サービス付き高齢者住宅からの引っ越し：後悔しないための施設選びと注意点

この記事では、サービス付き高齢者住宅（サ高住）から、より手厚い介護が必要になったご家族のための施設選びについて、具体的な情報と注意点を提供します。特に、認知症が進み、24時間体制の介護を必要とする高齢者の施設選びに焦点を当て、後悔しないためのポイントを解説します。施設の種類、引っ越し前の準備、そして安心して入居できる施設の探し方について、詳しく見ていきましょう。

経験のある方、どうか教えてください。九十歳の義理の母のことです。ただいまサービス付き高齢者住宅に住んでおります。痴呆が進み、今の住宅では対応できなくなってきております。今のところは24時間体制では見てもらえないので、やはり24時間体制の施設を非常に望んでおります。サービス付き高齢者住宅から看取りのある最後の最後まで見ていただける老人ホームなり、色々な施設があると思うんですが、そういうところへ引っ越した方、それから引っ越す前に注意するべきこととか分かる方、経験のある方教えてください。よろしくお願いいたします。非常にたくさんの選択肢がありすぎて悩んでおります。これが最後の引っ越しと思っております。間違いのない安心できる所を探してあげたいです。よろしくお願いいたします。

1. 施設の種類を理解する

高齢者向けの施設は多岐にわたります。それぞれの特徴を理解し、ご自身の状況に最適な施設を選ぶことが重要です。

• 特別養護老人ホーム（特養）： 介護度が重度の方を対象とし、24時間体制で介護・生活支援を提供します。費用は比較的安価ですが、入居待機期間が長い傾向があります。
• 介護老人保健施設（老健）： 病院と自宅の中間に位置し、リハビリテーションを中心とした介護サービスを提供します。在宅復帰を目指す方が多く利用します。
• 介護付き有料老人ホーム： 24時間体制の介護サービスを提供し、食事や生活支援も受けられます。サービス内容や費用は施設によって大きく異なります。
• 住宅型有料老人ホーム： 介護が必要な場合は、外部の訪問介護サービスなどを利用します。自立した生活を送れる方を対象としています。
• グループホーム： 認知症の方を対象とし、少人数で共同生活を送ります。家庭的な雰囲気の中で、認知症ケアを受けられます。
• サービス付き高齢者向け住宅（サ高住）： 安否確認や生活相談サービスを提供し、必要に応じて介護サービスを利用できます。自立した高齢者向けの住まいです。

今回のケースでは、24時間体制の介護が必要であり、看取りまで対応してくれる施設を探しているため、特別養護老人ホーム、介護付き有料老人ホーム、または看取り対応の介護施設が主な選択肢となります。

2. 施設選びのチェックリスト

施設を選ぶ際には、以下のチェックリストを参考に、ご自身の希望に合った施設を選びましょう。

1. 介護体制：
   • 24時間体制の看護師または介護士の配置があるか
   • 夜間の対応体制はどうか（緊急時の対応、夜間帯のスタッフ配置など）
   • 医療連携（協力医療機関、往診体制など）
2. 看取りケア：
   • 看取りケアの経験や実績があるか
   • 看取りに関する方針や、ご家族との連携体制
   • ターミナルケア（終末期医療）の提供
3. 施設の環境：
   • 居室の広さ、設備（トイレ、洗面台、収納など）
   • 共用スペース（食堂、談話室、レクリエーションスペースなど）
   • バリアフリー設計（段差の有無、手すりの設置など）
4. 費用：
   • 入居金、月額利用料の内訳
   • 介護保険の自己負担額
   • その他費用（医療費、おむつ代、理美容代など）
5. サービス内容：
   • 食事の提供（献立、食事形態など）
   • 入浴サービス
   • レクリエーションやイベントの有無
   • リハビリテーションの有無
6. スタッフ：
   • スタッフの資格、経験
   • 入居者とのコミュニケーション
   • 研修制度
7. その他：
   • 施設の雰囲気
   • 入居者の様子
   • ご家族の面会に関するルール

3. 事前の情報収集と準備

施設を選ぶ前に、以下の準備を行いましょう。

• 情報収集：
  • インターネット検索、パンフレット請求
  • 地域の相談窓口（地域包括支援センター、ケアマネジャーなど）への相談
  • 施設見学
• ご本人の意向確認：
  • 可能な範囲で、ご本人の希望を聞き、尊重する
  • 本人が施設生活に不安を感じていないか確認する
• 医療情報と介護情報の整理：
  • 現在の病状、既往歴、服薬状況
  • 介護保険の情報（要介護度、利用中のサービスなど）
  • かかりつけ医との連携
• 資金計画：
  • 入居費用、月額費用を明確にする
  • 必要な資金を準備する（預貯金、年金、資産など）
• 引っ越し準備：
  • 持ち物の整理
  • 転居先の住所変更手続き
  • 関係各所への連絡（役所、銀行、保険会社など）

