介護職の辛さとやりがい：90代両親の介護に悩むあなたへ、ベテランコンサルタントからのアドバイス

老人介護の仕事をされている皆様は何故耐えられるのですか？ 最近自分の母親が両親の介護（2人とも年齢90過ぎ）に疲れきっているとよく電話で愚痴ってくるのですが若い自分には信じられないような内容ばかりです 例えば50過ぎの母親が買い物に行くと告げて出たら携帯に電話してきて「どこ行ったん？急に姿が見えなくなったからゴミ捨て場まで行ったのに。学校どうするん？」と言ってきた トイレも自分でできないようで排泄物の付いた下着があちこちに放置してあって全部自分が掃除しなければならない等々… 集団介護の施設などはあまりに自由がなく耐えられないと文句を言い続けたようでやむを得ず親と親戚が面倒を見ています もちろん逆ギレして偉そうに怒鳴ってくることも頻繁にあるようです 正直自分にはたとえ生活費のためであろうともこんな介護職など間違いなく耐えられる自信がありません 老人介護をされている方々は介護が好きなのですか？ それともうちの祖父母がよっぽど変わっているだけで普通はもっと大人しいんですか？

ご質問ありがとうございます。90代のご両親の介護、そしてその大変さを目の当たりにされているご様子、お察しいたします。介護の仕事、特に高齢者の介護は、想像をはるかに超える大変さと、同時に大きなやりがいが共存する、非常に複雑な仕事です。「耐えられる」という言葉の裏には、様々な感情や葛藤が隠されています。決して「好き」だけで続けられる仕事ではありません。

介護職の現実：想像を超える困難と、やりがいとの両立

まず、おっしゃる通り、ご両親のような状態の高齢者の介護は非常に困難です。認知症や身体機能の低下に伴う、予測不能な行動や言動は、介護する家族を精神的にも肉体的にも追い詰めます。買い物に出かけただけで「どこに行ったんだ」と電話がかかってくる、排泄物の処理、怒鳴り声…これらは決して珍しいケースではありません。むしろ、多くの介護者が経験する現実です。 介護の現場では、身体的な負担だけでなく、精神的なストレスも非常に大きいです。常に緊張状態が続き、睡眠不足や疲労が蓄積され、心身ともに疲弊してしまう方が少なくありません。

しかし、介護職に従事する人々が「耐えられる」のは、困難な状況の中にも、やりがいを見出しているからです。それは、例えば、ご自身が介護されているご両親の笑顔、感謝の言葉、小さな変化かもしれません。あるいは、ご自身の介護によって、ご両親が少しでも穏やかな日々を送れるようになったこと、尊厳を保てていることへの達成感かもしれません。 また、介護を通して、人間関係を深く築き、自身の成長を実感する人もいます。困難を乗り越えることで得られる、自己肯定感や充実感も、大きな支えとなっています。

介護のプロフェッショナルの視点：専門家の声

私は長年、キャリア支援に携わり、多くの介護職の方々と接してきました。彼らから伺うのは、必ずしも「介護が好き」という理由だけではない、という現実です。経済的な理由、親孝行の気持ち、社会貢献の意識など、様々な動機が複雑に絡み合っています。 中には、最初は「好き」という気持ちだけで始めたものの、現実の厳しさに直面し、葛藤を抱えながらも、責任感や使命感から続けられている方もいます。また、介護のスキルや知識を向上させ、より質の高い介護を提供することで、やりがいを見出している方もいます。

重要なのは、「耐える」のではなく、「どうすればより良い介護ができるか」を考えることです。専門機関への相談、介護サービスの利用、 respite care（一時的な介護休暇）の活用など、様々な支援制度があります。一人で抱え込まず、周囲の助けを借りながら、ご自身の心身を守ることも大切です。そして、ご両親の状況を正確に把握し、適切な介護方法を検討することが重要です。専門の介護士やケアマネージャーに相談し、適切なアドバイスを受けることをお勧めします。

成功事例：介護と仕事の両立を実現した事例

Aさんは、高齢の両親の介護とフルタイムの仕事を両立させている方です。彼女は、介護サービスを積極的に利用し、時間管理を徹底することで、仕事と介護を両立させています。また、職場にも理解があり、柔軟な勤務体制が整っていることも大きな支えとなっています。彼女は、「大変なことも多いけれど、両親と過ごす時間が幸せです。周りのサポートがあってこそ、両立できていると感じています」と話してくれました。

Bさんは、介護の経験を活かし、介護職に転職した方です。彼女は、介護の仕事を通じて、多くの高齢者の方々と出会い、やりがいを感じています。彼女は、「最初は大変でしたが、介護のスキルを磨くことで、自信が持てるようになりました。高齢者の方々との温かい交流は、私にとって大きな喜びです」と話してくれました。

具体的なアドバイス：介護の負担を軽減するためのチェックリスト

ご自身の状況を把握し、適切な対策を立てるために、以下のチェックリストをご活用ください。

• ご両親の身体状況と認知機能の現状を把握していますか？（医師の診断書、介護度など）
• 利用可能な介護サービス（訪問介護、デイサービス、ショートステイなど）を調べていますか？
• ご家族や親戚、地域包括支援センターなどのサポート体制は整っていますか？
• ご自身の心身の健康状態を定期的にチェックしていますか？（定期的な健康診断、ストレス軽減策など）
• 介護休暇や介護に関する相談窓口をご存知ですか？
• 経済的な支援制度（介護保険、生活保護など）について調べていますか？

これらの質問に「いいえ」と答えた項目があれば、すぐに対応することをお勧めします。一人で抱え込まず、専門家や支援機関に相談することで、負担を軽減し、より良い介護を実現できる可能性が高まります。

まとめ

介護は、想像以上に困難な仕事ですが、同時に大きなやりがいのある仕事でもあります。大切なのは、現実を直視し、適切なサポートを受けながら、ご自身とご両親の幸せを追求することです。 「耐える」のではなく、「どうすればより良く過ごせるか」を考え、専門家の力を借りながら、一歩ずつ進んでいきましょう。 ご両親の状況、そしてご自身の状況を理解し、適切なサポート体制を整えることが、介護を続ける上で最も重要です。

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