医療現場の疑問を徹底解説！違法行為の見分け方と、あなたを守るための法的知識

この記事では、医療現場で働く方々が直面する可能性のある違法行為について、具体的な事例を基に法的知識を解説します。特に、医療事務や看護師、その他の医療従事者の方々が、自身の職務において「これはおかしい」と感じたときに、どのように対応すべきか、法的根拠に基づきながら分かりやすく説明します。

医療の違反行為についてご教授願います。

都内某所診療所に務めておりました。当初正社員で働くつもりでおりましたが、業務内容に疑問が生じ体調不良を機に辞めました。

あとから自分なりに調べたのですが、違法診療と思われることが浮き彫りとなりました。

そこで、以下に挙げます内容は医療法などの法律のどの部分で違反となっているかお詳しい方、ご教授願えれば幸いです。

A-1.薬剤師不在で院内処方を行っている。

A-２.医師不在の時間にお薬だけほしいとの患者の要望に対し、その旨を医師に電話で伝え薬のピッキングと一包化を事務員が行い投薬。

A-3.事務員が薬の配達

B-1.診療中、医師の下でパート員が赤外線照射を行っている。

B-2.医師不在時間、リハビリ治療（赤外線照射）を事務員（パート員）が行っている。

B-3.忙しい理由で赤外線照射を患者自身で行わせている。

C-1.注射薬剤注入を医師と看護師の指導の下、事務員が行っている。

C-2.注射薬剤注入を医師と看護師共に不在で事務員が行っている。

C-3.注射の抜針

医師法、医療法、薬事法などで定められている規則を知りたく思います。どうぞ宜しくお願い致します。

今回の相談は、医療現場で働く方々が直面する可能性のある、違法行為に関するものです。医療現場では、医師、看護師、薬剤師、医療事務など、様々な職種の方々が連携して患者さんの治療にあたっています。しかし、人手不足や業務の効率化を理由に、法的に問題のある行為が行われるケースも少なくありません。この記事では、具体的な事例を挙げながら、それぞれの行為がどのような法律に違反しているのか、分かりやすく解説していきます。また、万が一、違法行為に遭遇した場合の対処法についても触れていきます。

薬剤師不在での院内処方と事務員の業務範囲

まずは、薬剤師が不在の状況下での院内処方、事務員の業務範囲について見ていきましょう。これは、医療現場でよく見られる問題の一つです。

A-1. 薬剤師不在で院内処方を行っている。

これは、薬事法に違反する可能性があります。薬局は、薬剤師が常駐し、医薬品の調剤、供給、管理を行う場所です。薬剤師が不在の状況で院内処方を行うことは、医薬品の品質管理や安全性の確保という観点から問題があります。薬剤師法では、薬剤師は薬局において、医薬品の調剤、供給、その他薬事に関する業務を行うことが義務付けられています。薬剤師がいない状況での院内処方は、これらの義務を怠ることになり、患者さんの健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

A-２. 医師不在の時間にお薬だけほしいとの患者の要望に対し、その旨を医師に電話で伝え薬のピッキングと一包化を事務員が行い投薬。

この行為も、薬事法違反の可能性があります。医師が処方箋を発行し、薬剤師が調剤を行うことが原則です。医師の指示があったとしても、薬剤師以外の者が薬のピッキングや一包化を行うことは、薬事法で定められた業務範囲を超えています。事務員が薬を扱うことは、医薬品の専門知識がない者が行うことで、誤った薬の選択や量の過不足、アレルギー情報の見落としなど、患者さんの健康を害するリスクを高めます。

A-3. 事務員が薬の配達

薬事法では、医薬品の販売や授与は、原則として薬剤師または登録販売者によって行われるべきと定められています。事務員が薬を配達することは、この原則に反する可能性があります。特に、患者さんの自宅に薬を配達する場合、薬の保管方法や使用方法について適切な説明が行われないまま薬が渡される可能性があり、患者さんの自己管理能力によっては、重大な健康被害につながるリスクがあります。

医療行為と医師・医療従事者の役割

次に、医師や医療従事者の役割と、それ以外の者が行うことのできる行為の範囲について解説します。

B-1. 診療中、医師の下でパート員が赤外線照射を行っている。

赤外線照射自体は、医療行為に該当する可能性があります。医師の指示の下で、パート員が赤外線照射を行うこと自体は、直ちに違法とは言えません。しかし、パート員が赤外線照射の適切な知識や技術を持っていない場合、火傷などの事故につながるリスクがあります。医師は、パート員に対して適切な指導・監督を行う義務があります。もし、指導・監督が不十分な場合、医師は医療法違反に問われる可能性があります。

B-2. 医師不在時間、リハビリ治療（赤外線照射）を事務員（パート員）が行っている。

医師が不在の時間に、事務員やパート員が赤外線照射を行うことは、医師法違反の可能性があります。医師は、患者さんの病状を診断し、治療方針を決定する役割を担っています。医師が不在の状況で、医療行為に該当する赤外線照射を行うことは、無資格者による医療行為とみなされる可能性があります。これは、患者さんの健康を危険にさらす行為であり、厳しく罰せられます。

