70代母の認知症介護、父との共倒れを防ぐには？介護サービス拒否への対応と適切なケア

認知症介護について 70代前半の母、診断は受けていませんがおそらく認知症です。一昨年、大怪我による入院、手術をきっかけに認知機能が低下しました。その前から怪しいと思うことがあり病院を受診、検査を受けたことがあるのですが、検査結果は正常でした。 現在、怪我をしたことで要介護になり父と2人暮らしです。寝たきりではなくゆっくり家の中を歩くことはできます。認知症の症状なのかすっかり保守的、閉鎖的になり、介護サービスは全て拒否。体調不安により外出もしたがりません。思い込みやこだわりが強く、しょっちゅう父に八つ当たりをしているそうです。数ヶ月に一度爆発し、暴れたり物を投げることもあります。元々パニック障害もちで10年以上前からメンタルクリニックに通院、現在も抗不安薬を飲んでいて薬の調整をしてもらっているのですが、あまり効果は見られないようです。 困っているのが同居の父がほとんど介護をしているので、父が共倒れにならないかということと、ずっと家にいることで体力の低下や認知機能の低下のスピードがますます速くなるのではということです。 担当ケアマネはいますが介護認定がおりた時、今のところ必要な介護サービスはないと父が話してその後ケアマネとの連絡はとっていないようです。母が介護サービスを拒否していたとしても現状の報告、相談くらいはした方が良いと父に話したのですが、連絡するつもりだと言いながらなかなか行動にうつしません。 そもそも母が強く介護サービスを拒否している限り、ケアマネ側も何もできないのでしょうか？また、母は外出をしたり人と会うと心身共にとても疲れてしまう状態なのですが、 そのような場合、デイサービスなどに行っても逆効果になるだけなのでしょうか？

このQ&Aは、70代前半の母親が認知症の可能性があり、介護を担う父親の負担が大きく、共倒れの危機に瀕しているご家庭の状況を扱っています。 本記事では、認知症介護におけるご家族の葛藤、特に介護サービスの拒否への対応、そしてご本人にとって負担にならない適切なケアの選択方法について、具体的な解決策を提示していきます。 高齢者の介護、特に認知症介護は、ご本人だけでなく、ご家族にも大きな負担がかかるため、早期からの適切な対応が非常に重要です。 この記事を通して、ご家族の負担軽減と、ご本人のQOL（生活の質）向上に繋がるヒントを見つけていただければ幸いです。

1. 認知症の可能性と現状の把握

まず、お母様の状態を正確に把握することが重要です。診断は受けていませんが、認知機能の低下、保守的・閉鎖的な性格の変化、思い込みやこだわり、感情の爆発など、認知症の症状が複数見られます。 検査結果が正常だったとしても、認知症は早期発見が難しい病気です。 改めて、信頼できる医療機関を受診し、認知機能検査などを受けることを強くお勧めします。 専門医による診断に基づいて、適切な治療やケアプランを立てることが、今後の介護をスムーズに進める上で不可欠です。

同時に、お父様の負担についても詳しく聞き取りましょう。介護の内容、時間、頻度、そして精神的な負担についても具体的に把握することで、適切な支援策を検討できます。 介護疲れによる健康被害を防ぐためにも、お父様の健康状態のチェックも必要です。

2. 介護サービス拒否への対応

お母様が介護サービスを拒否されていることは大きな課題です。しかし、ケアマネージャーとの連絡を絶っている状態は、状況を悪化させる可能性があります。 ケアマネージャーは、介護サービスの提供だけでなく、ご家族への相談支援、情報提供、そして介護計画の作成など、多様な役割を担っています。 お父様に、ケアマネージャーとの連絡を再開するよう説得を試みましょう。

直接的な説得が難しい場合は、お母様の状況を丁寧に説明し、ケアマネージャーに相談することで、お母様に合った介護サービスを見つけられる可能性があることを伝えましょう。 例えば、「お母さんの負担を減らすために、色々な方法を試してみよう」といった共感的なアプローチが有効です。 また、ケアマネージャーに、お母様の拒否反応への対応策を相談することも重要です。

介護サービスを拒否する理由を理解することも重要です。 不安や恐怖、プライバシーの侵害といった、お母様の気持ちを汲み取る必要があります。 例えば、訪問介護であれば、訪問する時間や担当者を事前に選べたり、訪問前に電話連絡をしてもらったりするなど、お母様の不安を軽減する工夫ができます。 デイサービスであれば、体験利用を検討し、施設の雰囲気やスタッフとの相性などを確認することも有効です。

3. 適切な介護サービスの選択

お母様の状態やご家族の状況を踏まえ、適切な介護サービスを選択することが重要です。 デイサービスは、日中の生活の場を提供し、社会参加の機会を増やす効果があります。 しかし、お母様のように外出や人との交流に疲れてしまう場合は、無理強いせず、まずは自宅での介護を継続し、徐々に慣れさせていくことが大切です。 無理強いすると、かえって症状が悪化したり、介護者の負担が増えたりする可能性があります。

他の選択肢としては、以下のようなものがあります。

• 訪問介護：自宅にヘルパーが訪問し、身体介護や家事援助を行います。お母様のペースに合わせて利用できます。
• ショートステイ：一時的に施設に入所し、介護者の負担を軽減します。 数日間から利用可能です。
• 居宅介護支援：ケアマネージャーが、介護サービス計画の作成や調整を行います。 ご家族の相談相手としても重要な役割を果たします。
• 福祉用具貸与：車椅子や歩行器など、介護に必要な用具を貸与してもらえます。

これらのサービスを組み合わせることで、お母様の状態に合わせた柔軟な介護が可能になります。 ケアマネージャーと相談しながら、最適なプランを検討しましょう。

4. ご家族の支援

お父様は、お母様の介護に加え、自身の健康管理も大切です。 介護疲れによる健康被害を防ぐため、定期的な健康診断や休息の時間を確保するよう促しましょう。 また、地域包括支援センターや介護支援専門員などの専門機関に相談し、介護者支援サービスの利用も検討しましょう。 介護休暇制度や介護保険制度なども活用することで、負担を軽減できます。 ご家族だけで抱え込まず、周囲の支援を積極的に活用することが重要です。

5. 専門家への相談

認知症介護は、専門的な知識と経験が必要な分野です。 ご自身で解決できない問題や不安を感じた場合は、ためらわずに専門家に相談しましょう。 医療機関、ケアマネージャー、地域包括支援センター、介護相談窓口など、様々な相談窓口があります。 専門家のアドバイスを受けることで、適切な対応策を見つけ、ご家族の負担を軽減し、お母様の生活の質を向上させることができます。

6. まとめ

70代前半の母親の認知症介護、そして父親の負担軽減という複雑な問題に対し、この記事では、医療機関への受診、ケアマネージャーとの連携強化、適切な介護サービスの選択、そしてご家族への支援の重要性を解説しました。 お母様の状態を正確に把握し、ご家族の負担を軽減しながら、お母様のQOLを向上させるためには、専門家との連携が不可欠です。 ご家族だけで抱え込まず、積極的に相談し、サポートを受けながら、一歩ずつ解決に向けて進んでいきましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療的なアドバイスではありません。具体的な対応については、必ず専門家にご相談ください。