高齢者の介護と認知症対策：家族が出来ること、施設との連携、そして未来への備え

介護関係に詳し方、介護をしている家族の方に質問です。義父は現在、施設に入居しています。認知症があります。もう８５歳なので、本人の好きなように生活させたいと思っています。ただ面会した時に、義父と一緒に廊下を歩いたり、椅子に座って軽い運動をします。足をあげたり、指を動かしたり。褒めると喜んで同じことをする義父です。そして日付のクイズや、簡単なゲームをします（地名当てクイズとか）。何をしても認知症は進むでしょうし、いずれ寝たきりになるかもしれません。でも少しでも体を維持できるように・・と思っています。介護する側としては、他に何か気を付けたほうが良いことや、やっておいたほうがいいことはありますか？実践していることがあれば教えてください。

この記事では、85歳で認知症を患う義父を施設に入居させながら介護をされている相談者の方に向けて、高齢者の介護、特に認知症対策について、具体的な方法と施設との連携、そして将来を見据えた備えについて解説します。 単なる介護のテクニックにとどまらず、ご家族の精神的なケアや、将来に備えた計画についても触れていきます。

1. 現在の取り組みをさらに深掘りする：認知症ケアの基礎

現在、相談者の方は義父さんと一緒に軽い運動や認知機能訓練ゲームを行っており、これは非常に素晴らしい取り組みです。褒めることで意欲を高めるという方法も効果的です。 しかし、認知症の進行を完全に止めることはできません。大切なのは、義父さんのQOL（生活の質）を可能な限り高め、穏やかな日々を送れるようにサポートすることです。

• 運動療法の継続と多様化： 廊下を歩く、足を上げる、指を動かすといった運動は、身体機能の維持に役立ちます。しかし、単調にならないよう、多様な運動を取り入れることが重要です。例えば、音楽に合わせて手足を動かす、簡単な体操、ボールを使った遊びなど、義父さんが楽しめるものを探してみましょう。 専門の理学療法士に相談し、個々の状態に合わせた運動プログラムを作成してもらうのも有効です。
• 認知機能訓練の充実： 地名当てクイズなどの認知機能訓練も継続しましょう。 しかし、難易度を調整することが重要です。簡単すぎると効果が薄く、難しすぎると挫折感を与えてしまいます。 義父さんの能力に合わせて、徐々に難易度を上げていくことが大切です。 また、クイズだけでなく、絵を描く、歌を歌う、昔話をするなど、多様な認知機能訓練を取り入れると効果的です。 施設の職員と連携し、適切な訓練プログラムを検討しましょう。
• 感情表現の尊重と共感： 認知症の方は、感情の揺れが大きくなることがあります。 義父さんの感情を否定せず、共感することが大切です。 怒ったり、悲しんだりする時は、その気持ちを理解しようと努め、落ち着いて対応しましょう。 感情表現を促すような声かけや、穏やかな雰囲気を作ることも重要です。 例えば、「今日は少し疲れているみたいだね」など、共感の言葉を添えることで、義父さんの気持ちを落ち着かせることができます。

2. 施設との連携：専門家の力を借りる

施設に入居されているということは、専門家のサポートを受けられる環境にあります。 積極的に施設のスタッフと連携し、義父さんの状態を共有し、適切なケアについて相談しましょう。

• ケアプランの見直し： 義父さんの状態に合わせて、定期的にケアプランを見直してもらいましょう。 運動療法や認知機能訓練の内容、頻度などを調整することで、より効果的なケアを実現できます。 施設の担当者と定期的な面談を行い、具体的な課題や改善点について話し合う時間を取りましょう。
• 専門職への相談： 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など、様々な専門職が施設にいます。 彼らの専門知識を借り、義父さんに合った運動プログラムや訓練方法を検討しましょう。 また、介護に関する悩みや不安についても相談することで、より良い介護を実現できます。
• 記録の共有： 自宅での様子や、面会時の様子などを記録し、施設のスタッフと共有することで、より効果的なケアにつながります。 記録には、義父さんの反応や変化、良かった点、改善点などを具体的に書き留めましょう。

3. 将来を見据えた準備：介護の長期的な展望

認知症は進行性の病気です。 将来、義父さんの状態が悪化し、より高度な介護が必要になる可能性も考慮しておく必要があります。

• 経済的な準備： 介護費用は高額になる可能性があります。 介護保険制度の利用はもちろんのこと、将来の介護費用に備えて、経済的な準備をしておきましょう。 公的支援制度や民間の介護保険などを検討し、適切なプランを選びましょう。
• 介護サービスの検討： 将来、在宅介護が必要になった場合、どのような介護サービスを利用するかを検討しておきましょう。 訪問介護、デイサービス、ショートステイなど、様々なサービスがあります。 それぞれのサービスの特徴を理解し、義父さんの状態に合ったサービスを選びましょう。 事前に複数のサービス事業所に見学に行くことをお勧めします。
• 家族間の連携： 介護は、ご家族全体で取り組むものです。 家族間で役割分担を決め、協力体制を築くことが大切です。 定期的に家族会議を開き、現状の共有や課題の解決、今後の計画などを話し合いましょう。 介護負担を軽減するためにも、家族間のコミュニケーションを密にすることが重要です。

4. 具体的な実践例：成功事例から学ぶ

あるご家族は、認知症の母親のために、写真や思い出の品を使った「思い出アルバム」を作成しました。 アルバムを見ながら、昔話をすることで、母親の記憶を呼び起こし、笑顔を引き出すことに成功しました。 また、音楽療法を取り入れ、母親が若い頃に好きだった曲を流すことで、穏やかな時間を過ごすことができました。 このように、個々の状況に合わせた工夫が、介護の質を高めます。

5. まとめ：あなた自身のケアも忘れずに

介護は、肉体的にも精神的にも大きな負担がかかります。 相談者の方自身も、定期的に休息を取り、ストレスをため込まないようにしましょう。 友人や家族に相談したり、趣味の時間を作ったり、気分転換をすることも大切です。 介護はマラソンです。 息切れせず、長く続けられるように、ご自身のケアも忘れずに取り組んでください。