4. 施設見学のポイント

施設見学は、施設選びにおいて非常に重要なステップです。以下の点に注目して見学を行いましょう。

• 施設の雰囲気：
  • 清潔感、明るさ、匂い
  • 入居者の表情、スタッフの対応
  • 静かさ、騒がしさ
• スタッフの対応：
  • 入居者への声かけ、接し方
  • 質問への回答、説明の丁寧さ
  • スタッフの数、配置
• 設備：
  • 居室の広さ、設備
  • 共用スペースの利用状況
  • バリアフリー設計
• サービス内容：
  • 食事の提供、食事形態
  • レクリエーション、イベント
  • リハビリテーション
• 入居者とのコミュニケーション：
  • 入居者と話す機会を作る
  • 入居者の満足度、生活の様子を聞く

5. 契約前の確認事項

契約前には、以下の点を必ず確認しましょう。

• 契約内容：
  • 契約期間
  • サービス内容
  • 費用
  • 解約に関する規定
• 重要事項説明書：
  • 施設の運営方針
  • サービス内容の詳細
  • 費用に関する詳細
  • リスクに関する説明
• 疑問点の解消：
  • 不明な点は、事前に質問し、納得いくまで説明を受ける
  • 契約書の内容を理解し、不明な点は確認する
• 家族の同意：
  • ご家族全員で話し合い、合意を得る
  • ご本人の意向を尊重する

6. 引っ越し後のサポート

引っ越し後も、ご家族としてできるサポートがあります。

• 定期的な面会：
  • ご本人の様子を確認する
  • 施設とのコミュニケーションを図る
• 情報共有：
  • ご本人の体調や変化を施設に伝える
  • 施設の情報を家族間で共有する
• 問題解決：
  • 困ったことがあれば、施設に相談する
  • 必要に応じて、ケアマネジャーや専門家に相談する
• ご本人の心のケア：
  • 話を聞き、寄り添う
  • 安心感を与える

今回のケースでは、ご本人の認知症が進み、24時間体制の介護が必要であるため、特別養護老人ホーム、介護付き有料老人ホーム、または看取り対応の介護施設が主な選択肢となります。これらの施設は、24時間体制の介護、医療ケア、食事、生活支援を提供し、看取りまで対応してくれる場合があります。施設選びの際には、上記のチェックリストを参考に、ご本人の状態や希望に合った施設を選びましょう。

また、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談し、情報収集や施設選びのサポートを受けることも重要です。ご本人のこれからの生活が、安心で穏やかなものとなるよう、最善の選択をしてください。

7. 成功事例

ここでは、実際に施設を変わって、より良い環境で生活を送れるようになった方の事例を紹介します。

事例1：Aさんの場合

Aさんは、認知症の義母がサービス付き高齢者住宅での生活が困難になり、24時間体制の介護が必要となりました。ご家族は、様々な施設を見学し、義母の希望も聞きながら、看取りまで対応してくれる介護付き有料老人ホームを選びました。施設では、認知症ケアの専門スタッフが、義母の心身の状態に合わせたケアを提供し、穏やかな生活を送ることができました。Aさんは、定期的に面会に行き、義母との時間を大切に過ごしました。義母は、最期までその施設で過ごし、家族に見守られながら安らかに旅立ちました。

事例2：Bさんの場合

Bさんは、90代のお母様がサービス付き高齢者住宅で生活していましたが、認知症が進み、より手厚い介護が必要となりました。Bさんは、地域包括支援センターのケアマネジャーに相談し、特別養護老人ホームへの入居を検討しました。待機期間がありましたが、その間、自宅での生活をサポートする訪問介護サービスなどを利用しました。特別養護老人ホームに入居後、お母様は、24時間体制の介護と、レクリエーションなどの活動を通して、穏やかな日々を送ることができました。Bさんは、定期的に面会に行き、お母様の笑顔を見るたびに、施設を選んで良かったと感じています。

8. 専門家からのアドバイス

施設選びは、ご本人とご家族にとって、非常に重要な決断です。専門家であるケアマネジャーや、施設の相談員からのアドバイスも参考にしましょう。

• ケアマネジャー：
  • ご本人の状況を把握し、適切な施設を紹介してくれる
  • 施設見学に同行し、アドバイスをしてくれる
  • 入居後のサポートをしてくれる
• 施設の相談員：
  • 施設の詳細な情報を提供してくれる
  • 入居に関する相談に乗ってくれる
  • 入居後の生活について説明してくれる

専門家のアドバイスを受けることで、より客観的な視点から、施設選びを行うことができます。また、入居後のサポートについても、相談することができます。

9. まとめ

サービス付き高齢者住宅から、より手厚い介護が必要になったご家族のための施設選びは、多くの選択肢があり、悩むことも多いでしょう。しかし、ご本人の状態や希望をしっかりと把握し、情報収集と準備を丁寧に行うことで、後悔のない施設選びができます。施設の種類を理解し、チェックリストを参考に、施設見学を行い、契約前に確認事項を済ませることで、安心して入居できる施設を見つけることができます。そして、引っ越し後も、ご家族としてできるサポートを行い、ご本人の穏やかな生活を支えましょう。

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