特養ナースの疑問を解決!誤嚥性肺炎患者の食事体位、本当にこれでいいの?
特養ナースの疑問を解決!誤嚥性肺炎患者の食事体位、本当にこれでいいの?
この記事では、特養で働く看護師さんが抱える、誤嚥性肺炎患者の食事体位に関する疑問について、専門的な視点から分かりやすく解説します。看護の基礎知識と、新しい介護方法の間で揺れ動くあなたの悩みに寄り添い、根拠に基づいた判断ができるようにサポートします。
先日、誤嚥性肺炎で入院していた方が退院されました。病院から出されたサマリーのような書類に、食事の際の体位として、ベッドギャッジアップ30°、頸部前屈姿勢にて…と書かれてありました。
ちなみにその方は特に安静度はなくギャッジアップ制限はされてない方です。
私はギャッジアップの角度があまりにもおかしいと思いミスプリでは?と指摘しましたが、他のナースは「でも、PTが出した書面だよ?」…と言います。
介護士にもその情報を伝えたため、『食事中の一番誤嚥しにくい体位』と認識されており、他利用者においても実施されています。
これは間違いではないのでしょうか?
私は常に自分が根拠に基づいて行動しているつもりなのでそれを信じるとやはり間違っているとしか思えません。
それとも新しく介護の仕方が変わったりしたのでしょうか?
皆さんのご意見お聞かせ下さい!
補足文章が分かりにくくてすみません。私が信じていること…とは、看護学生時代から勉強してきた看護の基礎の事です。決して偉そうな事を言ったつもりはありませんが、私のおごりのように聞こえたようでしたらすみません。
誤嚥性肺炎と食事体位:基礎知識のおさらい
誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液が誤って気管に入り、肺で炎症を引き起こす病気です。高齢者や嚥下機能が低下している方は特にリスクが高く、適切な食事体位は誤嚥を予防するために非常に重要です。看護師として、この問題に真剣に向き合うあなたの姿勢は素晴らしいです。
まず、基本的な知識として、食事体位の目的は以下の通りです。
- 気道の確保: 食道への入り口を確保し、食べ物が気管に入りにくくする。
- 嚥下運動の促進: 食物をスムーズに飲み込めるようにする。
- 重力の利用: 食物が食道へ流れやすくする。
一般的に、食事の際は、以下の体位が推奨されます。
- 座位またはギャッジアップ: 45~90度程度。
- 頸部前屈: 顎を軽く引く。
これらの体位は、気道を確保し、嚥下を助けるために有効です。しかし、個々の患者さんの状態や、PT(理学療法士)の指示によっては、異なる体位が指示されることもあります。
問題の核心:ギャッジアップ30°と頸部前屈の妥当性
ご相談のケースでは、ギャッジアップ30°と頸部前屈という指示が出ています。この体位について、なぜ疑問を感じるのか、詳しく見ていきましょう。
ギャッジアップ30°について:
一般的に、ギャッジアップ30°では、重力の影響が弱く、誤嚥のリスクが高まる可能性があります。理想的には、45~90度程度が推奨されます。ただし、30°という角度が誤っていると一概には言えません。PTの指示であるという点が重要です。PTは、患者さんの状態を詳細に評価し、最適な体位を決定します。もしかしたら、30°という角度には、何らかの根拠があるのかもしれません。
頸部前屈について:
頸部前屈は、嚥下を助けるために有効な体位です。顎を引くことで、気管が閉鎖しやすくなり、食道への入り口が開きやすくなります。この点に関しては、問題ないと考えられます。
疑問を解消するためのステップ:
- PTへの確認: なぜ30°という角度なのか、その根拠を確認しましょう。患者さんの状態や、嚥下機能評価の結果など、具体的な理由を聞くことが重要です。
- 情報共有: 介護士や他の看護師と、PTからの情報を共有し、理解を深めましょう。
- 観察: 食事中の患者さんの様子を観察し、誤嚥の兆候がないか確認しましょう。咳き込み、むせ込み、呼吸状態の変化などに注意が必要です。
- 記録: 食事体位、食事内容、患者さんの状態などを記録し、継続的に評価しましょう。
