父の脳卒中後のリハビリ病院での異変：専門家が教える、現状と今後のキャリアへの影響

この記事では、脳卒中後のリハビリテーションを受けている父親の容態が、転院を機に悪化したというご相談について、専門的な視点から解説します。リハビリ病院での状況が「普通」なのかという疑問から、栄養状態や感染症のリスク、そして今後のキャリアへの影響について、具体的なアドバイスを提供します。ご家族の不安を軽減し、適切な対応を取るための情報をお届けします。

リハビリ専門病院に入院してから、コロナで会えなかった父に久々に会って不審に感じた事があったので質問させて下さい。

父70が脳卒中で倒れ1ヶ月程入院し、左片麻痺があり提携されているリハビリ病院に転院しました。

転院1ヶ月後、39度の発熱。仙骨の床擦れが赤く腫れ上がり膿が溜まっている状態となり、切開し膿をだす手当をしたいと連絡があり了承しました。

翌日、細菌感染しており手当できる病院を探しますと連絡があり、焦ってる感じだったので(元の病院に戻してと伝え)救急車で運ばれました。

搬送先の病院へ呼ばれ、検査したら死に至るおそれがある壊死性筋膜炎を発症しているといわれました。

現在に至るのですが、まず、転院の前より悪くなっている点が気になります。

• 全然話せない（ここは意識朦朧としてたからかも）
• 体重14㌔減
• 車椅子に座る練習していると聞いていたのに、足はガリガリで、両足動かすことすらできない。
• 左手は浮腫んで、固まっている。
• 呼んで反応はするものの、横は見えてない感じ。

リハビリ病院での上記状態は、普通の事なのでしょうか？

普通の病院に1ヶ月いた時は床擦れもなし、栄養状態良好、右手右足動かせる、左手に浮腫なし、横も見えている、よく話す、言った事を理解している状態でした。

リハビリで回復していくと思っていましたが、真逆になっています。

ご飯をあまり食べないとは聞いていましたが、10キロ以上痩せる程何もしないものなのでしょうか？

床擦れも栄養状態が悪いとなりやすいと聞いてますが、食べないこちら側が、悪いのか何なのか…。

しかも致死率30%の細菌感染にもかかるとかもよくある事なのでしょうか？

脳卒中だとよくある状態なのか、詳しい方教えて下さい。

1. 転院後の容態悪化：何が起きているのか？

ご相談内容を拝見し、ご家族の深いご心配と不安を痛感いたします。脳卒中後のリハビリテーションは、患者さんの回復にとって非常に重要なプロセスですが、今回のケースでは転院を機に容態が悪化しているとのこと。この状況について、専門的な視点から詳しく解説していきます。

1-1. 転院前後の状態比較と、考えられる原因

まず、転院前と転院後の状態を比較してみましょう。転院前は、床擦れがなく、栄養状態も良好で、意識もはっきりしており、手足も動かせていたとのこと。しかし、転院後は、発熱、床擦れ、体重減少、四肢の機能低下、意識レベルの低下など、多くの点で悪化が見られます。これらの変化には、いくつかの原因が考えられます。

• 環境の変化によるストレス: 転院は、患者さんにとって大きな環境の変化であり、精神的なストレスを引き起こす可能性があります。新しい環境への適応に時間がかかり、食欲不振や体調不良につながることがあります。
• リハビリ内容とのミスマッチ: リハビリ病院によって、リハビリのプログラムや方針が異なります。転院前の病院でのリハビリが、患者さんの状態に合っていた場合、新しい病院でのリハビリが合わないことで、回復が妨げられることがあります。
• 医療体制の違い: 病院によって、看護師や医師の数、専門性、連携体制などが異なります。転院先の病院の医療体制が、患者さんの状態に十分に対応できていない場合、合併症のリスクが高まる可能性があります。
• 感染症のリスク: 病院は、様々な感染症のリスクが存在する場所です。特に、免疫力が低下している患者さんは、感染症にかかりやすく、重症化しやすい傾向があります。今回のケースでは、壊死性筋膜炎という重篤な感染症を発症しており、これは非常に深刻な問題です。

1-2. 床擦れと栄養状態の関係

床擦れは、長期間同じ体勢でいることによって、皮膚が圧迫され、血流が悪くなることで発生します。特に、寝たきりの患者さんや、栄養状態が悪い患者さんは、床擦れのリスクが高まります。栄養状態が悪いと、皮膚の再生能力が低下し、床擦れが治りにくくなるため、早期の栄養管理が重要です。

ご相談者様のお父様の場合、体重が14kgも減少しているとのこと。これは、栄養不足が深刻であることを示唆しています。栄養不足は、免疫力の低下、筋力の低下、全身状態の悪化など、様々な問題を引き起こします。食事摂取量が少ない原因を特定し、適切な栄養サポートを行うことが不可欠です。

2. 壊死性筋膜炎：その深刻さと対応

壊死性筋膜炎は、皮膚の下の組織（筋膜）が細菌感染によって急速に壊死する、非常に重篤な感染症です。致死率が高く、早期の診断と治療が非常に重要です。

2-1. 壊死性筋膜炎とは？

壊死性筋膜炎は、主に、A群レンサ球菌や黄色ブドウ球菌などの細菌によって引き起こされます。これらの細菌が、皮膚の傷や手術創などから体内に侵入し、筋膜や皮下組織で増殖することで、組織が破壊されていきます。進行が非常に速く、数時間から数日のうちに、広範囲に組織が壊死することがあります。

