90歳後半の義父介護、限界を感じたら？～在宅介護の現実と、あなたを支える選択肢～

90歳後半の義父の介護についてご相談があります。義父と会社員の主人と無職の私とで暮らしています。義父が肋骨を骨折して痛みを強く訴えるため入院となりました。私たち夫婦は万が一の時のために隣の部屋で休んでいるのですが、元々圧迫骨折の痛みもあり、日々「痛い痛い」と言っていて、夜になると一際大きく叫び私たち夫婦も最近は少ししか眠れておらず、入院になった時にはホッとしました。地域包括ケア病床のある病院で最大2ヶ月は入院できると聞いていたので、2ヶ月は無理でも2～3週間ここで痛みのコントロールとリハビリをしてもらえれば自宅に帰っても痛みも落ち着くだろうし私たちも安心だと思っていました。しかし入院した夜から「痛い痛い」と大声で騒ぎ同室の患者様にご迷惑をお掛けしているとのこと。せん妄状態になり精神安定剤的なものと睡眠導入剤を使ったが眠らず騒ぎ続けるらしく今日病院から「1週間の入院でどうですか？」と言われました。現在要介護2で、認定後圧迫骨折と肺炎を患い動きも悪くなっています。認知症の症状も進み短期記憶が怪しくて、危ないことを注意してもすぐに忘れてしまうので、ちょっと目を離すと転けたりバランスを崩しぶつかったりして怪我の絶えません。出来るだけそばに居ようと考えていますが、逆に私の手を煩わせるのが悪いと思うのか目を盗んで動きます。退院が決まったことをケアマネさんに報告しましたら「ご家族さんも大変でしょうから、退院後の様子を見て今後のことは相談しましょう」と言われました。こういう場合どのような、解決策を取られることが多いのでしょうか？私は夜も眠れないし、外出も出来ないので正直限界が近いです。長々書いて申し訳ありません。ご回答よろしくお願いします。補足ご回答ありがとうございました。夕方から寝付いた義父は深夜0時前から30分毎に「痛い痛い、助けてくれ」と隣の部屋で叫んでいます。昨日退院して皆様の助言を頭に入れつつ、ケアマネさんと話しました。介護認定見直しをお願いして早速面談の日を決めて頂けてちょっとホッと致しました。主人と主人の兄弟達の間では施設に入れることで意見は纏まっていて、介護認定待ちの部分はあったのですが、ケアマネさんと話してみてせん妄が出て深夜に叫ぶとなると個室使用でも施設によると難しい事も有るかも知れないと言われました。悩ましい限りです。昨日病院にお迎えに行くと、1人観察部屋に入れられて昼間にも関わらず叫んでいました。家に帰って来てからは先程叫びだすまでは静かにしていたので、やはり自宅が良いのだと思います。無理矢理、特養に入れる、老健に預けてみる、ショートステイを試してみる。どれにしても、私が腹を決めて送り出せるかが問題な気がしてきました。親身になってご返答頂き心強かったです。ありがとうございました。

この記事では、90歳後半の義父さんの介護で限界を感じている相談者の方に向けて、在宅介護の現実と、今後の選択肢について、具体的な解決策を提示します。介護疲れによる精神的な負担、身体的な疲労、そして家族間の意見の食い違いなど、複雑な問題を抱えている相談者の方々に寄り添い、最善の道を見つけるための情報を提供します。

1. 現状の分析：限界に達した在宅介護の現実

まず、相談者様の状況を整理してみましょう。90歳後半の義父様は、肋骨骨折、圧迫骨折、肺炎、認知症と、複数の疾患を抱えています。要介護2の認定を受けており、短期記憶の障害、せん妄症状も出ています。夜間の叫び声は、ご本人だけでなく、ご家族の睡眠も妨げ、精神的な負担は計り知れません。 これは、多くの高齢者介護において遭遇する、非常に困難な状況です。

特に、夜間のせん妄による叫び声は、ご家族の疲労を著しく増大させます。睡眠不足は、判断力や集中力の低下、免疫力の低下にもつながり、介護者の健康を深刻に脅かす要因となります。 相談者様は、「夜も眠れないし、外出もできない」と限界を感じている状況は、決して珍しいことではありません。 多くの介護者は、このような状況に直面し、心身ともに疲弊していきます。

