認知症の母の介護：サ高住からグループホームへの転居で本当に幸せになる？最適な選択を見つけるための５つの質問

認知症の親のことでご相談させてください。女性87歳、要介護1（認知症、杖なしで歩ける、補聴器使用で会話は成り立つ、病気無し、排泄は自分で出来るがリハビリパンツ生活）。高齢者介護サービス付きマンションに入居して3年。最近、認知症があるため、手がかかる事が増えてきたが、サ高住のため、職員さんの目が行き届かず介助出来る範囲が少ないとのこと。施設から、母がどんな暮らしをしているかとか、普段と変わったことがあっても、緊急性がなければ特に何も連絡等はありません。最近の母を見ていると、このままで本当に良いのか疑問に思うようになってきました。ケアマネさんから毎月何か報告とか有るのかと思っていましたが、無くて当たり前なのでしょうか。今よりは目が行き届いて、職員の数も多いグループホーム等へ変わった方が良いのか迷っています。今のサ高住にやっと慣れてきてくれたので、出来ればこのまま居させてあげたい気持ちもあります。どうすれば良いか、どこへ相談すれば良いのかも、何も分からないことばかりなので、ご教示いただけると嬉しいです。（介護度は、3年前から見直ししていないため、もう少し進んでいると言われています。）

この記事では、87歳のお母様を介護されている相談者様のように、高齢者の介護施設選びに悩まれている方に向けて、サ高住とグループホームの比較と、お母様の幸せとご自身の負担軽減を両立するための具体的なステップを解説します。 認知症介護、高齢者施設、介護サービス、ケアマネージャーといったキーワードに注目し、最適な選択を導き出すための５つの質問を通して、より明確な道筋を示していきます。

１．お母様の現在の状態と、ご自身の介護負担を具体的に書き出してみましょう

まず、お母様の現在の状態を詳細に把握することが重要です。 単に「手がかかる」だけでなく、具体的にどのような場面でどのような介助が必要なのかをリストアップしてみましょう。例えば、

• 食事介助：どれくらいの手助けが必要か？
• 排泄介助：リハビリパンツの使用頻度、オムツ交換の必要性。
• 着替え介助：一人で着替えられるか？
• 入浴介助：介助が必要な場合、その頻度。
• 徘徊：頻度、危険性。
• コミュニケーション：会話の内容、理解度。
• その他：その他気になること、不安な点。

これらの項目を具体的に書き出すことで、お母様の現状を客観的に把握し、適切な介護サービスを選択する上で役立ちます。さらに、ご自身の介護負担についても同様にリストアップしてみましょう。

• 時間：1日にどれくらいの時間を介護に費やしているか？
• 体力：介護によって、体力的・精神的に疲弊しているか？
• 精神面：ストレス、不安、孤独感など。
• 経済面：介護にかかる費用。

これらの情報を整理することで、現状の課題を明確に認識し、解決策を見つけるための第一歩となります。 ご自身の負担を客観的に把握することで、現状維持が本当に可能なのか、それとも変化が必要なのかを判断する材料になります。

２．サ高住とグループホームの違いを比較検討しましょう

サ高住（サービス付き高齢者向け住宅）とグループホームは、どちらも高齢者のための住居施設ですが、提供されるサービスや規模、入居者の状況などが異なります。 それぞれのメリット・デメリットを比較検討することで、お母様に最適な施設を選ぶことができます。

サ高住のメリット

• プライバシーが比較的保たれる。
• 自分のペースで生活できる。
• 比較的自由度が高い。

サ高住のデメリット

• 介護サービスの提供が限定的である場合が多い。
• 職員の目が行き届きにくい場合がある。
• 緊急時の対応に不安がある場合がある。

グループホームのメリット

• 介護職員が常駐し、24時間体制で介護サービスを提供。
• 認知症の症状に合わせたケアを受けられる。
• 他の入居者との交流を通して、社会参加の機会が増える可能性がある。

グループホームのデメリット

• プライバシーが制限される可能性がある。
• 生活リズムが固定されている場合がある。
• 入居者同士の相性によっては、ストレスを感じる可能性がある。

これらのメリット・デメリットを、お母様の状態やご自身の状況と照らし合わせて比較検討することが重要です。 例えば、お母様の認知症の症状が進行し、より密な介護が必要な場合は、グループホームの方が適している可能性が高いでしょう。

３．ケアマネージャーとの連携を強化しましょう

ケアマネージャーは、介護サービス計画の作成や調整を行う専門家です。 現状の報告が不足していると感じているのであれば、ケアマネージャーに直接その旨を伝え、より詳細な報告や相談体制の構築を依頼しましょう。 定期的な面談を設け、お母様の状態の変化やご自身の負担について相談することで、適切な介護サービスの提供を受けることができます。

また、ケアマネージャーを通じて、他の介護サービスについても相談することができます。 例えば、訪問介護やデイサービスなどを利用することで、ご自身の負担を軽減できる可能性があります。 ケアマネージャーは、様々な介護サービスに関する情報を提供し、最適なプランを提案してくれるでしょう。

４．他の家族や友人、地域包括支援センターなどのサポートを活用しましょう

介護は一人で抱え込まず、周りの人に相談することも大切です。 ご家族や友人などに、状況を説明し、協力をお願いしてみましょう。 また、地域包括支援センターは、介護に関する様々な相談に対応してくれる窓口です。 介護サービスの紹介や、介護に関する情報の提供、相談支援など、様々なサポートを受けることができます。

５．お母様の意思を尊重し、将来を見据えた計画を立てましょう

最終的な判断は、お母様の意思を尊重することが重要です。 お母様とじっくり話し合い、ご自身の状況も踏まえた上で、最適な選択をしましょう。 もし、お母様が意思表示が困難な場合は、主治医やケアマネージャーに相談し、適切な判断を仰ぎましょう。 また、将来を見据えた計画を立てることも大切です。 認知症は進行性疾患であるため、将来、さらに介護が必要になる可能性も考慮し、柔軟に対応できるよう計画を立てておくことが重要です。

まとめ

認知症の母を持つ方の介護は、多くの困難と葛藤を伴います。 しかし、この記事で紹介した５つの質問を通して、現状を分析し、ケアマネージャーや周囲のサポートを活用することで、最適な解決策を見つけることが可能になります。 お母様の幸せとご自身の負担軽減を両立させるため、一歩ずつ進んでいきましょう。 迷うことがあれば、いつでも専門家の意見を求めることをお勧めします。

※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の状況に合わせたアドバイスではありません。具体的な対応については、専門家にご相談ください。