住宅型有料老人ホームでの薬のセッティング業務：介護士の役割と注意点

私は住宅型有料老人ホームで働いています。１つ質問なのですが、薬局さんが一包化されたお薬を一人一人の引き出しへセッティングしてくれるのですが、夜勤者が朝昼晩就寝の別の箱へセットするのは介護士がしていい仕事なのでしょうか？今まで有料老人ホームやグループホームで働いて来ましたが、お薬セットをしたのは初めてだったのでびっくりしました。一包化されているものだったら大丈夫なのでししょうか？

この記事では、住宅型有料老人ホームで働く介護士の方を対象に、薬のセッティング業務について、法律や倫理、そして現場での実践的な観点から詳しく解説します。薬の取り扱いに関する不安や疑問を解消し、安心して業務に取り組めるよう、具体的な手順や注意点、そしてキャリアアップにも繋がる知識を網羅的にご紹介します。

1. 薬の取り扱いに関する法律と倫理

まず、重要なのは薬の取り扱いに関する法律と倫理です。介護士は、医療行為を行う資格を持ちません。薬の調剤や投与は、薬剤師や医師などの医療従事者の資格と責任で行われるべきです。薬局から一包化された薬が届いたとしても、介護士がその内容を勝手に変更したり、薬剤師の指示なく別の容器に詰め替えたりすることは、法律違反に抵触する可能性があります。

しかし、一包化された薬を、それぞれの利用者の方の引き出しや、朝・昼・晩・就寝前の時間帯別に仕分ける作業は、医療行為とはみなされません。これは、薬剤師が既に調剤し、一包化された薬を、利用者ごとに適切な時間帯に服用できるように整理する作業であり、介護業務の一環として認められています。

ただし、この作業を行う際には、細心の注意が必要です。薬剤の確認、利用者への確認、そして万が一のミスへの対応など、責任ある行動が求められます。薬の取り扱いに関するマニュアルを熟読し、理解を深めることが不可欠です。

2. 住宅型有料老人ホームにおける薬のセッティング手順

薬局から届いた一包化された薬は、まず内容を確認します。薬の名前、服用量、服用回数、利用者名などが、処方箋と一致しているかを確認しましょう。もし不一致があれば、直ちに薬局に連絡し、確認を取ることが重要です。確認が終わったら、それぞれの利用者の方の引き出しに、朝・昼・晩・就寝前の時間帯別に整理して収納します。この際、薬の取り違えを防ぐために、利用者名を確認しながら作業を進めることが大切です。また、薬の管理記録を正確に記入し、記録を残すことも重要です。

具体的な手順例：

• 薬局からの薬の受け取り
• 処方箋との照合
• 利用者名と薬剤名の確認
• 朝・昼・晩・就寝前の時間帯別の仕分け
• それぞれの利用者の方の引き出しへの収納
• 薬の管理記録への記入

3. 夜勤における薬のセッティング業務の注意点

夜勤における薬のセッティング業務は、特に注意が必要です。夜間は、他のスタッフが不在であるため、ミスが起こった場合の対応が遅れる可能性があります。そのため、日中の業務よりも一層慎重な作業が必要です。また、夜間の作業は、利用者の方の睡眠を妨げないよう、静かに、そして迅速に行うことが重要です。

夜勤における注意点：

• 十分な照明を確保する
• 薬の取り違えを防ぐために、複数回確認を行う
• 利用者の方の睡眠を妨げないように静かに作業を行う
• 万が一のミスに備え、緊急連絡先を確認しておく

4. 介護士の役割とキャリアアップ

薬のセッティング業務は、介護士の重要な役割の一つです。利用者の方の安全と健康を守るために、正確かつ丁寧な作業が求められます。この業務を通して、薬の知識や、利用者の方とのコミュニケーションスキルを向上させることができます。また、薬の管理記録を正確に作成することで、記録管理能力も磨かれ、キャリアアップにも繋がります。薬に関する研修に参加し、専門知識を深めることで、より高度な介護サービスを提供できるようになります。

5. 専門家への相談

薬の取り扱いに関する不安や疑問がある場合は、上司や薬剤師、そして医療機関に相談することが重要です。専門家のアドバイスを受けることで、安心して業務に取り組むことができます。また、施設によっては、薬の取り扱いに関する研修を実施している場合もありますので、積極的に参加し、知識を深めることをお勧めします。

6. まとめ

住宅型有料老人ホームにおける薬のセッティング業務は、介護士にとって重要な役割であり、同時に責任も伴います。法律や倫理を遵守し、正確かつ丁寧な作業を行うことが不可欠です。この記事で紹介した手順や注意点を参考に、安心して業務に取り組んでください。そして、何か不安な点があれば、いつでも専門家に相談しましょう。あなたのキャリアアップを応援しています。

※この記事は一般的な情報提供を目的としており、医療的なアドバイスではありません。具体的な行動を取る前に、必ず専門家にご相談ください。