看護師の残業代、本当に5000円で済む？法律と現実の狭間で悩むあなたへ

看護師として老人ホームで働いております。もともとオンコール手当はつかないと説明がありました。先日、私は仕事が終わって家に帰ったあとに、呼び出しがあり、人手が足りないから急搬に付き添って欲しいと言われました。（その日は平日です）職場までは車で15分くらいだったので、すぐに準備して向かい、付き添って病院まで行きました。結局20時前に家を出て、救急車などへの付き添い、病院側への説明などを終えて再度家に帰ってきたのは、24時過ぎでした。この間の時間外賃金はどうなるのかと後日尋ねたら、出せないので、ボランティアになると言われました。それはおかしくないかと思い、上の人へ相談したところ、手当はだすが、何時間かかろうが今回のような時間外は１回5,000円までの手当しか出せないと言われました。これは法律（労働基準法）的にどうなんでしょうか？労働通知・労働契約書には、以下のように書かれていました。所定外労働等：1 間所定外労働 有 → （業務を行った時間数により賃金発生）休日労働：有 → （業務を行った時間数により賃金発生）施設側の言い分としては恐らく、何時間だろうと手当を出しておけば法律的にも問題ないと思っているのだと思います。医療関係はブラックなところが多く手当も賃金も発生しないところもあるのは重々承知しています。ただ、単純に法律（労働基準法）的にどうなのかなと思い、質問させていただきました。

この質問は、多くの看護師、特に高齢者介護施設で働く方々が抱える深刻な問題を浮き彫りにしています。長時間労働、そして不当な残業代処理。今回は、この相談者の方のように、「時間外労働の適切な賃金支払いの基準」と「労働条件の改善方法」について、労働基準法に基づいて詳しく解説します。さらに、現状の不満や不安を抱える看護師の方々が、どのようにキャリアを考え、より良い職場環境を見つけることができるのか、具体的なステップを踏まえてご紹介します。

労働基準法と時間外労働

まず、重要なのは、労働基準法第37条です。これは、時間外労働には割増賃金を支払うことを義務付けています。具体的には、通常の労働時間（法定労働時間）を超えた労働に対して、25％以上の割増賃金を支払わなければなりません。さらに、深夜労働（22時～翌5時）の場合は、50％以上の割増賃金が加算されます。

相談者の方の場合、20時から24時までの4時間以上の時間外労働が発生しています。仮に時給を1500円と仮定すると、通常賃金は6000円ですが、25％の割増賃金を加えると7500円になります。施設側が提示した5000円は、明らかに労働基準法に反する可能性が高いです。

ポイント：労働時間と割増賃金の計算

• 通常の労働時間：1日の法定労働時間は原則8時間です。これを超えた時間が時間外労働となります。
• 割増賃金の計算：時間外労働時間 × 時給 × 割増率（25％または50％）
• 深夜労働の考慮：22時以降の労働は深夜労働となり、さらに高い割増率が適用されます。

労働契約書と現実の乖離

相談者の方の労働契約書には「業務を行った時間数により賃金発生」と記載されています。しかし、施設側は時間外労働の適切な賃金支払いを怠っています。これは、労働契約違反に当たる可能性があります。労働契約書は、労働条件を明確に定めた重要な文書です。契約書の内容と現実の労働条件に乖離がある場合、労働者は是正を求めることができます。

具体的な行動ステップ

では、相談者の方はどうすれば良いのでしょうか？以下のステップで対応することをお勧めします。

1. 証拠の収集：時間外労働の記録（勤務表、メール、メッセージなど）をすべて保存しましょう。これは、後々の交渉や訴訟において重要な証拠となります。
2. 再度交渉：労働基準監督署に相談する前に、まずは施設側に改めて時間外労働の適切な賃金支払いを求める交渉をしてみましょう。証拠を提示し、労働基準法に基づいた正当な要求であることを明確に伝えましょう。この際、冷静かつ丁寧に、法的根拠を明確に示すことが重要です。
3. 労働基準監督署への相談：交渉がうまくいかない場合は、労働基準監督署に相談しましょう。労働基準監督署は、労働に関する相談を受け付け、企業への指導や是正勧告を行います。相談は無料で、匿名でも可能です。
4. 弁護士への相談：労働基準監督署の指導でも解決しない場合は、弁護士に相談することを検討しましょう。弁護士は、労働問題に精通しており、法的措置（訴訟など）を検討することができます。

専門家からのアドバイス

多くの看護師は、時間外労働や不当な待遇に耐えることを強いられています。しかし、それは決して「当たり前」ではありません。労働基準法は、労働者の権利を守るための法律です。自分の権利を主張することは、決して悪いことではありません。

キャリアを考える

現状の職場に不満がある場合、転職も一つの選択肢です。より良い労働条件、働きやすい環境、そしてキャリアアップを目指せる職場を探すことが重要です。転職活動においては、以下の点を意識しましょう。

• 自分のキャリアプランを明確にする：将来どのようなキャリアを歩みたいのか、明確なビジョンを持つことが重要です。
• 求人情報の精査：労働時間、給与、福利厚生などをしっかり確認しましょう。労働条件が明確に記載されていない求人は避けるべきです。
• 面接での確認：面接では、労働時間や残業代、休暇取得の状況などについて、積極的に質問しましょう。

成功事例：転職で働き方を変えた看護師

私のクライアントであるAさん（30代女性）は、以前、過酷な労働環境で精神的に追い詰められていました。彼女は、wovieを通じて、残業が少ない、福利厚生が充実した老人ホームを見つけ、転職に成功しました。現在は、プライベートの時間もしっかり確保でき、仕事にもやりがいを感じているそうです。

まとめ

今回のケースは、時間外労働に対する適切な賃金支払いの重要性を改めて示しています。労働基準法を理解し、自分の権利を主張することは、より良い労働環境を実現するための第一歩です。もし、現状の職場に不満がある場合は、転職も視野に入れ、自分にとって最適な働き方を見つける努力をしましょう。wovieは、あなたのキャリアをサポートします。

行動チェックリスト

• □ 時間外労働の記録を保存したか
• □ 施設側と交渉したか
• □ 労働基準監督署に相談したか
• □ 弁護士に相談したか
• □ キャリアプランを明確にしたか
• □ 転職活動を開始したか