おじい様の「もしも」に備える：喪主のあなたが今からできることチェックリスト

この記事では、愛するおじい様の終末期に関するご相談を伺い、喪主として、そして「爺さんっ子」であるあなたが、今からできる準備について、具体的なチェックリスト形式で解説します。冠婚葬祭の準備は、多くの方にとって、いざ直面すると戸惑うものです。特に、ご家族の状況や価値観によって、その対応は大きく異なります。この記事を通じて、あなたの不安を和らげ、後悔のない選択をするためのお手伝いをさせていただきます。

お坊様に包むお金や最近の家族葬について、相談させてください。

長年、要介護認定5のお爺さんを看てきました。身体障がいは1級で寝たきりです。先日、冠婚葬祭のスタッフが、御年齢から、見送るときのプランについて話に来ました。少しの積立金についての説明もかねてです。

わたしのお爺さんは80才をこえています。寝たきりです。でも、そんなことを言われてもよくわかりません。お爺さんは、ずっと変わらないと思っています。

でも、母が「もしも、なんて、誰にも共通のことなのよ」と話します。

冠婚葬祭のスタッフは「家で見送るとたいへんだから、それはなしでこちらにすぐおくったほうがよい」「祭壇はコロナ前と同じ。一般的には派手にされます」「弔問もコロナ前と同じです」と言うのです。

けれど、母は疑問がちで「祭壇を派手にしてなんになるの?弔問だって、学友、同級生、みんな亡くなっているのよ」「弔問はお断りって、知らないだれかの例をとれば、新聞に小さくあったじゃない?」と？でいます。

また、お爺さんは長男ではなく何番目かで分家に出ました。だから、お墓はありません。そうすると、お坊様に包むお金は違ってきますか?

(お爺さんの上のお兄さんは赤ちゃんのときに病で亡くなっています)

家から送ることはダメですか？それと、このような時代、弔問のお断りはどうですか？また、お食事もなしでお持たせというのはどうですか？

みなさま、訪問をありがとうございます。わたしは、お爺さんが大好きな「爺さんっ子」だそうです。だから、爺さんとずっといっしょにいたいです。なのに、母がもしもの時のことばかり聞いてきます。それで、さっき「自分で聞けばいいじゃない！爺さん、元気なんだもん」と少しムッとしてしまいました。いまは、そういうことを想う準備もないのが、孫の心情です。すみません。

1. 現状の整理と意識の共有

まず、現状を整理し、ご家族で意識を共有することが大切です。おじい様の現在の健康状態、ご家族の価値観、そして経済的な状況を考慮しながら、具体的な準備を進めていきましょう。以下に、チェックリスト形式で具体的なステップを提示します。

2. 事前準備チェックリスト

以下は、喪主として、そして「爺さんっ子」であるあなたが、今からできる準備をまとめたチェックリストです。それぞれの項目について、ご家族で話し合い、具体的な計画を立てていきましょう。