なぜ疑問を感じるのか?あなたの感情に寄り添う
あなたは、看護学生時代から学んできた基礎知識と、現在の指示との間に矛盾を感じ、混乱していることと思います。自分の知識を信じたいけれど、他の専門家の指示に従わなければならないというジレンマ、そして、それが患者さんの健康に影響を与えるかもしれないという不安。そのお気持ち、とてもよく分かります。
看護師は、患者さんの命を預かる責任重大な仕事です。自分の知識や経験に基づいて行動することは、非常に大切です。しかし、医療は常に進化しており、新しい知見や治療法が登場します。時には、自分の知識をアップデートし、他の専門家の意見も参考にしながら、最善のケアを提供することが求められます。
今回のケースでは、PTの指示の根拠を理解し、患者さんの状態を観察することで、あなたの不安を解消し、自信を持ってケアに臨むことができるはずです。
具体的な行動プラン:疑問を解決し、自信を持ってケアするために
ここからは、あなたが抱える疑問を解決し、自信を持ってケアを提供するための具体的な行動プランを提案します。
- PTとのコミュニケーション:
- PTに、30°という角度の根拠を尋ねましょう。
- 患者さんの嚥下機能評価の結果や、その他の関連情報を共有してもらいましょう。
- 疑問点や不安な点を遠慮なく質問しましょう。
- チーム内での情報共有:
- PTから得た情報を、介護士や他の看護師と共有しましょう。
- 患者さんの食事体位に関する共通認識を深めましょう。
- 疑問点や意見交換を行い、チーム全体で患者さんのケアに取り組む姿勢を示しましょう。
- 患者さんの観察:
- 食事中の患者さんの様子を注意深く観察しましょう。
- 誤嚥の兆候(咳き込み、むせ込み、呼吸状態の変化など)がないか確認しましょう。
- 食事内容や速度、摂取量なども記録しましょう。
- 必要に応じて、食事介助の方法を見直しましょう。
- 記録と評価:
- 食事体位、食事内容、患者さんの状態などを詳細に記録しましょう。
- 記録に基づいて、定期的に患者さんの状態を評価しましょう。
- 必要に応じて、PTや医師に相談し、ケアプランを見直しましょう。
- 自己学習:
- 嚥下に関する最新の情報を収集しましょう。
- 関連する研修やセミナーに参加しましょう。
- 専門書や論文を読んで、知識を深めましょう。
もしも誤嚥が起きてしまったら?緊急時の対応
万が一、食事中に誤嚥が起きてしまった場合の対応についても、確認しておきましょう。迅速かつ適切な対応が、患者さんの命を守るために不可欠です。
- 異物の除去:
- 患者さんの意識レベルを確認しましょう。
- 意識があれば、咳を促し、自力での喀出を促しましょう。
- 意識がない場合は、背部叩打や腹部突き上げ法(ハイムリック法)を試みましょう。
- 呼吸の確認:
- 呼吸の状態を確認し、呼吸困難があれば、酸素投与などの処置を行いましょう。
- 必要に応じて、救急車を呼びましょう。
- バイタルサインのチェック:
- 血圧、脈拍、SpO2などを測定し、状態を把握しましょう。
- 医師への報告:
- 状況を速やかに医師に報告し、指示を仰ぎましょう。
まとめ:あなたの疑問を解決し、より良いケアのために
今回のケースでは、PTの指示と、あなたの知識との間にギャップがあり、戸惑いを感じるのは当然のことです。しかし、PTとのコミュニケーション、チーム内での情報共有、患者さんの観察、記録と評価、自己学習を通して、そのギャップを埋め、より良いケアを提供することができます。
看護師として、常に学び続け、患者さんのために最善を尽くすあなたの姿勢は、非常に素晴らしいものです。今回の経験を活かし、さらに成長し、患者さんにとって頼れる存在であり続けてください。
もし、今回の件でさらに不安なことや、他の悩みが出てきた場合は、一人で抱え込まず、同僚や上司、専門家に相談してください。そして、あなたのキャリアをより良いものにするために、ぜひwovieをご活用ください。
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