B-3. 忙しい理由で赤外線照射を患者自身で行わせている。

患者自身に赤外線照射を行わせることは、一概に違法とは言えませんが、注意が必要です。赤外線照射は、適切な知識と技術がないと、火傷などの事故につながる可能性があります。医師や看護師が、患者さんに対して、赤外線照射の方法や注意点について十分な説明を行い、安全に照射できる環境を整える必要があります。もし、説明が不十分であったり、患者さんが正しく照射できなかったりした場合、医療過誤として責任を問われる可能性があります。

注射行為と医療従事者の専門性

最後に、注射行為について見ていきましょう。注射は、医療行為の中でも専門性が高く、適切な知識と技術が求められます。

C-1. 注射薬剤注入を医師と看護師の指導の下、事務員が行っている。

注射は、医師または看護師が行うことが原則です。事務員が注射を行うことは、医師法違反の可能性があります。ただし、医師と看護師の指導の下であれば、事務員が注射を行うことが許される場合もあります。例えば、インスリン注射など、患者さんが自己注射を行うための指導を行う場合などです。しかし、事務員が注射を行うためには、十分な知識と技術、そして医師または看護師による適切な指導・監督が必要です。

C-2. 注射薬剤注入を医師と看護師共に不在で事務員が行っている。

医師と看護師が不在の状況で、事務員が注射を行うことは、明らかに医師法違反です。これは、無資格者による医療行為であり、患者さんの健康を危険にさらす行為です。このような行為は、厳しく罰せられます。

C-3. 注射の抜針

注射の抜針も、医療行為の一部です。医師または看護師が行うことが原則ですが、医師または看護師の指示の下であれば、他の医療従事者が行うことも可能です。ただし、抜針を行うためには、感染予防や止血などの適切な知識と技術が必要です。事務員が抜針を行うことは、医師法違反に該当する可能性があります。

違法行為に遭遇した場合の対応

もし、あなたが医療現場で違法行為に遭遇した場合、どのように対応すれば良いのでしょうか。以下に、具体的なステップを説明します。

1. 記録を残す: 違法行為を目撃した場合、日時、場所、内容などを詳細に記録しておきましょう。証拠となる写真や動画を記録することも有効です。
2. 上司や責任者に相談する: まずは、上司や院長など、職場の責任者に相談しましょう。改善を求めることが、第一のステップです。
3. 内部告発を検討する: 職場内で改善が見られない場合、内部告発を検討しましょう。医療機関によっては、内部告発窓口を設けている場合があります。
4. 外部機関への相談: 内部告発が難しい場合や、状況が改善しない場合は、外部機関に相談しましょう。
   • 保健所: 医療機関の運営に関する違反行為について相談できます。
   • 都道府県の医療安全相談窓口: 医療安全に関する相談を受け付けています。
   • 弁護士: 違法行為によって損害を被った場合、弁護士に相談し、法的措置を検討することもできます。
5. 退職も選択肢に: 違法行為が改善されない場合、あなたの心身に大きな負担がかかる可能性があります。状況によっては、退職することも選択肢の一つです。あなたの健康と安全を守ることが、最も大切です。

違法行為に遭遇した場合、一人で抱え込まず、信頼できる人に相談し、適切な対応をとることが重要です。あなたの勇気が、他の医療従事者や患者さんの安全を守ることにつながります。

医療現場のコンプライアンスを守るために

医療現場では、患者さんの安全を守るために、コンプライアンス（法令遵守）が非常に重要です。医療従事者一人ひとりが、法律や規則を理解し、遵守することが求められます。以下に、コンプライアンスを徹底するためのポイントをまとめます。

• 定期的な研修の受講: 医療に関する法律や規則は、改正されることがあります。定期的に研修を受講し、最新の情報を把握しましょう。
• 疑問点の解消: 業務中に疑問点が生じた場合は、放置せずに、上司や同僚、専門家に相談し、解決するようにしましょう。
• 情報共有: 医療現場では、チームワークが重要です。情報共有を密にし、問題が発生した場合は、速やかに対応しましょう。
• 内部監査の実施: 医療機関は、定期的に内部監査を実施し、コンプライアンス違反がないか確認しましょう。
• 相談しやすい環境作り: 医療機関は、従業員が安心して相談できる環境を整えましょう。内部告発窓口の設置なども有効です。

医療現場のコンプライアンスを守ることは、患者さんの安全を守るだけでなく、医療従事者の自己防衛にもつながります。正しい知識と行動が、あなたと患者さんの未来を守ります。

まとめ

この記事では、医療現場で起こりうる違法行為の事例を挙げ、それぞれの行為がどのような法律に違反するのかを解説しました。薬剤師不在での院内処方、事務員の業務範囲、医師や医療従事者の役割、注射行為など、様々なケースについて、具体的な法的根拠に基づいて説明しました。また、違法行為に遭遇した場合の対応や、コンプライアンスを徹底するためのポイントについても触れました。

医療現場で働く方々は、患者さんの健康と安全を守るために、日々努力を重ねています。しかし、人手不足や業務の効率化を理由に、違法行為が行われるケースも存在します。この記事が、医療従事者の皆様が、自身の職務において「これはおかしい」と感じたときに、正しい知識と行動で対応するための、一助となれば幸いです。そして、もしあなたが、医療現場でのキャリアについて悩んでいるなら、ぜひwovieのキャリアコンサルタントにご相談ください。あなたの経験やスキルを活かせる、最適な職場を見つけるお手伝いをさせていただきます。

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