• □ 医療・介護関連
• □ 終末期医療に関する意思確認: おじい様の終末期医療に関する希望（延命治療の希望、尊厳死の希望など）を確認し、記録しておきましょう。可能であれば、ご本人と話し合い、ご家族全員で共有することが重要です。
• □ 介護サービスの確認: 現在利用している介護サービスの内容を確認し、終末期に必要となるサービス（訪問看護、看取り介護など）について、ケアマネージャーや関係者と相談しておきましょう。
• □ 医療費・介護費の確認: 医療費や介護費の見通しを立て、必要な資金を確保しておきましょう。生命保険や介護保険の加入状況も確認し、必要に応じて見直しを行いましょう。
• □ 葬儀・埋葬関連
• □ 葬儀の形式・規模の検討: 家族葬、一般葬、または火葬のみなど、葬儀の形式を検討しましょう。ご家族の意向や、おじい様の生前の希望を考慮し、適切な形式を選びましょう。
• □ 葬儀社の選定: 複数の葬儀社から見積もりを取り、サービス内容や費用を比較検討しましょう。信頼できる葬儀社を選ぶことが重要です。
• □ 埋葬方法の決定: お墓の有無、永代供養、樹木葬など、埋葬方法を決定しましょう。ご家族の意向やおじい様の希望を考慮し、適切な方法を選びましょう。
• □ 宗教・宗派の確認: おじい様の信仰している宗教や宗派を確認し、葬儀の形式や儀式の内容を決定しましょう。菩提寺がある場合は、事前に相談しておきましょう。
• □ 弔問客への対応: 弔問客の規模や、弔問を辞退する場合の対応について、ご家族で話し合っておきましょう。
• □ 遺影写真の準備: 遺影写真となる写真を選び、準備しておきましょう。
• □ 財産・手続き関連
• □ 遺言書の確認: 遺言書の有無を確認し、内容を把握しておきましょう。遺言書がない場合は、相続についてご家族で話し合い、専門家（弁護士、税理士など）に相談することも検討しましょう。
• □ 相続財産の把握: 預貯金、不動産、有価証券など、相続財産を把握しておきましょう。
• □ 相続手続きの準備: 相続に必要な書類（戸籍謄本、住民票など）を事前に準備しておきましょう。
• □ 死亡後の手続き: 死亡届、年金の手続き、健康保険の手続きなど、死亡後に必要な手続きについて、事前に調べておきましょう。
• □ その他
• □ 生前整理: 身の回りの品を整理し、不要なものを処分しておきましょう。
• □ エンディングノートの作成: 自分の希望や情報を書き記したエンディングノートを作成しておきましょう。
• □ 家族とのコミュニケーション: 終末期や葬儀に関する希望を、ご家族と共有し、話し合っておきましょう。

3. 具体的なQ&A

ここからは、ご相談内容に基づき、具体的な疑問にお答えします。これらの情報が、あなたの不安を解消し、より良い準備を始めるための一助となることを願っています。

Q1: お坊様に包むお金は、お墓がない場合、変わってきますか？

はい、お坊様に包むお金は、お墓の有無によって変わってくる可能性があります。一般的に、お墓がない場合、納骨の費用がかからないため、その分、お布施の金額が調整されることがあります。しかし、金額は宗派や地域、お寺との関係性によって大きく異なるため、一概には言えません。

具体的な対応:

• 菩提寺への相談: まずは、お付き合いのあるお寺に相談し、具体的な金額について確認しましょう。
• 複数の寺院への相談: 複数の寺院に相談し、比較検討することも可能です。
• 家族での話し合い: 家族で話し合い、無理のない範囲で金額を決定しましょう。

Q2: 家から送ることはダメですか？

いいえ、家から送ることは「ダメ」ではありません。むしろ、故人との最後の時間を自宅で過ごすことは、故人にとっても、ご遺族にとっても、非常に意味のあることです。しかし、自宅での葬儀には、いくつかの課題も存在します。

メリット:

• 故人と過ごす時間: 故人とゆっくりと最後の時間を過ごすことができます。
• 費用: 葬儀場を借りる費用を抑えることができます。
• 心のケア: 慣れ親しんだ場所で、故人を偲ぶことができます。

デメリット:

• 準備の負担: 祭壇の設営、弔問客への対応など、ご遺族の負担が大きくなります。
• スペース: ある程度のスペースが必要となります。
• 近隣への配慮: 近隣への配慮が必要となります。

具体的な対応:

• 葬儀社との相談: 自宅での葬儀を希望する場合、葬儀社に相談し、サポート体制を確認しましょう。
• 家族の協力: 家族で協力し、準備を進めましょう。
• 近隣への配慮: 近隣住民への配慮を忘れずに行いましょう。

Q3: このような時代、弔問のお断りはどうですか？

弔問を断ることは、現代では珍しくありません。ご遺族の意向や、故人の生前の希望を尊重し、弔問を辞退することは、十分に理解される傾向にあります。

弔問を辞退する場合の対応:

