妻の負担軽減と父の介護：施設入所を検討する際のポイントと具体的な解決策

妻が父の介護の事で不安や不満を口にするようになりました。90歳半ばの父と60代の夫婦で暮らしています。母は10年前に突然倒れ亡くなりました。それからは父の衣食住の世話は妻がしています。父は1年前から転倒に次ぐ転倒で傷をつくったり骨折も2度しています。骨折毎に弱り、現在では歩行器が無くては歩けないし、圧迫骨折の後遺症で痛みも出ているようです。多少の認知症の症状も出ています。最初の骨折の時、自宅療養で24時間の見守りと介助になり、僕が仕事を辞めて父に付き添うと話しましたら、妻が「私が見るから、私たちの今後の生活の為に辞めないで」と言われたので妻の言葉に従いました。休日は「手伝う」感じで、平日は僕が出勤してから父は起きて、帰宅した時には寝ていると言う状態です。現在、要介護1の認定を受けていて骨折の影響で自宅のお風呂に入れないのでデイサービスを週に3回通っています。実際はデイサービスに通うのも嫌がり、向こうでも帰りたがったりお風呂を嫌がったりしているようです。お風呂に入らない日は毎日妻が体を拭いてくれるので何とか過ごせています。今は肺炎で入院していて近々退院予定なのですが、僕としてはこれを機に施設に入ってもらう選択もあると思い妻に話したのですが「要介護1では入居金が高額とか月額料金が高額とかのところしか入れないし、デイサービスも嫌がる人が納得して入るとも思えない」と言われました。お金は父自身に蓄えもあり、心臓に持病もあるので年齢的な事も考えるとこの後5年も10年も施設のお世話になるとも思えません。金銭的な問題は無いと思います。確かに、この世代の人は自宅で親を看取るのが普通の事で、嫁が義理の両親の世話をするのに何の疑問もいだかない年頃です。実際、うちも祖父母を自宅で看取りました。妻が「納得しない」と言うのも理解できます。でも、父の退院の日が近づくにつれ、妻の不満や愚痴が酷くなり、気持ちも理解できるので僕自身が辛いです。ケアーマネージャーや、デイサービス、訪問看護、かかりつけ医、今回の入院先の病院とも妻一人でやり取りしていて、何がどうなっているかも分かりません。父は肺炎で突然の入院となり理解が追い付いてなかったのか、入院先で夜な夜な大声を出したり、寝なかったりで大変なようで、こんな状態だと施設は難しいのでしょうか?やはり仕事を辞めようかとも思ってみたり、イヤイヤ自分たちの先の生活もあるしと考えたり、妻が愚痴ったり泣いたりしているのを見ると、強引にでも父を施設に入れようかと考えるばかりで結論が出ません。どうしたらいいと思われますか?補足ご返答ありがとうございます。お一人お一人にお礼申し上げるべき所お許しください。今、帰ってきたら今週末に退院決まっていました。妻と話してみて「妻は限界なのか？」そうなんだと思います。でもそこを頑張るのが妻なので、実は父を説得するより手強いかもしれません。妻の中で「施設に入れる＝見捨てる」になっている様な気もします。優しい人なので父が嫌がる事は出来ないと考えていると思います。父に本当に良くしてくれていて、現在の入院中も認知症が進まぬよう少しでも刺激になればと毎日面会に行ってくれます。帰って来たら帰ってきたでほぼ付きっきりで見守ってくれるでしょう。もちろん父も大切ですが、妻はとても大切な人なので、妻の負担を減らせるように頑張りたいと思います。ケアマネに繋いでもらって、施設に入ってもらう方向で進めます。

このご相談は、90歳半ばの要介護1の父親の介護を担う60代のご夫婦の、非常に現実的な問題を浮き彫りにしています。 ご質問からは、ご本人だけでなく、奥様、そしてご家族全体の幸福を真剣に願う、深い愛情が伝わってきます。 このQ&Aでは、奥様の負担軽減と、父親の適切な介護環境の確保という、二つの重要な課題に焦点を当て、具体的な解決策を提案していきます。 特に、施設入所への抵抗感を持つ奥様の気持ちに寄り添いながら、最適な選択を導き出すためのステップを解説します。

1. 奥様の負担軽減：現状分析と具体的な対策

まず、奥様の負担を客観的に分析する必要があります。 現状では、ほぼ24時間体制で介護を担っており、精神的・肉体的な負担は計り知れません。 これは、ご自身が仕事を持ちながら週末のみのサポートであること、父親の介護に伴う様々な手続きや調整を奥様一人で抱えていることからも明らかです。

