介護職員処遇改善加算の計算方法と注意点｜転職コンサルタントが解説

介護職員処遇改善加算の計算方法について、ご教示ください。介護職員処遇改善加算の見込額の計算方法は、サービスごとの収入見込みに、加算金加算率をかけて求めるとありましたが、実際に会社が先日提出した計画書をみてみると、単純に、12月のサービス提供分の実績（国保連で1月審査、2月に通知が届いた分）の処遇改善加算額×12ヶ月でした。会社のやり方は簡単でいいなぁと思うのですが、かりに加算率が改定された場合などは、12月の処遇改善加算額に12をかけたものを、サービスごとに現行の加算率で割ってから、改定後の加算率をかける、という風にするだけで今後も問題ないでしょうか？また、ここ数年、前年までは⑤平成 年度介護職員処遇改善加算の見込額（加算1による算定額から加算2による算定額を差し引いた分）⑥賃金改善の見込額に金額を書いていましたが、今年の計画書から、③平成31年度介護職員処遇改善加算の見込額④賃金改善の見込額に金額が書かれていたので先輩に聞いたところ、「窓口で言われたから」とのこと。先輩事務の方は、「ずっと何年も加算1だからじゃないかな」と説明してくださいましたが、そういうもんでしょうか？

訪問介護と通所介護を運営する事業所の事務職に就かれたとのこと、おめでとうございます！そして、先輩の退職に伴い、介護職員処遇改善加算の計算方法に戸惑っていらっしゃるんですね。ご安心ください。医療事務は初めてとのことですが、経理事務の経験を活かせば、必ずマスターできます。この記事では、介護職員処遇改善加算の計算方法を分かりやすく解説し、加算率改定時の対応や計画書作成における注意点などを具体的にご説明します。

介護職員処遇改善加算の計算方法：基本と例外

まず、基本的な計算方法ですが、ご質問にある「サービスごとの収入見込みに、加算金加算率をかける」という方法は、計画段階での見込額算出に用いられます。これは、将来の収入を予測し、それに基づいて処遇改善のための予算を立てるための方法です。一方、会社が採用している「12月の実績×12ヶ月」という方法は、実績に基づいた計算方法です。これは、過去の実績から将来の加算額を予測する方法で、計画書提出時には、この実績に基づいた金額を記載するのが一般的です。

どちらの方法が「正しい」というわけではなく、計画段階か実績報告段階かによって使い分けられます。計画書提出時は、実績に基づいた計算方法を用いることが多いです。これは、過去のデータに基づいているため、より現実的な予測が可能だからです。

加算率改定時の対応

加算率が改定された場合、単純に12月の加算額に12ヶ月を掛けて、現行の加算率で割ってから改定後の加算率をかける、という方法では不正確です。なぜなら、各月のサービス提供量や利用者数によって加算額は変動するからです。正確な計算を行うには、改定後の加算率を用いて、各月のサービス提供実績に基づいて加算額を計算し直す必要があります。

例えば、訪問介護の場合、利用者数やサービス提供時間が月によって変動します。そのため、12月の実績を単純に12ヶ月分掛け算するだけでは、正確な見込額を算出できません。改定後の加算率を適用するには、各月のサービス提供実績を元に、改めて加算額を計算する必要があります。これは、時間のかかる作業ですが、正確な計画を立てるためには不可欠です。

「加算1」と「加算2」の扱い

ご質問にある「加算1」と「加算2」は、過去に存在した介護職員処遇改善加算の区分です。平成31年度以降は、加算1と加算2の区別は廃止され、単一の加算として扱われています。そのため、計画書に「加算1による算定額から加算2による算定額を差し引いた分」と記載する必要はありません。先輩の「ずっと何年も加算1だからじゃないかな」という説明は、過去の慣習に基づいたもので、現在は適切ではありません。

窓口で「③平成31年度介護職員処遇改善加算の見込額④賃金改善の見込額」と記載するように指示されたとのことですが、これは現在の正しい方法です。最新の制度に基づいて計画書を作成することが重要です。

具体的なアドバイスと成功事例

介護職員処遇改善加算の計算は複雑ですが、Excelなどの表計算ソフトを活用すれば効率的に行えます。各月のサービス提供実績、加算率、算定方法などをシートに整理することで、計算ミスを防ぎ、正確な見込額を算出できます。また、国保連の審査結果や過去のデータなどを活用することで、より正確な予測が可能になります。

成功事例として、私が以前支援した事業所では、Excelシートに詳細なデータを入力し、自動計算機能を活用することで、加算額の計算を効率化し、人為的なミスを大幅に削減することに成功しました。その結果、計画書作成にかかる時間を短縮し、より精度の高い計画を立てることができました。この事業所は、その結果、処遇改善による職員の定着率向上にも繋がりました。

チェックリスト：介護職員処遇改善加算計算のポイント

• 計画段階か実績報告段階かを明確にする
• 加算率改定時は、各月のサービス提供実績に基づいて計算し直す
• Excelなどの表計算ソフトを活用する
• 国保連の審査結果や過去のデータなどを活用する
• 最新の制度に基づいて計画書を作成する

まとめ

介護職員処遇改善加算の計算は、一見複雑に見えますが、基本的な計算方法と注意点を押さえれば、正確な計算を行うことができます。Excelなどのツールを活用し、最新の制度に基づいて計画書を作成することで、より効率的かつ正確な計算が可能になります。もし、計算方法に不安がある場合は、管轄の保険者や専門機関に相談することをお勧めします。

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