• 親族への連絡: 親族には、事前に弔問を辞退する旨を伝え、理解を得ておきましょう。
• 訃報での告知: 訃報に、弔問を辞退する旨を明記しましょう。例：「誠に勝手ながら、ご香典、ご弔問は固く辞退させていただきます。」
• 弔問客への対応: 弔問に訪れた方には、丁重にお断りし、故人を偲ぶ気持ちに感謝の意を伝えましょう。
• 香典・供花: 香典や供花を辞退する場合も、その旨を明記しましょう。

弔問を辞退する際の注意点:

• 親族への配慮: 親族の中には、弔問を希望する方もいるかもしれません。事前に話し合い、理解を得ておきましょう。
• 故人の交友関係: 故人の交友関係を考慮し、弔問を辞退することによる影響を考慮しましょう。
• 代替案: 弔問を辞退する場合、故人を偲ぶための別の方法（お別れの会など）を検討することも可能です。

Q4: お食事もなしでお持たせというのはどうですか？

お食事なしでお持たせをするという選択肢も、現代では増えています。ご遺族の負担を軽減し、故人を偲ぶ時間を大切にしたいという思いから、このような形式が選ばれることもあります。

お食事なしでお持たせをする場合の対応:

• 事前告知: 訃報や案内状で、お食事の提供がない旨を明記しましょう。
• お持たせの内容: 故人の好きだったもの、感謝の気持ちを伝える品物など、心に残るものを選びましょう。
• 弔問客への対応: 弔問客には、お食事がないことについて、丁寧に説明し、理解を求めましょう。

お食事なしでお持たせをする際の注意点:

• 地域性: 地域によっては、お食事の提供が慣習となっている場合があります。事前に確認しておきましょう。
• 弔問客の状況: 高齢者や遠方から来られた方など、状況によっては、軽食やお茶などの提供を検討することも必要です。
• 感謝の気持ち: お持たせをする際には、故人を偲ぶ気持ちと、弔問してくれたことへの感謝の気持ちを込めて、お渡ししましょう。

4. 喪主としての心の準備

おじい様との別れは、あなたにとって非常に辛い経験となるでしょう。しかし、喪主として、ご家族を支え、故人を送り出すためには、心の準備も大切です。以下に、喪主としての心の準備について、いくつかのポイントを提示します。

• 感情の整理: 悲しみや喪失感は自然な感情です。無理に抑え込まず、自分の感情と向き合いましょう。
• 周囲のサポート: ご家族や親しい友人、専門家（カウンセラーなど）に相談し、サポートを受けましょう。
• 休息: 十分な休息を取り、心身ともに疲れを癒しましょう。
• 感謝の気持ち: おじい様との思い出を振り返り、感謝の気持ちを大切にしましょう。
• 前向きな気持ち: おじい様の遺志を継ぎ、前向きに生きていくことを心に誓いましょう。

喪主としての役割は、大変なものですが、あなたがおじい様を愛し、その最期を看取りたいという気持ちがあれば、必ず乗り越えることができます。ご自身の心と向き合い、ご家族と協力し、最善の選択をしてください。

5. まとめ

この記事では、おじい様の終末期に備えるための具体的なチェックリストと、ご相談内容に基づいたQ&Aを提供しました。喪主として、そして「爺さんっ子」であるあなたが、今からできる準備はたくさんあります。

• 現状の整理と意識の共有: ご家族で現状を共有し、終末期医療や葬儀に関する希望を話し合いましょう。
• 事前準備チェックリスト: 医療・介護、葬儀・埋葬、財産・手続きなど、様々な項目について、具体的な準備を進めましょう。
• 具体的なQ&A: お坊様へのお布施、自宅での葬儀、弔問の辞退、お食事なしのお持たせなど、具体的な疑問にお答えしました。
• 喪主としての心の準備: 感情の整理、周囲のサポート、休息、感謝の気持ち、前向きな気持ちを大切に、心の準備をしましょう。

あなたの愛するおじい様との大切な時間を守り、後悔のない選択をするために、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。そして、もしもあなたが、一人で抱えきれない悩みや不安を感じたら、いつでも専門家にご相談ください。あなたの心に寄り添い、最善のサポートを提供します。

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