88歳義母の骨折、身体障碍者手帳は取得できる？キャリアコンサルタントが解説

この記事では、88歳のお義母様が転倒による大腿骨頸部骨折で手術を受け、身体障碍者手帳の申請を検討しているものの、主治医から「転倒骨折だから該当しない」と言われたというご相談について、キャリアコンサルタントの視点から解説します。高齢者の骨折と手帳申請、そして今後の生活やキャリアへの影響について、具体的な情報とアドバイスを提供します。

６月に８８歳の義母が室内で転倒し、大腿骨頸部骨折で大腿骨頭置換術を行いました。手術中に人工骨頭を挿入しようとしたら、周りの骨がもろく崩れてきたためワイヤーで２か所固定してからの挿入になりました。術後１か月荷重不可で、３か月過ぎた現在も術足の荷重は５割で、車椅子使用。歩行は全く出来ません。主治医に身体障碍者手帳の申請を申し入れたら、転倒骨折だから該当しないと言われました。術前は杖歩行できていたので、納得いきません。手帳の取得は主治医が言うように無理なのでしょうか。

身体障碍者手帳の申請と審査基準

身体障碍者手帳は、身体に一定以上の障害がある場合に交付されるものです。手帳を持つことで、医療費の助成や税金の控除、公共交通機関の割引など、様々な福祉サービスを受けられる可能性があります。しかし、手帳の申請と交付には、法律や自治体ごとの基準があり、それらを理解しておくことが重要です。

1. 身体障碍者手帳の種類と対象となる障害

身体障碍者手帳には、主に以下の種類があります。

• 視覚障害
• 聴覚または平衡機能障害
• 音声機能、言語機能またはそしゃく機能障害
• 肢体不自由
• 心臓機能障害
• 腎臓機能障害
• 呼吸器機能障害
• ぼうこうまたは直腸機能障害
• 小腸機能障害
• 免疫機能障害
• 肝臓機能障害

ご相談のケースでは、大腿骨頸部骨折による「肢体不自由」に該当するかどうかが焦点となります。肢体不自由の場合、移動能力や日常生活動作に著しい制限があることが、手帳交付の重要な判断基準となります。

2. 申請の流れと必要書類

身体障碍者手帳の申請は、お住まいの市区町村の福祉担当窓口で行います。申請には、以下の書類が必要となるのが一般的です。

• 身体障害者手帳交付申請書
• 診断書（指定医によるもの）
• 写真
• 印鑑
• マイナンバー関連書類

特に重要なのが「診断書」です。診断書は、身体の障害の状態を客観的に示すもので、指定医と呼ばれる医師が作成します。医師の診断内容が、手帳交付の可否を左右する重要な要素となります。

3. 審査基準と判断のポイント

手帳の交付基準は、障害の種類や程度によって異なります。肢体不自由の場合、具体的には以下の点が審査の対象となります。

• 移動能力の制限（歩行、車椅子使用など）
• 日常生活動作の制限（食事、入浴、着替えなど）
• 障害の永続性

今回のケースでは、術後３か月経過しても歩行が困難で、車椅子を使用しているという状況から、移動能力に大きな制限があると考えられます。しかし、主治医が「転倒骨折だから該当しない」と判断した背景には、障害の原因や、今後の回復の見込みなどが関係している可能性があります。

主治医の判断と、その背景にある可能性

主治医が「転倒骨折だから該当しない」と判断した理由を、いくつか考察してみましょう。

1. 障害の原因と手帳交付の関係

身体障碍者手帳は、障害の原因が病気や事故、先天性のものなど、どのようなものであっても交付される可能性があります。しかし、医師によっては、障害の原因よりも、障害の程度や永続性を重視する場合があります。転倒骨折の場合、回復の見込みがある程度見込まれると判断されると、手帳の交付が難しいと判断されることもあります。

2. 回復の見込みと今後の治療方針

主治医は、今後の治療やリハビリによって、歩行能力が回復する可能性があると判断しているのかもしれません。手帳は、障害が永続的であると認められる場合に交付されるため、回復の見込みがある場合は、交付が見送られることがあります。

3. 医師の専門性と判断基準

医師によって、障害に対する考え方や、手帳交付の判断基準が異なる場合があります。整形外科医は、骨折や関節の専門家であり、リハビリテーションの専門家ではありません。そのため、手帳の申請に対して、専門的な知識や経験が不足している可能性も否定できません。