2. 解決策の検討：在宅介護継続か、施設入所か

現状を踏まえ、考えられる解決策は大きく2つです。

• 在宅介護の継続： 介護サービスの充実による負担軽減を目指す
• 施設入所： 専門的な介護体制による安定した生活環境の提供

2-1. 在宅介護継続の場合

在宅介護を継続する場合、介護サービスの利用を最大限に活用することが重要です。

• 訪問介護： 日常生活の援助（食事、入浴、排泄など）を受けられます。
• 訪問看護： 医療的なケア（服薬管理、傷の処置など）を受けられます。
• デイサービス： 日中の介護とレクリエーションを提供し、介護者の負担軽減を図ります。
• 夜間介護： 夜間の見守りや介護をサポートします。これは、相談者様の睡眠確保に非常に有効です。
• ショートステイ： 短期的な施設入所により、介護者への休息を提供します。定期的な利用で、心身のリフレッシュが期待できます。

これらのサービスを組み合わせることで、介護負担を軽減し、相談者様の生活の質を向上させることが可能です。 ケアマネージャーと相談しながら、最適なサービス内容を検討しましょう。 また、介護保険制度の利用方法を熟知することも重要です。

しかし、現状の義父様の状態では、在宅介護の継続が困難な場合もあります。 特に、夜間のせん妄による叫び声は、ご近所への迷惑や、ご家族の精神的負担を大きく増加させる可能性があります。

2-2. 施設入所の場合

施設入所は、専門的な介護体制が整っており、24時間体制での介護を受けられるため、ご家族の負担を大幅に軽減できます。 しかし、施設の種類によって、サービス内容や費用が大きく異なります。

• 特別養護老人ホーム（特養）： 要介護度が高い高齢者向けの施設で、医療と介護を一体的に提供します。入所には、審査が必要で、待機期間が長い場合もあります。
• 介護老人保健施設（老健）： 医療と介護を組み合わせ、在宅復帰を目指したリハビリテーションにも力を入れています。短期入所（ショートステイ）も利用可能です。
• 有料老人ホーム： サービス内容や費用が様々なタイプがあり、個々のニーズに合わせて選択できます。医療・介護サービスの提供体制は、施設によって異なります。

それぞれの施設の特徴を理解し、義父様の状態やご家族の状況に最適な施設を選ぶことが重要です。 ケアマネージャーは、施設選びのサポートもしてくれますので、積極的に相談しましょう。

3. 家族間の意思統一：話し合いとサポート体制の構築

施設入所を決断する際には、家族間の意思統一が不可欠です。 相談者様のご主人やご兄弟の方々と、義父様の状態、今後の生活、費用面などを含め、じっくりと話し合うことが重要です。 それぞれの意見を尊重し、納得できる結論を導き出すことが、今後の介護を円滑に進めるために不可欠です。

話し合いが難航する場合は、第三者機関（社会福祉協議会など）の介入を検討するのも良いでしょう。 専門家のアドバイスを受けることで、より客観的な視点から問題解決に取り組むことができます。

4. 介護者自身のケア：ご自身の心身を大切にすること

介護は、肉体的にも精神的にも大きな負担がかかります。 相談者様は、すでに限界を感じている状態です。 介護を続けるためには、ご自身の心身の状態を常にチェックし、適切なケアを行うことが重要です。

• 休息： 十分な睡眠と休息を取りましょう。ショートステイなどを活用し、定期的に休息を取ることを心がけてください。
• ストレス軽減： 気分転換になる趣味や、友人との交流など、ストレスを軽減する工夫をしましょう。
• 相談： 介護に関する悩みや不安は、一人で抱え込まずに、ケアマネージャーや、地域包括支援センター、相談窓口などに相談しましょう。
• ヘルプラインの利用： 緊急時や、どうしても相談相手が必要な時は、24時間対応の相談窓口を利用しましょう。

介護は、一人で抱え込むものではありません。 周囲のサポートを積極的に受け入れ、ご自身の心身を大切にすることが、長期的な介護を続けるための鍵となります。

5. 結論：最適な選択で、未来へ

90歳後半の義父様の介護は、非常に困難な状況ですが、決して諦める必要はありません。 在宅介護の継続、施設入所、いずれの選択も、メリットとデメリットがあります。 ケアマネージャーと相談しながら、ご家族でじっくりと話し合い、義父様にとって最善の選択、そしてご家族皆が安心して暮らせる未来に向けて、一歩ずつ進んでいきましょう。