のケースでは、専門家への相談も検討することをお勧めします。以下に、相談先とサポート体制の構築について説明します。

• かかりつけ医: 普段からお母様の健康状態を把握しているかかりつけ医がいれば、まずは相談してみましょう。必要に応じて、専門医への紹介もしてくれます。
• 地域包括支援センター: 地域の高齢者に関する相談窓口です。介護保険サービスや、その他のサポートについて相談できます。
• 介護支援専門員（ケアマネージャー）: 介護保険を利用している場合は、ケアマネージャーに相談しましょう。医療機関との連携や、必要なサービスの調整をしてくれます。
• 専門医: 認知症の専門医や、高齢者医療に詳しい整形外科医に相談することも有効です。

これらの専門家と連携し、お母様の状況に合わせたサポート体制を構築することで、より安心して介護生活を送ることができます。

5. 介護保険サービスの活用

介護保険サービスを積極的に活用することも、お母様の生活の質を向上させるために重要です。以下に、利用できる可能性のあるサービスをいくつか紹介します。

• 訪問看護: 専門の看護師が自宅を訪問し、健康管理や医療処置を行います。痛みの管理や、服薬指導なども行います。
• 訪問リハビリ: 理学療法士や作業療法士が自宅を訪問し、リハビリテーションを行います。身体機能の維持・回復や、日常生活動作の改善を目指します。
• 短期入所生活介護（ショートステイ）: 短期間、施設に入所し、食事や入浴、排泄などの介護サービスを受けられます。ご家族の負担軽減にもつながります。
• 通所リハビリテーション（デイケア）: 施設に通い、リハビリテーションやレクリエーションなどのサービスを受けられます。

これらのサービスを組み合わせることで、お母様の身体的・精神的な負担を軽減し、より快適な生活をサポートすることができます。ケアマネージャーに相談し、適切なサービスを検討しましょう。

6. 精神的なサポートとセルフケア

介護は、ご家族にとっても大きな負担となります。ご自身の心身の健康を保つためにも、精神的なサポートとセルフケアを意識しましょう。

• 相談できる相手を持つ: 家族や友人、地域の相談窓口など、悩みを打ち明けられる相手を見つけましょう。
• 休息時間の確保: 介護から離れる時間を作り、心身を休ませましょう。
• 趣味や気分転換: 自分の好きなことや、気分転換になるような活動を行いましょう。
• 専門家のサポート: 精神的な負担が大きい場合は、カウンセリングや、精神科医の診察を受けることも検討しましょう。

ご自身の心身の健康を保つことが、結果的に、お母様の介護にも良い影響を与えます。

7. 今後の見通しと長期的な視点

今回の怪我をきっかけに、今後の介護について、長期的な視点を持つことも重要です。以下に、今後の見通しと、長期的な視点について説明します。

• 転倒予防: 転倒は、高齢者にとって大きなリスクです。以下の対策を行い、転倒を予防しましょう。
• 環境整備: 部屋の段差をなくし、手すりを設置するなど、安全な環境を整えましょう。
• リハビリテーション: 筋力やバランス能力を維持・向上させるためのリハビリテーションを行いましょう。
• 薬の見直し: 服用している薬の中に、ふらつきや眠気を誘うものがないか、医師に相談しましょう。
• 情報共有の徹底: 施設スタッフや、医療機関との情報共有を密にし、常に最新の情報を把握しましょう。
• 心の準備: 認知症は進行性の疾患であり、症状が悪化することもあります。今後の変化に対応できるよう、心の準備をしておきましょう。

長期的な視点を持つことで、将来的なリスクに備え、より安定した介護生活を送ることができます。

8. まとめ

今回のケースでは、認知症のお母様の怪我に対する対応について、様々な視点からアドバイスをしました。以下に、重要なポイントをまとめます。

• 病院受診の判断基準: 痛みの持続、新たな症状、既往歴との関連、本人の訴えなどを総合的に判断し、受診を検討しましょう。
• 情報伝達の工夫: 詳細なメモの作成、動画や写真の活用、第三者の同伴など、医師に正確な情報を伝えるための工夫を行いましょう。
• 専門家との連携: かかりつけ医、地域包括支援センター、ケアマネージャーなど、専門家と連携し、サポート体制を構築しましょう。
• 介護保険サービスの活用: 訪問看護、訪問リハビリ、ショートステイなど、介護保険サービスを積極的に活用しましょう。
• 精神的なサポートとセルフケア: 相談できる相手を持ち、休息時間を確保し、趣味や気分転換など、ご自身の心身の健康を保ちましょう。

今回の情報が、少しでもお役に立てれば幸いです。お母様と、ご家族の皆様が、穏やかな日々を過ごせることを心から願っています。

“`