• 身体的負担の軽減： デイサービスの利用頻度を増やす、または、訪問介護サービスの導入を検討しましょう。 週3回のデイサービスだけでは、奥様の負担は大きすぎます。 訪問介護サービスを利用すれば、入浴介助や排泄介助など、身体的に負担の大きい部分をプロに任せることができます。 また、家事代行サービスも有効です。
• 精神的負担の軽減： 奥様は、父親の介護だけでなく、様々な手続きや調整に追われています。 ケアマネージャーとの連携を密にし、可能な限りケアマネージャーに業務を委託することで、奥様の負担を軽減できます。 また、ご自身も積極的にケアマネージャーとの連絡を取り、状況を把握し、共有することで、奥様の精神的な負担を減らすことができます。 さらに、ご自身の休日に、積極的に介護に参加し、奥様を休ませる時間を確保することも重要です。
• 情報収集と共有： 介護に関する情報は、ケアマネージャー、デイサービス、訪問看護、かかりつけ医、入院先の病院など、複数の機関から得られます。 これらの情報を整理し、奥様と共有することで、奥様の不安を軽減し、協力体制を築くことができます。 共有ツールとして、共有カレンダーやメモアプリなどを活用するのも有効です。

2. 施設入所への抵抗感：奥様の気持ちへの共感と具体的なアプローチ

奥様の「施設に入れる＝見捨てる」という考えは、多くの介護する家族が抱える普遍的な感情です。 長年、父親の介護を献身的に行ってきた奥様にとって、施設入所は、自分自身の努力や愛情を否定されるように感じられるかもしれません。 この感情を理解し、尊重することが、奥様を説得する第一歩です。

• 共感と安心感を与える： 奥様の気持ちを否定したり、軽視したりせず、まずは共感の言葉を伝えましょう。「大変だったね」「辛かったね」など、奥様の気持ちを理解していることを示すことが大切です。 そして、施設入所は「見捨てる」ことではなく、「より良い環境で父親をサポートするための選択」であることを丁寧に説明しましょう。
• 具体的な施設の情報収集： 奥様の不安を解消するためには、具体的な施設の情報が必要です。 ケアマネージャーに相談し、様々な施設の見学を計画しましょう。 様々なタイプの施設（ショートステイ、デイサービス併設型、医療連携のある施設など）を見学することで、奥様の不安を軽減し、最適な施設を選択する助けとなります。 見学を通して、施設の雰囲気やスタッフの対応、介護サービスの内容などを確認し、奥様に納得感を与えることが重要です。
• 段階的な導入： いきなり長期入所ではなく、まずはショートステイを利用してみるのも良いでしょう。 短期的な利用を通して、施設の雰囲気やサービス内容を体験することで、奥様の不安を軽減し、施設入所への抵抗感を和らげることができます。 また、父親にとっても、新しい環境への適応を段階的に進めることができます。

3. 父親の状況と施設選び：適切な施設の選定

父親の状況（要介護1、認知症の症状、心臓疾患、肺炎からの回復期）を踏まえ、適切な施設を選ぶことが重要です。 ケアマネージャーと相談しながら、以下の点を考慮して施設を選びましょう。

• 医療連携： 心臓疾患を抱えているため、医療連携がしっかりしている施設を選ぶ必要があります。 緊急時にも迅速に対応できる体制が整っていることが重要です。
• 認知症への対応： 認知症の症状があるため、認知症に対応できる専門知識と経験を持つスタッフがいる施設を選ぶ必要があります。 認知症ケアに特化したプログラムや設備がある施設も検討しましょう。
• リハビリテーション： 転倒を繰り返しているため、リハビリテーションに力を入れている施設を選ぶことが重要です。 理学療法士や作業療法士などの専門スタッフが常駐している施設が望ましいです。
• 費用： ご質問では金銭的な問題はないとありますが、施設の種類やサービス内容によって費用は大きく異なります。 ご自身の経済状況と相談しながら、適切な施設を選びましょう。 ケアマネージャーは、費用の相談にも乗ってくれます。

4. ご夫婦の未来：介護と仕事の両立

奥様の負担軽減と父親の適切な介護環境の確保に加え、ご夫婦の今後の生活についても考える必要があります。 奥様の精神的な負担を軽減し、ご夫婦が安心して暮らせる環境を作るためには、ご自身の協力も不可欠です。

• 仕事の調整： 可能な範囲で、仕事の調整を行い、父親の介護に協力しましょう。 フレックスタイム制の導入や、在宅勤務の活用などを検討してみましょう。
• 役割分担： ご夫婦で、介護の役割分担を明確にしましょう。 ご自身が積極的に介護に参加することで、奥様の負担を軽減することができます。 例えば、週末は全面的に介護を担い、平日は奥様をサポートするなど、具体的な役割分担を決めましょう。
• 夫婦の時間： 介護に追われる日々の中で、ご夫婦の時間を作ることも大切です。 定期的に二人で食事に行ったり、旅行に行ったりするなど、夫婦関係を良好に保つ努力をしましょう。

5. まとめ

奥様の負担軽減と父親の適切な介護環境の確保は、複雑で難しい問題です。 しかし、ケアマネージャーとの連携を強化し、ご夫婦で協力しながら、段階的に解決策を進めていくことで、必ず良い方向に向かうでしょう。 今回の肺炎入院をきっかけに、現状を改めて見直し、より良い介護プランを検討する絶好の機会と捉えましょう。 奥様の気持ちに寄り添い、丁寧なコミュニケーションを心がけることが、成功への鍵となります。

※ この記事は一般的なアドバイスであり、個々の状況に最適な解決策を保証するものではありません。 具体的な問題解決には、専門家への相談が不可欠です。