セカンドオピニオンの重要性と、専門家への相談

主治医の判断に納得がいかない場合は、セカンドオピニオンを求めることが重要です。セカンドオピニオンとは、現在の主治医以外の医師に意見を求めることで、より客観的な判断を得ることができます。

1. セカンドオピニオンのメリット

セカンドオピニオンを求めることで、以下のメリットがあります。

• 異なる視点からの意見を聞くことができる
• 現在の診断や治療方針に対する疑問を解消できる
• より適切な治療法や、手帳申請の可能性について検討できる

2. セカンドオピニオンの探し方

セカンドオピニオンを求めるには、以下の方法があります。

• 他の整形外科医に相談する
• リハビリテーション科の医師に相談する
• 身体障害者手帳の申請に詳しい医師に相談する
• 地域の相談窓口や、医療連携室に相談する

3. 専門家への相談

身体障碍者手帳の申請について、専門家である社会福祉士や、行政書士に相談することも有効です。彼らは、手帳申請に関する専門知識を持っており、申請手続きのサポートや、医師との連携など、様々な面でサポートしてくれます。

今後の生活とキャリアへの影響

身体障碍者手帳の取得は、今後の生活やキャリアに様々な影響を与える可能性があります。手帳の有無によって、受けられる福祉サービスや、利用できる制度が異なります。

1. 福祉サービスの利用

手帳を持つことで、医療費の助成、介護保険サービスの利用、補装具の購入費の助成など、様々な福祉サービスを利用することができます。これらのサービスを利用することで、日常生活の負担を軽減し、より快適な生活を送ることが可能になります。

2. 就労支援とキャリア形成

手帳を持つことで、就労支援サービスを利用することができます。ハローワークや、地域障害者職業センターなどでは、就職に関する相談や、職業訓練、職場定着支援など、様々なサポートを受けることができます。また、障害者雇用枠での就職も可能になり、キャリア形成の選択肢が広がります。

3. 家族のサポートと、働き方の検討

高齢者の介護は、家族にとっても大きな負担となります。手帳を持つことで、介護保険サービスや、訪問介護などのサービスを利用しやすくなり、家族の負担を軽減することができます。また、ご自身の働き方についても、柔軟に検討することが重要です。例えば、在宅ワークや、時短勤務、パートなど、様々な働き方があります。

具体的なアクションプランと、今後の対策

今回のケースでは、以下のステップで対応を進めることをお勧めします。

1. 情報収集と現状把握

まずは、身体障碍者手帳に関する情報を収集し、現在の状況を正確に把握しましょう。市区町村の福祉窓口や、インターネットで情報を収集し、手帳の申請基準や、必要な書類について確認します。また、主治医に、手帳申請について再度相談し、その理由や、今後の見通しについて詳しく説明を求めましょう。

2. セカンドオピニオンの取得

主治医の判断に納得がいかない場合は、セカンドオピニオンを求めましょう。他の整形外科医や、リハビリテーション科の医師に相談し、現在の状況や、手帳申請の可能性について意見を求めます。セカンドオピニオンの結果を踏まえ、今後の対応を検討します。

3. 専門家への相談

身体障碍者手帳の申請について、専門家である社会福祉士や、行政書士に相談しましょう。彼らは、手帳申請に関する専門知識を持っており、申請手続きのサポートや、医師との連携など、様々な面でサポートしてくれます。専門家の意見を聞きながら、申請を進めるかどうかを検討します。

4. 申請手続きの準備

手帳の申請を決めた場合は、必要な書類を準備し、申請手続きを進めましょう。診断書は、指定医に作成を依頼し、写真や印鑑など、必要なものを揃えます。申請手続きは、市区町村の福祉窓口で行います。

5. 申請後の対応

申請後、審査の結果が出るまでには時間がかかる場合があります。審査の結果によっては、手帳が交付されないこともあります。その場合は、異議申し立てや、再申請などを検討することができます。また、手帳が交付された場合は、様々な福祉サービスを利用し、日常生活の負担を軽減しましょう。

まとめ

88歳のお義母様の身体障碍者手帳の申請について、様々な情報とアドバイスを提供しました。今回のケースでは、主治医の判断だけでなく、セカンドオピニオンの取得や、専門家への相談など、様々な選択肢があります。ご家族でよく話し合い、お義母様の状況に最適な方法を選択してください。そして、今後の生活とキャリアについて、前向きに検討し、より良い未来を築いていきましょう。

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