2-2. 壊死性筋膜炎の症状と診断

壊死性筋膜炎の初期症状は、発熱、患部の痛み、腫れなどです。しかし、症状が急速に悪化し、皮膚の色が赤紫色に変色したり、水疱ができたり、壊死した組織から悪臭がしたりするようになります。診断は、身体検査、血液検査、画像検査（CTやMRIなど）によって行われます。血液検査では、炎症反応を示す数値（白血球数、CRPなど）の上昇が見られます。

2-3. 治療と予後

壊死性筋膜炎の治療は、早期の外科的治療（壊死組織の切除）、抗菌薬の投与、全身管理が中心となります。外科的治療では、感染が広がらないように、壊死した組織を徹底的に切除します。抗菌薬は、原因菌に合わせたものが選択され、点滴で投与されます。全身管理では、輸液、栄養管理、呼吸管理などが行われます。予後は、感染の進行度合い、患者さんの全身状態、治療の開始時期などによって大きく異なります。早期に診断し、適切な治療を開始することが、予後を改善するために非常に重要です。

3. リハビリ病院での対応と今後のキャリアへの影響

今回のケースでは、リハビリ病院での対応に疑問を感じる部分が多くあります。ご家族としては、今後の対応について、不安を感じるのは当然のことです。ここでは、リハビリ病院との連携、今後のキャリアへの影響について解説します。

3-1. リハビリ病院との連携と情報収集

まず、リハビリ病院の医師や看護師と積極的にコミュニケーションを取り、現状について詳しく説明を受けることが重要です。具体的には、以下の点について確認しましょう。

• 現在の状態: 意識レベル、バイタルサイン、検査結果など、最新の状態について確認します。
• 治療内容: どのような治療が行われているのか、その目的と効果について説明を受けます。
• 今後の見通し: 回復の見込み、リハビリの計画、退院後の生活について、具体的な説明を受けます。
• 疑問点の解消: 疑問に思うことや不安に感じていることは、遠慮なく質問し、納得のいくまで説明を受けましょう。

また、ご家族だけで判断するのではなく、他の医療専門家（セカンドオピニオン）の意見を聞くことも検討しましょう。セカンドオピニオンを受けることで、現在の治療方針が適切かどうか、他の選択肢がないかなどを確認することができます。セカンドオピニオンを受ける際には、これまでの経過や検査結果などの情報を提供し、客観的な意見を求めることが重要です。

3-2. 適切な栄養管理の重要性

栄養状態の改善は、回復を促進するために非常に重要です。医師や管理栄養士と連携し、適切な栄養管理を行いましょう。具体的には、以下の点に注意します。

• 食事内容の調整: 食べやすいように、食事の形態（刻み食、ミキサー食など）を調整します。
• 食事量の確保: 1日に必要なカロリーと栄養素を摂取できるように、食事量を調整します。
• 栄養補助食品の活用: 食事だけでは栄養が不足する場合は、栄養補助食品（栄養ドリンク、サプリメントなど）を活用します。
• 経腸栄養、経静脈栄養: 食事が十分に摂取できない場合は、経腸栄養（胃瘻からの栄養補給）や経静脈栄養（点滴による栄養補給）を検討します。

3-3. 感染症対策の徹底

感染症のリスクを減らすために、以下の対策を徹底しましょう。

• 手洗いの徹底: 医療従事者や面会者は、手洗いを徹底し、感染源を持ち込まないようにします。
• 環境整備: 病室を清潔に保ち、換気を良くします。
• 創傷ケア: 床擦れや手術創など、傷がある場合は、適切なケアを行い、感染を防ぎます。
• 早期発見と早期治療: 感染症の兆候（発熱、咳、痰など）に気づいたら、すぐに医師に相談し、早期に治療を開始します。

3-4. 今後のキャリアへの影響

今回のケースでは、ご家族の介護が必要になる可能性があり、ご自身のキャリアに影響が出ることも考えられます。介護と仕事の両立は、多くの人が直面する課題です。ここでは、介護と仕事を両立するためのヒントをご紹介します。

• 会社の制度の活用: 育児・介護休業制度、時短勤務制度など、会社の制度を活用しましょう。
• 周囲の理解と協力: 職場の上司や同僚に、介護の状況を説明し、理解と協力を求めましょう。
• 地域の支援サービスの活用: 介護保険サービス、訪問介護、デイサービスなど、地域の支援サービスを活用しましょう。
• 専門家への相談: 介護に関する悩みや不安は、ケアマネージャーや社会福祉士などの専門家に相談しましょう。

介護と仕事の両立は、大変なことも多いですが、周囲のサポートや適切な情報収集、制度の活用によって、乗り越えることができます。ご自身の健康と心のケアも忘れずに行いましょう。

4. まとめ：現状を乗り越え、未来を切り開くために

今回のケースは、非常に困難な状況であり、ご家族の不安は計り知れません。しかし、適切な情報収集、医療機関との連携、そして積極的な対応によって、状況を改善し、未来を切り開くことができます。以下に、重要なポイントをまとめます。

• 情報収集と連携: 医師や看護師と積極的にコミュニケーションを取り、現状について詳しく説明を受け、疑問点を解消しましょう。セカンドオピニオンも検討し、多角的な視点から情報を収集しましょう。
• 栄養管理の徹底: 栄養状態の改善は、回復を促進するために非常に重要です。医師や管理栄養士と連携し、適切な栄養管理を行いましょう。
• 感染症対策の徹底: 感染症のリスクを減らすために、手洗いの徹底、環境整備、創傷ケア、早期発見と早期治療を行いましょう。
• 介護と仕事の両立: 介護が必要になった場合は、会社の制度を活用し、周囲の理解と協力を得ながら、地域の支援サービスや専門家を活用しましょう。

最後に、ご家族の皆様が、心身ともに健康で、この困難な状況を乗り越えられることを心から願っています。そして、お父様の回復を心から応援しています。

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